09/05/22 19:46:52 0
夏目は、道端でカラスの集団に襲われている子猫を助ける。
子猫と思ったそれは、毛玉のような見た目で手の平サイズの小さな妖だった。
慌てて逃げて家に帰るが、毛玉妖もニャンコ先生にくっついて家に来てしまう。
最初は、警戒心からか凶暴化して、暴れまくっていた毛玉妖だったが、
夏目が優しく接するうちに落ち着きを取り戻す。
夏目は、ヒノエが先生用にくれた薬の残りを塗って介抱する。
翌朝会った場所で毛玉妖を放してやると、
妖はちょっと懐いたような仕草をしつつ去っていった。
学校の帰り道に、毛玉妖が今度は何匹にも増えて群れているのを見る。
家に帰ると、夏目の部屋が荒らされていた、
前の日に名前を返した妖が、その時に落とした指輪を探しにきたのだった。
大切なものだったらしく、藤原家一帯を焼き払ってでも探す、
指輪は燃えないから探しやすくなる、と物騒なことをその妖は言う。
部屋をどんなに探しても見つからず、
きっと毛玉が暴れた時に毛に絡んで持っていかれてしまったのでは、という結論に。
どこに行けば毛玉に会えるのか分からないので、手当たり次第に探す夏目。
しかも、毛玉は何匹も居るみたいなので見つけるのは大変そう。
中級からは、家一帯を焼かれてしまったら八ツ原で一緒に、
おもしろおかしく暮らせばいい、と誘われるが、今の生活が大切と夏目は言う。
中級たちは、それなら、藤原家の辺りに住む友人も居るし、
何より面白そうだから手伝う、と言い、協力してくれることに。
中級たちは毛玉を探すなかヒノエに会い、似顔絵を見せる。
ヒノエは毛玉に見覚えがあった。
それは「カル」といい、集団で渡り鳥のように移動する習性があり、
とても食い意地がはっていて、各地の妖を食い荒らしているという。
その頃、夏目は毛玉に出会ってしまっていた。毛玉の大群が夏目の背後に…
(次号につづく)