LAS小説投下総合スレ21at EVA
LAS小説投下総合スレ21 - 暇つぶし2ch625:パッチン
10/06/06 20:49:27
「嬉しかった?」
「うん、もちろん」
「当たり前でしょ!アタシがここまでしたんだから!」
「そうだよね…うん、本当に…ありがと」
「ば、バカ!なに泣いてんのよ!」
「ご、ごめん!だって勝手に出てきたんだもん!」
「ば、バカじゃないの!?誕生日祝われたくらいで泣くなんてさ!・・・も、もうサッサとケーキ食べるわよ!」
「うん、そうだね」
「じゃ、切り分けちゃうわよ!」

「・・・ねぇアスカ?」
「なによ?」
「ちょっと変な匂いしない?」
「え…?」

すんすんすん…

「う゛っ…」
「あ゛っ…」
「・・・あ、あはは。停電だもんね…そりゃ冷蔵庫も、ね?」

「もおおおおお!!何なのよそれええええ!!」

おわり

626:パッチン
10/06/06 20:51:24
お久しぶりに短編を失礼しました。
もう一本誕生日記念書いてますが、エロパロに失礼します。

最後にシンジ誕生日おめでとう!

627:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/06/06 21:28:44
おお…なんという乙女と乙女…
…いや、漢女と乙女?

そしてナイス誕生日

628:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/06/06 21:34:19
パッチンさん乙です。
エロパロ見ました!…よかった。
シンジくん(さん)誕生日おめでとう
ヒー破ー

629:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/06/07 03:49:22
パッチン氏乙カレー!
いやはや最早ベテランの域ですなー


630:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/06/07 17:43:27
>>625
乙乙

631:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/06/09 00:24:26
>>10あたりのmaTsuさんの作品が好きなんだが、また投下してくれないかのぅ

632:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/06/20 04:55:26
マダー?

633:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/01 03:23:35
(´Д`)

634:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/06 00:07:37
駄スレ乱立保守

635:パッチン
10/07/07 22:33:01
「七夕なのでグラウンドに笹をたてました。昼休みにみんなで願い事を吊しにいきましょう」

昼休み。今朝言われた老教師のふがふがしたセリフを思い出しつつ。
グラウンドに3本立てられたら笹を窓からボーっと眺めながら溜め息を吐くアスカ。

(あんなもんで願いが叶えば苦労しないっつーの)

心の中で不機嫌そうに呟いた言葉。
しかしそれとは裏腹に、先ほど願いを書いた赤い短冊は宝物のように優しく彼女の両手に握られている。

外側には裏側を見せ、願いの書かれた部分は彼女の熱い想いを宿した胸に押し付けられるカタチとなっている。

そんな短冊を大事そうに抱きしめる彼女に駆け寄る、おさげ髪の親友ヒカリ。

「あ、ねーねーアスカ。もう願い事書いた?」
「もっちろん!こんなの悩むことじゃないしね」
「ホントに?みんなけっこう考えてるみたいだけど、早いのね。ね、ね、何書いたの?」
「言わなーい♪他人(ひと)に言ったら叶わなくなっちゃうもの」
「んぅ~。アスカって意外と保守的なのね」
「ふふんっ♪ヒカリも早くしなさいよ!」

楽しげに会話するアスカだが、ヒカリは彼女の頬が小さく桃色に染まっているのを見逃さなかった。
おそらく、願いを書く際真っ赤になったのが未だ引かないのだろう。

(碇くん関係ね…分かりやすいんだからホント)

ヒカリ嬢、ご名答。
『シンジの恋人になりたい』

赤い短冊には、勝ち気な彼女からは想像も出来ないほど小さく弱々しい文字が綴られていた。

636:パッチン
10/07/07 22:34:41
要は笹に吊してしまえばこっちのモノ。
こっそり枝に結びつけ、周りに自分が書いたと気付かれないうちにその場を離れてしまえばいいのだ。

あとは…勝手に待ってればお星様が叶えてくれるんでしょ?

神頼みとは、何とも情けない行動だとアスカ自身も思うが…
もし、もし、もし、もし、万が一!!シンジが自分以外の女に奪われたら…と考えると、やっぱり怖い。

あの七夕の日に吊しておけば…。と後々後悔するのは嫌だ。

やれることは全部やりたい。
己の目標のために、最大限のベストを尽くしたいのだ。

・・・ベストを尽くすのなら、サッサと自ら彼に一歩あゆみよるべきなのだが。

それにアスカも女の子同士の会話で、シンジがクラスの女子に人気があるのも知っている。
なので、たとえこの短冊が誰かに見つかっても、彼女の名前が書かれているわけではないし、特別書いた人物が特定される願い事でもないのだ。

「はい、じゃあ二年生のみなさんは準備が出来たら校庭に飾られた真ん中の笹に短冊を吊してね~」

きた!

遅れをとっても早すぎても目立ってしまう。
アスカはなるべくクラスメートが一斉に向かうタイミングを狙って、動き始めた。

637:パッチン
10/07/07 22:36:20
校庭にて

・・・・・・・・・・・・・無い。

笹の前でアスカは空っぽになった両手を、グッパグッパと開いて閉じてさせる。

ガヤガヤと周りを生徒達が囲む中、完全に頭が真っ白になり無音状態に陥る。

どこ?え?どこで無くした?え?無くした?
何を?短冊よね?あの恥ずかしいこと書いた?あの短冊を?
落とした?どこかに落とした?え?え?え?

「アスカ?」

かけられた優しい声にアスカはハッとする。
遠い目をして枝を握っている親友を心配したヒカリだ。

「あれ、アスカ短冊は?もう結んだの?」
「・・・あ、あの…ヒカリ」
「ん?」
「短冊・・・無くしたみたい」
「あらら」

もぉ~短冊無くすなんて、アスカって本当にドジねぇ。と笑うヒカリの声も、アスカには再び遠く聞こえる。
親友の彼女も最初は笑っていたが、やがて気付き、アスカと同じようにハッと顔を引き締めた。

そうだ…アスカの短冊には碇くんのこと…

「なんやてぇ~!!惣流が短冊無くしたやてぇ~!!」

笹の葉と色とりどりの短冊が揺れる緩やかな校庭に響きわたる、ドデカい関西弁。
ヒカリは頭を抱えたくなった。

638:パッチン
10/07/07 22:37:45
「あっほやな~それやったら願い事叶わへんやんけ!」
「ちょっと鈴原!」

ケタケタ笑いながら小躍りするように、ひょこひょこ寄ってくるトウジ。
そんな彼のデリカシー0の行動に、ヒカリもアスカの代わりに前に出る。

「あーあ。これで惣流の願い事はもう叶わへんわけやな!どんな願いか知らんけど、切ないのぉ」
「いい加減にしなさいよ鈴原!まだ短冊は残ってるんだから、その一枚使って書き直せばいいのよ!」
「いーや、それじゃアカンねん。お星様は見てるわけや、大事な短冊無くすような人間には何枚書き直しても願い事は叶わんようになっとんねん」

トウジとしてみれば、そろそろブチ切れたアスカが登場して、委員長も含めたトリオ漫才に移行したいのだが、アスカはただ俯いてフルフル震えるだけ。

(なんや今日はノリ悪いのぉ)

最初は、軽くつつけばすぐ食いついて怒り出すと思っていたアスカが動かない。

流石に最初はギャラリーだった周りも、心配そうにアスカの近くに寄ってくる。

「どうしたの惣流さん?そんなに大事な願いだったの?」
「・・・・・」
「何なら一緒にみんなで短冊探すよ?」
「・・・・・」
「そうだよなぁ。まだ休み時間もあるし、みんなで探してもいいんじゃね?」
「・・・・・」
「ねぇ惣流さん、どんな短冊なの?なんて書いてあるか分かれば、みんなで探すよ」

639:パッチン
10/07/07 22:39:07
「・・・・・なりたい…」

押し黙っていたアスカの口が小さく動き、周りが一斉に彼女に注目する。

「シンジの・・・なりたい」

声が小く、聞こえないので、更に周りは彼女の声に耳をグイッと傾ける。
恥ずかしさがピークを迎えて真っ赤になったアスカだが、トウジの言葉により先ほど頭に描かれた最悪の未来を思い出す。

大好きな人が背を向けて・・・別の人のとこに歩いていく。

「シンジの恋人になりたいって書いた短冊よ!!!!!!
お願いだから、お願いだからみんなで探して!!!!!!」

全身から振り絞って叫んだ言葉は、周りに衝撃波のように響きわたる。

その衝撃波はどこまで飛んでいったのか・・・校庭を遥かに超えたのかもしれない。

大気圏も超えたのかもしれない。

お星様に届いたのかもしれない。

彼女の叫びを受けて、クラスメート全員が視線を移した先には、笹に短冊を結ぶ途中だったシンジの姿。

「・・・・・あ///」

まるで「アスカに周りの注目がいってる今がチャンス!」と言わんばかりのタイミングで結ばれていた短冊。

書かれた文字に全員の視線が固まった。

『アスカの恋人になりたい』

640:パッチン
10/07/07 22:41:41
「アスカ。僕の短冊の裏に、アスカのさっきの願い事書きなよ。それなら…問題ないでしょ?」
ヒューヒューヒュー

「じゃ、じゃあそうさせてもらうわ。ところでシンジ!職員室から脚立借りてきなさい!」
ヒューヒューヒュー

「脚立?なんで?」
ヒューヒューヒュー

「アンタばかぁ?アタシとアンタの願い事、お星様に一番近い特等席に吊すためよ!」
ヒューヒューヒュー

「あ、うん。わかった!じゃあ借りてくるね」
ヒューヒューヒュー

「本当にもぅ…バカなんだから」
ヒューヒューヒュー

「もぉぉ!!さっきからみんなヒューヒューうるさいのよぉぉ!!」

「良かったわねぇ。アスカも碇くんも」
「うーん。なんか納得いかんねんなぁ」
「なんで?」
「だってもう叶ってるお願いされても、お星様も困るやろ」
「ま、まあね…」

おわり

641:パッチン
10/07/07 22:43:15
七夕記念に短いやつを一本失礼しました。

お星様にアスカとシンジのラブラブを願っています…。

642:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/07 23:11:28
大好きやー
乙です

643:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/07 23:12:15
キタ━(゚∀゚)━!
乙であります!

644:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/13 04:36:19
久しぶりに来たらパッチンさんだ~
トウジのキャラが良い味出しててgood!です

645:名無しが氏んでも代わりはいるもの
10/07/22 01:05:08
>>641
乙です
大気圏を超えるアスカの想いに少々吹きましたw


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