08/10/06 12:15:29 2WtXngXR
【編み物の将来の話 2】
広瀬先生は、編み物をセレブの優雅な嗜みとしてプレゼンしたように思います。
事実、先生がお召しになっている作品は、まさしくオートクチュールの世界。
材料費だけで7万すれば、私が編んでも総額35万円ですが、広瀬先生に依頼すれば50万越えでしょう。
しかも技巧に富んだ、マニアックな作品が多いです。
歌でいえば、かつての編み物が誰でも楽しめる童謡なら、
広瀬先生のは高音ばかり(材料費)の転調ばかり(技巧)のコムロ作品といったところでしょうか。
また、広瀬先生はニット界では氷川きよしのような人気があります。
スリムでソフトで中性的な容貌と、やさしい声と話し方、超絶技巧の本格派でありながら教え上手という先生で、
先生の講習会はチケットの入手が困難なほどです。
広瀬先生の登場は、革命といっていいと思います。
だからといって業界の将来に希望が持てるかと問われれば、広瀬先生の後に続くカリスマはいない、という現況です。
ただ、広瀬先生も裾野を広げんがためでしょうか、誰でも編める指編みなども教えるようになりました。
また、昨今はニットカフェも登場しています。
ニットカフェというのは、編み物を持参して自由に編むというカフェです。
そこでは超絶初心者も上級者も、楽しくおしゃべりしながら仲良く編み物をしています。
このスタイルの利点は、上級者が何人も出入りしているため、教え上手が何人もいるということ、
講習会で習うと定価販売の材料も買わされるけれど、カフェではバーゲン品を持参してよいこと、の二点が筆頭でしょう。
だから決して編み物の将来は暗くはないと、私は思っています。
かつてアイドルだった三浦友和が、「編み物のできる女の子っていいよね」と言うCMがありましたが、
今また人気のあるタレントたちが、手編みのセーターを着て自慢してくれると尚いいのに…。