落ち着いてLRS小説を投下するスレ8at EVA
落ち着いてLRS小説を投下するスレ8 - 暇つぶし2ch301:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/13 21:14:45
シンジがトウジやケンスケと話している時よく、乳の大きなおなごがええよなあ、などと言ったりする。シンジはそれに紅くなりつつも、そ、そうだねと賛同の声を上げるのだ。
 大きな胸は男性としては魅力的らしい。何故だろう、邪魔なだけなのに。レイには不可解でならなかったが、他でもないシンジの好みである。最重要事項であろう。

 自分の胸はどうなのだろう。大きいのだろうか。シンジとしては自分の胸は小さいのか、大きいのか。前に触られた時訊いておけばよかったと後悔する。今や彼とは恋人同士でであるが、訊いてよいことといけないことの境が、レイにはまだ分からない。

 それからというもの、レイは胸を大きくする方法を考えた。同性に訊くのは何故か憚られた。それが嫉妬だと気づくには、彼女の心はまだ幼すぎた。
 ネット上で調べたことは全て実践した。牛乳を飲み、腕立てもした。寝る時は仰向けで寝た。しかし、レイの胸囲は増えなかった。異性に―特に想い人に―揉んでもらえば大きくなるという非常に耳寄りな情報も得たが、それはやめた。はしたない女の子だと思われたくない。


 そして袋小路に迷い込んだレイは、次に周りの胸の大きい人を参考にし始めた。ミサトやアスカは肉をよく食べる。ならば、と最近ひき肉からチャレンジしているが、芳しくない。


 そして今、ふと思ってみる。恐らく自分の周りで最も胸が大きいのはミサトだ。次点でリツコである。あくまでレイの目測ではあったが、恐らく正しい筈だ。
 そしてミサトと他の人間の相違点として最も大きいのは、恐らく飲酒量だ。特にビールの。

 ならば、とレイの行き着いた結論は当然、手段の一つとしてビールを飲んでみるということだ。もしかしたらアスカも飲んでいるかもしれない。ドイツではそれが当たり前なのかもしれない。自分だけ呑んでいないというのは不公平だ。
 突破口が見えた気がした。これで胸が大きくなる。シンジに気に入ってもらえるかもしれない。

302:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/13 21:16:47
 決意したレイは早かった。冷蔵庫の中からビールを取り出し、コップに注ぐ。
 しゅわしゅわと音を立てながら、泡が膨れ上がり、小さくなる。その光景が珍しくて、ついつい見入ってしまった。
 泡のなくなったビールは、麦茶によく似ていた。そう思った瞬間、レイは一種の悟りを開いた。
 そうだ、麦茶だ。ビールの原料は大麦とホップだ。要は発酵した麦茶だ。どうということはない。
 そう考えると、今までどこか躊躇っていた自分の心に踏ん切りがついた。グラスを掴み、一気に流し込む。これは―

「にがい……」

 少なくとも美味な代物ではない、と思ったが、ミサトはこれを飲んでいるのだ。大きな胸になるための第一歩だ。
 身体がぽかぽかと火照ってくる。これは彼と一緒にいる時のぽかぽかとは別種だ。快か不快か悩ましいが、今のところ許容範囲だ。もう一杯呑んでみる。
 
 ―こうして、レイは堕ちていった。

303:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/13 21:17:27
 シンジの目の前でレイはふらふらとこちらへ寄ってくる。危なっかしいことこの上ない。
「いかりくん、はいらないの……」
「え、あ、うん、いや、入るけど……」
 しどろもどろになりながら靴を脱ぐ。酒を呑んだことは一目瞭然だ。どうしてそんなことをしたのか謎だが。
「綾波、酔ってる?」
 レイはふるふるとかぶりをふった。
「いいえ、よってなんていないわ。わたしはわたしだもの。いかりくん、ぽかぽかする……」
 言っていることが支離滅裂だ。寝かしつけるべきだな、と思ったシンジはレイの手を取り、アスカの寝室へ向かう。
「いかりくん、どこへいくの……」
「アスカの部屋だよ。綾波、ベッドに横になってれば治るから、大人しくしててね」
「ベッド……いかりくん、わたしにえっちなこと、するの……?」
「し、しないよ」
「そう……ざんねん…………」
 このままではシンジの身が持たない。どうにかなってしまう。

304:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/13 21:18:34
 必死の思いでレイをつれてきたシンジは、ベッドにレイを横たえるとその側に腰を下ろした。
「綾波、どうしてお酒なんて呑んだのさ」
「のんでなんていないわ」
「嘘つかなくていいよ。綾波、酒臭いもの」
「くさい……わたし、くさいの……?」
 レイが見る見るうちに涙ぐみ始める。シンジは焦った。
「い、いや、そうじゃなくて、お酒の臭いがするからさ」
 正直、悪臭にカテゴライズされる匂いではない。アルコール臭に混じって、果実のような甘い匂いがする。ほんのり桜色に染まった頬と、うっすら汗を浮かべた素肌とがあいまって、扇情的なものを感じさせた。
「で、でさ、なんでお酒なんて呑んだの」
「お……」
「お?」
「おっぱいを、おおきくしようとおもって……」
「はい?」
 シンジは素っ頓狂な声を上げた。
「いかりくんが、おっぱいはおおきいほうがいいって……」
「誰が言ったのさ、そんなこと」
「わたしのおっぱいがおおきくなったら、いかりくんがよろこんでくれるから……」
「べ、べ、べつにそんな……」
 思春期の悲しさか、レイの胸元に目が行ってしまう。制服を押し上げているそれはそんなに小さいとは思わない。一度触った時は、なかなか質量があったように―

305:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/13 21:19:52
 ―ば、馬鹿!

 こんな時にそんなことを考えていると、いよいよ歯止めが利かなくなる。酔いつぶれたレイが目の前で寝ているのだ。取りようによっては据え膳である。
「いかりくんは、おっぱいがおおきいほうが、いい……?」
「い、いや、べつにそんなに気にならないっていうか、なんというか……」
「いかりくんによろこんでもらえるなら、わたし、がんばる……」
 真剣に悩んでいたのだ。傍から見ればくだらないだろうが、彼女の中では一大事だったのだろう。気にするように自分の胸に視線を落とす彼女に、シンジは愛しい気持ちになった。
「あの、さ、綾波……」
 シンジはレイの細い手をそっと握った。
「別に僕は、綾波の胸の大きさなんて、気にしないよ」
「でも……」
「大事なのはさ、その、大きさなんかじゃなくて……」
 シンジは軽く息を吸った。
「……誰の胸か、ってことだと、思うんだ」
「それ、って……」
「どんな大きさでも、それが綾波の胸なら、僕は好きだよ」
「いかりくん……」
 その声に後押しされてレイはそっと、シンジの手を引いた。はしたない女の子と思われてもいい。それが自分の望みだから。自らの胸と、彼の手を重ねる。
「あ、綾波……」
「さわって、ほしい。わたしのぜんぶは、いかりくんのためにあるから……」
 もう片方の手で、シンジの頭を抱き寄せ、口付ける。
「……いいの?僕、止まらなくなっちゃうよ、これ以上行くと」
「かまわない。わたし、こうなるのを、ずっとまってた…………!」
「あやなみ……」


 ―あなたと、ひとつになりたい……

306:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/13 21:20:47
~エピローグ~

「でもさあ、どうしてお酒で胸が大きくなるなんて思ったの」
「葛城三佐が、いつもビールを呑んでるから」
「あれは胸が大きいっていうより、ビール腹なだけだよ。綾波はああなっちゃだめだ」
「そうなの……」
「そうだよ。人間ああなったら、終わりだしねえ」
「そうねえ、勉強になるわ」
「でしょう?ミサトさんもちょっとは綾波を見習って…………え?」
「シンちゃんが私のことそんな風に思ってたなんて、知らなかったわ。じっっっくり、お話を聞こうかしら」
「い、いや、ミサトさん。今のは違うんです。そうじゃなくて、その……」
「言い訳は後で聞くわ。レイ、シンちゃんを借りるわね」
「どうするんですか?」
「女の子の扱いを教えてあげるのよ。レイとのデート必勝法とか。楽しみにしててね♪レイ」
「は、はい……!」
「綾波、騙されちゃ駄目だ!これは―むぐっ」
「さぁ~て、行きましょう、シンちゃん♪」
「ん~、ん~、ん~!」
「頑張って、碇くん」
「ん~~~~~~~~~!!」


  おしまい


307:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/14 19:44:16
キタ━━(゜∀゜)━━!!
GJGJGJ

308:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/14 20:23:49
ナイス

309:夏厨
10/07/17 05:57:01
-----【参話・再会】-----

病室、ベッドの上。深く溜息をつくシンジ。
(僕に出来るわけないじゃないか…)(だいたい僕はさっき気がついたばかりなのに…)(やっぱり父さんも誰も僕の事なんて…)
シンジのマイナスのループは病室の空気を重くする。

「…あの、シンジ君、入るわよ…」
「あ、マヤさん、どうぞ」
「先輩が心配だから行ってあげなさいって…」
「リツコさんが?そうですか…」

(今になって父さんがあんな風に言い出すなんて・・・リツコさんも、あれじゃ僕は・・・)
深い思考の迷路に俯くシンジ。それを知らずにマヤはニコニコしながらシンジの肩に手をやる。

「疲れちゃったのかな?少し横になってね」
「・・・はい」

310:夏厨
10/07/17 05:58:12
(え?あ?私なんかまずい事言ったのかな・・・どうしよう・・・わ、笑ってよシンジ君・・・)
「・・・え、えっと・・・あ!そうだ!葛城一尉、もうすぐ戻ってくるわよ!しかもね、シンジ君の大喜びする人を連れてね!」
「・・・」
「き、聴こえてる?シンジ君・・・」
「あ、聴こえてますよマヤさん、ミサトさんですね?」
「そうそう、ちょっとトラブルがあったんだけどね、でもなんとか明け方までに戻るってさっき連絡が来たの」
「トラブル?何かあったんですか?」
「うん、ちょっと機密事項があるから言えないんだけど・・・」
「・・・そうですか、でも無事で戻ってくるって事ですよね?」
「そう、全然いつもどおりの声だったから大丈夫よ?」
「良かった・・・」
「葛城一尉が戻るまで少し眠る?その方がいいわよね?わ、私はあっちに戻って・・・」
「マヤさん、せめてミサトさんが戻るまでいてくれますか?」
「え?」
「なんだか心細くて・・・誰かの声を・・・その・・・」
「わ、わかったわ、せん・・・赤木先輩に報告してくるね?」
「・・・ありがとうございます」
インターホンでリツコに付き添いをする旨の報告をするマヤ。何故か顔が真っ赤になっている。

311:夏厨
10/07/17 05:59:06
暗転、ゲンドウの執務室。モニターでシンジの病室を見ているゲンドウと冬月。
「・・・君の息子は・・・親子揃ってマダムキラーなのかね?」
「・・・」
「ふっ、葛城君が怒るだろうな」
「・・・」
「シンジ君がその気なら保護者の変更の件、作戦に支障はないが、どうする?」
「・・・シナリオの書き換えは許されない」
「・・・碇」
「・・・」
「・・・とにかく・・・羨ましいな・・・」
「ああ・・・」


「それでね、青葉さんが言うのよ、面白いでしょ?」
「あはは、そんな人だったんですか?」
「絶対内緒よ?」
他愛のないマヤのおしゃべりが、リツコとゲンドウが伝えた事の重みを少しだけ忘れさせてくれる。
シンジはなんだか久しぶりに自然に笑えたような気がして、マヤのマイペース(能天気?)に合わせている。
(マヤさんは優しいんだな、こんな僕に自然に話しかけてくれる…ミサトさんみたいにガサツな人じゃなくてマヤさんが保護者ならいいのに…)
「し、シンジ君…そんな事…」
また顔を真っ赤にするマヤ。シンジは今思ったことを、どうやら口に出してつぶやいてしまったらしい。
「っえ?っあ?いや、あの…」
モジモジする二人。その背後で病室の扉が開く。
「へー、シンちゃん、言うようになったわね」
怒気のこもった声、ミサトである。
「か、か、葛城一尉!」「ミサトさん!!!」
「保護者の変更の件、司令に報告する?お姉さんさびしいわ~~、ついこないだまではあんなに激しく求めたくせに!」
「葛城一尉!シンジ君!そんな…」
驚愕のマヤ。凍りつくシンジ。
「シンちゃん、浮気はダメよ?マヤちゃんも寝取ったらタダじゃ置かないんだからっ」
瞳を光らせてニヤリと笑うミサト。その横を「いや~~~!」と叫びながらマヤが飛び出していく。

312:夏厨
10/07/17 05:59:59
「ミサトさん…」
「あはは、やりすぎたかな?…シンちゃん、久しぶりね…良かったわね、戻ってこれて」
真剣な表情に変わるミサト。
そしてグッとシンジを抱きしめる。瞳にうっすら涙。
「眠ったままだったらどうしようかと思っちゃった…ホントに良かった」
照れるシンジ。でもその表情が柔らかく揺れている。
「ありがとうございます…」
しばらくの間、病室は優しい空間に満たされていた。

「明日、退院しましょう、ここにいるとマヤやリツコやレイがシンジ君を狙ってるから」
「って!やめて下さいよミサトさん!」
「あら、本当よ?」
「もう、僕は病人なんですから…」
「へへへ、ジョークよ、でももうそんなに元気なんだから明日の午後には家で静養しましょうね?」
もう一度抱きしめるミサト。
「く、く、苦しいですよ、ミサトさん…」
「嬉しいでしょ?」
「…」

戦わせて傷つけた者と戦って傷ついた者の束の間のやすらぎに、その不自由な重みにミサトの胸が熱くなる。
涙が止まらなくなるミサト。
「悪いけどもう少しこのままいさせてね?」
シンジに返せる言葉はなかった…。

313:夏厨
10/07/17 06:00:53
「さてと・・・そろそろかな?」
シンジとの再会の儀式が終わると、ミサトは思い出したように呟く。
「先に話しておくわね、今日ドイツからセカンドチルドレンが赴任になったの」
「セカンド?チルドレン?」
まだ目覚めて数時間のシンジにはその成り行きが何を意味するのか判らない、というか急な展開に着いていけない表情。
「そ、ヤシマ作戦の後司令が緊急召集したわ、シンジ君は眠ったままだし、レイも無事だったのが奇跡だし」
「奇跡・・・」
「あなたのおかげの奇跡よ?シンちゃんがプラグから出してくれるのがもう少し遅かったらレイは今頃ダメだったでしょうね」
「・・・」
「シンちゃん、どしたの?」
「い、いえ」
「何よ、変なの、ま、いいわ、そのセカンドチルドレンだけど、これが凄いわよ~~♪」
「・・・」

悪戯っぽい瞳で捲し立てるミサト。
「ここに来るまでのエヴァ弐号機海上輸送中に第六使徒と遭遇、国連軍太平洋艦隊との共同戦線で殲滅、って言ってもほとんど弐号機の先攻でだけどね」
「独りで・・・殲滅・・・」
「凄いでしょ?でね、今日私が旧東京でちょっとした事故に遭ってね、そこでも大活躍♪」
「ミ、ミサトさん、事故に?!」
「あはは、心配しないで、弐号機が緊急対応で駆けつけてくれてこのとおり、ぜ~んぜん無傷だし」
「でも・・・無事で良かったです」
「ありがと、でね、そのセカンドチルドレン、私がドイツにいた頃に何度も話した事あるんだけどシンちゃんの知り合いらしいわよ?」
「へ?」
「っていうか、たぶんシンちゃん大興奮の生唾モノっ!憎いね、この幸せ者~♪」
全く話の展開に着いて行けず困惑のシンジ。そしてミサトから重大な名前が。
「セカンドチルドレン、その人の名は!!」
「あ、あの・・・」
「ナント!!」
「え、えっと」
<ガッターーーン!>
その時病室の前の廊下から物凄い音が響く。驚くミサトとシンジ。その廊下から悲鳴にも似た叫び声が聴こえた。
『あんたバカァ!?』

314:夏厨
10/07/17 06:01:46
数分前、シンジの病室前の廊下。金髪碧眼の少女が迷いイラつきながら辿り着く。
彼女の名は惣流・アスカ・ラングレー。4歳からセカンドチルドレンとして英才教育を受けたエヴァ弐号機専属パイロット。
「シンジは何処にいるのよ!まったくミサトもあたしを置いてどっか行っちゃうんだから」
薄暗い廊下を誰に問いかけるでもなく愚痴る。その視界の先に・・・誰かいる。
「あのー」
さっきまでの剣幕は何処へやら、猫をかぶったような声でその『誰か』に声を掛ける。
「302号室はこの辺ですか?」
そこまで口に出してふと気づく。その『誰か』が誰なのか。
「アンタがファーストチルドレンね」
来日直前に見たデータの写真の蒼髪紅瞳。そんな風貌の人間などそうはいない。しかもここはNERV施設内の病棟。
間違いない。そうであるならここは同じエヴァのパイロットとしてコミュニケーションを図るべきとアスカは思い立つ。
「あたし、アスカ、惣流・アスカ・ラングレー、エヴァ弐号機の専属パイロット、仲良くやりましょ」
「・・・」
一瞥した後、何も見なかったかのように視線を逸らすレイ。
「聴こえてるの?あたしは惣流・アスカ・ラングレー・・・」
「・・・聴こえてるわ」
(この女、ムカつく、何よこの態度)
「ま、まあいいわ、サードチルドレンのいる病室は何処?」
「・・・」
「って、ここじゃない、302号室、アンタここで何してるのよ」
「・・・わからない」
(わっ、わからないって、どう見てもシンジを心配してここにいる風情じゃない!なんなのよこの女!)

315:夏厨
10/07/17 06:02:33
実際レイは何故ここに自分がいるのか理解していなかった。
ただ先刻の執務室での出来事の後自分の部屋に戻るのが何故か躊躇われ、地上のバス停で3台ほどバスをやり過ごした後シンジの病室の前に来てしまっていた。
「シンジはこの中なのね?」
「・・・あなたはサードチルドレンの・・・何?」
その一言でアスカは激怒する。
(コイツ何様?あたしがシンジの何?コイツこそシンジの何なのよ?)
反面、レイ自身その言葉を吐いた後、何故自分がそんな事を言うのか理解できず困惑した。
(この気持ちは何?何故この人はこんなに怒るの?何故この人が碇君の名前を言う度に嫌な気持ちになるの?)
「そ、そんな事アンタに関係ないでしょ?そこどきなさいよ!」
思いがけず力が入ったアスカ。レイを病室の前から掃うような仕草をしたつもりが、レイの肩にアスカの腕が触れ、レイを押し倒すようになる。
「・・・っ」
二人、もんどりうって倒れこむ。レイがアスカの下で苦悶し、拒絶するような紅い瞳でアスカを射抜く。
「アンタがモタモタしてるからっ!」
アスカの苦い叫びの後、体勢をずらして膝まづいたまま離れる二人。レイは込み上げてくるワケのわからない違和感に迷い、アスカへの視線がさらに強くなる。
「な、何よ?やるっての?」
「・・・」
「何か言いなさいよ、何なのよアンタ!」
「・・・ここは病院、静かにするべきだわ」
冷淡に言い放つレイ。


316:夏厨
10/07/17 06:03:46
この一言で、アスカの全身の血液は蒸発するほどの沸点をむかえる。
『あんたバカァ!?』
やり場のない、豆腐に針を刺すような問答にプラス上から見下すような紅い瞳。そしてシンジへの献身にも似た、さっき見えた思いつめたような表情。そしてこの物言い。
アスカにとってこれを『宣戦布告』と取る以外の選択肢は持ち合わせていなかった。
「あたしはね、シンジの幼馴染にしてフィアンセ!ま、まぁ3歳の時の約束だけど、それにエヴァのパイロットになったのだって・・・」
そこまで言った時に病室のドアが開き、ミサトが赤鬼のような顔をして立っていた。

『アンタ達!面会謝絶の重病人の部屋の前で何してるの!喧嘩ならドグマででもやってなさい!』

病室の中、ベッドの上で半身を起こしてこちらの様子を心配そうに見るシンジがいた。
ミサトに怒鳴られて一瞬怯んだアスカだが、そのシンジを見つけて顔が見る見る紅葉する。
そしてレイは・・・。

(〔男〕one's fiance; 〔女〕one's fiancee[<((フランス語))]結婚を約束した相手。婚約者。いいなずけ。 )

先程のアスカの言葉を脳内で反芻して迷走していた。




つづく

317:夏厨
10/07/17 06:05:58
レス番付け忘れた
>>266 のつづきです

318:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/17 14:03:02
アスカと婚約設定は珍しいな
今後に期待してます

319:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/20 13:29:52
夏厨氏乙!続き待ってます

320:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/20 20:30:26
GJ!続き楽しみにしてます!

321:夏厨
10/07/22 23:48:22
みなさんアリガトです
まだまだ淡い繋がりのレイちゃんとシンジ君を幸せに出来るようにがんばります
無論アスカ嬢も隅には置いては置かないつもりです

リアル、月末引越し⇒祖母初盆で北海道行きが続くので、次回はもしかして9月かもしれません
忘れられてしまわないようにがんばります


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