09/02/09 18:57:40 0
「ちょび徒然帳」
ちょびは、街中で妖しげな人相書きを拾う。
角が生え、剣を携えた男と、獣の姿の妖の描かれた絵。
ひとりの妖から「その覚書きの人の子を知らないか」と声を掛けられる。
どうやらそれは夏目の絵で、友人帳の噂を集めて描かれたのだとか。
「そんな恐ろしき人の子を倒せるのだろうか」とその妖は言う。
どうやら友人帳目当ての妖本人らしい。
そこへ丁度、夏目と先生(もちろんニャンコ状態)が通り掛かる。
噂と全く違う弱そうな外見に、勢いに乗って妖は襲い掛かるが、
とっさの事で驚いた夏目のパンチを食らって、あっさり倒される。
「何故友人帳を?名があるなら返させてくれ」と言う夏目に、妖は、
「友人帳があれば、力の強い者を使うことが出来ると聞いた…」
妖の目的は、森の中の崖下に鳥の巣があったところに岩が落ちてしまい、
自分の力ではどうしようもなくて、力のある妖を使おうとしていたのだった。
岩が落ちたのは、聞けば4日も前だと言う。
しかし、妖の眼差しを見て夏目は、手遅れでも岩をどかしてやりたいと動き出す。
ちょびも協力し、初めは面倒くさがっていた先生も斑状態になって岩を動かす。
残念ながら、岩の下で巣も卵もつぶれてしまっていた。
「力になってやれなくてごめんな」と夏目は言ったが、
妖は「いいえ、ナツメ」と、手を振って去っていった。
帰り道、何かを思う夏目の横顔を見つめるちょび。
―人の子は、苦手であります
―小さなことで、怒ったり、笑ったり、うつむいたり
―みっともなく
―孤高で高貴な私の目も、つられてゆらりと、揺れる気がするのであります