08/07/14 18:05:42 MlEebuLD
10年以上前、俺がまだ学生だった頃の話
その学校の1号館は奇妙な形をしていた
テトラポットのように三方向に廊下が伸びており、教室がその両側に並んでいた
中央部は踊り場のような広間と階段、そして中心にはらせん状のスロープがあり
それは屋上の鉄塔まで続いていた
聞いた話では、夜中に屋上からスロープを伝って「入ってくる」らしい
で、それを鎮めるためのモノがスロープの行き止まり、つまり1Fのスロープの
どん突きに置いてあるのだそうだ
当時の俺は三年だったが、一年の頃はいつもその校舎で授業を受けており
スロープもよく通っていたが、そんなモノがあるとは気が付かなかったし
別に気にも留めていなかった
ある日、なんとなくその話を思い出して久しぶりに1号館に行ってみた
一階正面から入り、改めてスロープの突き当たりを見ると、妙な空間がある
その部分を囲むように壁が飛び出しており、コの字型になった突き当たりには
照明の光が入らないのだ
おそるおそる覗き込むと、人間の身長ほどもある真っ黒い壺が一つ置いてある
なるほど、こんな薄暗い所に真っ黒い壺が置いてあったんじゃ気が付かない訳だ
おおかた倉庫代わりに放置されてるんだろう、こんな大きな壺、邪魔なだけだし
納得して引き返そうとした時にふと思った、おかしい、何かおかしい