08/01/18 02:26:43
その部分をテキスト化してるブログを見つけた。
みんなの違和感は、アマゾンのレビューが肝心な部分をなぜか省略してるからじゃなかろか。
URLリンク(newav.exblog.jp)
力作「テヅカ・イズ・デッド」の伊藤剛の新作が出ていた。オタク・萌え系からあずまきよひこ/富沢ひとし/
古谷実/高野文子/諸星大二郎その他まで。実は密かに着々と漫画批評の分野も調査している。序文にいいこと
が書いてあった。まるでヌーヴェルヴァーグが誕生したかのよう!
『さらに、作品の解釈や鑑賞など、印象批評を超えるための方法としての理論化と、技法論を切り結ぶという意
味で、マンガで物語るとは「世界の把握」のひとつの方法であるという考え方にいたった。マンガについて考え
ることが「知」なのではない。マンガそのものが「知」なのである。
(……)ただ、とくにマンガを描こうという学生諸君には、マンガを読み、描こうとする、何よりもマンガを愛
している自分をけっして卑下しないようにと教える。先行する世代のマンガ家やマンガ読者たちで、本当はマン
ガを愛しており、誇りを持っているにも関わらず、マンガやマンガを愛する自分を卑下したり、逆に尊大になっ
たりする人を何人も見てきたためだ。自分や自分の愛するものをことさらに貶めるのは、自分自身をいじめてい
ることでしかない。だから私は、どうかあなた自身をいじめないでくれ、と願うのである。私にとって、「語り」
から「論」へのシフトとは、シニシズムの誘惑をしりぞけ、こうした「願い」に収斂するものとしてあったのだ。』
(序 「語り」から「論」へ 「テヅカ・イズ・デッド」ができるまで)
藤井仁子氏が信用できるのもそういうことだが、批評家には野心=愛がないといけねえ。
「先行する世代が~」の一文が入ると、ぜんぜん印象が変わる。