10/02/25 23:09:12 0
朝が来れば関を抜ける。
隠れて時を待つ恒河シャは、禎厚と百合子のことを考えていた。
彼ら二人は、かつての自分とキクロのよう。
しかし彼らと自分達は同じ想いを持つようでいて違う。
互いを助けたいと想い合う二人。
キクロを助けられなかった自分。
同じはずなのに、禎厚に全く共感できない恒河シャ。
あんたらの不幸を望むわけじゃない。
けれど、失って嘆き悲しむ姿を見れば安心するんじゃないだろうか。
俺だけが無力でも、汚くもないと。
昏い想いに囚われていく恒河シャ。
彼の左目に宿る何かが動き出そうとしていた。
続く。