LAS小説総合投下スレ20【N3】at EVA
LAS小説総合投下スレ20【N3】 - 暇つぶし2ch900:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/04 09:41:10
猫シンジのままで終るんですか? それはそれでいいけどさ。
元に戻ったシンジの話もあるんですか?
どっちにして幸せなのかわからん

901:GREEN DAYS
09/10/04 11:57:05
>>856の続きです。

しかし、そんな生活が続いていくうちにその無理がたたったのか、
ある使徒との戦闘中疲れがでてしまい集中力を乱してしまった。

「シンジくん!何してるの?早く指示した位置に移動して!」
意識がとんでいたことに気づく。
「あっ!すみません!」
急いで指定された場所まで行くと、アスカがもう攻撃を開始していた。
「何やってんのよ!バカシンジ!」
「ごめん!」

何だろう。目がかすむ。視界が揺れる。
くそ…。

はっと気づくと使徒が僕の目の前だった。

(やばい、間に合わない!)

その瞬間、弐号機が僕の視界を遮り赤い残像を残し、僕を助けてくれた。

そうしてなんとかかろうじて僕達は勝つことができた。

902:GREEN DAYS
09/10/04 11:57:54
「シンジくん、今日の戦い方は何!?一体どうしたってのよ!」
戻った瞬間怒声を浴びる。
確かに今日僕は役に立たないどころか足手まといだった。

「ちょっと待ってよ!確かにシンジはひどかったけど、こうなった原因はあんたたちにもあるんじゃないの!?」

黙って叱責を受けていた僕の隣で、アスカが言い返してくれた。
驚いて隣を見つめる。
てっきりアスカからも怒られると思っていたので、まさかかばってくれるとは思わなかった。

「最近働かせすぎよ!パイロットとしてじゃなく、治療までさせて!
シンジがいつもその行動のせいでどんだけぐったりしてると思ってんの?
エヴァの操縦に集中させたいなら、治療行為をやめさせるべきだわ!」

そのアスカの言葉にリツコさんやミサトさんたちが何やら話し合いを始める。

「あの、ありがとう、アスカ」
「別に。足手まといが邪魔なだけよ!」

アスカは決して僕の方を見ようとはしなかった。

903:GREEN DAYS
09/10/04 11:58:55
しばらく大人達の話し合い続いた後、リツコさんがようやく僕達に言った。
「わかったわ。シンジくんにはエヴァの操縦を優先してもらうために、治療行為は当分禁止することを命じます」

その言葉を聞いて、アスカはようやく僕の方を振り向いて安心したように笑った。

その笑顔を見て、僕の鼓動は揺れた。
かばってくれたせいじゃなく、
僕のためにみんなに立ち向かってくれたせいでもなく、
僕はアスカの笑顔がただ純粋にかわいいと思った。
この笑顔を守りたいと思った。


次の日、僕は助けてくれたお礼にアスカの好物を作ろうと思い、何がいいかリクエストを聞いてみた。
僕にしてあげれるのはそのぐらいだから。
すると、やはり想像通りハンバーグとの答えだった。
ミサトさんは今日も遅いので、先に二人分だけ作ることにする。
肉汁たっぷりになるようしっかりこね、片栗粉をまぶして焼いた。
手作りソースをかけ、つけあわせも盛り、出来上がりだ。
「んーいい匂い!」
アスカが匂いにつられてやってきた。

「いただきます」
「いただきます!」
手を合わせて食べ始める。

904:GREEN DAYS
09/10/04 12:00:00
ハンバーグを切った瞬間肉汁があふれでてきた。
熱そうだな、アスカは大丈夫かなと思って顔をあげると、

「あつっ!」
と言ってアスカが口をおさえるところだった。

「火傷?ちゃんと冷まして食べないと」
「だって、早く食べたかったんだもん」
「大丈夫?」
「……舐めて」
アスカが挑むように僕を見据える。

「え?」
「だから、舐めてっていってんの」
「どこを?」
「あんたバカァ?舌に決まってるじゃん!」
「え!!」
舌って口の中にあるじゃないか!

「早く治してくれなきゃ、ご飯食べる時しみるでしょ」
「…僕に舐められるの、嫌だったんじゃないの?」
「過去のことは消えないけど、禁止されたし、もう二度と他の女を舐めることはないんでしょ?」
「…うん」
「禁止されてるから無理?」
僕は覚悟を決めた。初めてアスカが自分から治してと頼ってきてくれた。

905:GREEN DAYS
09/10/04 12:00:47
「アスカなら、いいよ」
テーブルごしに立ち上がってアスカの顔を両手ではさみ、目を合わせる。
自分から言い出したくせに、アスカはしばらく迷っているように黙った後、
小さく開く口から震える舌をのぞかせた。
先の方が白くなっている。痛そうだ。

「それしか出してくれないなら、キスするしかなくなっちゃうよ。もっと出せる?」
僕はそれでも構わないけど、という言葉は口に出すのをやめた。
アスカは僕をにらみ、下まぶたに指をあて、あっかんべーをしてみせた。
僕はその顔を見て笑ってしまう。
「何よ!もっと出せっていうから」
「ごめんごめん、もう一回」
「もういいわよ!」
「じゃあいいよ、キスするから」
「…バカシンジのくせに!」
そう言って顔を真赤にしながらまたやってくれた。
僕は唇に触れないよう注意しながら、そうっとアスカの舌の先を軽く咥える。

唇で感じるアスカの舌は熱い。
粘膜は人体の中での高温部だからだ。
軽く咥えた隙間から火傷の部分に軽く舌で触れる。
さらに熱が上昇した後僕は離れた。
部屋の熱気で、触れ合っていた部分だけでなくお互いの身体の体温まで上がっていたことを知った。


「続き、食べよっか」
僕は照れ隠しのように言った。
アスカは目を合わせようとせず、何気なく唇を触れている。
さっきの熱さを思い出しているのだろうか。
僕も舌先でさっき感じた温度を思い出し、唇を舐めた。
食事を続け始めた彼女の唇を眺めながら、やっぱりキスしてやればよかったと後悔した。

906:GREEN DAYS
09/10/04 12:03:20
あの後きちんとリツコさん達が根回しをしてくれたらしく、学校にもネルフにも僕の治療禁止令は広まっていた。
おかげで僕は、元の生活に戻ることができた。

学校とネルフと家を往復する毎日。
そんな中、リツコさんから呼び出しがかかった。

「あなたの唾液を研究させてほしいのよ。医療の進化のために」

みんなを守ることができるのよ、と説得され僕はいろいろな検査を受けることになった。
僕は体の隅々までチェックされ、丸裸にされた気分だ。
最後に今後の研究のために、と結構な量の採血をされ、一応大事をとって輸液をしてもらうことになった。

やっぱり体内から血液が出ていくとふらふらするな。
大量の血を見ちゃったからだろうか。
男は血に弱いっていうし。

907:GREEN DAYS
09/10/04 12:04:28
点滴中の僕の横で足を組んで座り、結果をチェックしているリツコさんに前から疑問だったことを訪ねてみることにした。
「治してる時に熱さを感じるの?エントロピーが増大してるのね。つまり、熱エネルギーが必要ということね」
「…すみません、エントロピーって何ですか?」
「つまり、熱をだすにはエネルギーがいるのよ。そのエネルギー生成にシンジくんの体力が必要なのもしれないわね」
「はあ」
「それとも、唾液の中の成分を分泌するため体内が活性化してるのかもしれないわ」
ただでさえふらふらだった僕は、リツコさんの話を聞きながら徐々に眠気に襲われて意識を失いつつあった。


その時、サイレンが鳴り響いた。

「使徒!?」

リツコさんが小さく叫ぶ。
僕とつながっている輸液パックが振動でゆらゆら揺れていた。


続きます。このスレで終わらせたい。

908:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/04 12:40:53
ぺろぺろ
シンジはどうなるの?
やばそうだな。

909:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/04 16:46:53
猫もペロペロも乙ー!
ニマニマしながら見てしまった

910:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/04 17:21:53
投下GJ

ぺろぺろ>
アスカもシンジも可愛いなあ。
シンジは理由が出来るとか大胆なことでも結構しちゃうね。
無理しそうなシンジが心配だ。

猫>
青使徒さん吹いたw お前が一番失礼だシンジw
射的屋さん、誰かと思ったらは黄色いベスパの人かw あれ相手じゃ勝てないw
楽しんだ末に気持ちのすれ違いというかアスカの表面しか見れてないシンジが切ない。

911:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/04 20:01:08
投下乙!
来る時はまとめてくるのね

>>880
こういう何気ない一コマって凄く癒されるわ。
次も期待してます。

>>899
ここまで鈍感だなんてありえないわ!とリツコ風に叫びたい。
でも猫の状況はシンジの願望欲求を満たしちゃってるんだよね。
悲しむアスカを見てどう考えを改めるかに期待。
ところで魔法の眼鏡って三つの願い? あれをどこに組み込むつもりだったんだw

>>907
デレ期キター!
舌だけ触れてキスしないとか逆にエロいっす。
定番の体力消耗にアスカが先に気がついて意識してたのもイイ!
次の展開にもwktkしてます。

912:GREEN DAYS
09/10/04 23:52:36
>>907の続きです。

朦朧とする意識を叱咤しながら、ふらつく体をリツコさんに支えてもらいエヴァに乗ると、
ミサトさんがアスカが先に出たと教えてくれた。
「行ける?シンジくん。きついかもしれないけど、がんばって!」

ばしゅん!と地上に出る。
爆煙の間から弐号機が戦っているのが見えた。

優勢かの様に見えたその時、僕の視界から弐号機がいきなり姿を消した。
目をこらすと、地面にかがみこんでいるように見える。

「足がはまってる!抜けないのよ!!」
爆撃のせいでできた穴にはまってしまったらしい。
その隙に弐号機ににじりよる使徒。
焦るアスカは闇雲に自分の足元に煙をたてる。
「アスカ、落ち着いて!」
「ああもう何で抜けないのよー!!」
僕は急いで向かおうとするが、使徒はもうアスカに迫っていた。

「アスカ早く!足を切断して!」
「なっ無茶ですよ、ミサトさん!せめて神経接続を切断しないと!」
ミサトさんの無謀な指示に目を見開く。
「足切ってすぐ後退しなきゃいけないんだから、そんな時間ないのよ!
足の一本や二本より命のが大事でしょうが!」

913:GREEN DAYS
09/10/04 23:53:52
アスカが一瞬の逡巡の後、唇をかみしめたのが見えた気がした。
煙の向こうで弐号機がプログナイフを握りしめ、振り下ろす。
「うぁあああああ!!」
アスカの悲鳴が耳をさいた。
しかし時は遅く、使徒の影が弐号機にかかっていた。

そこで僕の意識は暗転する。
どうやって戦ったのかあまり思い出せない。
無我夢中で、気がついたらエントリープラグのハッチをこじあけていた。
近くで、使徒だった塊が転がっているのが視界の隅に入った。

ハッチを開けるとLCLが流れでてくる。
かき分けて中に入るとアスカが操縦席でぐったりとしていた。
足を恐る恐る見る。
ぱっくり裂けたプラグスーツの中からどす黒い肉と、
それとは対照的な白い骨が見えた。
赤いプラグスーツがさらに紅くなっているように感じる。
アスカはいつの間にかシンクロ率が上がっていたようだった。
その高さが仇となった。

914:GREEN DAYS
09/10/04 23:54:49
ふと、何かの時に会話した内容を思い出した。
「シンジはなんか頼りないのよね!だからあたしが守ってあげるわ!」
「それ、立場が逆じゃない?」
「だって、ケガしたら治してくれるんでしょ?」
「いやだよ。アスカに守られるなんて」
「前時代的ー!」

その後、僕はアスカを守ると約束したのだろうか?思い出せない。
ただわかっているのは、僕は君を守ってあげられなかったこと。

なんとか傷の深さは骨で止まっていて、切断まではいっていなかったが、
自分で自分の足を切断するという壮絶な苦しみを味わわせてしまった。

「ごめん、アスカ…!」

僕が今してあげられることは、何だ?

傷を丹念に指でなぞる。
べろりと指に付いた血を舐めた。
あの時と同じ鉄の味。

僕はそっとアスカを抱え、丁寧に傷を舐め始めた。
柔らかい肉をすする。
血が染み出してくる。
血液の温かさと、僕の唾液の熱と、炎症反応の熱で足はたちまち熱くなる。
止まらない血液に、出血多量という言葉を思い出す。

915:GREEN DAYS
09/10/04 23:56:00
僕はアスカを死なせるわけにはいかないんだ。
君がいなかったら、僕の世界は変わってしまう。
君がいてくれたから、僕は生きようと思えたのに。

アスカの血が僕の中に吸収されていく。
血液はやがて唾液に変化する。

ミサトさんやリツコさんが駆け寄ってくる気配がする。
僕は構わずひたすら舐め続ける。
ほんの少しずつ傷がふさがっていくように見えるのは、僕の錯覚だろうか。
周りが騒々しくなったせいか、アスカがうっすらと眼を開けた。

「…シンジ?」
生きていてくれた。
死なないでくれた。

ふと、脳裏に誰かの笑顔が思い浮かぶ。
…そうか。
僕のこの力は、好きな人を守るために授けてくれたのかもしれない。
ありがとう、母さん。
顔も覚えていない母に感謝した。
アスカを強く抱き締める。

「…また疲れてもしらないから」
そう言うと、彼女の唇に落ちた僕の涙をちろりと舐めた。


916:GREEN DAYS
09/10/04 23:56:59
あんなに深い傷を治したのは初めてだったせいか、どれだけ休んでも疲れがとれなかった僕は、
ほぼ毎日授業中にも居眠りをしてしまっていた。
ふと目を覚ますと、教室の窓からは真っ暗な夜空が広がっていた。
辺りを夜の匂いが包んでいる。
「やっと起きた?言っとくけど、もう授業はとっくの昔に終わってるわよ」
前の席に座って頬杖をついていたアスカが言った。

「うわっアスカ!?退院したの?どうしてここに?何で起こさなかったの?」
「シンジが気持ちよさそうだったから。あたし一人帰ってもご飯がないんじゃ意味ないし」

僕が寝てたから、疲れてると思って起こさずにいてくれたんだ。
いろいろな人が起こそうとしただろうに、僕の眠りを守ってくれた。
そして、そばで待っててくれた。
目が覚めた時に一人じゃなくてどれだけ救われたか、君はわかるだろうか。

「ごめん、おなかすいたよね。帰って急いで作るよ」
そういってアスカの荷物もとり、立ち上がる。
「足はもう大丈夫なの?」僕はアスカの足元にかがみこんだ。
「全然余裕!」彼女は僕の顔を上履きで踏みつけた。

917:GREEN DAYS
09/10/04 23:58:00
廊下を歩きながら、アスカは片手を団扇がわりに扇ぐ。
「にしても、本当暑いわね…。死にそう。今夜も熱帯夜だわ」
あんなケガをしたというのに、車椅子どころか、松葉杖もなしで歩いている。
「僕、寝ながら汗かいてたみたいだし」
それを聞いた彼女は僕の寝癖のついた前髪に触れて、笑った。

「いいこと思いついた!」
とアスカがにやりと笑う。
「もうこの時間なら先生誰もいないわよ。プールに忍び込もうよ!」
そう言ったと同時にスカートの裾を翻し、一人で先に向かってしまう。
「ちょっと待ってよ!こんな時間に!?水着持ってきてないよ!」
僕は一足遅れて、リノリウムの廊下を走った。

アスカはプールの入り口に鍵がかかってるのを見ると、フェンスを軽々と登って中に侵入してしまう。
どうやら本当に足のケガは大丈夫そうな様子に、僕は一安心し胸を撫で下ろす。
「シンジも早くー!」
僕は二人分の荷物を投げ入れたあと、やれやれとフェンスをよじ登った。

月明かりのプールサイド。
アスカは早速靴も靴下も脱ぎ捨て、座って足を水に浸している。
スカートはきわどいところまでめくれているが、白い足のどこにも傷痕はない。
女の子の足に痕が残らなくてよかった、とため息をつく。
ほっとした僕が近寄っていくと、不敵な笑みを浮かべたアスカに水をかけられた。

918:GREEN DAYS
09/10/04 23:58:47
「うわっ何するんだよ!」
上半身がびしょぬれだ。
アスカは楽しそうに笑う。
「涼しくなったでしょ?」

アスカが僕の手をひっぱったせいでバランスを崩し、二人一緒にプールに落ちる。

激しい水音が校舎に反射し、撥ね返った。

泳げない僕は一瞬焦ったが、学校のプールは浅いので足がつくため心の中で安堵した。
「どうするんだよ、明日制服着れなくなっちゃったじゃないか」
「じゃあ、一緒に休めばいいじゃん」
 
水面の反射に照らされた横顔。
制服が透けているのを見て、僕は思わず息を飲み込んだ。
      
アスカの金に近い茶色の髪から滴る雫が、水面に波紋を作る。
水に映った月がゆがむ。
そうか、明るいと思ったら今日は満月だった。
僕は煌々と輝く月を見上げる。

『あなたといると月がキレイに見えます』
本当だ。
アスカといると、月がすごくキレイに見えるよ。
アスカの眼にはどう映っているんだろう。

919:GREEN DAYS
09/10/05 00:00:07
僕は彼女を見つめる。
二つの蒼い瞳が光って見えた。
僕は思わず彼女を抱きしめる。

「守ってあげれなくて、ごめん。痛かったよね?」
「自分でやったんだから別にいいわよ。それより約束を守ってくれて、ありがとう。
傷痕すら残ってないんだから、シンジが罪悪感を感じることはないんだからね」
そう言って僕の気持ちを軽くしてくれる。
きっと、気にすると思ってしっかり治るまでは僕の前に姿を現わさなかったんだろう。

濡れた制服ごしに感じる体温。
生きている温かさ。
死なないでいてくれてありがとう。
僕はずっと前からこうしたかったんだ。

920:GREEN DAYS
09/10/05 00:01:18
「僕はいつ死んでもいいと思ってた。
でもアスカと出会って、明日も生きたいと思えるようなったんだ。
僕に希望と喜びを与えてくれた。
頼りない僕だけど、アスカとずっと一緒に生きていきたい。
これが僕の『Ich liebe dich』の訳です」


僕の言葉を聞いたアスカが、僕の目を覗き込むと、唇を近付けてくる。
触れた唇はとても熱い。
ケガなんてしていないのに。
僕の唇もアスカは熱いと感じるのだろうか。

やっとアスカとキスができた。

これがあたしの答えよ、と彼女が耳元で囁くのを聴いた。

月明かりを受けて光る水面が僕たちの周りで揺れていた。


終わり。
無事このスレで終われてよかった。

921:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 00:03:52
乙!

922:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 00:19:19
雰囲気いーねえ、GJ!

923:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 00:36:43
完結乙
夜のプールに月明かりとはなんてそそる情景

924:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 00:42:27
乙!

925:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 01:06:30
GJ! 良かったよ!

926:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 01:19:28
素晴らしい!GJです。
また投稿して下さい。

927:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/05 02:06:35
>>840 遅くなってすいません。続きです。


午後の授業が全く頭にはいらなかった事は言うまでもない。綾波になんて言おう。
失敗してアスカが傷ついたらどうしよう。そんなことばかり考えていた。
結局考えがまとまらないままで放課後がやってきた。
アスカが意味ありげな視線を僕に向けて、口パクで(行け)なんて言ってくる。まるで犯罪者とそのボスみたいだ。
綾波は帰りの会が終わってすぐ教室を出てったからもう着いてるだろう。
僕たちのやりとりを見ていた三人組が寄ってきた。
「碇君、あの後どうなったの?」
いつになく真剣だな、委員長。ここはうまくやんないと。
「だいじょぶだよ。その・・・仲直りしたからさ」
「ホントに?」
「う、うん」
「委員長、わいらが余計な首つっこむのやめようや」
トウジ・・・めずらしくナイス!!
「そうだよ。こういうのは二人で解決させるのがベストだよ」
「・・・そうね、ごめんなさい碇君」
「べ、別に気にしてないよ!」
「さ、わいらは先帰ろーや」
「そうだね。早く新作ゲームやりに行こう!体がうずうずするよぉ!」
「・・・碇君、じゃあね」
「うん。また明日」
と、トウジが首に腕をまわしてきて耳元で囁く。

928:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/05 02:27:11
「惣流の事、がんばりやぁ!見た目はごっつええけど中身はあれやからなぁ!」
「うん。ありがとトウジ!」
神様が味方してくれたのかな?
そんな事を思いながら三人の背中を見送った。
よし。行こう。
余計な事を考えないようにと屋上まで走っていく。
階段を駆け上がり、ドアを開ける。
いた。綾波だ。
呼吸を整えつつ綾波の隣まで歩いていく。
「碇君。なんで呼び出したの?」
「遅れてごめん。・・・実は話があるんだ」
「何?」
聞いてくるけど予想はついてるのかな?横顔がどこか寂しげだ。
「・・・綾波の気持ちに答えられそうにないんだ」
「どうして?」
「・・・僕は、アスカが好きだから・・・」
「・・・そう」
俯いてしまって表情は伺えない。・・・大丈夫かな
「碇君はセカンドといると、ぽかぽかするの?」
「・・・うん、する。・・・なんか優しい気持ちになれるんだ。
アスカが笑うと僕もうれしいんだ。一緒にいたいと思う。
・・・それが好きって事なんじゃないかな?」
「・・・」
なんか無駄に語りすぎたかな・・・
ふと綾波が顔をあげた。・・・笑ってる?
「碇君にぽかぽかしてほしいと思った。最初はなぜだかわからなかった。

929:DISTSRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/05 02:49:26
こんな風に思ったのはあなたが初めてだったから。
・・・でもこの気持ちが好きって事なんだろう、って気づいた」
「・・・」
寡黙な少女。綾波レイ。ファーストチルドレン。
あの綾波がこんなに自分の気持ちを吐露するなんて・・・
「碇君がぽかぽかしてくれるなら、私は構わない。・・・例えぽかぽかさせてるのが私じゃなくても」
「綾波・・・」
「セカンドは難しい性格だから・・・ 気をつけて。もしも嫌になったら私に言って」
「・・・わかったよ。でもそれはない・・・と思うよ」
悲しそうな、でも嬉しそうな複雑な笑顔。
・・・綾波もこんな笑い方するんだ。
「・・・そう。 セカンド、待ってるんじゃない?」
「う、うん。 ・・・本当にごめん、綾波」
「謝る必要なんて、ないわ」
「うん、ごめん・・・ってまた謝っちゃったね、ハハハっ!」
綾波もクスクスっと笑った。
もう行かないと行きにくくなる。
「それじゃ綾波、また明日!」
「えぇ・・・ さよなら」
「じゃあね!」
そう言って思いっきり走り出す。綾波が今どんな顔してるかなんて見たくない。
・・・いや、見れないよ。
階段を駆け降りる。昇降口へ向かう。
これで・・・
これでいいんだ。


930:DISTSESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/05 03:11:04
昇降口ではアスカが足をトントントントン言わせながら待っていた。
「おっそぉ~い!!」
「ご、ごめん」
「なんで女の一人振るぐらいでこんなに時間がかかんのよぉ~!」
「そんな事いったって仕方ないじゃないか!! そこらへんのプレイボーイじゃないんだよ?」
「プレイボーイって・・・ なんかだっさい言い回しね~!」
「だ、ダサくて悪かったよ」
アスカがクスクスっと笑う。
「で、しっかり振ってきたんでしょうね?」
「そりゃあ・・・うん。当たり前だろ!」
「そ。じゃあ帰るわよっ♪」
そう言って腕にしがみついてくる。
ちょ、お、おっぱいが・・・
「あああアスカっ! もう学校終わったでしょ!」
「だから? 別にいいじゃん!」
「よ、よくないよ!」
「いやなの?」
アスカがちょっとすねた顔をした。
・・・か、かわいいって何考えてんだ僕っ!
「い、いやじゃないよ! じ、じゃ行こっか!」
「うん!」
やっぱりアスカはかわいい。
とても魅力的だ。
そもそもなんで僕なんかを好きになってくれたんだろう?
・・・帰ったら聞いてみようかな。


帰ってる途中スーパーへ寄った。
今日はアスカの好きなハンバーグだ。

931:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/05 03:20:25
アスカによれば、交際スタート記念なんだからハンバーグに決まってんでしょ! らしい。
交際スタート記念って・・・
アスカもなかなかの言い回しだよと言ってる途中で殴られた。
今日もミサトさんはいないらしい。出張先でトラブルがあって一日延長だって。



932:DIS ◆xfCLDS4d/.
09/10/05 03:23:43
ややこしいので名前はDISでお願いします。
改めて遅くなってすいませんでした。

続きは後ほど・・・

933:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 14:18:00
乙です。相変わらず素晴らしいですね!

934:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 19:01:43

どうなるんだ! 何かありそうだ。

935:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 22:37:18
アスカがハンバーグ好きだって、どこの二次創作が広めたんだろうなww

936:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 22:48:25
>>935
アスカがハンバーグ好きってのは公式だろ


937:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 22:52:09
>>935
それは俺も気になってた


938:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 23:03:30
半公式>ハンバーグ好き
昔の派生作のエヴァンゲリオンRPGネルフ白書(角川ドラゴンブック)にでてきた設定が元。

939:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 23:08:01
ごめん。角川じゃなくて富士見ドラゴンブックだわ

940:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 23:20:19
アニメイトカセットではトンコツラーメンだよね
その設定の話も見てみたいな

941:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/05 23:36:09
豚骨ラーメンか・・・
よし話が膨らむ。

942:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 07:29:13
猫シンジのレイに今までちょっとだけ違和感を感じてたが
今回は酷い
レイはシンジ君なんて呼び方しないだろ…

943:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 09:16:48
そう言えばそうだね。
つまらないから流し読みしてたんで気がつかなかった。
二次創作で一人称二人称を間違えるなんて致命的だよな

944:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 09:30:50
セガサターンのゲームでもシンジ君って呼んでたような

945:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 10:02:56
>>944
あれは制作側の設定間違いだしw

前の話では碇君て呼んでるから単なる書き間違いと推敲不足だろ。
酷いのは同意。

946:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 10:06:20
サターンは設定固まってない超初期に発売されたからノーカウントだろ
色々ひどかった

947:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 13:42:51
鋼鉄1のアスカは「トウジ、ケンスケ」って呼ぶし、トウジとケンスケも「アスカ」って呼ぶし
貞漫画のゲンドウも「アスカ」って呼ぶ

公式でも色々間違えてるよね

948:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 15:46:44
ふぅと入れ替わりの人続きマダ-?

949:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 18:16:30
ゲンドウってアニメでアスカのこと
呼んだことあったっけ?

950:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 19:04:09
>>949
貞漫画で「アスカ」って呼んでたのよ
アニメでは弐号機パイロットとしか呼んでなかったはず

951:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 19:44:32
詳しく覚えてないがあれはアスカ個人に対してじゃ無くて
ミサト等に命令するときの呼び方だったような…
シンジのことをミサトとの会話では初号機パイロットって呼んでるときもあるし

952:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 20:04:10
アニメ版だと一度もレイと会話シーンの無い加地さんでさえ
「レイ」って呼んでたからな>貞漫版
レイからすれば「何? この人…」だっただろう

953:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/06 20:35:55
空気読まず続き投下 このスレで終わるかな?


マンションにつくと早速調理を始める。
アスカと腕を組んでたもんだから、
デート気分でついついだらだらとしてしまった。もう七時半だ。
肉を一生懸命こねてる途中で、テレビの前でゴロゴロしてたアスカが来た。
「バカシンジ、それあたしもやる!」
「えぇー! いいよ、アスカはゆっくりしてなよ!」
「遠慮しなくたっていいわよ! この天才アスカ様にまっかせなさぁ~い!」
トホホ・・・ 気持ちは嬉しいけど更に遅くなりそうな気がしてたまらないよ・・・
「えっと・・・ じゃあお肉はこねたから、形をつくってくれる?」
「おっけ~ そんなの超余裕じゃない!」
横顔がとっても楽しそう・・・
よかったな・・・ あの殺伐とした雰囲気はどこへ行ったやら・・・って!!
「アスカぁ~! 指の間から肉がボロボロ落ちてるよ!」
「うっさいわねぇ~ 仕方ないでしょ初めてなんだから!」
「ほら、こうやってぺたぺたって空気抜いて・・・」
そう言ってアスカの手を取りぺたぺたと肉の形を整えていく。
「ほら、アスカわかった? ・・・アスカ?」
返事がないから顔をのぞき込んで見る。

954:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/06 20:51:35
やばい。
昨日の夜見せたあの顔。
でもどうして・・・
「アスカ、どうしたの?」
「・・・別に。あの女にもこうやって手取り足取り教えたのかなぁ?って思っただけ」
「そんな・・・ もう忘れようよ。もう綾波はその・・・振ったんだよ?」
「どーせあんたのことだから曖昧な感じにしたんじゃないの?」
「違うよ!」
気づけば自分でもびっくりするくらいの大声を出していた。
「僕だって・・・ アスカのために頑張ってるんだよ?
それなのに、何でわかってくれないんだよ!!」
自分の太股に怒りをぶつける。
あんなにほんわかしていた気持ちが一気に崩れさった。
「・・・」
俯いて唇を噛みしめていると、アスカが抱きしめてきた。
暖かい。包み込むような柔らかい感触。
「シンジ・・・ ごめん」
この一言で僕は我に帰った。
「僕の方こそごめん。せっかくハンバーグなのに・・・台無しだね」
「なぁにいってんのよバカシンジ! 早く作っちゃって食べましょうよ!
きっとおいしいわよぉ~ なんせこのあたしが作ってるんだから!」
フフッ。アスカらしいや。
「そうだね! じゃあ作ろっか!」
「やっぱり・・・ やり方わかんないからちゃんと教えてよね!」


955:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/06 21:10:19
そういい終えた後の顔は真っ赤だ。
「うん! じゃあ始めよう!」
アスカの手を取り、やり方をもう一度教える。
アスカがとてもいとおしい。
そんな気持ちを込めながら、おいしくなるように作っていった。
そして・・・
「できた!」
「うん! それじゃあ食べよう!」
「いただきます!」
二人で同時に言うと、真っ先に口へハンバーグを運ぶ。
・・・おいしい!
「アスカ、どう?」
「おいしい! 今までのハンバーグの中で一番の出来ね!」
満面の笑みのアスカ。とってもかわいい。
よかった・・・
と、いきなり電子音が鳴り響いた。
「シンジ、電話!」
「うん」
席をたって受話器を取る。
「はい、もしもし」
「シンジ君? 今から言う話を落ち着いて聞いてちょうだい」
「リツコさん。話ってなんですか?」
電話の対応してる間にもアスカはおいしそうにハンバーグを食べている。
「・・・葛城三佐が。・・・ミサトが亡くなったわ。」
へ?
「えっと、嘘ですよね?」
笑いながら尋ねる。心臓がバクバクする。
「本当よ。
上はエヴァのパイロットに精神的なダメージを与えてはいけないと判断したらしく、伏せておくように言われたわ」
「えっと、今日は四月一日」


956:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/06 21:29:11
「落ち着きなさい! 現実から逃げようとしても何も始まらないわ!
現実を受け止め、冷静に対処しなさい」
「うそだうそだうそだうそだ」
「・・・中学生には無理な要求だったわね。
明日カウンセラーを付けて詳しい話をするから、アスカと一緒に来てちょうだい。
私だって悲しいわ。でも受け入れるしかないのよ。
・・・こんな仕事柄だものね」
「・・・」
黙って受話器を置く。
「シンジ、どうしたの?」
「・・・」
黙って自分の部屋へ駆け込む。
「シンジ! 待ちなさいよ!」

嘘だ。信じたくない。逃げ出したい。
嫌だ。ミサトさんがいなくなるなんて。
優しい態度で、時には厳しく僕に接してくれた。
でももういない。
涙が止まることなく流れ続ける。どうすれば僕は救われるのか。
誰が戦場で支えてくれるのか。
胸が痛い。涙が止まらない。
「ミサトさん・・・
ミサトさんミサトさん、ミサトさぁーーん!!」
クソ。なんでだよ。
さっきは死因なんて聞けなかった。逃げた。嫌だから。
逃げちゃだめ?
そんなの知るか。逃げたっていいんだ。逃げて何が悪い。
「嫌なことから逃げて何が悪いんだよぉーーー」
思いは気づくと声になっていた。


957:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/06 21:47:58
いつだってそうだ。
大切な人は僕の周りから消えていく。
母さん、父さん、それにミサトさん・・・
アスカだって今は優しいけど、どーせ消えてしまうんだ。
だいたいアスカが僕なんかを好きになるわけがない。
いやだ。
全部嫌だ。何もかも。
誰にも優しくされないんだったら生きている意味はない。
死にたい。でもできない。臆病だから。
もうどうでもいい。どうとでもなれ。


トントン。
「シンジ、入るわよ」
もう嫌だ。誰とも話したくない。
「・・・」
ベットの隅っこに腰をかけた。
「聞いたわ。リツコに電話したの。ホント信じられない」
声が震えてる。アスカも泣いた後なのだろう。
「ミサトって・・・ あんな酒飲みでだらしない女だったけど」
「・・・」
「いい奴だったわ。あいつが死んじゃったなんて信じたくない」
そんなのわかってる。
言って何になる。
僕に優しくしようとするのは止めてよ!
「あっちいってくれ」
「シンジ・・・ 気持ちはわかるわ、でも・・・」
「あっち行けっていってるだろ!!」
アスカを睨み付ける。出てけ。
「出てけ出てけ出てけ出てけ」
壁を何発も殴る。今朝の傷にできていた瘡蓋が剥がれる。


958:DISTRESS ◆xfCLDS4d/.
09/10/06 22:07:52
意味がない。わかってて殴る。
「僕に優しくしないで!
また捨てられるんだ。アスカにも。
もうこれ以上こんな苦しみたくさんだ!くそぉ・・・」
「シンジ・・・」
アスカが抱きついてきた。
やめてくれ。触らないで。
「放せ、放せよーー」
「嫌! 絶対放さない!」
「そんなに僕を苦しめたいの?
だったら僕を殺してよ!殺せよ!」
「このクソバカシンジぃぃ!!」
アスカが全力で僕の事をベットに押し倒してきた。
僕の上に馬乗りになって襟首を掴んでくる。
「なんでわかんないのよ!」
「何が?」
アスカの瞳から涙があふれ出す。
「あんたの事、あたしがどれだけ想ってるかわかってんの?」
「・・・やめてよ、そんな嘘つくの」
「嘘じゃない!
私をみて! 私に触って!
私を一人にしないで!」
あんな強気なアスカが・・・
こんな事言うなんて。
嘘で言うとは思えなかった。
「あたしがなんであんたを好きになったかわかる?」
「・・・わからない」
「・・・あんた、あたしに似てんのよ。
他人なんて所詮他人。本気で自分の事を想ってくれてる人なんていない。だから誰もいらない。
でもほんとは人一倍愛されたい。人一倍寂しがり屋。
・・・そうでしょ?」

959:DIS ◆xfCLDS4d/.
09/10/06 22:11:09
用事入ったので今日はここまで。

痛すぎって思った人はNGしてくださいませ。
でも、最終的には救われます。

960:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 22:12:46

痛いとは全く思わなかったけど、シンジの反応が唐突で極端すぎて?だった

961:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 22:15:44

まぁ確かにシンジが唐突すぎて違和感感じる

962:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 22:34:22
GJ
続き待ってる

963:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 23:21:38
GJです
ただミサトを殺す必要はなかったのでは?


964:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/06 23:43:38
GJ!!
だが>>963と同感かなぁ

965:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 00:34:18
ミサトも大好きな俺にこれはキツかった
つーかエヴァキャラはみんな好きだからこーいうの苦手だわ

でもとりあえず頑張って
どうせなら最後まで読みたいし
期待してます

966:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 00:39:27
チッ
良い所で続くか!

967:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 00:45:59
話に詰まったら転校生と人を殺す、のは止めましょう。





と、あだち充が言ってたようなww

968:DIS ◆xfCLDS4d/.
09/10/07 00:53:09
やっぱミサトについてはこんな感じになりますよね、すいません。

ただ、自分もエヴァキャラは全員好きなのでキャラを虐殺することはありません。


969:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 01:10:03
猫シンジもペロペロもDISさんもGJ!
良いスレになってきたね~

970:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 01:19:50
>>967
「お前が言うか!」って感じだな

971:猫シンジ
09/10/07 02:04:13
>>898の続き

 結局その日のサルベージ作業は失敗に終わった。
僕は人間に戻れず、アスカも綾波は悲しい顔で塞ぎ込んだままだった。
みんなが幸せになれると思ったのに、一体どうしてこんな事になってしまったんだろう。
患畜用の小さなベッドの上で僕は自分の浅はかさを呪った。

 リツコさんとミサトさんの会話によると明後日の再サルベージがラストチャンスらしい。
次に失敗すれば僕はネルフの備品として初号機のダミープラグにされるそうだ。
ミサトさんが凄い剣幕で抗議している。だけど父さんよりも偉い所からの命令らしい。
これ以上パイロット一人に予算と時間は割けないんだってさ。
ダミーって偽者とか身代わりという意味だよね。
猫のまま代理パイロットをするって意味かな?
口論の末、『次で成功させれば問題ないわ』というリツコさんを信じることになった。
今夜から泊まりでミサトさんも全データの洗い直しを手伝うそうだ。
僕のせいで色々とごめんなさい。

 帰りのバスの中、アスカは一言も喋らずにぼんやりと外を見ながら僕の頭を撫でていた。
なんだろう。つい最近も同じアスカを見たような気がする。
ああ、思い出した。確かジオフロントに『行方不明の僕』を探しにいった帰りだ。
あの時と同じ顔をしているんだ。
「にゃーん……」
「……」
 僕は同じ事を繰り返してしまった。
ちゃんと僕を心配してくれていたのに、それを知っていたはずなのに。
アスカの表面だけを見て、勝手に嫌われてるって思い込んで。嫌われないようにって。
どうして僕はいつもこうなんだろう。
『そうやって人の顔色ばかり伺ってるからよ』
 不意にミサトさんの言葉を思い出した。

972:猫シンジ
09/10/07 02:05:08

 帰宅後、アスカは僕の食事を用意するとベッドに突っ伏したまま動かなくなった。
気分転換になればと何度も鳴いて興味を引こうとしたけれど逆効果。
「うるさい……」
 と小声で一言だけ残し、アスカは枕を頭に被って耳を塞いでしまった。
いっそ怒鳴られた方がどれだけ気が楽か。って馬鹿か僕は。それじゃ駄目なんだ。
僕じゃなくてアスカの気が晴れないと意味がないんだ。

ペンペンペケペケ♪ ペペペンペケケ♪

 重苦しい空気に軽快な着信音がリビングから流れ込んできた。
面倒なのか、気が付いていないのかアスカに動く気配はない。
使徒だったり、緊急連絡だったら大変だ。
ここぞとばかりに僕は部屋を飛び出し、ソファーに置き忘れられた携帯電話に向かった。
着信表示は『ヒカリ』。なんだ洞木さんか。
でも彼女ならアスカの沈んだ気分を変えられるかもしれない。
きっとトウジ絡みの明るいニュースだろう。そうに決まってる。
そう信じた僕は携帯電話を咥え、着信が切れないうちにと急いでアスカの元へと戻った。
最近は軽量化されていて助かるよ。

ペンペンペケペケ♪ ペペペンペケケ♪

「にゃーん! にゃにゃーん! にゃにゃにゃにゃーん!」
「……」
 僕と携帯電話に気が付いたアスカは顔を上げ、視線を着信表示に向けた。
「にゃーん」
 そして得意気に鳴く僕に視線を合わそうとせず、着信を無視してまた枕を被った。

973:猫シンジ
09/10/07 02:06:33

 洞木さんからの着信はそれから3コールほどで切れ、またも部屋は重い雰囲気に包まれた。
いるだけで息が詰まってしまいそうだ。アスカ本人はどれ程なのだろうか。
そんなに悲しむほど僕に価値はないよ。喋れるのなら、そう言ってあげたい。
きっと殴られるだろうけど、それでアスカに元気が戻るなら安いものだ。
居辛さに耐え切れず部屋を出ようとすると猫耳にアスカの呟きが聞こえた。
「返して」
 振り向くとアスカが僕を見つめていた。
「シンジを返して、お願いだから」
 泣いていたのだろうか。涙は見えないけど、目がウサギのように真っ赤だった。
「あいつは気弱で軟弱で鈍感で意気地なしだけど、あいつなりに精一杯やってたの」
 いつも僕は一杯一杯だったとは思う。でも本当に精一杯のことをしていたのだろうか。
「自分のことも満足に出来ないくせに人のことばっかり心配してる奴なの」
 違うよ。僕は他人ことを考えている気になってただけで、本当は何も見ていなかったんだ。 
「だからシジ。シンジを連れて行かないで。あたしにシンジを返して」
 僕はアスカの言葉に最後まで聞くことが出来ずその場から逃げ出した。

 猫になって知ったことは自分が見ていた世界の狭さ。
そして猫でい続けて知ったことは、傷付く恐怖と無縁で手に入る幸せなんてないってことだ。
 サルベージの時、僕が猫でいることがアスカにとって良い事だと思ったんだ。
猫でいたいと思った。人間の僕は必要ないと思った。だからきっと人に戻れなかった。
でも本当にそう思ったんだろうか?
ただ自分が優しくされたかっただけ、嫌われたくなかっただけじゃないのか。
猫でいればアスカに好かれていられる。人間に戻ったら嫌われる。そう思ったんだ。
ただ自分が傷付きたくなかっただけ。それだけだ。
みんなが幸せになれるとか、アスカを喜ばせたかったなんて、そんなの薄っぺらい言い訳だ。
自分では何もせず赤ん坊のように優しく接して貰える、そんな境遇を手放したくなかっただけじゃないか。
最低だ。このままじゃ本当に最低だ。だからせめて最低だった、にしよう。

974:猫シンジ
09/10/07 02:08:41

 あれからアスカは僕とまともに顔を会わせなかった。僕も会わせられなかった。
だけどゆっくりと考えることは出来た。僕に出来ること、僕の本当にしたいこと。
 そして明後日。再サルベージ作業は何事もなく終了した。
僕は猫にされた時と同じように本当にあっさりと人間の姿へと戻っていたんだ。
ミサトさんは泣いて喜んでくれたけれど、そこにアスカの姿はなかった。
何を思ったか自宅待機しているらしい。
やっぱり元に戻っただけで喜んで貰えるって考えは甘いようだ。

 マンションへ戻るまでに五回くらい転びかけ、その内の一回は思い切り引っ繰り返った。
体が妙にフラフラする。どうも身軽な四足歩行に慣れすぎてしまったらしい。
それに視界も全然違うからバランス感覚も狂っているみたいだ。
猫になった時は気にならなかったんだけどな。
玄関の前で深呼吸を一回二回。駄目だ全然落ち着かない。
アスカに会ったらまず最初に―
ここ何日かかけて考えた言葉を思い出していると、急に玄関が開いた。
「さっきから何をボーっと突っ立てるわけ?」
「え…あ…う…」
 心の準備がまだ出来ていないんだよアスカ。
僕は酸素の足りない金魚のように無様に口をパクパクとさせた。
頭の中まで真っ白。色々と準備してきたのに全部吹き飛んでしまった。
なのにアスカは睨むような目で僕の言葉を待っている。
「た……ただいま」
 必死に頭を回転させて出たのがそれだった。
もっと気の利いた言葉があるだろ。こういう時やっぱり駄目なんだ僕は。
「おかえり。早く入んなさいよ」
 半分パニックを起こしたような僕を見て、アスカは呆れたような微笑を浮かべた。
予定とは大分違っているけど結果オーライ、かな。

975:猫シンジ
09/10/07 02:10:07

 せっかく人間に戻ったというのに僕はリビングで借りてきた猫状態だ。
どうしよう。アスカに話したいことは一杯あるのに上手い切り出し口が見つからない。
取り合えず何か会話をしないことには始まらないけど意識すると話題も思いつかない。
猫の時の記憶は覚えてないってことになっているから迂闊な事は言えないし。
「シンジ、コーヒー飲む?」
「淹れてくれるの? ありがとう」
 あああ、せっかくチャンスだったのに何で即会話を終わらすんだ。僕のバカー! 
しかもアスカ台所へ行っちゃったじゃないか。
夕飯の材料かとうもろこしでも買って来れば良かった。
なんか他に話題ないかな話題。その辺に落ちてない?
落ち着きのない僕の目が拾ったのは、ソファーの端に置いてある紫色のお面だった。
何故こんな所にあるのかは気にしない。溺れる猫はお面も掴む。
「何このお面?」
「夏祭りの夜店で買ったのよ。それはシンジにあげるわ」
「いいの?」
「私は人気No1の弐号機を持ってるしねー。初号機は在庫処分だってさ」
 そう。これは角は短いし眼つきも悪くて不恰好だけど初号機だ。
よし。これでお祭り関連の話題が出来た。
ありがとう父さん。今日この時の為に初号機は紫色だったんだね。在庫処分万歳。
「そっか。お祭り、もう終わっちゃったんだね。ちぇ、僕も行きたかったな」
「はい、珈琲お待ちどうさま。花火の写真ならあるけど見る?」
 僕の答えを聞く前にアスカは写真を取りに部屋へと向かっていた。
明らかに分量を間違えているインスタント珈琲も何故か美味しく感じる。
あれ? このコップは誰のだっけ? 見たこともない青い宝石模様のコップだ。Blue water?
「あたしのをそれの赤にしたのよ。その余り。あたしとペアグラスだなんて光栄に思いなさいよ」
 夜店のお姉さん、恋人と使えって行ってたっけ。まさかね。
アスカが上機嫌なんで前のコップがどうなったかは聞かないことにした。

976:猫シンジ
09/10/07 02:12:05

「こっちがみんなで取った写真。で、こっちがあたしとシジ。可愛いでしょ」
 お祭りの写真だ。猫の僕もしっかり映ってる。今更だけど夢じゃなかったんだな。
「この黒猫が僕だったの?」
「そーよ。はっきり言ってあんたの数百倍は可愛かったわね」
 アスカが説明する夏祭り解説は少し誇張も入っていて大げさだったけど凄く楽しそうだ。
僕も実際に行っていたのに、今の方が楽しいと思えるのは何でだろう?
「来年は僕も一緒に行けるかな?」
「勝手に行けばいいじゃない。あたしは絶対あんたを誘わないけど」
「そんなぁ……じゃあ僕がアスカを誘ったら?」
「どうしてもっていうのなら、一人ぼっちじゃあまりにも可哀相だから誘われてあげるわ」
 ありがとう。今年は誘えなくてごめんね。そう心の中で呟いた。
やっぱりアスカと話せるのは凄く嬉しい。猫の時は味わえなかった喜びだ。
多分すぐにまた怒らせたり喧嘩したりするのだろうけど、それもきっと幸せの一つなんだろう。
「ところでシンジ。あんたなーんか言い忘れてない?」
 言い忘れてる事って何だろう。ええと、珈琲美味しかったよ? コップありがとう?
どれも違うみたいで、アスカは空いたグラスを片付けに行ってしまった。
「ご、ごめん。その……」
「別に無理しなくても良いわよ。リンゴ切るけど食べる?」
 少し落胆したような声が胸にズキリと来る。
何だろう? 夏祭りの写真と話を聞いて僕が言うことって。
僕は夏祭りの記憶はないことになってるのに――あ、そうか。
記憶があるから気が付かなかったんだ。本物を見てしまっていたから。
「アスカ。あの浴衣、凄く似合っていて……」
「今更取ってつけたように言わなくても良いわよ!! この――痛っ!」
 また指を切ったらしい。何やってんだよ。包丁を持ったままよそ見するなんて。
いや話しかけた僕も悪いけど。とにかく―


977:猫シンジ
09/10/07 02:12:51

 咄嗟にアスカの指先を口に含むと血を舐め取りながら舌先で傷を軽く確かめた。
猫の時にもやって感じたけど、こうすると傷口の様子が良く分かるんだ。
じんわりと広がる血の味は自分の血とは違い、何だか鉄のようなのに甘く感じた。
「ば、ばか! 何やってんのよ……」
 涙を堪えているのかアスカの目が潤んでいるような気もする。
少し頬も染まっているし、もしかして照れてるのかな。
ちょっと大胆すぎて殴られても仕方ないかなと思ったけど、結構いい感じかも。
いや何だか凄くいい。アスカの指の感触が急に鮮明に感じられてきた。
名残惜しいけど消毒液と絆創膏を食器棚の引き出しから取り出して手当て。よし完璧だ。
「うん、広いけど深くない。大丈夫、これなら傷は残らないよ」
「そういう問題じゃないわよ……ばか」
 アスカは頬を染めたまま俯いて指先を潤んだ瞳で見つめている。
そうだ。今なら言える。僕の気持ちをアスカに告白しよう。
もしかしたら嫌われてしまうかも知れないけど、それでも伝えたいんだ。
「アスカ、僕は……!」
「……シンジ!」
 僕の言葉を遮って俯いていたアスカが顔を上げて僕を見つめた。
頬を染めていた顔が全体的に赤くなっている。
こ、これはもしやアスカから告白が? まさかそんな。
ここでその些細な確率に掛ける、そんな言い訳で逃げちゃ駄目だ。
このタイミングを逃しちゃ駄目なんだ。
男として、いや降って湧いた幸運に依存しない為にも僕から言わなければいけない。
そう、逃げちゃ駄目だ。

978:猫シンジ
09/10/07 02:14:11

「アスカ! 僕は―むぐっ!」
 意を決して開いた僕の口をアスカの無事な方の手が塞いだ。
塞いだというよりも顔を掴んだという感じだ。
アスカは僕に告白すらさせてくれないのだろうか。
僕を見つめるアスカの顔が真っ赤に紅潮している。まさか本当にアスカから?
でもそれにしては潤んでいた瞳で見つめるというより、睨まれている様な気が。
「シンジ……。あんた何で食器棚に絆創膏が入ってるって知ってたの? 普段は救急箱よね?」
 それは―猫の僕が救急箱を破壊したからです、はい。
不味い。猫の記憶があるってバレたみたい。
照れてるんじゃなくて、顔を真っ赤にするほど怒ってるんだ。
「シジだった時のこと、どのくらい覚えてるのよ? 正直に言いなさいよ。怒らないから」
「ほ、ほぼ全部……かな。いや隠そうとしたわけじゃないんだ。言い出すタイミングが……」
 アスカの手が不意に外された。逃げ出したい。やっぱり僕は意気地なしだ。
「記憶を失え―!!!!!!」
 アスカの拳が逃げようとした僕の顔面を綺麗に捉えた。

 痛い。痛いから。それに怪我した手で殴っちゃ駄目だってば。
ごめんなさい少し手加減して。泣きながら怒らなくてもいいじゃないか。
「忘れなさいよシンジ! 全部、全部忘れなさいよ!」
 アスカが倒れた僕の上に馬乗りになり、胸倉を掴んで無茶な要求をしている。
三分くらい前まで結構いい雰囲気だったのに何でこんなことになっちゃったんだろ。
内緒にした僕の自業自得といわれればそれまでだけどさ。
そうか、また振り出しに戻っちゃうのか。でもそれは嫌だ。嫌なんだ。
「ほら返事は!? 絶対に思い出すんじゃないわよ!」
「嫌だよ。僕は…何も忘れない!」
 僕はアスカの手を解くと強引に抱き寄せた。
大胆? 構うもんか。これ以上嫌われる要素なんかないさ。

979:猫シンジ
09/10/07 02:15:00

 ああ、アスカの匂いがする。猫だった時は遠くからでも分かった。
でも今はこんなに近くないと分からないんだね。
「猫になって沢山のアスカを知ったよ。優しいアスカ、強いアスカ、そして弱いアスカ。
 全部僕の大事な記憶だ。大事な思い出なんだ。だから…何一つ忘れやしない。
 泣いてたアスカも、笑ってたアスカも、今怒ってるアスカも全部……好きだから」
 何を言っているのか自分でも良く分からない。思ったことを羅列しているだけだ。
でもアスカを好きだということだけは間違いない。後は―どうでもいいや。
「アスカのことが好きだから! だから何も忘れたくない!」
「あんたバカァ? あたしの気持ちなんて無視して言いたいことばっかり!」
 そう言うだけ言ってからゴツンとアスカの頭突きが僕の額に入った。
不意打ちだったのもあって頭がくらくらするほどの強烈なやつだ。
「ごめん、酷いことばかりして。嫌われても構わない。だけどいつか必ず振り向かせるから」
 もう一回アスカが身を剃らした。頭突きに備えて僕は思わず目を瞑る。
「本当にバカね。最初っからあんたを見ている女をどうやって振り向かせるのよ」
 今度は僕の唇を柔らかい感触が襲った。とろけるように柔らかいアスカの唇。
前にした時のキスとは全くの別物だ。キスがこんなに素敵なものだったなんて知らなかったよ。
全く予想していなかった感触と幸せに僕は時間が止まればいいとさえ思った。
けれど直ぐに思い直す。現状に甘えて未来に恐怖することの愚かさは十分に思い知ったから。
どんなに恐くても自分から歩き出さなければ、本当の幸せには辿り着けないんだ。
「シンジはこれからもずーっとシジのままね。あたしのペットにしてあげるから」
「嫌だよ。猫のままじゃアスカを抱きしめられないし……アスカに好きだって言えない」
「うふふ……そうよね。やっぱりあたしもシジよりシンジの方が好き」
 その言葉を確かめるように僕はもう一度アスカと唇を重ねた。

 こうして今日、僕の名前はシジから碇シンジへと戻った。

<<おわり>>

980:猫シンジ
09/10/07 02:16:11

ギリギリこのスレで終了を迎えられました。
ネタを抵抗してくれた方、感想をくれた方、支援してくれた方、本当にありがとうございました。
人間に戻ってからの展開に期待してくださった方、ごめんなさい。


>>942、943、945
単純な表記ミスと見直し不足です。ごめんなさい。

981:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 04:54:38
>>980
GJ!楽しませてもらいました。ありがとう。

982:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 08:47:41
GJ! 乙!
ひぃっぃぃ。
ええ話や猫シンジ大好きだ!



983:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 11:50:22
誰か次スレよろ

984:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 12:11:47
勝手にだが立てさせてもらった

LAS小説投下総合スレ21
スレリンク(eva板)

985:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 13:44:12
>>980
お疲れ様でした。GJ!
可愛がられていたシジだけど、最後は自分の手でアスカを抱きしめられてよかったよ~

986:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 13:56:01
>>980
ども。ネタ抵抗した者ですw
シンジが猫になる…とかいう曖昧なリクエストを最高の作品にしていただき、ありがとうございました!
ラスト人間に戻っても、やっぱり可愛い2人がたまりません。
うわ~最近全然書いてないから、自分も頑張って何か書かないとw

987:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 13:57:04
>>984
あとスレ立て乙です!

988:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 22:45:44
埋めるか

989:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 22:47:20


990:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:10:05


991:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:28:12


992:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:31:49


993:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:34:04


994:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:34:18


995:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:36:50


996:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:38:52


997:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:39:57


998:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:40:30


999:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:41:55
>>989-998
素晴らしい

1000:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/10/07 23:43:06
1000ならアスカと結婚

1001:1001
Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。


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