09/11/30 00:55:42
「涙」
無感動な能面。夢を見ない女。
忠実な実行者。複数の中の単数。
綾波レイ。
生まれた時から、彼女は適格者だった。
彼女の14年はエヴァと共に在り、彼女の命は計画と共に在った。
そして、約束の年。彼女は、初めて自分以外の適格者に出会う。
碇シンジ。サードチルドレン。
同い年の少年。あの人の子供。
シンジの来訪は、同時に使徒襲来を告げるものだった。
命令。遂行。命令。遂行。命令。遂行。命令。遂行。命令。遂行。命令。遂行。
シナリオが進行する中、彼が、彼女を変える。
笑顔。心配。感謝の言葉。
それらはすべて、彼のため。
彼に向けた笑顔。彼が心配。
彼に云った「ありがとう」。
やがて、初めての涙とともに、彼女は気づいた。
「これは私の心、碇君と一緒になりたい」
しかし、心は伝わらぬまま、死が彼女を飲み込んだ。
再生と再会は早々。
再びシンジの前に、彼女が現れた。
だが、3人目の彼女は何も知らない。
シンジの事も。
自分の心も。
涙の理由も……。
これ見て、やっぱりレイの物語はシンジとの物語なんだなと再確認した