09/03/19 19:26:05 KsyscOZ6
「フィービー・・・」
僕は彼女の名前をそっとつぶやいてみた。しかし、口に出してみると何かニュアンスが違う。オーケー、認めよう。
僕は一夜を共にした相手のことなどいちいち覚えていない。
メラニーだろうが、キャサリンだろうが、ジェシカだろうが知ったことではない。
やれやれ、これがフレッシュネスバーガー的シティライフというものだ。
ただ、彼女はどこか風変わりな雰囲気を放っていた。
あどけなく幼い顔をしていたのに、チェリーではなかったのだ。そして桜の花のような甘く優しいコロンを身につけていた。
僕はコートに付着したコロンの匂いに自分の鼻を押しつけた後、食べかけのチェリーパイを投げ捨てた。