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サニンを止める、すなわち殺しに行くというラムカ。
龍たちの言葉を聞いたカナンは、殺し合いをさせてはいけないと一計を案じ、
ラムカを冷たい水の湧く泉に突き落として冬眠状態にする。
そして、自分がサニンの元に向かう。
王宮に向かおうとしたカナンの前に龍穴が現れ、カナンは一瞬にして王宮に
引き寄せられる。
待ち受けていたサニンに、おびえながらももうやめてほしいと訴えるカナン。
「今は人間にしか効かないが、そのうち獣たちも死に絶える。
地上で息をするのは僕たち二人だけだ、すがすがしいな実に」
サニンはそう言って狂気に満ちた笑みを浮かべた。
サニンにはカナンが一番救いたい相手がラムカであると判っていた。
そしてカナンが、自ら死を選ぶ気でいることも。
そんなことはさせない、と自分の指を噛んで、血を飲めとカナンに迫ってくる。
再び操り人形にする気なのだ。
逃げ出すカナンだが、サニンに支配された空間に逃げ場はない。
追いつめられたのは、サニンが幽閉されていた地下だった。
鈴をとりだすカナンだが、生身のサニンには効かず、鈴は燃やされてしまう。
舌をかもうとしたカナンに呪縛をかけ、サニンは彼女を組み敷く。
「僕の目の前で舌を噛み切って死んだら、僕は奴を殺す!」
そう脅されて、カナンは「…もう逃げません、サニン様のお世話係に戻ります」と
サニンにラムカの助命を乞う。
サニンはカナンに口づけると、「証を示せ」と命じた。
衣服をはぎ取られ、呆然と横たわるカナンに、サニンは聞く。
「答えろ、お前の名は」
「カナン」として過ごした様々な思い出が脳裏を駆け巡る。
しかし、カナンは「カナン」であることを放棄した。
「私の名前は…ユ… ユス です…」