09/06/24 20:48:29 O
新山美兎が消えてから数日、学校では環達から実虎との記憶が少しずつ消えつつあった。
今では友達だったことさえ忘れられている。
帰り道、実虎は相変わらず影から護衛を続けていた鴻島を呼び出し、その話をすると
環達がなくしたのは実虎ではなく、新山の記憶の方だと言われる。
彼女が消えたことで、彼女に関わる全ての記憶が補正され、実虎との記憶は
それに巻き込まれたのだ。
鴻島が覚えていられるのは、能力者が他の能力者の記憶をなくすことはないからだった。
死ねば、その瞬間から存在自体がなかったことになる、それが存在せざるもの、
この次元の異物、能力者というものなのだ。
環と違い、実虎が覚えているのは、ヴァイドラル手稿のページと同調したままだから。
鴻島は自分の目の秘密を明かし、この目があればヴァイドラル手稿を見つけられると、
いま実虎が持っていることも指摘する。
そして彼の家でもある会社にも一人、これと同じ目を持つ奴がいることを告げ、
実虎が周囲を欺いているつもりで、実は逆だったのでは?とほのめかす。