09/07/15 14:33:32 cpIIsajJ
高校の時、クラスでいじめにあってた俺だが、一人だけ普通に接してくれるヤツがいた。
殊更親切にするでもなく、憐れむでもなく、ごく普通に。
しかし、俺と接点があるというだけで彼もまたいじめの対象になりつつあった。
ある時、これ以上迷惑はかけられないから、もうほっといてくれと言ってみたが、
「人と普通に話すだけで迷惑なんて話があるか。周りの事を言ってるんだろうが、
俺は俺が正しいと信じたもののみに従う」と言ってきかない。
思わぬ嬉しい言葉だったが、それだけに余計巻き込みたくなかった。
俺が我慢すれば済むから、仕方ないんだと言うと、
「何が仕方ないだ。そんな事あるか。誰の言葉か忘れたが、命を大事にしすぎて人生を
粗末にする事ってあるんだよ。今のお前みたいに。無事なら何でもいい訳じゃない。
時には、例え死んでも立ち向かわないといけない事があるんじゃないか」
この言葉を聞いて衝撃を受けた。恥ずかしながら、この時はじめて「何とかしないと」と思った。
「今、お前を取り巻く状況の直接の原因はお前にはない。だからお前は悪くない。
しかし、お前が立たねばまた意味もない。立ち向かうなら、及ばずとも力を貸す」
この辺で俺は泣いていた。どうしてそこまでしてくれるのかと。
「俺が正しいと信じたからだ」
ようやく決意した俺は、ヤツを巻き込みつつ(むしろ巻き込まれたか)教室で小競り合いを
した後、なし崩しにいじめはなくなった。
ヤツが俺に言ってくれた言葉は、どれも決して忘れられない。
卒業後、改めてヤツにどうして助けてくれたのか尋ねたら、ヤツの兄貴は
いじめを苦に自殺していたからだった。