【メイちゃんの執事】宮城理子2【ラブモン】at GCOMIC
【メイちゃんの執事】宮城理子2【ラブモン】 - 暇つぶし2ch10:音羽
09/02/09 16:54:38 0
始めまして。
無駄に長くなっちゃったんですが
「メイ×理人」の舞踏会に向かう前を
少しだけ甘めにしてみました。

タイトルは「Pre-Debutante」
社交界デビューする前の年頃のお嬢様って意味ですが、
恋が始まる前って意味にもかけたくてつけました。

小説で原作見た時
あまりに綺麗な場面だったのでちょっと妄想して書いてみました。
全然萌えないかも。。初めてなので許してください。
もっとエロくしたかったんですけど思い出せず。
評判よければ続編書いてみますので宜しくお願いします。

11:音羽
09/02/09 16:55:23 0

今日はパーティをおふざけで皆でやろうと誘われた。
皆は3回目、私は始めてだけど面白そうなので受けた。
おふざけなんでプレデビュタントと
執事達はいつからかそう呼び始めた。

まだまだ淑女って感じじゃないけど
おふざけって言ってもフルコースが出たり、
ダンスをしたり本格的なものでびっくり。
ダンスやテーブルマナーを数日前からみっちり練習してた。

「予行練習だと思って今日は楽しくお過ごしくださいませ。メイ様。」って
のんきに理人は言うけど、
もう朝から身のこなし方も気になるし、
もう皆張り切っちゃってお目当てはティアラとステラ5つ。
上手に踊れたペアに貰えるらしい。
無理だろうな。。自信ないもん。

12:音羽
09/02/09 16:56:11 0

「メイ様、早く急ぎませんと遅れてしまいますよ。
練習ももう少ししないといけません。」
急かす理人を尻目に、身だしなみに余念がないメイ。

「こんなにお時間をかけるとは非常に珍しい事ですね。
天候が変わらなきゃいいですが。。」
「うるさいな。もう少しで終わるから待っててよ。」
「かしこまりました。」

普段はショートカットだが今日は長めのエクステをし、
それが慣れない様で何度も鏡に向かい、指で髪の微妙な乱れを
気にしている。
衣装をそろえて練習するというのが初めてだったので
いつもと違う自分に胸を躍らせていた。

13:音羽
09/02/09 16:57:01 0

鏡に向かって
「今日は誰よりも上手に踊って、理人さんに褒めてもらいたい」と
呪文をかける様に眺めている。

「ねえ、この色似合わなくない?背中が凄く出てて恥ずかしい。」
「いいえ。とってもお似合いですよ。見違えるほど美しいです。」
後ろに立っていた理人は鏡に映るメイの視線にゆっくりと甘く語りかけた。

黒の背中の大きく開いたドレス、キラキラとした素材で
それが光に映し出されると綺麗な輝きを帯びていた。
本当のデビュタントだと白くゆったりしたドレスを着るみたい。

理人もジャケットのないいつもと違って、
燕尾服を身につけ、その見慣れない雰囲気に少しだけ
頬が高潮するような感覚を覚えた。


14:花と名無しさん
09/02/09 16:57:37 O
続き待ってま-す

15:音羽
09/02/09 16:57:43 0

「踊りの練習を少しだけしておきませんか?」と
その様子を眺めていた理人が不安げに声をかける。
「何度も練習してきたんだから大丈夫。」
「しかしヒールに慣れていらっしゃらないご様子ですし。。」
「分かったわよ。」

座っていたドレッサーの椅子から勢いよく立ち上がるも、
慣れないヒールのせいか、身体が揺らめき転びそうになり、
それを見ていた理人がスマートで優しく抱え助けてくれた。
息が掛かるほどそばにメイと理人の距離が近くなり、
メイが目をそらして姿勢を直そうとした時、
すっと頬にやわらかな感触がありすぐにそれが消えた。

「えっ。」
「大丈夫でしたか?」
すぐに理人の声が聞こえたのに
一瞬何が起こったのか分からないほどその感触は
メイの身体や心を瞬時に奪われたようにしばらく動けずにいた。

16:花と名無しさん
09/02/09 17:01:57 0
スルーするには長すぎる・・・

17:音羽
09/02/09 17:03:37 0

「申し訳ございません。
あまりに綺麗過ぎて少しだけ魔法をかけたくなってしまったのです。」
「あっ、大丈夫。こちらこそごめんなさい。」
「慣れない靴だとやっぱり駄目よね」と
照れ笑いをし、その場を取り繕うのに必死だった。

その状況を知り尽くすように冷静な声で理人は
腕に光る時計をすらっと眺め、
「まだ時間に余裕がございます。
少しだけ私と踊っていただけませんか?メイ様」と
左手をメイの方に出し、
その様子を見たメイも左手を静かに乗せる。

1、2,3とどこかいつもの練習よりゆっくりとしたテンポで
メイを優しくリードしていく理人。
「理人さんに聞かれたらどうしよう。何で胸がこんなにドキドキしてるんだろう。」
心音をもどこか分かりつくしているかのように
テンポを落とさずに踊り始める理人を、
「ちょっと待って」と止めるメイ。

18:音羽
09/02/09 17:04:16 0

「どうなさいました?テンポが速すぎましたでしょうか?」
きっと私の心もすべて見通されているかのようで
恥ずかしさもあり、安心感もあった。
「もっと遠慮なさらずに私に身を委ねて頂いて結構です。
今日の私は、執事ではなくメイ様が思う恋人のように
見ていただいてかまわないのですから。」

「恋人!?」
その言葉にさらに胸が高鳴り、何を言い出していいか分からないほど
緊張してしまった。
「な、何を言い出してるのよ。」
「っていうか恋人のようにって何よ。」
自分でも何を言ってるのか分からないほど早口で話してる。
冷静になれって心の中で何度も言い聞かせながら
理人を見つめると優しく微笑んでいた。


19:音羽
09/02/09 17:04:43 0

「私に演技しろって言うの?」
「そういう意味ではございません。」
「演技が本気と混同しそうになったらどうするの?
責任取れるの?」
まくしたてるように強い口調で話してる自分が幼く感じた。
こんなにも理人は私に優しくしてくれているのに
あふれ出しそうな気持ちが涙になって流れそうだった。

「理人」とようやく落ち着いたのかつぶやいた。
「本当はね、本当は。。」
「私の心の奥底にその言葉をしまっておきますので
落ち着いておっしゃってください。」


20:音羽
09/02/09 17:05:08 0

メイはいつのまにか涙を流していた。
理人はポケットから白いハンカチを取り出し、
頬を柔らかく拭いてくれた。
ハンカチから香水の香りがほのかにした。

凄く時間が過ぎてしまったようで
不安になり、理人の腕時計をすっと眺めた。
まだ5分も足ってない。

「メイ様。この時計はわざと30分ずれておりますので、
まだお時間はございます。」
「そう。」
「続きをどうぞおっしゃってくださいませ。」

21:音羽
09/02/09 17:05:31 0

「演技なんかじゃなく、本気で恋人になりたいの。
私は理人が好き。もう何があっても惑われない。
貴方を好きになった日からすべて覚悟してたんだから!」
落ち着いた心がまだ大きな音を立て始めた。
恥ずかしくてその場を逃げたくなった。

ところが理人が強く腕を握りその動きを止めた。
「どうぞ逃げないでくださいませ、メイ様。」
ふっと引き付けられ、いつしか身体が理人の身体に包まれていた。

「素直に話してくれて、本当に嬉しく思っております。
私もメイ様にちゃんとお伝えしなければいけない事がございます。」
バタバタと逃げようとした私はその動きを止め、
静かに理人の目を眺めた。


22:音羽
09/02/09 17:08:00 0
10
「私もメイ様にお使いしていく上でいつしか貴方をお慕いしていく気持ちが
大きく、溢れるほどになっておりました。でも、私達はお嬢様と執事の立場。
気持ちを抑えるのに私の方が必死だった事も正直ございます。」

「けれどメイ様、人を愛してしまった時、本当は抑える必要など一切ないと
私は思うのです。先ほど逃げそうになっておられましたが、
愛を伝えるのを恥ずかしがったりしてはいけません。
誰に対しても伝えないと分かっていただけない瞬間が時にございます。
少なくても私だけには素直に何でも話していただくよう
宜しくお願いいたします。」

そう私に話すと理人は
「もう一度だけ魔法をかけさせていただけますか?」
照れながら「はい」と伝えると、指先で唇に優しく触れてそっと唇を落とした。
そのあとも囁き合う様に唇を重ねて、
魔法にかけられたようにまた一つ深みに落ちたようだった。


23:音羽
09/02/09 17:08:36 0
11
「メイ様。大変失礼いたしました。
そろそろ練習して舞踏会に参りましょう。」

「待って。」
「はい。どうなさいましたか?」
「私をもっと貴方の深みに落としてください。」

先ほどより大人びて見えるメイに理人は、
「今宵はメイ様を朝までエスコートいたします。」
その場に私だけしかいないのに耳元で悪戯に囁かれ、
身体が火照り、赤らんでいくほどに恥じらいを覚えた。

24:音羽
09/02/09 17:09:18 0
12
馬車かと思えば移動はやっぱりヘリで、機内で
「魔法にかけるってどういう意味よ?き、キスしちゃうなんて。」

「お気にいらなかったご様子ですね。申し訳ございません。
魔法にかけるですか?そうですね~
大人の淑女になるための魔法でしょうか?
こういう事はもうしないようにいたしますのでお許しくださいませ。」

「えっ~。
朝までエスコートしてくれるってさっきのお話は?」
慌てて大きな声を出してしまった。

「期待していらっしゃったのですか?
とりあえず今日はティアラとステラを持ち帰って参りましょう。
先ほどのお話はそのあとゆっくりいたしますので・・。」

「はい、分かりました。」

横顔を見ながら息が苦しくなるほど想いが
生まれて初めて少し分かった気がした。
すぐにでも貴方に触れてみたいのに、
私が知らない痛みや悦びがまだあるのかも。。
もどかしさと愛おしさで身体がどうかなりそうだった。

おわり



25:花と名無しさん
09/02/09 17:16:08 0
チラ裏に書くか、どっかのロダにでも上げてよ


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