09/10/19 12:08:17 0
中学生時代。聖は親とのモメ事で家出しようとしていた。
荷物を持って夜更けに出ていこうとする聖に、沙己は敷地内の離れに案内する。
外の世界は聖に用意された世界じゃない、早送りで世の中を見てきて
後悔している部分があると話す沙己は、身の丈に合った生き方をしろと薦める。
「…それでもどうしても家出したいってなら自分もついていきますよ。
お嬢のいるところが自分のいるところなんで。どこへでも」
「あんたねぇ…そんなことばっかり言ってると結婚どころか彼女だってできないわよっ」
「そこんトコロは心配ないです」
「なんでよっ」
「…お嬢がもらってくれるでしょう?」
聖は「変態野郎!!!」と思い切りどつき、その後も悪態をつづけるが、
にこにことこちらを見る沙己に、怒っていながらも少し照れている表情を浮かべる。
そして今。サクヤの元へ家出した聖を沙己は迎えにきたが聖は会おうともしない。
サクヤにお嬢をよろしくと頼み沙己は帰ってしまう。その後ろ姿を窓辺からそっと見る聖。
聖は、沙己に好かれていたと思っていたが、本気で好きなわけないと話す会話を昔聞いてしまっていた。
向こうの嘘を勘違いした時もあったとサクヤに語り、聖は怒りまくる。
(それでもかなしかったのだ たまらなく だからもう絶対流されない
どんな調子のいいこと言ってきたって知るか 聞き流すって決めて
今に至る…なのにこのザマ?なんだかな…)
外に出て階段に座っている聖にサクヤは寄り添う。
「結局…好きなのかしらねぇ……一ミリぐらいは」
次号につづく