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「オフィスに椅子が無い・・・」「早く歩かないと警報が鳴る・・・」恐怖のキヤノン工場
スレリンク(news板)
先日,キヤノン電子の酒巻久社長に,桜が満開となっていた同社の秩父工場を案内していただいた。
酒巻社長は『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』(祥伝社)の著者であり,職場から「いす」を
なくすという大胆な改革を実行した人である。秩父工場内には,応接室など一部を除き,会議室にも,
開発部門や管理部門のオフィスにもいすがない。
『椅子と~』によると,会議室からいすを撤去したことで会議への集中力が高まり,年間の会議時間が
半減した。またオフィスでも,立つことで社員同士のコミュニケーションが密になり,問題解決の精度や
スピードが劇的に改善したという。いす代も不要になり,いすをなくした分スペースが節約されるなど
「いすをなくすことのメリットは計り知れない」(酒巻社長)。
酒巻社長の説明を聞きながら工場内を歩いていくと,突然,警報(のような音)が鳴り回転灯が光った。
足元を見ると,廊下に青く塗られたゾーンがあり,「5m 3.6秒」と書いてある(写真4)。この5メートルの
ゾーンの両端にはセンサーが設置してあり,3.6秒以内で通過しないと警報が鳴るのだ。
「広い工場なので,移動に費やす時間がバカにならない。社員に歩くスピードを体得してもらうための
仕掛け」(酒巻社長)だという。
秩父工場を見学し,本当にいすのないオフィスを目の当たりにして,改めて“改革の達人”と呼ばれる
酒巻社長の実行力に感銘を受けた。いすをなくすことに代表される酒巻社長のさまざまな改革により,
キヤノン電子の業績は,いすをなくした2000年から2007年の8年間で,経常利益率が9.7ポイント
改善した。さすがに2008年以降は世界的な経済危機の影響を受けたが,4月22日に発表した
2009年第1四半期(1~3月)決算を見ると,売上高が前年同期比で39.1%減少したにもかかわらず,
黒字を確保した収益体質は評価に値するだろう。
URLリンク(itpro.nikkeibp.co.jp)
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