09/12/22 21:32:15 0
柴田は夏目にやっぱり嘘つきだと言い、立ち去る。
お風呂でどんよりしながらも、やれることをやろうと夏目は気合を入れる。
人に姿を見せるには、弱い妖は三日は力はためないと無理だとのニャンコ先生の話に、
その間に柴田に村崎に会わないよう説得しようと思う夏目だが、避けられてしまう。
公園にニャンコ先生と向かった夏目は村崎に出会う。
人ではないことを柴田に話したので、もう来ないからあきらめろと言うも、
信じてもらえなかったから来たのだろうと、嘘だと見抜かれる。
夏目を咬む村崎に、ニャンコ先生が元の姿になり食べようとするが夏目に止められる。
村崎は逃げるが力が弱く森へ落ちる。朽ち果てる寸前の山藤の側で意識を戻し、
夏目がかけてあげていたマフラーを投げる。
生気のないこの樹が村崎の正体で、思ったとおり人を襲い力を得ようとしていた。
「ふふ。いいカモが来たものだ。けれど疲れて食いつく力もなく…三日後また来いと言ってやった。
三日後、馬鹿なその人間はまんまとやってきた。けれどやってきたあいつは
表情がころころとしかもとてもおしゃべりでまったく食いつくひまがない。
―だからまた会おうって…いつまでも何度会っても楽しくてちっとも食べるひまがないの」
昨日の夜、公園に真っ青な顔をした柴田が現れ自分を呼んだが、力がなく、
手だけしか形をとれない村崎は植え込みから手を出し、柴田と丘を散歩する約束をする。
村崎の冷たい手をとった柴田は、ギュッとその手を握り締める。