08/11/17 15:02:02 KcIwen5o
>>793
> なんか、この病気ってまだ原因と思われる
> 全部が、まだただの仮説でしかないって聞いたんだけど?
> あくまで自己申告制でしかないって。 本当ですか?
概ね本当です。
かつては後天説が有力で、幼少期のトラウマや、過度に厳格な父親の存在、
あるいは育てられ方によって発症すると考えられていましたが、フロイト系の
学説も、マネー(男子の双子の片方が割礼の失敗でペニスを失ったので、性転
換手術(と当時は言った)を幼児に施し女の子として女性の性自認で育てる事
に成功したことから、性自認は後天的だと主張したが、後の追跡調査で、その
子は、男性の性自認を持っていて後に男性へのSRSを受けたことがわかり、
後天説の証拠としての価値が失われた.『性の署名』『ブレンダと呼ばれた少年』
等参照)説も否定されています。現在では、先天説ないしは、せいぜい1歳半位
までに性自認は決定されるという早期決定後天説が有力です。
現に、MtFGIDの死者の脳の特定部位の形状が、通常男性のそれより通常女性
のそれに近いことは報告されています。またMRIによる、ホルモン投与前後での
脳の特定部位の形状・大きさの変化等も確認されています。ただし、それが直ちに
脳の特定部位の異常が病因だと結論付けるほどには、医学界で承認されていないよ
うです。(有力な傍証であるにとどまる。)
その(原因を直接確認できない)ため、おっしゃるとおり、現在のところGIDの
判定は、本人の訴えや生活歴、リアルライフ・エクスペリエンス(希望の性で実際
に生活できるか)やホルモン治療に対する心理的反応(もし、虚偽の訴えや間違っ
た思い込みであれば、大半はこれらに対して嫌悪感を示す)を頼りに判定していま
す。(いってみれば、一般の風邪をウイルスの特定ではなく咳や鼻水などの症状で、
統合失調症をドーパミンの分泌量ではなくその言動で診断しているようなものです)
ただ、風邪や統合失調症は、現実の診断にはほとんど用いえないとはいえ、原因が
ほぼ特定されているのに対し、GIDはそれには程遠いのが現状です。鬱病に対す
るセロトニン仮説などがその中間に位置する例だと理解していただいて、それほど
的外れではないと思われます。)