09/03/04 23:15:36 +hdD5UyF0
それに呼応しているのが一般から噴出した「人質自己責任論」である。
ぼくは、こうした反応が普遍的なものなのか日本に特有なものなのか
しばらく疑問だったが、韓国の東亜日報やフランスのル・モンド、
アメリカのニューヨーク・タイムスなど海外の反応を見ると、
やはりかなりの程度、日本独特のものであるらしい。
▼
「人質になった者は、危険を承知で紛争地帯に入ったのだから、ひどい目に
遭っても自業自得だ」
「ボランティアだ人助けだとか言って、人様に迷惑をかけてしまってどう
するんだ」
「一個人の独善で突っ走って、国政や国際関係を揺るがしかねないような
問題を引き起こしていいのか。無責任だ」
こうした「自己責任論」については、ぼくが読む限り松沢呉一の議論が最も
明快だった。
一部引用すると、
「寝タバコでの火災は誰のせいでもなく自分のせいですが、それでも消防隊
は消化活動をしなければなりません。(…)夫婦喧嘩で肋骨を折ったら、
誰のせいでもなく夫婦のせいですが、それでも救急車は病院まで運ばな
ければなりません。それぞれ自分の行為によって生じ、その責任は自分で
とらなければならないにもかかわらず、救済される権利があります。その
ための税金ですから。そのことをわかっていない人たちが「自己決定・自己
責任」「自業自得」などと言っているのではないですか。したがって、
政府が自衛隊を派兵したことによって彼ら3人が拘束される要因を作り
出したにせよ、拘束されたことの責任を直接には政府がとる必要はない
でしょう。その責任がないだけのことで、彼らを救うために尽力する責任
はあります。それをやらなかった時には当然非難されるべきです。
「あれは夫婦喧嘩で大怪我したんだから自業自得」として救急車が放置
して死んじゃったら、死んでしまったことにつき、救急隊が責任を
とらなければならないのと同じです。」
URLリンク(www1.odn.ne.jp)