09/05/13 18:40:08 O
あの事件から、幾ばくの時が過ぎ、天界は後始末に追われていた。
李塔天の企みは竜王敖潤の告発により暴かれた。
金蝉らの無実は証明されたが、斉天大聖の行った大量虐殺という事実までは拭えない。
結局、金蝉達三人の遺体は発見されず、
彼らは遺体としてすら、天界軍の手に落ちなかった。
そう--彼らは確かに天界からの脱却という本懐を遂げたのだ。
しかし一人残された『斉天大聖』 --- 悟空は、そこにいた。
下界の次空ゲートの前…、金蝉と死別したのであろう、その場を動かぬまま。
天界での数日が、下界ではどれほどの月日に相当するのか、
その日々をただ石のようにうずくまって。
観世音菩薩はそんな彼に声をかけ、飛びかかっってくる悟空を抱きしめると、
亡くなった三人に代わり言葉を紡ぐ。
『お前に出逢えて良かった』と。
その言葉に、ただ号泣する悟空。