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工場の組み立てや一般事務と違って、警備職は高度な知識と経験に基づく専門職だ。
だから、難しい検定に合格することが求められる。
しかし、検定に合格することは通過点に過ぎず、警備員の目指すべき目標はもっと遠くにある。
それは登山家がロープとピッケルを使って、数千メートルの岩壁を登攀してゆく、困難な作業に似ている。
「なぜ山に登るのか？」と問われれば、登山家は答える。「そこに山があるからだ」と。
「なぜ警備をするのか？」と問われれば、警備員は答えるだろう。「そこに施設があるからだ」と。
警備員の目標は高山霊峰の如く峻厳にして根源的なものである。