09/07/01 16:44:01
僕は現在アニメーション映画監督を仕事にしていますが、
デビューが個人制作だったからか(「ほしのこえ」という作品です)、
今でも
「アニメーションを作りたいのですがどうすれば良いのですか?」という
質問メールを良くもらいます。
そのたびにいつもすこし不思議に思うのです。
アニメの作り方なんてネットでも本屋でも感単に見つかるはずだし、
パソコンは皆持っているのだろうし、
後はただ作りたいものを好きなように
作ればいいんじゃないか、と。
作りたいものが見つからないのならば
作らなければいいし(他にも楽しいことはたくさんあるでしょう)、
作りたいものがあるのならば紙にでも
パソコンにでも向かって絵を描き始めればいい。
だから誰かにそういう質問をされるたび、
正直に言えばすこしイライラしつつ
「作りたいように作ればいいと思いますよ」と答えるのです。
しかし一般的には、プロとして現場に入って
戦力になるにはそれではダメだ、
ということになっているのかもしれません。
アニメーターになるには
動画や原画を何年も学ばなければいけないし、
背景美術を描くにはデッサンとか
パースとかをやらなければいけない。
演出もCGも撮影も、
それを仕事とするにはそのための知識と技術が要る。
考えてみれば僕自身の現場に入ってくれる人たちも、
ほとんど全員がそういう技術を持った人たちです。
それでも、と僕は思います。