08/05/30 01:10:03 2rcLv5Mb
動くはずが無い人形がドアの外に立っている。
そう思うと俺は全身鳥肌が立った。
とにかく恐かった。寝袋を頭から被った。
しばらくして動悸が治まった俺は冷静に考えてみた。
「人形が歩くわけが無い。さっきの寝顔だって気のせいかもしれない。ちょっと
しか見てないじゃないか」
おそるおそる寝袋からそっと顔を出してドアの隙間を見た。
何も見えない。
立ち上がってドアの側に行く。
音もしない。電灯を点けた。灯りが点ると気が落ち着いた。
そっとドアを開けて廊下に出てみた。何もない。
廊下の電灯をつけて漸く気が持ち直したので、和室を廊下側から
そっと覗いて見ると、ダッチワイフの彼女は当たり前だが仰向けになって
寝ていた。
「ほれごらん、やっぱり気のせいだったんだ」
彼女はしっかり目を開けていつもの表情で横たわっていた。