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地震関係でもう一つ。
阪神大震災のとき、全国ネットの番組では、地震のメガニズムや
津波の脅威や、液状化現象のメカニズムなど紹介したり、
芸能人に地震の揺れを試してもらう実験をしたり、そんなことばかり放送していた。
そのとき俺は近畿圏に住んでて阪神大震災を体験し、震度5ほどの地震を
体験したわけだが、あれ以来、朝に少しでも揺れるとビクっと目が覚めるほどの
トラウマになっている。だから、地震の検証番組なんかを見ると怖くて見るのが嫌になった。
そんなある日、ある地方局のドキュメントで被災地の実状を紹介していた。
その中で、ある人がテレビが怖くて見れなくなった、ということを話していた。
テレビをつけたら、毎日のように地震を思い出させることしかやらないから怖くなった。
もっと知りたいことがあるのに、知りたい情報はラジオからしか流れてこない。
そんな現状を聞いたとき、本当にテレビが残酷なことをやっていると思った。
また、実際の状況は、全国ネットで放送されているような状況ではなかった。
仮設住宅が完全に撤去されたのも、本当に、つい最近のことなのに、
全国ネットでは、あたかも、完全に復興されたように報道されていた。
関西圏に住んでいた自分でさえ、そのような状況を知らないくらい、
メディアは実状を報道していなかったことに、驚くしかなかった。
そして、最も驚いたのは近畿地方以外の人間に与えた影響だった。
東京に引っ越してから、間もなく、東京で知り合った知人同士での飲み会があったんだが、
そのときに、阪神大震災の話になって、ある一人が
「東京にも地震が来てくれないかなぁ。そうすれば、会社も学校に休みになるのに」と
信じられないことを口にした。さすがに不謹慎だろと思っていたのだが、続けて他の皆も、
「阪神大震災も、欠陥建築が原因なだけでしょ?」や「仮設住宅って住みやすそうだよね」とか、
「もう、復興も終わったんでしょ?」など信じられない言葉ばかり出てきた。
そのとき、唯一阪神大震災を体験した自分だけ、すごく悲しいものを感じていた。
恐らく、地震だけでなく、他の事件でもこのような湾曲した認識を作り出してしまう原因が、
報道にある、と思うと、報道ってのは、本当に誰のためにあるものなんだ?と疑問視してしまう。