08/10/31 22:38:49 jMHjNXVO
>>23
依頼は2つ。
一つ目。依頼人は女優志望だった若かりし頃ひょんなことからハワイアンのバンドマンと知り合い電話番号を渡される。
ナンパだ無視しろという友人の忠告を気にかけつつも、誠実そうで惹かれるところがあり電話をしてしまう。
その後彼のライブに友人と足を運びその内サシで会うようになりと親密さを深め家に招かれる。
そこで彼の姉が有名演歌歌手の花村菊江であることを知る。
有名歌手の弟と、女優の卵の自分では住む世界が違う、せめて女優になってからと依頼人は一方的に彼と距離を置くことを決める。
努力の末デビューにこぎつけた依頼人だが女優としての壁にぶちあたり引退、尋ね人とは別の人と結婚。
子供にも恵まれるがわずか数年で離婚し、夜の世界で生活費を稼いで子供を育ててきた。
自分の店を持てるまでになり、子供も成人し人生に一段落ついたところで
心に浮かぶのはプラトニックな付き合いのまま離れた初恋のバンドマン。
二十数年の時を経てもう一度逢いたい、という依頼。
「今さら逢ってもガッカリするだけかも」という否定派の意見も押し切って依頼成立。
が、スタジオには花村菊江が遺影を持ってやってきた。
7年前に心筋梗塞で亡くなったとのこと(享年56歳)。
バンドマンはやめて調理師の免許をとってつつましく暮らしていたそうな。
軽いナンパで覚えてもいないこと可能性も危惧されてたが、
花村曰く弟が家に人を連れてくるのは珍しいことできっと大切に思っていたのだろうと。
泣き出した依頼人に花村が遺影を抱かせて、墓参りを快諾したところで終了。