09/08/10 21:28:28
LASを投下しましょう。甘LAS、シリアスLAS、イタモノLASなどジャンルは問いません。
また、LARSやハーレム物の中で描かれるLASなどもOKですが主軸はLASで。他カプが主軸なら該当スレへ。
エロ分が多ければエロパロ板へ投下で、当板は全年齢対象です 。
原作にどれだけ直球な表現があったからといってもエロ分が多いとスレ削除を食らいます。
あなたがLASと思えば、それはLASなのです。
過去スレ1
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evaFF転載板
URLリンク(yy10.kakiko.com)
LASスレ投下SS保管庫
URLリンク(las.nobody.jp)
2:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/10 21:29:15
過去スレ2
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3:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/10 21:34:26
神乙です!
4:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/10 21:37:19
新スレたったか~新劇公開から早かったな
5:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/10 21:50:45
1乙
6:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/10 22:28:41
乙です~前スレは勝手に落ちるんかね?
7:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/10 23:45:27
>>6
埋めて500KB超えたんで一週間後に落ちるかと
8:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/10 23:52:58
実に素晴らしい埋め方ですな~癒される
9:543
09/08/11 00:08:42
>>1乙
こ、これは命令で乙しろと言われたから言ってるだけで、べ、別にうんたらかんたら。
前作もレス頂き感謝致します。専属作者なてくれとかまで言って頂いて
ましたが、自分、基本アスカとシンジのキャッキャウフフ以外書かないと思いま
すんでw
それでは新スレ記念に投下行かせて頂きます。
読み飛ばししたい方はNGワード
のらねこロック
でどうぞ。
10:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 00:10:31
>>9
キャッキャウフフ+(0゚・∀・) + ワクテカ +
11:のらねこロック
09/08/11 00:10:52
*
「餌付け……?」
「せや、なんかあのガサツ女とシンジのじゃれ合い見とったらそない見えてくるわ」
「確かに。式波はちょっとネコみたいなところあるしね」
「ケンスケまで…」
「そやろ?ホンマにアイツは動物じみてるで。小鉄やらアントンばりの喧嘩っ早い野良猫や」
「そういえば、血統書ついてそうな野良猫はプライド高いって良く聞くしね」
いくらなんでも二人とも言い過ぎだろうとシンジは思っていたが、口に出さずにおいた。
そうでなくても夫婦だ同棲だハーレム野郎だとからかわれている。言葉に時々やっかみや
羨望が含まれているにせよ、あまり耐性が無いのでいじられたくないのが本音だった。
帰りにケンスケの家に寄って、トイレに行っている間にエロ本を鞄に放り込まれたりしたが、
今日もまたいつもと変わらない日常が過ぎていった。
シンジにとって世界を守るだとかエヴァのパイロットだとか、そう言ったものは正直荷が
重いし実感もあまり無い。
関わりがあって、大切にしたいと思えるようになってきたことを守るのが自分なら、多分
躊躇なくエヴァに乗るんだろうとシンジは思う。
『野良猫かぁ……』
スーパーで万能葱の品定めをしつつ、普段のアスカの行動をトレースしてくすくすとシンジ
は笑ってしまった。
葱を手に笑っている中学生を、パート帰りの中年主婦が気味悪そうに眺めて通り過ぎた。
12:のらねこロック
09/08/11 00:12:15
*
【メシんときはふらっと来よって、食べるとすぐにおらんなるわな。せやかて不満があると
ニャーニャーニャーニャー泣きよる。ホンマ自分勝手なイキモンや】
―鈴原トウジ
「アスカ、ごはんできたよ」
「……」
返事もなしにのそのそソファから起き上がると、アスカは黙って椅子に座った。
並んだ皿をじっと見て、次にシンジをじっと見る。
「な、なに?」
「フォーク」
「今日は和食だし、アスカも日本食慣れるんだったら、箸のれんしゅ……」
「和食でもフォーク使って問題ないでしょ!ほら、フォーーク!!」
「……わかったよ」
シンジが差し出したフォークを乱暴に受け取り、旨いとも不味いとも言わずにアスカは黙々と
食べ続ける。ミサトがいない時は大体こんな感じだった。
アスカはごちそうさまの替わりにシンジに一瞥をくれて黙って立ち上がり、リビングのソファ
に再び寝転がって読み止しの雑誌をまためくり始めた。
洗い物の最中も時々振り返りつつ観察してみた。
伸びをしたり髪の毛をいじってみたり退屈そうに雑誌をめくったりと、こっちを手伝うなんて
お世辞でも聞くこともせず、自分の好きなように時間を過ごしていた。
『…………たしかに……』
その様は生存競争に晒されていない、餌付けされたノラネコだった。
13:のらねこロック
09/08/11 00:14:33
*
食器を片付けて部屋に戻り、宿題をするために鞄を覗いてシンジは赤面した。
「な、何でこんなものっ……もうっ!……ケンスケぇー」
などと言いつつブツはクロゼットの定位置に補充し、とりあえず宿題に取り掛かった。
「あれ?まだある。なんだこれ?」
鞄の底に押し込まれていた何も書いていない茶封筒には、ケンスケのメモとネコジャラシが
入っていた。
【ネコの遊び道具といえばこれ。試しに遊んでやりなよ(^^】
―相田ケンスケ
14:のらねこロック
09/08/11 00:15:50
『まさか…ねぇ……』
いくらなんでも反応しないだろうと思いながら、背中にネコジャラシを隠して部屋を出た。
アスカはまだ雑誌を読んでいたが、瞼が半分落ちている。
「ねえアスカ…」
「?…なによ?」
こちらに顔を向けたとき、ひゅん。という感じでネコジャラシを横切らせた。ネコジャラシ
の動きに少し遅れて、同じようにアスカの頭も動いた。
「なに?今の?」
目が爛々と輝き、さっきまでの眠そうな顔は吹っ飛んでいた。
『ほ、ホントに?』
ひょい、ひょい、ひゅっ。
とネコジャラシが横切るたびに、アスカは、
「なっ!なにこれ!にゃろっ!」
と、半身を起こしてネコジャラシを掴もうとする。
なおも続けるとアスカは段々体を起こし、仕舞には立ち上がってこちらにダイブしてきた。
「バカシンジ!とっととそれ貸しなさいよ!」
「ちょ、アスカわあぁあああ!」
二人して転倒して、シンジに馬乗りになったアスカは、必死に伸ばすシンジの手からネコ
ジャラシを取り上げた。アスカは不思議そうにまじまじとそれを眺めながら聞いた。
「何なのよ、これ?」
「ね、ネコジャラシだけど…」
その姿勢のまま一分ぐらい説明を聞いたアスカは、三か所ほどシンジの顔周りに引っかき
傷をつけて風呂場へ消えた。傷をさすりながらシンジは一人ごちた。
『どんだけネコなんだよ……』
15:のらねこロック
09/08/11 00:17:51
*
「あ、そうですか。今日は泊まりですね」
「ごめぇんシンちゃん、リツゴがさ、どうしても今日中に…」
シンジはミサトの皿を片付けつつ、暫く愚痴を聞いた。そろそろ首が痛くなった頃、話の終わり
かけにふと思いついて、ミサトに聞いてみた。
「そういえばミサトさん、ネコって昼間何してるんでしょうね」
「へ?さあ…ねえ、多分寝てるんじゃないの?」
「寝てるんですか?」
「うん、
【だってホラ、ネコって夜行性でしょ?】」
―葛城ミサト
16:のらねこロック
09/08/11 00:18:59
一向に片付かないアスカのダンボールに囲まれて寝床に転がり、電池切れのSDATをそのままに
天井を眺めていると、隣の襖が開いてトイレのドアが開く音がした。
『流石にこれは夜行性とは言わないよな…』
そんなことを考えていると水が流れる音がして、ぺたぺた歩く音と共に襖が開く音がした。
シンジの部屋の。
『そうだった…………』
寝惚けてアスカはたまにシンジの部屋に入り込む。
ミサトがいないと特に気が緩むのか、こうやってシンジの部屋にきてはそのまま横で眠りについた。
しかも困ったことに抱き癖があるのか、固まっているシンジの首筋に大概腕も絡めてくる。
シンジもその辺健全な男の子なので、頬をいじったりあちこち触ったりして悪戯するが、起きた
時の反撃が恐ろしすぎて、中々それ以上のことは出来なかった。
アスカは大体いつも普段の寝床との違和感を感じると、起き出してそのまま自分のベッドに
帰って行く。
今日も多分そうなんだろうと思いつつ、腕枕をした格好の不自由な体勢のまま携帯を手に取ると、
シンジはトウジとケンスケにメールすることにした。
【確かにアスカはネコでした】
―碇シンジ
Ende
17:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 00:20:46
ぬこアスカ…(´д`)カワユイ…
18:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 00:21:01 8kD7TSTO
乙です!!
そう言われてみると確かにネコかも!?ww
19:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 00:21:33
ネコアスカ可愛いなwwwGJ!!
部屋に来た後の事がもっとあると嬉しかった
20:543
09/08/11 00:25:40
くっだらないことでうだうだやる日常が書いてみたくてやっちまいました。
破を見ながら式波アスカは本当にネコっぽいなあと思ってもいたものでw
おまけ
「ふん、あいっ変わらずいくじなしなんだから!」
そういいつつシンジの匂いやその日の動きをトレースして、アスカはいつものようにベッドの上で
ゴロゴロした――。
「…………耳に息吹きかけるとか……どうだろ?」
夜は更けて行く――。
21:543
09/08/11 00:29:07
>>19
スミマセン。それおまけで書こうと思っておったものでw
22:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 00:42:48
>>21
19だけどおまけありがとうww
次の投稿を楽しみにしてます
23:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 01:02:00
この板は落ち着いてるしいい板だな~
毎日きてますww
24:マサダ
09/08/11 09:38:17
サードインパクトから、3年後の2018年11月某日
アタシは、人工進化研究所の所長室でついに恐れていた事を聞かされた。
「要するに、エヴァは不要になって、アタシは用済みに成ったって事ですね。」
永遠の夏が終わり、季節と言うものが戻ったこの国で、アタシは高校生になっていた。
隣にいるシンジも同じ高校に通っている。この街の高校は一つしか無いので仕方がない。
もっともシンジの場合は、見た目も随分変わっている。この男、流石に、長身の父親の遺伝子を
受け付いているらしく中学の後半から見る見る背を伸ばし、今は175は超えている。アタシは
女の子の性か、身長の伸びはほぼ止まってしまっていると言うのに...。
「まぁ、貴女の不満は解ります。でもね、これは、仕方が無い事なの。平和に成った今、必要なのは
人類をいかに再生させるかと言う事。その為にNERVも元の人工進化研究所に戻った訳だしね。」
所長である碇ゲンドウの隣に立っている碇ユイは、言葉を選びながらアタシを諭すように優しく言う。
彼女は、サードインパクト後にこの世界へと戻ってきた。そして、今は人工進化研究所の副所長をしている。
冬月副司令も健在でもう一人の副所長をしており、所長を中心してユイさんとは反対側に立っている。
25:マサダ
09/08/11 09:39:00
「それにね。エヴァのプロジェクトは中止ではなくあくまでも一時凍結よ。再開は有るの。」
「同じ事だと思います。その時にアタシに席が有るとは思えませんが。」
一瞬、ユイさんの表情が曇った図星ね。
「我々は、君を使い捨てする訳では無い。アスカ君には生涯恩給が支給される。また、社会復帰の為に教育費は、全額国家の
負担で行う。安心して良い。」
元総司令らしい身も蓋も無い言い方ね。要するに金を払うから黙ってろって話じゃん。
「と言う事は、僕も貰えるんですか?」
コイツは本物のバカだろう。少しは空気を読め。何、嬉しそうに言ってるんだよ。
「貴方は無いわよ。シンジは私達に扶養されてるんだから、仮に支給されてもそんなお金を貰う気は無いわ。」
「もう、ケチだな。」
そう言う問題じゃないだろ。
「今回の話はこれで終わりです。シンジは下がって良いわ。アスカさんは残ってくれるかしら?」
アタシだけ?手続きの話かしら、そんなの総務の仕事じゃないの?
「冬月先生も外して頂けますか?少し、プライベートな話なので...。」
26:マサダ
09/08/11 09:40:44
「アスカさん。取りあえず掛けてくれる。」
ユイさんに勧めれるままに、応接セットのソファーに腰を下ろすと、アップルパイが机の上に置かれる。
「食べてみてくれる?昨日作ったんだけど、口に合えば良いけど。」
ユイさんの手作りスィーツなんだ。お、意外と美味い。
「美味しいです。ありがとうございます。」
シンジの料理の上手さは、子供のころのユイさんの料理で舌が肥えていたせいね。
「それは、良かったわ。昨日、作り過ぎたんで少し持って行ってね。」
「あのぅ、ひとつ聞いても良いですか?」
「何かしら?」
「エヴァの凍結ですが、アタシの為じゃないんですか?」
「流石、アスカさん全てお見通しって事ね。」
アタシは、月に数日シンクロ率が激減する。しかも、年単位で見れば明らかにシンクロ率も落ちている。
そう、アタシが女の子から女に成ってからアタシの体形は明らかな変貌を遂げて、精神的にも以前とは随分変わっている。
これが、シンクロ率へ影響しているって言うのはアタシの勘だが、多分間違ってないだろう。
早晩、エヴァに乗れなくなるのは確実だ。
「アタシは、もう直ぐエヴァには乗れなくなるんですよね。」
「隠しても仕方ないわね。長くて後一年かな?」
「そうなってから、追いだしたのでは、恩給の額は明らかに減る。そちらの都合で追い出す形にした方が、アタシには
有利ですからね。」
「そこまで買被って貰ってもね。このタイミングでのエヴァの凍結は偶然よ。貴女が気にする話じゃないわ。」
「何れにしろ、アタシが用済みで追い出されるのには変わりないですから。」
「ごめんなさいね。貴女には辛い思いばかりさせて、本当に申し訳ないと思ってる。謝って済む話じゃないけどね。」
「良いんです。こうしなければ生き残れなかった訳だし。そもそも、アタシは何の役にも立たなかったんだから、追いだされても
文句は言えません。」
「それは、無いわ。シンジが生きて居られるのも。私が戻れたのも貴女が居たからよ。」
「慰みは要りません。アタシは、結果を出す義務がありました。アタシの育成には、大金がかかっているから...、にも拘らず、
アタシは役立たずの噛ませ犬だった。ユーロの連中もアナタ達も失望してますよね。」
27:マサダ
09/08/11 09:41:53
ユイさんが行き成り立ちあがると、アタシの隣に座りアタシを抱きしめ、そっと、頭をなでてくれた。
「そんな事無いわよ。貴女は十分に活躍してくれました。感謝して居ます。有難う。本当に有難う。」
アタシの全身から力が抜けて行く。
「すいません...。少し、泣いて...良いですか?」
「いいわよ。少しは、肩の荷を下ろしなさい。」
「その前にすいませんけど...。」
「あ、ごめんなさい。気付かなかった。貴方、少し席を外してくれません?」
「え!何で?」
「良いから、早く。」
アタシは自分の弱い自我を保つために、極限まで上げられたプライドを上げてる。その為、総司令の様な人物が見ている前では
泣くことすら出来なくなっていたのだ。
「ひっ、うぁーん。何で、アタシだったの...。4歳だった...、普通なら親に甘えて、遊び回っている歳...。
遊びたかった....、甘えたかった...。アタシ、アタシ。」
泣いた事で少し、気分が落ち付いたのを見計らって。ユイさんは所長を呼んで元の席へと座った。
「ごめんなさい。話って何でした。」
「あのね。貴女が良ければ養子にしたいんだけど駄目かな?」
「!そんな事、急に言われても答えようが...。」
「答えは、直ぐで無くて良いの。こんな事で、貴女にした事が許されるとは思わないけど、これが、今の私達にできる
精一杯の事なの。」
「シンジ...君は知ってるんですか?」
「いいえ、私と碇で相談しただけ。貴女が了解してくれたら相談する積り。」
「...。」
「それにね。女の子も欲しかったのよね。」
「そう、女の子は良い...。」
「あ、な、た、変な事考えてません?」
「そ、そんな事は無いぞ。うん、決して、変な意味で言った訳では無い。」
28:マサダ
09/08/11 09:43:08
所長室を出ると、シンジが待っていた。アタシが大泣きしていてせいで1時間以上部屋にいたが、それでも待っていてくれた
みたいだ。
「あ、アスカようやく出て来た。大丈夫だった?変な事、言われたりしなかった?」
「言っとくけど、アンタのご両親よ。そんな事有るわけ無いでしょ。」
「そうだけど、アスカ、目が腫れてるよ。泣いたんじゃないの?」
ヤバい、気付かれた。
「違う。これは、違うの気にしないで。」
「アスカ、エヴァが無くなる訳じゃ無いんだろ。再開されたらまたアスカが必要になるよ。」
「無理ね。アタシはもう直ぐエヴァに乗れなくなる。嘘だと思うならアタシのシンクロ率をグラフにして見なさい。バカなアンタ
でも下がっているのは解る筈だわ。」
「それって、偶然じゃないの?僕は殆ど変わって無いよ。」
「アンタならそうだろうね。要するに、エヴァは大人は乗れないって事よ。」
「それなら、僕の方が乗れなくなるのが先じゃないの。背がこんなに伸びて成長が激しすぎる。プラグスーツを年に何回も
替えないとダメなんだよ。」
「アンタは、形だけ大きく成っただけじゃん。中身は子供のままよ。」
「あ、そう言う事か、アスカは昔から大人びていたからな。」
「あんた、ばかぁ、良い?女の子はね、女の子は...。もう良い、自分で調べなさい。」
このバカは、女の事を何も解って無い。アタシに恥ずかしい事言わせないでよ。
「何だよ。教えてくれても良いだろ。」
29:マサダ
09/08/11 09:44:01
セキュリティエリアの外に出ると、ヒカリと二馬鹿が居た。
「アンタ達が何で居るの?」
「碇君のお母さんから電話があってね。二人が落ち込んで居るかもしれないから来てくれないって言われて。何か有ったの?」
「あは、エヴァが無くなるんだって。ようやく、普通の生活が出来るって訳。何で、落ち込むのかな?」
アタシは、無理して明るく言ってみる。誰が、聞いても強がりにしか聞こえない。
「何だって、そんなぁー。僕が乗る前にそれは無いだろ。」
心配しなくてもメガネオタクに乗れる訳が無い。
「大丈夫、あくまでも凍結なんだ。再開は有るよ。」
今日は、コイツらと話していると疲れる。一人も嫌だ。
「ヒカリ、今から家に遊びに行って良いかな?」
「良いよ。大歓迎。」
「じぁね、アンタ達は適当に何処か行きなさい。」
「何や、相変わらず。いけすかない女やな。」
「仕方無いいよ。アスカは内心は結構、落ち込んで居るから、そっとしておいてあげようよ。」
「このアップルパイ、美味しいね。」
「バカシンジが料理が上手い理由は、こう言うのを小さい頃から食べていたお陰ね。本当に幸せな奴。」
アタシはユイさんに貰ったアップルパイをヒカリの家で食べている。味音痴の二馬鹿に食わせるのは
勿体ない、シンジは家で食えるから良いだろう。
「アスカってどんな話しても、碇君の話に成るね。解りやすいわ。」
「な、何、言ってるのよ。そんな事無いわよ。」
顔を真っ赤にしながら言っても説得力無いね。言われるまで気付かなかったアタシは相当に迂闊だ。
「でも、碇君は難しいよね。女の子の事何も解って無いって言うか、アスカが必死にアピールしても全然、振り向かない
もの。鈍感過ぎるわね。」
「あ、あ、あ、アタシが何時あのバカにアピールしたのよ。変な事言わないで。」
嘘ばかりだ。アタシは何時もシンジに自分を見て欲しい、自分だけを見て欲しいって願っている。でも、あの男は振り向いて
くれない。もっと、ストレートに言わないとアイツには絶対に伝わらないのは解っている。でも、それはどうしても出来ない、
何時も偉そうにしている癖に実は、強度の恥ずかしがり屋でシンジの前だと言いたいことと別の事を言っては、アイツを
困らせる本当に最低な女だと思う。
30:マサダ
09/08/11 09:45:53
ミサトは首都の第二東京へ移り、シンジが実家で両親と暮らすようになって、アタシは元ミサトの住んで居たマンションで
一人暮らしをして居る。家賃は、研究所から出ているから心配はない。ただ、一人で居ると最近、出てくる奴が居る。
「やあ。」
「また、アンタか。毎日飽きないわね。」
「最近は、怖がらなくてつまらないよ。」
「あんた、ばかぁ、アタシが何時怖がったってーの。」
「相変わらず。面白いね。最初に現れた時の泣き叫んで怖がる顔は今でも忘れないよ。」
「あれは、怖がったんじゃ無くて、お、お、驚いただけよ。行き成り、銀髪の男が乙女の部屋に現われたら、普通は驚くわ。」
「そんな事言って、お札とか飾っていたじゃないか。」
「あれは...。もう、いいわ。それより何?」
「良かったじゃないか、シンジ君と再び暮らせるんだろ。」
「あんた、やっぱり、バカね。良い、シンジと兄弟に成るって事は、もう、シンジとは...出来ないって事なんだよ。」
「遺伝子的に繋がって無いなら関係ないだろ。」
「そう言う訳にはいかないの、それがアタシ達のルールなんだから。」
「リリンは、相変わらず面倒だね。」
「仕方がないじゃない。ルールを作らなければ、アタシ達の集団は最後には潰しあって滅びるもの。ルールを作っても、
色々あるんだからね。」
31:マサダ
09/08/11 09:46:41
「だったら、正面からシンジ君を手に入れるしか無いんだろ。」
「それが、出来たら苦労は無いわよ。何度同じ事言わせるの?」
「僕は、君には感謝して居るんだよ。だから君にも幸せになって欲しいと願ってる。君の望みどおりに、君らの言うところの
レイをコッチに連れて言ったじゃないか。」
「その名前をアタシに聞かせるな。」
「ごめん、君は僕に教えてくれたよね。シンジ君を幸せにしたいなら、ユイさんを戻してやれと、確かにそれでシンジ君は
幸せになった。だから、君の望み通の事をした。でも、君は少しも幸せそうじゃない。」
「だったら、何でシンジの心からあの女の思い出を消してくれなかったの?アイツは、今でもあの女の事を...。」
「それは、僕でも出来ないと言ってるだろ。それに、君がシンジ君の前で素直に成れないのは、それとは関係ないと
思うけどね。」
「半分はイエス、でも半分はノーよ。アタシが欲しいのはアイツの心、その心に別の女が居るのは許せない。アイツがアタシの
物に成らないなら、アイツの存在はアタシを傷付けるだけ。だったらシンジなんか要らない。」
「やっぱり、君は面白い。そろそろ、行くよ。また、話しに来る。」
「ふっ、一昨日来やがれ。」
32:マサダ
09/08/11 09:47:41
日曜日、アタシは制服に着替えると、シンジの家へと向かった。
こう言う話をする時は正装で行くべきだと思ったからだ。菓子折りとかは如何しようと思ったけど、そんなの持って行くのは
アタシらしくないと思って止めた。
「こんにちわ。」
「あれ、アスカ、今日は日曜日だよ。何勘違いしてるの?」
今日は、コイツとは話したくない。アタシが悩んでいるのに何て能天気なヤツだ。
「あら、アスカさん。...そう言う事ね。」
全てを察したユイさんがアタシに耳打ちする。
「シンジは居ない方が良いわね。」
アタシは、小さくうなずく。
ユイさんは何かをメモするとシンジを呼んで手渡す。
「シンジ、悪いけどこれだけ、これだけ、買ってく来てくれる?」
「ちょっと、こんなに買ったら結構時間かかるし、これなんかデパートじゃないと...。」
「良いから、行ってきて。お願い。お昼に好きなもの食べてきて良いから。」
「え、本当?じゃー行ってくる。でも、アスカは良いの。」
「良いから、行ってきて。」
「紅茶で良いかしら?」
「あ、お構いなく。」
居間に通されると、ユイさんが紅茶を入れてくれた。
「ミルクやお砂糖は要る?」
「大丈夫です。」
「ワシは要る。」
「ハイハイ、この人ね。こんな怖い顔しているけど、甘党なのよ。可愛いでしょ。缶コーヒーもロング缶なのよ。」
そういえば、セキュリティーエリア内に無理やり自販機を入れたのは碇司令って噂を聞いたけど、本当かも知れない。
33:マサダ
09/08/11 09:48:20
「で、決めてくれた?」
「ええ、今回のお話は有り難いんですけど、お断りしようと思って。」
「そう、やっぱり、許してくれないのね。」
「いえ、そう言う意味じゃなくて、えっと...、シンジ君の事が...。」
「シンジの事、そこまで嫌いなの?」
「い、いえ、違うんです。そのー、シンジ君の事...だから。...兄妹になると...。」
肝心な事がはっきり言えないって相変わらず、情けないな。
「あ、そう言う事か、ごめんなさい。全然気付かなかったわ。」
「アタシ、素直じゃないから。多分、カレも知らないと思います。」
「そっか、でもね。私から言うのも何だけど、シンジは難しいわよ。」
「ええ、解ってます。でも、...なのは仕方ないです。だから、頑張るしか無いかな...。」
「有難う。家の息子をそこまで思ってくれる人が居て嬉しいわ。なんなら、私から言ってあげようか?」
「や、や、や、や、や、止めて下さい。その恥ずかしいし、第一、アタシは愛されたい娘なので、愛してくれないなら
付きあっても仕方ないし。多分、憎く成るだけだと思います。」
「そう、頑張ってね。私は何時も貴女の味方よ。」
「良く解らんが、アスカ君はシンジを...。」
「貴方は黙ってらして!」
「所長は黙っていてください!」
34:マサダ
09/08/11 09:48:47
「ええ、今日の夕食はアスカが作ったの?不安だな。」
「嫌なら食うな。」
嘘、違う。食べて欲しいのお願い。
「大丈夫よ。アスカさん一生懸命作っていたし、私がチャンと見ていたからね。」
「て、言うか、殆どアンタのお母様に教えて貰ったって言った方が良いけどね。」
「じゃ、安心だ。アスカ一人じゃ不安だもんな。」
「どーせ、アタシ一人じゃ料理一つろくに作れませんよぉーだ。」
「一緒に暮らしていた頃は、僕が作っていたからな。アスカの手料理って初めてじゃない?」
そうだよね。こんな事なら、アタシも料理を作れば良かった。男の子のハートを射止めるのに手料理は、定番だもんね。
もっと、アタシの料理じゃ嫌われていただろうけど。
「でも、何でいきなり、アスカが料理なんて言い出したの?」
「別に良いでしょ。アタシもそろそろ、マトモに料理位出来るようになりたいもの。ミサト見たくなったら、ヤバいでしょ。」
「だからって、家で練習しなくても...。」
「あれ、シンジは不満なの?アスカさんには色々、お世話になたったでしょ。これ位は協力しても良いんじゃ無い?それとも、
貴方もアスカさんを世間の人が言ってるみたいに、役立たずとか思っている薄情な人かしら?」
「そんな事無いよ。アスカにが居てくれなかったら僕は如何なって居たか解らない。世の中では僕が一人で戦って、
僕を英雄みたいな言い方をするけど、僕なんか言われたままに動いていだけ、むしろ、凄いのはアスカだよ。」
「ありがとう。嘘でも嬉しいよ。」
やばい、泣きそうだ。でも今日は、泣いたらダメだ。
「それにね。アスカさんがこうやって来てくれると、女の子が出来たみたいで嬉しいわ。」
「そう、女の子が家にいると華やかで良い。」
「やっぱり、別の事考えてませんか?」
「だから、変な意味で言ってないと言っているだろう。全く、ワシを何だと思ってるんだ。」
やっぱり、十分怪しいよ。何で、ユイさんはこんな怖い人と結婚したのかな。
「しかし、アスカが料理に目覚めるとは、好きな人でも出来たのかな?」
「あんた、ばかぁ、何......、もう良い、知らない。」
「やはり、苦労しそうね。アスカさん。」
「ええ、そうですね。」
「何、何どうしたの?」
こうして、アタシのマサダ攻略が始まったのだった。
35:マサダ
09/08/11 09:50:57
こんな感じです。
ユイが戻ってきたらで書いてみたら、シンジが単なるバカ息子になってしまいました。
このままいくと、バカップルになりそうな気もします。
36:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 10:19:08
乙。
ゲンドウワロスwww
37:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 12:45:22
マサダさん、GJです。
仕事の昼休みにこんなに良いSSが読めるなんて感謝です。
鈍感なシンジとアスカが無事結ばれれば良いですね。
僕も入れ代わりの続きを執筆せねば。(>_<)
続きを楽しみにしていますよ。(^O^)/
38:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 12:52:28
ゲンドウ、素がシンジっぽいw
39:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 13:26:56
なんか、黒アスカだなw
40:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 13:34:17
LOSかよww
41:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 17:22:10
乙です!
こういう和やかな空気はすごく好きです!!
続き楽しみにしてます!!
42:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 19:12:34
>>40
LOSって何?
43:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 19:15:02
夏厨の臭いがする
44:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 19:24:21
自分で調べてから聞けよ…
45:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 19:32:42
>>42
ラブラブ・オリキャラ・シンジ
もしくは
ラブラブ・俺・シンジね
46:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 19:38:26
>>45
夏厨にかまうなよ。もっと酷くなるぞw
47:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 19:40:14
ifの時みたいにですね、分かります
48:35
09/08/11 20:22:15
評判が良くて良かったです。
>>37
誤解の無いように題名について補足しますと、マサダとは紀元1世紀のユダヤ戦争で使われた砦の名前です。
これを攻略するのにローマ軍は2年かけてなだらかなスロープを作ると言う正攻法を取ったんですね。
難攻不落のシンジ君を攻略するには時間をかけて正攻法で攻めるしか無いって事です。
49:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 20:53:35
>こうして、アタシのマサダ攻略が始まったのだった。
ここだなw、LOS
50:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 21:34:57
俺×シンジ・・・?
アッー!
51:if
09/08/11 23:01:46
呼んだ
52:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/11 23:07:48
もう来ないで
53:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 01:01:05
↑面白い会話ww
54:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 01:44:18
>>51
呼んでない呼んでないw
55:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 05:31:50
乙です。
ひそかに赤木博士がどうなっているか気になりますが..
56:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 14:14:05
おつ
57:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 14:15:28
>マサダさん
良かったです。ぜひ続編をお願いします
58:マリン@marin
09/08/12 17:37:54
*言葉ハ違エド想イハ同ジ*
私はいつも通りの日常を送っていた。
シンジと一緒に起きてシンジと一緒に学校へ行く。
お互いに好きみたいではいるけれど、私たちはまだ付き合っているわけではない。
今のところはミサトとシンジと3人でただ同居しているだけ。
毎日普通の日常生活を送っていた。
ある日私たちはケンカをした。理由は些細なこと。シンジが掃除をしていたのでちょっかいを出していたら怒られた。
いつもならやめてよ!とか言って終わるはずなのに今日は怒られてしまった。
私はちょっとやりすぎたかな、と反省した。
59:マリン@marin
09/08/12 17:40:21
いつもならシンジが謝ってくるはずなのに…今日は…こなかった。
テスト期間前だからピリピリしてたのかな。ごめんね、シンジ。
結局面目向かって謝ることは出来なかった。
バカね、アタシ…自分の気持ちに素直になれないなんて…
シンジと仲良く過ごしていたいのに…謝ることさえできないなんて…
60:マリン@marin
09/08/12 17:44:26
一方シンジも苦悩していた。
あぁ。テスト前だからついかっとなって怒っちゃった…
ごめんね、アスカ。
僕だって怒りたくはなかったけど、ついカッとなっちゃった…
早く掃除終わらせてテスト勉強したかったんだ。
僕も面目向かって謝りたかったけどさ…タイミング…逃しちゃった…
でも…大好きだからね…アスカ。
結局お互いに謝ることが出来ず、その日を境に徐々に私たちの関係は悪くなっていった。
学校には一緒に行くがほとんど会話はない。
学校でもほとんど話さない。もちろん帰りもほとんど話はしなくなっていた。
61:マリン@marin
09/08/12 17:47:13
でも離れることはなかった。
お互いに思っていたことは一緒だったから…
テスト直前の帰り道、私はこのタイミングを逃すまいと思いシンジに謝ることにした。
「あの…シンジ…」
「何?」
「あの…」
「だから何?早く言ってよ」
私は詰め寄ったがシンジは冷たかった。
「だから何なんだよ!」
「な、なんで私が怒られなきゃいけないのよ!」
「もういいよ!」
「よくない!」
「うるさい!もうやめてよアスカ!こないで!」
62:マリン@marin
09/08/12 17:50:08
違う、違うんだよアスカ。これは僕の気持ちじゃない。拒否してるわけじゃないんだよ!アスカと…一緒に居たいんだよ!
でも僕は頭で考える前に口が先走ってしまった。
「え…」
私はショックだった。シンジにこんなこと言われるなんて。
あぁ…私はシンジになんとも思われていないんだ…
普段ならこれぐらいは普通に流せただろうけど、落ち込んでいた上にさらに追い討ちをかけるような言葉だった。
63:マリン@marin
09/08/12 17:51:17
私は死にたくなった。テストも何もどうでもよくなった。
大好きなシンジになんとも思われていないなら…
シンジと一緒に居られないなら…
私は生きている意味がないもの…
深く考えすぎかもしれないけど、生きているのが嫌になった。もう嫌。
そう思うと私は道路に飛び出してしまった。
ドンッ
遠くからシンジの声が聞こえたような気がしたが、私は意識がなくなった。
64:マリン@marin
09/08/12 17:53:40
続きは後ほど投下します。
65:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 18:05:53
こーゆー作品って放置になること多いよな
66:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 18:40:35
ほのぼの作品かと思ったら、とんでもない方向にw
続き待ってます
67:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 19:05:25
GJ!!
アスカが大丈夫なのか気になるなぁ
続き待ってます!
68:マリン@marin
09/08/12 19:07:21
>>63の続き投下
しばらくして私は目が覚めた。
「ここは…どこ?」
目の前には一面に花畑が広がっていた。とても綺麗だった。
「あ、あそこに川がある。行ってみようかな。」
私はその川に向かって歩いていった。
そして川に入ろうとした瞬間、私は聞き覚えのある声を聞いた。
「アスカ!」
えっ…?シンジの声…?
「アスカ!そっちに行っちゃダメだ!」
私は振り向いた。そこにはシンジがいた。
69:マリン@marin
09/08/12 19:09:03
「なんで…行っちゃダメなのよ。」
「そっちに行くと死んじゃうんだよ!」
「…いいじゃない別に。私はシンジに拒絶された以上この世にいる意味はないもの…
シンジのこと…好きだもん…」
「僕も…アスカのことが好きだよ!だから…行かないで!」
「嘘ね…本当はあんた私のことどうでもいいって思ってるんでしょ?」
「嘘じゃない!どうでもいいなんて思ってないよ!
アスカのことを…世界で一番愛してる!さっきは…ごめんね。本当は謝りたかったんだ…」
そう言われるとアタシはシンジに抱きしめられた。
70:マリン@marin
09/08/12 19:11:09
「…本当?」
「本当だよ!」
「…じゃあ愛してるって証を私に…」
その瞬間私は半ば強引に唇を奪われた。
「ちょ、ちょっと!」
「これが…僕の証だよアスカ!だから帰ろう!僕たちの家に。
…僕はアスカが大好き。アスカと…ずっと一緒に居たい。」
「…ぐすっ…うん…」
私はシンジに連れられて川とは反対方向に歩き出した。
やっぱりまだ死にたくない。シンジと…一緒に居たいから。
こんな自分が情けないけど…まだ生きていたいと思った。
私の夢?はそこで終わった。
71:マリン@marin
09/08/12 19:17:25
「アスカ!起きたんだ。良かったぁ!」
「シンジ…?」
目が覚めると、病室にいた。
「うぅ…本当に…良かった…アスカが生きてて…さっきはごめんね…」
シンジが泣いてる?…そっか。私のことずっと心配しててくれたんだ。
後で医者から聞くと、私は何ヶ所か打撲したが、それ以外は一時意識不明になったぐらいでなんともなかったらしい。
ま、不幸中の幸いってやつ?
…違う。シンジが守ってくれたに違いない。
というか、なんともないって言ったらおかしいかな。
72:マリン@marin
09/08/12 19:20:38
*言葉ハ違エド想イハ同ジ*
そんな気がした。
それでシンジは輸血ならいくらでもするからアスカを助けてあげてください!なんてずっと言ってたらしい。
もう恥ずかしいわよ!
…でもありがとうシンジ。
今生きてられるのはシンジのおかげだもん。
シンジは私が入院中、毎日お見舞いに来てくれた。
学校が終わってからすぐ来てくれて面会時間のギリギリまで居てくれた。テストもあるはずなのに。
…そして私たちはいつの間にか仲直りしていた。
73:マリン@marin
09/08/12 19:25:20
そして2週間後、私は退院した。久しぶりに帰ってきた。私の家に。
「ねぇ、アスカが意識不明のときに僕こんなことがあったんだ。
アスカのこと思ってたら突然目の前が真っ白になって気が付くと一面花畑で…そこにアスカが居たんだ。
覚えてないけどそこで僕は何か言った気がする。
アスカには僕の想い…伝わったかな?」
それ、私と一緒じゃないの。やっぱりシンジと私は繋がっている。助けにきてくれたのね。
74:マリン@marin
09/08/12 19:27:13
「ねぇアスカ聞いてる?」
「聞いてる。想いは伝わってきたわよ。シンジ(^-^)」
私は最高の笑顔で返してあげた。
シンジの顔が真っ赤になる。恥ずかしそうだ。シンジったら可愛いとこあるじゃない。
「それでね、あの、僕…アスカのことが好きなんだ。だから…」
「付き合って欲しいの、シンジ。」
「えっ?」
「付き合って欲しいっていってるの!」
「…もちろん!」
「こ、これは、アタシのこと助けてくれたお礼として付き合ってあげるんだからね!勘違いしないでよね!そ、その…私を大切にしなさいよ。」
75:マリン@marin
09/08/12 19:31:17
「約束するよ。一生アスカを守り抜くって!」
ちょ、そんなこと言われたら恥ずかしいじゃないの!今度は私の顔が真っ赤になった。
…でも嬉しい。私は今世界で一番幸せかもしれない。ありがとう。シンジ。
こうして私たちは新たなスタートを切った。よろしくね、シンジ!
それにしても事故の代償は大きかったわ。いい意味で…ね。
…えっ?テスト?入院中に病院で受けたけどバッチリだったわよ!
この天上天下唯我独尊のアスカ様にかかれば勉強しなくたって余裕よ!
…退院後シンジと一緒に補習したわ(笑)私でもやっぱり少しは勉強しなくちゃダメね(笑)
THE END
76:マリン@marin
09/08/12 19:34:26
以上です。
初投稿だったのでちょっと緊張しました。
これからも書きたいと思いますのであたたかく見守ってやって下さい。
77:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 19:47:56
乙です。展開は不安だったがほのぼのしたw
個人的に顔文字はいらんかったかな?
78:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 20:28:50
乙乙
79:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 20:29:08
キンモクセイまだかのぅ
80:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 20:55:02
行間空いてるのと(笑)とか顔文字とか気になったけど、良かったと思う
81:マリン@marin
09/08/12 21:11:19
読みづらくて申し訳ないです。
次からは指摘されたところとか直してまた書きたいと思いますのでよろしくお願いします。
82:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 21:16:47
好き嫌いの問題だけど、いきなり付き合ったり好きじゃないな
付かず離れず的な距離感が好きだたりする
83:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 21:25:21
>>81
頑張ってくれや~
84:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 23:37:59
まぁ夏だし、こんなのもありかも。
85:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/12 23:53:29
円谷氏はまだですか
86:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 01:09:35
夏だからとか作者にどんだけ失礼なこと言ってるんだ
87:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 01:13:33
夏だなぁwww
88:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 03:18:21
>>86
そういう次元だって事
89:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 07:39:21
>>81
話の流れ的には起承転結がちゃんとあって読みづらくないよ。文体とセリフにもうちょっとフックが欲しいところです。がんばって書いちゃってください!
90:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 08:20:57
お、新しい書き師が来たね
91:トゥルー
09/08/13 12:12:03
三号機に乗ったアスカを助けるシンジの痛快のラブロマンス
シンジ「ゲンドウさん!おめぇえええええ!!!ってやつはああああああああああ!!」
ゲンドウ「文句あるのか?助けられないのか!!」
そういうとゲンドウはダミープリグのスイッチを押さんとする
と、その時である
ミサト「待ててえ!!」
ゲンドウ「!!葛木さん!!」
静まり返る場内・・・・・と、その時である
リツコ「このシンジは止める事が出来ないのね」
シンジ「うぉおおおおおおおおお!!!アスカああああああ!!!」
初号機が雄たけびおあげる。そしてアスカの入っているプリグを引き抜こうとしている
ゲンドウは「やめろ!この!何故だ!ダミープリグが反応しない!!?」と言った
するとリツコは「シンジの願いがそうさせているのよ。言ったでしょう止める事は出来ないのよ」と言った
するとミサトは「いきなさい!」と言ってシンジを激いれするのである
キュポン!という音と共にプリグが抜かれた
シンジは思う。このドロっとした液体こそが使徒なのだと
シンジ「ネバネばネバネバとうぜぇヤツだ!これで終わりにしたやるぜええええええええ!!」
初号機の手の平にネバネバが吸い寄せられ消えていくのであった
リツコは言う。「初号機のシンジの願いの反映されたデストルドーとリビドーの境目なのだと」
そしてシンジはプリグをへし折る!アスカを助け出す、ただそれだけの為に!
ボキン!という音と共にプリグが割れた
するとアスカが中から出てきたではないか
シンジは安心して「良かったねアスカ」と言うとアスカも「良かったよシンジ」と言うと口漬を交わすのであった
ゲンドウは「桃太郎みたいなアスカならば・・・」と言うとその席から立ち上がって二人を祝福した
happy end
92:トゥルー
09/08/13 12:13:02
自分で書いてて泣けてきた
みんなも泣いてくれると嬉しい
初めてこういうの書いたけど自分でも結構納得な出来だと思う
93:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 12:17:04
夏過ぎるだろw>プリグ
94:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 12:19:02
桃太郎wwww
お前わざとか?www
95:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 12:19:18
口漬w
96:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 12:41:33
新手の荒らしなんだろうけど、どうしてもダミープリグで笑ってしまうw
97:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 12:41:58
>>92
全俺が泣いた
98:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 13:19:12
桃太郎じゃなくてかぐや姫だろ、と突っ込んだ俺
99:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 13:29:06
狙ってても天然でも凄い才能だとは思う
100:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 13:42:38
プリグwwキュポンwwボキンwwアスカが中からww口漬ww桃太郎ww
駄目だ腹いてぇwwww
101:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 13:50:51
>自分で書いてて泣けてきた
>みんなも泣いてくれると嬉しい
>初めてこういうの書いたけど自分でも結構納得な出来だと思う
この自信過剰っぷりは…ifの弟だろうか
102:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 13:51:08
これはifへのオマージュだなw
103:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 14:00:35
ifってんなこと言ってたの?
104:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 14:02:01
まぁ、あり。
105:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 14:04:35
(゚д゚)ナンダコリワ
106:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 14:07:15
な、夏厨なんかに釣られないんだからねっ…!!
実はifじゃね?
107:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 14:09:22
>>103
197 名前: if [sage] 投稿日: 2009/07/22(水) 19:28:57 ID:???
どうも、6日ぶりに投下します
7月20日に二回目の破を見てきました
一回目は6月28日です
サウンドトラックも買いました
そして、今、話題のRE-Takeの同人誌も読みました
俺の書く小説は、俺の思い描いている物語です。
みんな、それぞれのエヴァの楽しみ方があります。
今までこんな夢中になったアニメは数える程度です
以上です
258 名前: if [sage] 投稿日: 2009/07/26(日) 14:42:46 ID:???
まあ、うまく書けたかな、これは3号機事件のプロトタイプです
他の人たちはエヴァの話をどう料理してくれるんだろうか
では、さようなら
298 名前: if [sage] 投稿日: 2009/07/27(月) 22:38:56 ID:???
やっぱりプロは違うな
昨日、調子に乗ってサキエル話と
シャムシェル話を投下しようと思っていたが、やめて良かったよ
またこのスレが大惨事になるとこでした・・・いや俺か・・
この話はいいな。癒されるな
なんか元気が出てきた、明日も仕事が頑張れる。
みなさんお休みなさい
ベラベラとよく喋り、自分を肯定するとこなんかソックリすぎる
108:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 14:20:41
>>107
なによりビックリしたのは社会人なとこだ
109:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 14:31:21
いずれにせよ只者ではないッ・・・w
110:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 17:48:06
よくわからんがワロタw
111:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 18:47:47
>>91
まるで隙が見当たらない
完璧だww
112:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 20:16:28
>>24
の続きを落とします。
113:ドライブ
09/08/13 20:17:03
アタシがシンジと言う難攻不落の要塞に挑んでから、三年の月日が流れていた。
アタシ達は今、第二東京の大学に通う為に下宿をしている。残念ながら、アタシと
シンジは下宿先は違っていたが、大学も学部も同じだった。
「シンジ、早く開けなさいよ。何やってんのよ。」
アタシは、シンジの下宿している学生用マンションの扉をいらだち紛れに叩きながら言う。
完全に八つ当たりなんだが、他に出来る人が居ないので仕方がない。
「何だよ。アスカ、うるさいな。って何、ずぶ濡れじゃないかどうしたんだ?」
「ちょっと、付き合って。」
アタシはシンジの手を引いて、連れ出す。
「どうしたんだよ。行き成り、何処へ行くんだ。」
「良いから、黙って付いてきて。」
外へ出ると、既に雨は上がっていたが。道路はかなり濡れている。如何に、激しい雨か解る。
そのまま近くにある大学の駐車場に連れて行った。
アタシは、赤いスカイラインGTRの前までシンジを連れて行く。
「これって、アスカの買った車だよね。色が違った様な、しかも塗装がはがれかけている。」
「悔しいよぉー。」
アタシは、耐えきれずにシンジの胸に顔を埋めて泣き出してしまった。
「ちょ、アスカ、取りあえず。事情を説明してよ。」
「色が気に入らなかったんで、自分で塗料を買ってきて塗ろうと思って...。場所が無いんでココで
塗って...。塗り終わったら、にわか雨が...。今日は、晴れって...、気象庁を訴えてやる。」
「アスカ、少しは落ち着きなよ。取りあえず、家に来てお風呂に入った方が良い、風邪引くよ。塗装は、
来週、僕も手伝うから。」
「でも、また雨が降ったらどうすんのよ。」
「それについては、考えがあるから。」
「本当?裏切ったら、殺すよ。」
「はい、はい、取りあえず。戻ろ。」
114:ドライブ
09/08/13 20:18:18
「アスカ、着替えはどうする?」
「アンタのシャツで良いよ。アタシなら十分ワンピになる。」
そう、シンジはの身長は180を越えていた。アタシはと言えば、人工肉しか無かったセカンドインパクト世代
の性か、150を僅かに超える位だ。
「そう言われても、色々有るんだけど。」
「あんた、ばかぁ?こう言うときはワイシャツって決まってるでしょ。」
「アスカ、変な漫画を読み過ぎて無い。」
「うるさい。黙ってろ。バカシンジ。」
風呂から出て来たワイシャツ姿のアタシを見たシンジが、直ぐに目を逸らす。やっぱり、怒ってるのかな?
当然だね。無関係な話で巻き込んで居るんだから。
「アスカ、そこにコーヒ置いておいたから飲んでね。バターとブランデー垂らしておいたから、温まると思うよ。」
「ありがとう。相変わらず気がきくね。」
こう言う優しい所はシンジの良い所だ。
「でも、困ったな。服乾かないよ。」
「仕方がない。今日は泊まっていくよ。」
「ちょ、アスカ、何言ってるんだよ。」
「仕方がないでしょ。それともこの恰好でアタシのマンションまで帰れって言うの?」
「仕様が無いなぁ。僕のベット使う?男くさくて嫌かもしれないけど。」
「一晩ぐらい我慢するわよ。アンタも一緒に寝る?」
「そんな小さなベットに二人は無理だよ。僕はソファーで寝るよ。」
全く、この男は、女の娘から誘っているのに何て態度だろう。でも、シンジの匂いがするベットで寝れるキッヤ。
って、アタシは何を考えてんだ。
115:ドライブ
09/08/13 20:19:31
「アスカ、聞いたわよ。昨日、碇君の所に泊まったんだよね。」
同じ学部に進学したヒカリが聞いてきた。この学校、元NERV関係者の子弟がやたら多くて、流石にシンジの悪友は
居ないがヒカリは居る。その理由は、直ぐに解るので取りあえず省略。
「なんで、そんな事知ってんの?」
「アンタ、自分達が有名人だって事に少しは自覚したら?アンタ達の動向は常に誰かに見られてるって思った方が良いよ。」
この学校で出来た友達(女子ばっかり)も寄ってくる。確かに、元エヴァパイロットと言えば人類を救った英雄扱いだから
仕方がない。最も、有名なのはシンジの方でアタシは単なる噛ませ犬程度にしか思われてない。それでも。一応、
複数扱いにしてくれる友情には素直に感謝しよう。
「で、成果は?」
「ある訳、無いでしょ。あの男は難攻不落のマサダの砦よ。」
「そりゃ、上手い表現だね。」
「って、感心している場合か。アタシがココ一年、毎日、夕食を作りに行っても何にも無かったんだから。」
「そりゃ、アスカが食費を削って車代を貯めるために、碇君の所で食事をするなんて嘘を言うからでしょ。」
「普通は、1年も食事を作りに行ったら気付くよ。」
「それが無いのが、碇君の碇君たる所以じゃないの。」
「もっと、正直に言わないと、カレには通じないよ。」
「そんなの解ってるわよ。それが言えたら苦労は無いわ。」
先生が教室に入ってくると、一瞬に教室の空気が変わる。ざわついたのが一斉に黙り、皆が慌てて席に着く。
その先生の正体は、赤木博士だ。そう、この学校には赤木博士の講義がある。人工進化研究所に行きたければ、この人の
授業の単位は欠かせない。
何せ、このオバさん。じゃなくて、先生は気難しい。少しでも私語でもしようものなら、その生徒を睨みつけるとそのまま帰って
しまうなんて良くある。怒らせると、本当に怖い。このアタシでさえ怯えるんだから、どれだけ怖いかお解かり頂けるだろう。
116:ドライブ
09/08/13 20:20:05
今週は最悪だった。家に帰るたびに塗装の禿げたスカGが目入り、気が滅入る。本当は車を乗り回したいが、車に
近づくと余計に悲しく成るので出来ない。折角、苦労して買った車なのになんでこうなるんだろう。
だから、日曜日は少し気分が良かった。漸く、真っ当な塗装に成る。しかも、シンジと一緒に居れるのも良い。
駐車場に付くと、既にシンジが長いポールとビニールシートを用意して待った居てくれた。シンジはアタシに
手伝わせながら、テントを張る要領で屋根を作ってくれた。
「これなら、多少の雨でも平気だろ。頑張って、塗ろうよ。」
「うん。」
アタシは、大喜びでシンジと作業を始めた。
作業が終わると、アタシは大はしゃぎを始めた。もう、嬉しくて嬉しくて仕方がない。シンジはしばらく黙って
見ていたが、
「着替えておいでよ。見ててあげるから。」
と言ってくれた。交替で見張りながら着替えを済ませて、塗装が乾くのを待つ。今日は、雨が降らなくて屋根は無駄だったけど
シンジの気遣いが嬉しかった。
屋根を片づけると、かなり遅く成っていたが、思い切ってシンジを誘う事にした。
「今日のお礼に特別に、アタシの車に乗せてあげるわ。感謝なさい。」
「でも、もう遅いし。」
「良いでしょ。ナビ席に初めて乗せて貰う名誉を無にする事は無いわ。」
そう言うと、無理やりシンジを押し込んで車を走らせる。
117:ドライブ
09/08/13 20:20:30
「しかし、アスカは運転上手いよね。6速のMT車なんか普通は運転できないよ。」
「あんた、ばかぁ?こんなもんエヴァの操縦に比べれば簡単でしょ。」
「ええ、エヴァの操縦なんか別に難しく無かったじゃない。車の方が難しいよ。」
「アンタって本当に憎たらしい人ね。アタシがエヴァを操縦するのにどんなに苦労したと思ってるの。」
「ごめん。僕は何も考えてないから、何時もアスカに嫌な思いをさせていたよね。悪いと思ってるんだ。今更、謝っても
仕方がないけど。」
「はぁ、泣かせること言ってくれるじゃん。シンジも大人になったって事かしら。やっぱり、無敵のシンジ様は
お優しいですこと。」
「でも、良かった。アスカが明るく成ってくれて。」
「え?」
「アスカってエヴァに乗れなくなってから、無理して明るくふるまってる時も多かったけど、今日みたいにはしゃいだ
のって見た事無かったから...。」
「アタシが子供みたいな言い方しないでよ。」
でも、そう言われても仕方がない。アタシは未だに髪を腰まで伸ばして、ご丁寧にエヴァのインターフェースユニットを
髪飾りにして居る。もっとも、今付けているのは某玩具メーカが出している玩具だ。本物は大切な時にしか付けない。
「でも、今日のアスカはいつもと違うよ。何て言うか...、その可愛いと言うか。」
「え!恥ずかしい事言わないでよ。本気にするよ。」
あれ、シンジがこんな事言ったの初めてじゃないの?丁度、ラジオからはマライヤ・キャリーが流れているし、
これは試してみようか。
アタシは路肩に車を停めると目を軽く閉じて、シンジの方を向く。
「ねぇ、お願い...して。」
さぁ、女の娘がここまで勇気を持って誘ったのよ。根性見せてよね。
かなり長い時間が過ぎたような気がする。もしかすると直ぐかも知れない。シンジの手がアタシの肩に回ってきた。
ガタガタ震えているのが解る。可愛いね。そのまま、アタシを抱き寄せると、...。
これ以上は恥ずかしくて言えないよぉ。
ともかく、カレはアタシの事を好きになってくれたみたいだ。三年がかりで頑張ったかいがある。
118:ドライブ
09/08/13 20:22:10
こんな感じです。
では、また。
119:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 21:08:25
話は良いんだが、素人にオールペンなんざさせんなよw
120:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 21:12:34
>でも、シンジの匂いがするベットで寝れるキッヤ。
ベットでキッヤ?
121:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 22:30:54
乙乙
122:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/13 22:43:04
携帯小説っぽい
123:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 00:19:35
まだスカイラインがついてるから34かな?
124:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 01:33:14
>>118
GJです!
125:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 03:00:53
車の塗装って、刷毛で塗るとでも思ってるのww
126:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:37:51
またLAS投下しちゃうけど、いいよね? 答えは聞いて(ry
127:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:38:51
【ペギラ が 来た!】
「シンジ、何見てんの?」
風呂上がり。
アスカが髪を拭きながらリビングに戻って来ると、何やらシンジがテレビに見入っていた。
食後の片づけを全て終わらせ、ゆったり寛いだ雰囲気で。
「ドキュメンタリー。南極のコウテイペンギン特集だって」
現在の南極大陸と言えば、セカンドインパクトの影響で何物も寄せ付けなくなってしまった不毛の地。
シンジが見ている番組は彼(か)の地に、まだ生命が存在していた頃の記録映像とのこと。
「海洋生物研究所に行ってから、ちょっと昔の動物に興味あって」
「へぇ。バカシンジのくせに、教養番組なんて見ちゃうんだ」
セカンドインパクト以前の生物に興味を持つのは、悪いことではないとアスカも思う。
が、それにしても、
「けどさ。ペンギンなんて、ウチにも居るでしょ」
「そうだけどさ……」
どれも同じなんじゃないの、と。
コウテイペンギンと温泉ペンギン――普段からペンギンを見慣れているアスカにとっては、大した差異があるようには思えない、とのこと。
「アスカも見れば分るって」
「どーかしらね」
お風呂上がりで薄着になったアタシより、絶滅した鳥を見てる方が楽しいワケ?
などと思いつつシンジに促され、アスカもリビングに腰を下ろした。
128:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:40:02
『コウテイペンギンのオスはメスの産んだ卵を約2ヶ月間、立ったまま温めます。
ブリザードが吹き荒れ、マイナス60℃にまで気温の下がった過酷な環境の中で雪だけを食べ、雛の孵化を待ちます。
繁殖地への移動期間を含めると、ほぼ4ヶ月間の絶食状態が続くのです』
テレビの中ではコウテイペンギンのオス達が身を寄せ合い、文字通り凍えるような寒さに耐えている。
雪のみを主食とし、立ったままずっと卵を温めるというのは、人間の視線から見てもなかなかの苦行に思えた。
「……根性あるじゃん」
「うん」
『こうしてオスの忍耐の甲斐あって、コウテイペンギンの雛が誕生するのです』
ナレーションと共にオスの脚の間から灰色の羽毛の雛が、よちよち歩きで這い出てくる。
生まれた瞬間から極寒の地で生きていくことを運命づけられたのは、雛にとって幸か不幸か。
「でも、この後みんな死んじゃったんでしょ。セカンドインパクトで」
「……やるせないよね」
アスカに同意を示し、シンジが頷く。
加持に誘われて海洋生物研究所に赴いて以降、シンジは少し感傷的になっているようだった。
「そう? 過ぎたコト言っても、どーしよーもないじゃない」
一方でアスカはドキュメンタリーが終了すると、予め冷蔵庫から取り出していた缶ジュースのフタを開けた。
海洋生物研究所でも素知らぬ顔をしていた彼女にとって、コウテイペンギンも飽くまで過去の遺物でしかないのだろう。
「……加持さんが、さ」
ジュースを喉にゴクゴクと流し込むアスカを横目で見ながら、シンジが言う。
「何かを作る、何かを育てるってのはいいぞ……って、言ってたんだ」
129:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:41:09
いろんなことが見えるし、分かってくる……それも付け加えて。
「加持さんの場合はスイカの栽培だったけど……」
植物を育てることも、あのコウテイペンギン達のように子供を育てることも、根本は変わらないのかもしれない、と。
幾星霜の年月が流れても普遍で有り続けるもの。それが生命の営み。
セカンドインパクトによって生態系が激変しても生命の奔流、その根源は依然として昔のまま。
使徒と戦うことは人類を守ると同時に、そう言った生命の循環―――地球を守っていることに繋がっているのだと。
「アンタって、そんな影響されやすい性格だっけ?」
コトッ。
中身を飲み干した缶ジュースをテーブルに置き、アスカが訝しむ。
「影響ってワケじゃないけど……ネルフの人達だって、サードインパクトを起こさない為に頑張ってるんだしさ」
今度こそ全ての生物が滅びてしまう、それを食い止める為の戦い。
「……僕も、頑張らなきゃな、って」
「ふーん。それなりに自覚はあるようね」
シンジにもどうやら、やや遅咲きではあるがエヴァパイロットとしての自覚が芽生え始めたらしい。
それとも初めてアスカと出会った日に「エヴァに乗って戦えないことを恥とも思わないなんて!」と罵倒されたのが今になって効いたのか?
普段頼りない印象のあるシンジだが、たまに胸をキュンと高鳴らせる台詞を吐くので、油断ならないのだった。
「何かを作る、何かを育てる……か」
アスカは思索に耽る。
それは孤独を愛する彼女にとって、最も縁遠いコトではなかったか。
この場合、女性であるアスカに出来る生命の営みと言えば、出産と子育てに該当する。
子供なんて要らない。絶対要らない。そう固く思い続けても月経の痛みからは逃れられない。アスカが唯一、自身が女であることを呪う日。
130:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:42:12
「だったら」
アスカは身を乗り出し、眼前で寛ぐシンジを見据え、呟く。
キャミソールドレスの胸元がやや開き、発育良好な白い胸を僅かながらチラリと見せつけ、
「アタシも作ってあげよっか」
「え……?」
シンジに問い掛ける。
問われた方のシンジは、いきなりアスカが誘惑するような仕草を見せたことに驚きを隠せず、みるみる顔を赤くしていった。
視線はアスカの顔と胸元、上下を忙しくなく行き来していて、やたら落ち着きが無い。
以前レイを押し倒した時でさえ、ここまでの狼狽ぶりは見せなかったはずだ。
「作るって……な、何を?」
「決まってるでしょ」
更に身を乗り出し、シンジの耳に唇を近づけると。
強張ったシンジの腕に身体が触れるか触れないか、ギリギリの距離を保って。
とびきりの甘い声で、アスカは囁くのだ。
「シンジの――こ・ど・も」
「いいっ!? こっ、子供っ?」
今度は顔面蒼白になって、シンジは慌てふためいた。
怯えるようにアスカから距離を置いて離れ、赤くなったり蒼くなったりしている。この状況では、そうならざるを得ないのかもしれないが。
「ちょっとぉ!? このアタシがアンタの子供を産んであげるって言ってんのに……何よ、その態度!」
「だって、いくら何でも子供って……! い、今はちょっと……」
気が動転しそうになるのも無理は無い。
まさかアスカからそんな提案をされるなど、シンジとて夢にも思っていなかったからだ。
131:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:43:27
「ば、馬鹿っ! 誰もすぐ作ろうなんて言ってないでしょーがっ!!」
業を煮やしたのか、アスカも顔を真っ赤にしてシンジに再度迫る。
いざ自分から発した言葉を省みると中々に大胆な台詞を吐いてしまったコトに気づくが、もう後の祭り。
「いつか! いつかの話っ!! 大人になってから、ってコト!!!」
「お、大人になってからって……」
アスカ本人としては上手く弁明したつもりだったのだろう。が、シンジからすれば遠回しに結婚の約束をされたも同然で。
今はダメだが、大人になったら子供を産んでやってもいい……それはつまり“そういうコト”であって。
「アスカ……。あの……言ってるコト、判ってる?」
「わっ、判ってるわよっ! ……アンタが床に額擦りつけて、どーしてもって頼み込むなら……すぐでもいいけど」
「それはマズいと思うよ……」
シンジとてアスカの提案に興味が無いワケではないが、如何せん時期が悪い。
まだどちらも14歳の中学生、しかも何時(いつ)まで続くか判らない使徒との抗戦の最中(さなか)。
仮にアスカが妊娠でもしたら、ミサトに何を言われるか―――想像しただけで恐ろしい。
「アタシじゃ不満だってぇの?」
「そんなんじゃないよ! た、ただ……」
「ただ……何よ。せっかく産んであげるって言ってんのに……このアタシに恥かかすつもりじゃないでしょーね!?」
アスカの眼光は鋭い。以前の気の弱いシンジならば、即座に「ご、ごめん……」と謝っていただろう。
それ程、今のアスカは“有無”を言わさぬ迫力に満ち満ちている。
「えっと……ほ、ほら! “産む”にしても男と女、どっちか選べないしさ!」
「……男と女、どっちが欲しいの?」
「え……。お、女の子……かな」
まるで誘導尋問さながらに。アスカの迫力に負け、つい希望を口にしてしまうシンジ。
132:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:44:35
「女の子がいいんだ……?」
「う、うん」
ゴクリ、とシンジが喉を鳴らす。アスカの顔が晴れるか曇るか、その瀬戸際故に。
「じゃあ……女の子、産んであげる」
阿修羅の様を呈していたアスカの表情が綻んだ。
彼女自身も最初に産むなら女の子、と考えていたのだろうか。
尤も、いくら本人達が女の子を所望しても、男の子が生まれてしまう場合もあるかもしれないが。
「……聞いていい?」
アスカの機嫌が良くなったのを見計らい、今度はシンジが問い掛ける。
逃げ腰だった姿勢を正し、今度はちゃんと彼女と向き合うよように。
「何で急に、その……子供作ろうなんて、言い出したの?」
気になって仕方がない。彼女がそんなコトを言い出した意図が読めないのだ。あまりに“らしくない”から。
「ねぇ、アスカ」
極力、そっと。胸元を隠すアスカの手を取り、落ち着くよう優しく握って。
「……アンタの子供なら、産んでもいいかなって。そう思っただけよ」
本当は誰の子供も産みたくない。子供なんて絶対要らない。生理が来る度、そんな思いに苛まれる。
誰とも交わらず、ずっと独身を貫くものだとばかり思っていた。―――碇シンジ、この少年に出会うまでは。
133:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:46:42
「……好きな男の子供、孕んじゃダメなワケ?」
「う……」
「アンタだって、アタシのコト好きよね?」
「す、好きだよ」
そもそも同じ屋根の下で若い男女が何ヶ月も過ごしていたら、互いを意識しないはずがない。
葛城家の家事全般を担うシンジはアスカに食事を作り、衣類の洗濯までしてやっている。
ミサトという保護者の存在を除けば、同居と言うより同棲と呼ぶに相応しい現状に置かれているのだ。
「なら光栄に思うのね。このアタシに見初めらてもらえるなんて、アンタは宇宙一ラッキーよ」
セカンドインパクト以前の地球に生息していた野生動物、とりわけ肉食獣のオスはメスを獲得する為に同種族のオスと激しく争っていたという。
メスはメスで、より強い遺伝子を残す為に本能的に強いオスを求める、とも。両者の利害が一致した時のみ、晴れてカップルになれると。
以上を踏まえると。シンジはまさに、アスカの御眼鏡に適ったのである。求愛行動をした覚えは、一切無いが。
「……何人、欲しい?」
「えっ!?」
「何人欲しいかって、聞いてるんだけど」
アンタ馬鹿? 子供の数に決まってるじゃない、と。
「シンジが欲しいだけ……産んであげるから」
「じゃ、じゃあ……いっぱい?」
「……スケベ。どんだけ産ませるつもりなのよ」
「だ、だって! ……アスカが、欲しいだけ……って」
「言ったけど……げっ、限度ってもんがあるじゃないのっ!」
具体的な数が思い浮かばなかったとはいえ、とっさに「いっぱい」と口走ったのは、いかがなものか。
「でも……産んでくれるんでしょ、アスカ」
「う、産める範囲でなら……いいわよ」
134:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:47:55
************
「もぉ~。聞いてよリツコぉ~!」
「ミサト?」
ある日の午後。
リツコの研究室に入室するやデスクに大きな胸を乗せ、ミサトは項垂れた。
苦い顔をするリツコそっちのけで疲弊し切った様子を見せつつ、うわ言のようにボソボソと愚痴を零し始める。
「最近さぁ。シンジ君とアスカが妙に仲良いのよねェ……すっごく」
「いいことじゃない。パイロットの関係を良好に保つのも貴女の仕事でしょ。
現にシンジ君とアスカのシンクロ率、ここのところ高い数値をキープしてるし」
何が不満なの、とリツコが怪訝な言葉を投げ掛ける。
「仲が良いにも限度ってもんがぁ、あるでしょーよ!?
なんかもう2人だけの世界ってゆーか、ラブラブ空間作っちゃってさ~ぁ!?
目を離せば所構わず『アスカ……』『シンジ……』とか言っちゃって、ちゅっちゅちゅっちゅしまくってからにぃ~!!
私、もう息苦しくて息苦しくて……家に居るだけで蕁麻疹が出ちゃうってゆーか……このままじゃ死んじゃう~!!」
「ちょっ、それ私のコーヒー……」
「苦いものでも飲んでなきゃ、あの甘々空間にはとてもじゃないけど耐えらんないわよ!!」
最早、自宅に居るのに別世界に強制滞在させられているような――――そんな孤独感すら感じると言う。
「私の家を自分達だけの世界に変えちゃうつもりなのよ、あの子達ぃ……うぅ~」
「クレイシュを作ったつもりが、文字通り“愛の巣”に作り変えられるなんて……無様ね」
「クレイシュ~?」
「託児所。かつて南極に生息していたコウテイペンギン、その雛鳥達が形成していた集まりのコト」
「ぬゎ~にが託児所よぉ! ねぇ~リツコぉ~。しばらくアンタんちに泊めてよぉ~。家主は私なのに、すっごい居心地悪いんだってばぁ~!!」 【終 劇】
135:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/14 03:49:01
タイトルは「ウルトラQ」の5話から拝借
時系列は例の如く「破」、無事に3号機が起動したであろうパラレル世界ってことで
ばいちゃ
136:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 03:52:34
GJ!
でも、チョイやり過ぎ感が...
137:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 09:15:08
神が来た
138:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 12:28:45
やり過ぎか?なんか子供らしい可愛さがあって好きだな。
GJ!!
139:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 12:29:24
>>118
変な空気の中、よく投下してくれた…内容も良かったよGJ
>>135
いつも良作をありがとう!
140:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 20:51:49
円谷氏の作品でタイトルが「地球はヱヴァンゲリヲンの星」があるかもいやないなと思っている俺はウルトラマンガイア好き
141:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 21:05:10
ついに、ついに、この時間がやって来ました。
まず、予告を投下します。
その5分後に、本編を投下します。
では投下
目覚めたら他人の部屋
周りには誰もいない
机には、人形とゲーム機
台所には、一枚のメモ
思い出した約束
ゲームオーバー
シンジは、私に何を伝えるのか
私は、どうしたら良いのか?
142:if
09/08/14 21:09:27
「んん、ふあぁ、よく寝た」
私は目を擦り、腕を伸ばしながら周りを見た。
私の部屋じゃない。
「どうして、この部屋で寝ているの?」
私は部屋をもう一度、見渡した。
机に私のゲーム機と、私が持ってきた人形が置いてある。
部屋は狭く、荷物で占領されている。
本来ここは納戸だ。
私がここに引っ越してきて、アイツの部屋の荷物を、ここに移動させたのだ。
「バカシンジの部屋だ。なぜ私が、バカシンジの部屋にいるの?」
・・・おっと、私の自己紹介がまだでしたね。
私の名前は、式波・アスカ・ラングレー。
ユーロ空軍のエースで、階級は大尉だ。
そして、EVA2号機のパイロットである。
このバカシンジとは、碇シンジのことだ。
私の相棒で、同居人の一人だ。
……話が脱線したな、元に戻す。
私は時計を見た。(午後4時30分)
「こんな時間まで寝ていたのか?」
私は、とりあえず台所に向かった。
「バカシンジ。今晩の……あれ、……いない」
何時もなら、夕飯の準備をしているのに、何処にいったのだろう。
私は、テーブルの上に一枚のメモが在るのに気がついた。
「ん、これは」 私はメモを見た。
"アスカへ
買い物に行ってきます" シンジ
「買い物!!……買い物?」
私は、何かを忘れていた。
143:if
09/08/14 21:10:45
***
シンジが襖を開け、私に言う。
「アスカ。夕方に買い物に行くから、付き合って」
「んん」
「その時間になったら、呼びにいくから」
「んん」
ゲームに夢中で、私は、空返事をした。
***
私は思い出した。
私は、シンジの部屋で寝転がってゲームをしていたのだ。
そして、GAME OVERになって、そのまま寝てしまった。
「ああ!買い物だ。忘れていた。……どうしよう」
私は慌てて、靴を履き玄関を飛び出した。
「あの、ばか!!」
私は、シンジがいつも買い物をしている店に走っていった。
腹が立った。
シンジに。
なぜ無理矢理にでも、起こさなかったのか。
腹が立った。
自分に。
シンジの約束を破り、寝ていたから。
私はバカシンジに甘えていたのか。
そんな事を考えながら走っていたら、店に着いた。
店内を探したが、シンジは居なかった。
「入れ違い!」
私は来た道を引き返した。
シンジを見つけ、大きな声で呼んだ。
144:if
09/08/14 21:12:04
「こら、バカシンジ」
シンジは、私の声で振り返る。
「ん、アスカ。どうしたの?汗まみれだよ」
私は額の汗を手で拭い、2~3回深呼吸をして、シンジを怒った。
「バカシンジ!あんたどうして、私を起こさなかったの?」
「だって、気持ちよく寝ているし、起こしたら悪いと思ったから」
「悪くない!無理にでも起こしてよ!!」
「別に良いよ、荷物少ないし」
その言葉を聴いて、また私は怒った。
「あんた、バカ!!両手いっぱい持って、少ない事ないでしょう」
「一つ持ってあげるから、貸しなさい」
「いいよ、重いから」
「いいから、貸しなさい!!」
私は強引に、シンジの手から買い物袋を奪った。
重かった。
「ほんとに重いわね」
「でしょ」
シンジが笑う。
私はシンジの横に並び、一緒に家まで歩いた。
「バカシンジ」
「何?アスカ」
「ごめん」
「分かっているよ」
「アスカ」
「何?バカシンジ」
「寝顔、かわいいね」
私はシンジの頭を殴った。
[忘れ物]
終わり
145:if
09/08/14 21:12:54
以上です
146:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 21:14:08
>>145
>>91の足元にも及ばないな
147:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 22:04:02
偽物?本物??
148:if
09/08/14 22:08:08
自分のプロの目で感じてください
149:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 22:59:57
シンジ
『またデート?』
アスカ
『そう』
それは普段と変わらない1日になるはずだった
『男と女の誓い』
アスカ
『まったく、ヒカリも困るわねぇ~こんな事を頼んでさ~』
シンジ
『だったら断れば良いじゃないか~』
アスカ
『なんでアンタが口出ししてんのよ!!アタシが決めた事にちょっかいださないでよね!!』
シンジ
『あっ・・・ゴメン』
アスカ
『ふん、じゃあね』
そう言うとアスカは玄関から出て行ってしまった
シンジ
『アスカ・・・大丈夫かな?』
150:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 23:11:44
>>149
続き
アスカ
『あの馬鹿!!少しは他のデートに行く私を引き止めようと言う気持ちは無いのかしら!?』
アスカは心の中で叫んでいた。
友人であり、同居人である男の子に向けて
そんな事を彼女から言われている男の子はというと・・・
シンジ
『アスカ・・・』
彼は皿を洗いながら呟いていた
どうやら彼自身もアスカと言う少女が他の男とデートをするのが気になるようである
シンジ
『心配だな・・・あの時引き止めれば良かったかな?』
口では言えるものの、行動には移せないのが彼の悪い所だった
この2人の話からすると両者共に、互いに意識はしているようだが、素直にはなれないようである
151:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/14 23:37:09
>>150
続き
男
『良いだろう、惣流さん?』
アスカ
『嫌よ、なんで夜まで付き合わきゃいけないのよ!!』
揉めているようである
どうやら『男とのデートが聞いていた内容と違っていた事』が原因のようである
アスカ
『アタシは夜まで付き合うのなんて絶対嫌!!』
男
『頼むよ、今日は映画とレストランを予約してるんだ』
男の言い分は勝手過ぎるモノである
彼女が嫌がるのも無理無いはずだ
アスカ
『もう良い、アタシ帰る』
そんな台詞を言ってアスカは帰ろうとするが、男はアスカの腕を掴み、行かせようとはしない
アスカ
『離してよ!!』
男
『お願いだよ!!』
そんな時、押し問答をしている2人に近づいて来る人影があった
152:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 00:17:12
続き待ち
153:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 00:40:52
>>136-140
コメありがと
>>1の保管庫が去年の9月からずっと更新止まってるみたいなんで
前スレに投下した8本のSSは自サイトで個人的に纏めるヨ
ばいちゃ
154:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/15 00:42:15
(; 0w0)トリ忘れてた……
155:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 00:46:37
自サイト!?持ってるの?作るの?
156:円谷 ◆bgvu1ECAmM
09/08/15 00:54:58
>>155
SSサイト持ってる(エヴァじゃないけど)
宣伝乙と思われるのも面倒なんで、ここらでばいちゃ
157:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 00:58:18
>>151
続き
男
『いい加減にしろ、この馬鹿女!!』
どうやら男のネジが吹っ飛んだようである
男
『コイツ!!』
男は拳を振り上げた
流石にアスカも急な事に対応出来なかった
アスカはとっさに目をつぶり、体を固ませた
なぜだろう、男の拳の痛みが来ないのである
恐る恐る目を開くと、男の拳はアスカの顔寸前で何者かによって受け止められていた
158:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:08:13
>>157
続き
見ると、1人の青年が男の拳を受け止めていた
青年
『いけないな~女性に拳を振るうのはさ』
そういうと青年は合気道のような技を使い、男を動けなくした
その行動は一瞬だった
青年
『いいか、二度と彼女に近づくな』
青年はドスの効いた声で男に語りかけ、男を蹴っ飛ばした
すると男は青年に恐怖し、逃げて行った
青年
『さて、大丈夫かな?お嬢ちゃん』
青年は笑顔で語りかけた
159:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:10:58
>>156
>>1のサイトはdat落ちした時に保管作業する事になってるから
前スレは近いうちに保管するんじゃないかな?
160:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:25:33
>>159
いや今は更新自体泊まってる
161:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:35:08
>>158
続き
アスカの心に衝撃が走ったその笑顔は何故かシンジに似ているように感じた
アスカ
『一応、礼を言うわ。有り難う』
青年
『いえいえ、お嬢ちゃんのピンチを助けられて良かった良かった』
アスカ
『そのお嬢ちゃんは止めて、アタシは「アスカ」と言う名前があるの』
アスカはハッとした
名前も聞かれてもいないのに自分の名前を他人に言うなんて・・・
青年
『アスカか~良い名前だね。お嬢ちゃんと言うのは悪かった』
アスカ
『あ、うん・・・』
アスカは不思議な感じだった。
暖かい気持ちも感じていた。
青年
『君が名乗るなら僕も名乗らないとね~』
青年は自分の名前を言うだけなのに何故か貯めていた・・・
青年
『ケイ、桂木ケイさ』
162:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:42:50
ifよりヒドいなこれは
163:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:45:15
ifじゃね?
164:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:54:37
>>160
日付に出てないけど細かい修正で更新されてるよ
165:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 01:57:51
入れ替わりとキンモクセイマダー?
166:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 02:17:08
ifは当初のトンデモっぷりを考えると着実に進歩してると思うよ。
まだまだしょうもないレベルだけど、文句言われてキレたりもしないし
頑張って上手くなって貰いたいね。
167:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 03:19:54
だよな
進歩はしてる
168:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 07:20:41
ここまで行くとアラシだろ
169:if
09/08/15 08:36:59
投下
170:if
09/08/15 08:38:20
<アイス>
ある午後の日
「ねえ、シンジ」
アスカが冷凍庫のドアを開け、中を探りながら僕を呼んだ。
「ん、なに」
「アイス食べる?」
「うん、食べるよ。ありがとう」
僕は、アイスを持ってきてくれるものだと思い、返事をした。
「そう。じゃあ、買ってきて」
違った。
「え、無いの」
「そう。だから、買ってきて」
「自分で買ってきなよ」
「暑いから、シンジが買ってきて」
何を言っているの、この子は。
「食べたいのなら、自分で買ってきなよ!!」
僕は、口答えをした。
「あぁ!!」アスカが睨む。
僕は怯まない。
「じゃあ、勝負をしよう」
「勝負?」
勝負と聞いて、アスカは一瞬ニヤッとしたが、気にしない。
「じゃんけんで勝負だ。それで誰が買ってくるか決めよう」
とはいえ、二人しか居ないけど。
「じゃんけんね。いいわよ、バカシンジ」
「「勝負!!」」
「「じゃんけん」」僕がパーを出し、アスカはグーを出す。
「勝った。アスカ、自分で買ってきなよ」
ははは、買ってきましたよ。
僕が。
171:if
09/08/15 08:39:50
***
「ちょっと、まった!!何でシンジが買ってきたんや!!」
トウジが不思議そうに聞いてきた。
「そうだよ、シンジ。勝ったのだろ」
ケンスケも同じく聞いた。
「僕が、甘かった」
***
「残念だったね。はい、お金。僕のも買ってきて」
僕はアスカに財布を渡す。2千円だけ入っているだけだが。
アスカは、財布を受け取らない。
「まだ、勝負は付いちゃいないよ」
「付いているよ」
僕は自信を持って言った。
「まだ、2回も残っているよ」
「え、2回。何が」
僕は状況が分からなかった。
「なに、言っているの、じゃんけんのことよ」
「え、勝負は一回だよ」
この子、なに勝手にルールを変えているの。
「認めないよ、アスカ」
「私が、ルールよ!!」
アスカが僕の目の前で凄んだ。
助けてください。目の前に怖い人が居るよ。
「うぅ、分かった。アスカのルールに従うよ」
「「勝負」」
「「じゃんけん」」
僕がグーを出し、アスカはチョキを出す。
あと一回で勝負が決まる。
172:if
09/08/15 08:41:35
「最後よ、バカシンジ」
「ああ」
「「勝負」」
「「じゃんけん」」
僕がチョキを出し、アスカがパーを出した。
「勝ちました。アスカ、終わりだよ」
「まだ終らないわよ!!」
「え、どう言う事」
「私が、勝つまでよ」
***
「結局、30回目でアスカが勝った。アスカはじゃんけんが弱いね。はは」
僕は半笑いでトウジとケンスケに話しをした
トウジとケンスケは顔を伏せていた。
「トウジ、ずっと黙っているけど、どうかした」
するとトウジは、僕の後ろを指差した。
僕はゆっくりと振り向いた。
アスカが鬼の形相で立っていた。
「アイス買ってくるだけなのに、どれだけ時間掛かっているのよ。
しかもマンションの前で立ち話をして。
あ!!アイスが溶けているじゃないの、バカシンジ」
僕は、アスカに首根っこを掴まれた。
「嫌だ、放してよ。二人とも、助け……あれ」
僕は二人に助けてもらおうと、声を掛けようとしたが、二人は逃げた。
「バカシンジ……来い」
「はい、アスカさん」
終
173:if
09/08/15 08:42:32
以上です
174:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 08:56:58
もうif止めてくれ
175:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 09:00:08
>>172
>>91
176:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 09:20:16
文章は本当に少しずつ少しずつマシになってると思うんだよ
ただセリフとストーリー展開を工夫してほしい…そもそも微LASすぎて、どこにもニヤニヤできんw
177:if
09/08/15 09:29:40
すいませんでした。
そして、ありがとうございます。
178:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 09:32:46
>>176
同意。
ガンガレ!
179:if
09/08/15 10:00:32
たぶん、9月か10月くらいに仕掛けようと思います。
その時に、また判定をよろしくお願いします。
180:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 10:04:19
その間、色んなの読んで磨けばいいよ
181:if
09/08/15 10:25:14
はい、ありがとうございます
このために35冊ほど小説を買ったんですけど、少ないですかね
182:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 10:28:24
>>181
読んでね
183:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 10:47:46
どうせ読まんだろ
184:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 11:02:51
>>24
の続きです。今回は2か月程先の元旦のお話
初詣に気合いを入れて振袖を着たアスカさん。相変わらず友達以上恋人未満のシンジ君
そこに乱入者が現れて...。
185:Great Misfortune
09/08/15 11:04:06
2019年1月1日、アタシはシンジのお母様のユイさんが貸してくれた、フリソデと言うキモノを
着てシンジと初詣に出かけていた。
折角、思いっきりオメカシして来たのにこの男は、相変わらずアタシに関心があるのかどうか
よく解らない。まぁ、付き合ってくれるだけでも良しとするか。
「シンジこれ、何て読むの?」
「アスカ、これは大凶だよ。」
「何それ?」
「要するに、えーと...、物凄く不幸って意味だよ。一番良いのが大吉で悪いのが大凶だね。
でも、おみくじにこんなのが入ってるなんて知らなかったな。」
「なによそれ、新年早々、最悪じゃない。」
「でも、こんなの引くって言うのは、ある意味クジ運が良いかも。まぁ、気にしない事だね。」
「ふっ、当たり前じゃない。アタシがそんなもの信じるわけ無いでしょ。」
「アスカ、ここに結ぶんだよ。そうすると、運も良くなるよ。」
「ふーん、面白いわね。ねぇシンジもう一回お参りしない?」
強がっては見たものの、意外と占いを信じてしまうアタシは、かなりの不安を思えていた。
しかも、そのダイキョウとやらの予言は直ぐに当たる事になる。
186:Great Misfortune
09/08/15 11:04:59
何者かが、ナイフを持って襲いかかってくるのを見たアタシは、咄嗟に、
「シンジ、避けないさい。」
と言うが早いか、アタシはシンジを押し倒す。
「ちょ、動きが制限される。」
本当は、相手の右手を抑えてナイフを落とす事を狙ったが、キモノを着ているせいで動きが
制限されて避けるのが精一杯居だった。
「何者よ?」
アタシは、言いながら。ゾウリを脱ぐ。これだけでも大分、動きやすく成るだろう。
相手は、黒ずくめで覆面までして居る。背は160越える位か、言うほど高くは無い。
「問答無用って訳ね。良いわ、相手になってあげる。」
とは言ったものの、キモノでは動きがかなり制限されて、上手く動けない。
そうなると、あまり取りたくはないがあの手を使うしかない。まだ、死にたくはない
からね。
黒ずくめが襲いかかってくる。
「おば様、ごめんなさい。」
アタシは、キモノの長い袖を相手のナイフに絡めて、右手の動きを制限すると、狙い澄まして手首に手刀
を叩きこむ。
ナイフが手から滑り落ちるのを確認しつつ、そのまま右手をねじ上げて、後ろに回り右の腕で相手の首を
締め付ける。
187:Great Misfortune
09/08/15 11:05:55
「シンジ、ナイフを拾って、早く!」
あっけに取られていたシンジがアタシの言葉に我に返ったのか慌てて、ナイフを拾う。
「怪我は無いよね。」
「あ、うん。大丈夫。それより、アスカは?」
「アタシは平気、でも....、おば様が貸してくれたキモノを傷つけちゃった。ごめんなさい。」
「いいよ。アスカが怪我して無ければ、そんなものどうでも良いよ。」
「嬉しい事言ってくれるね。涙が出そうだ。」
「あの、この状態でじゃれ合わないでくれます?ただでさえ、右手が痛いにゃ。」
コイツ、女?しかも聞き覚えのある声。
「そうね。シンジ、取りあえず。コイツの覆面を外してくれる?」
覆面を外したシンジに驚きの表情が浮かぶ。
「貴女は...。」
「お久しぶりね。ワンコ君。」
「知りあいなの?ちょっと、アンタこっち向きなさい。面を拝んだげる。」
そいつ首を精一杯曲げるとアタシの方を向く。え!こいつは
「あんた。マリじゃない...。」
「はい、お久しぶりです。大尉殿いや、元大尉かな?」
アタシは、帰国命令を無視して日本に居付いている為に、とっくの昔に軍籍ははく奪されている。
アタシが帰国しなかったのはシンジの事も有るけど、それ以上にもう、連中に利用されるのは沢山と言う
思いからだ。また、サードインパクト後にエヴァ絡みに仕事と言えば、日本の人工進化研究所しか無かった事も
大きい。
188:Great Misfortune
09/08/15 11:06:28
「取りあえず。理由を聞かせなさいよ。」
「いや、良いですけど。その前に場所を変えませんか?」
「悔しいけど、同感。」
アタシは、両手を解くと、相手の背中を思いっきり押す。本当は、蹴りを入れるつもりだったが、キモノのせいで
動きが制限されて出来ないので仕方がない。
相手と十分の間合いが取れると、アタシはシンジからナイフを奪いとり、左の袖でナイフを隠す様にして持つ。
「おお、痛てててて。無茶苦茶するにゃ。」
「それは、コッチのセリフよ。如何してくれるのこのキモノ。借りものなのよ。」
アタシは、平静を装ってはいるが、かなり打ちのめされていた。ユイさんが貸してくれたキモノを傷付けた事が
かなりショックだった。
悲しむだろうなぁ。如何しよう?
「大尉は、人間より振袖の方が大事なんですか?」
「あのねぇ...。まぁ、良いわ。場所を変えるとして、この騒ぎどう収めるのよ?」
初詣で賑わう神社の中での大立ち回りは、周りの注目を集めてしまった。今や野次馬が遠巻きに眺めている。
「それは、お任せ下さい。どうも、お騒がせしました。皆さん、もう終わりましたので撤収してくださーい。」
「あんた、ばかぁ?そんな事でどうにかなる訳無いだしょ。」
189:Great Misfortune
09/08/15 11:08:08
移動には苦労はしなかった。アタシ達が動けば人垣が分かれてくれるからだ、それでも衆人環視の中、晒しものになりながら、
移動と言うとてつもなく恥ずかしい思いをさせられた。何とか、タクシーに乗り込むと、シンジの家に向かう。これ以上、
迷惑をかける掛ける事は忍びないが他に適当な場所がないから仕方がない。
シンジの家の前につくと、取りあえずシンジに両親を呼びに行って貰う。その間に、アタシはマリの体を
徹底的に調べて武器がないのを確認する。
「もう武器無いって言ってるじゃないですか。いい加減にして下さい。」
「黙ってろ。アタシは猛烈に頭に来てるんだ。これ以上怒らせると、首の骨へし折るぞ。」
「大尉が言うと、冗談に成らないんだにゃ。」
「ほら、口開けろ。」
アタシは、口の中に至るまで、徹底的に調べる。そこに、シンジの両親がやってきた。
「アスカさん、無事?怪我は無いの?」
ユイさんが開口一番、アタシを気付かう言葉をかけてくれた。アタシは、マリから目を離さないまま答える。
「ええ、アタシは大丈夫です。でも、折角のキモノこんなにしてしまって...。その、何て言って良いか。」
「良いわよ、そんな物。アスカさんの方が大事よ。着物は買えば良いけど、アスカさんには代わりが無いのよ。」
余りの有り難さに泣きそうに成る。でも、今は泣いてる場合じゃない。
「それより。この女、知ってます?」
「たしか、マリさんだったかしら?」
「ああ、マリ・イラストリアス、元2号機の予備パイロットだ。」
元総司令だけ有って何でもお見通しか。
「立ち話も何だ。取りあえず、入りたまえ。」
190:Great Misfortune
09/08/15 11:09:09
「まずは。理由を聞かせて貰える。」
「いやー、流石ですね。3年も腑抜けて居たとはとても思えません。」
「話しを逸らさないで、理由を聞かせない。」
「お迎えに上がりました。」
「今更、ユーロに戻る気なんか無いわ。第一、迎えにきたと言いながら何よ。アタシじゃ無かったら死んでるわ。」
「あそこで死ぬようでは迎えに来る価値は無いですからね。でも、驚きましたよ。不意打ちを食らって、しかも
そんなに動きにくい格好でアタシを一瞬で押さえつけた。アタシも素人って訳じゃないんですけどね。」
「ふざけないで、そんなテストをする意味があるの?」
「ええ、貴女にはダイダロスの錘開発に参加可能と言う確証が必要でしたから。」
「神より与えられた、エヴァシステムを人の完全な制御化に置き、兵器として使用するシステムを確立すると言う話か。」
行き成り、所長が話し出した。何か知ってるみたいだ。
「貴方、ご存知なんですか?」
「ああ、詳しくは知らんが。」
「それで、ダイダロスの錘?相変わらず連中の命名センスはダサいわね。いずれにしろ、エヴァ絡みでアタシが必要って
言うならお門違い。むしろ、ここにいる、無敵のシンジ様の方が適任よ。」
「ちょ、僕に振らないでよ。」
「心配しなくても君は使い物に成らないから良いよ。欲しいのは、大尉の卓越した身体能力、何せ、...。」
「それから先を言うな。命が欲しかったら黙ってな。特に、シンジの前で言う事は許さない。」
「解りました。私達が居ると話がしにくそうね。良いわ、席を外します。でもね、アスカさん、私達は貴女が残ってくれる
事を望んでいるって事は忘れないでね。」
191:Great Misfortune
09/08/15 11:10:50
「悪い、話じゃないと思いますけどね。命令違反は不問に付して、元の大尉として戻れるんですから。」
「それで必要なく成ったら捨てられるんでしょ。もう、そう言うのは嫌なの。」
「今回は、純然たる兵器ですよ。人類が居る限り戦争は無く成りませんが。」
「そうやって、また、アタシを兵器の一部に使う気?もう、モノ扱いは沢山。」
「モノ?違うでしょ。大尉は野獣、檻に入れられても何時でも戦うときを待ちわびている戦闘マシーン。」
「だから、その話をするなと言ったろ。」
「否定しても無駄ですよ。大尉は着飾って男とイチャツイテいる時も戦う事を忘れて無かったじゃ無いですか。
襲われた瞬間、戦闘マシーンのスイッチが入ったでしょ。もう、戦いからは逃げられないんですよ。」
「違う。アタシはあの時、シンジの事を考えていた。おば様が貸してくれれたキモノの事を考えていた。
誰も傷付けずに済ます事を考えていた。アンタを倒すことは二の次だった。」
「マジですか?」
「死ぬたくは無かったからね。シンジと会えなく成るのは嫌だった。ただそれだけだよ。」
アタシが言い終わるか否かの内にマリが笑いだした。
「ハハハハハ、そりゃー傑作だ。アスカは本当に腑抜けに成ったんだにゃ。」
192:Great Misfortune
09/08/15 11:11:12
「何よ。行き成り態度を変えないでくれる。」
「だって、今までは目の前に大尉殿が居ると思って話していたけど、こんな腑抜けじゃ復帰は無理だにゃ。軍籍剥奪は
覆らない。単なる民間人にへつらう事は無いもんね。」
「見逃してくれるって事?」
「見逃す?勘違いしないで。良い?これが最後の機会だったんだよ。アンタは戦闘ジャンキー、闘争本能の塊だ。そんな
人間が真っ当な社会生活が送れると思ってるの?」
「そんな事解らないわ。でもね、アタシをこんなんにした連中のうち、この家の人はアタシに謝ってくれた。アタシに
普通の生き方をする機会を与えてくれた。その人達の思いを無にしたくは無い。少なくとも、未だにアタシを道具とし
てしか見て無い連中の元へは行かない。」
「それと、男か。しかし、天下のアスカ様があんな優男にぞっこんとはね。愛すれば盲目って奴だにゃ。」
「な、な、な、何の話?シンジとは何でもないよ。何勘違いしているの?」
「まぁ、精々頑張んな。後で泣きを見ない事ね。でも、本当に大丈夫なの?アンタは自分の中の野獣を檻に閉じ込めた積り
だろうけど、そんな檻平気で食い破ってくるよ。」
「仕方がないわ。そう生きるって決めたんだもの。」
193:Great Misfortune
09/08/15 11:11:51
「では、アスカさんはこのまま残るって事で良いのね。マリさん。」
「ええ、お騒がせしました。」
「本当に良いの?」
「アスカが来たらアタシはまた、予備パイロットに降格。むしろ来ない方が良いですし。」
「最後に一つだけ、聞かせて。アンタ、本気でアタシを殺す気だったの?」
「当然、アスカは手抜きで勝てる相手じゃないもの。もっとも、例えアスカが本当に腑抜けていたとしても帯を貫通して
大けがするまで、落ちぶれる事は無いと思っていたにゃ。」
「その買被りのお陰で危うく死にそうに成った訳ね。」
「今日は、散々だったわ。正に、何だっけ...、ダイキョウね。」
「アスカ、マリさんに何を言われてか知らないけど、気にしないで。今まで通りのアスカで居てくれるよね。」
「嬉しい事言ってくれるわね。でもね。アタシの本性が凶暴な獣でも良いの?」
「アスカの本性は皆、知ってるし。」
「あんた、ばかぁ?そう言うときは慰めの言葉の一つもかけなさいよ。」
「冗談だよ。それに例えアスカが何物でも、アスカは大事な...」
「大事な何?」
「友達だよ。」
「あ、そう。」
ガッカリだ。結局、シンジの中でアタシの位置はあの三馬鹿トリオと同じと言う事か。
ユイさんも呆れている。
「あれ、アスカ、何怒ってるの?」
「別に、怒って無いわよ。もう知らない。」
194:Great Misfortune
09/08/15 11:12:56
こんな感じです。
少し、マリを邪悪に書き過ぎたかな?単なるツンデレの積りで
書いたんですが
では、また。
195:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 11:15:13
口調に違和感
とりあえず乙
196:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 11:34:10
え?>>24の続きって>>113じゃないのか?
197:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 13:12:14
この時期に初詣ものかよw
198:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 13:37:33
アスカの口調が変だよな
199:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 13:40:32
セガールか
200:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 14:11:28
いや、アンソニーだろ
201:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 14:42:19
GJ!けっこうシリアス展開になってきて続きが楽しみです!
マリが使い魔みたいなキャラになっててワロタw確かに所々キャラの口調が変わってるな
202:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 14:43:12
カレー味だけどカレーじゃない感じ。
なんか、拭えきれない違和感が強くて飲み込むのを躊躇してしまう。
203:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 14:53:42
空を知らない少年の続きを待ってます
204:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 14:58:02
俺はキンモクセイの続き待ってます
205:194
09/08/15 16:53:20
キャラの口調は少し、軍人ポサを出す為に変えてみたけど不評ですね。
最近、HPを立ち上げたくて、色々書いては反応を見ているんですが
何をやると不評言うのは参考になります。
また、気が向いたら投稿しますのでご意見を聞かせて頂けると
助かります。
206:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 17:26:18
気が向いたらとか言わずに頼むわ。続き気になるw
207:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/15 20:51:22
>>202
あまりに別人すぎると
別にシンジ、アスカ、マリじゃなくてもオリキャラでいいんじゃね?ってなるよなw
208:入れ代わり13(式波パート)
09/08/16 03:17:35
遅くなりましたが、前スレで投下していた入れ代わりの続き、入れ代わり13(式波パート)を投下します。
※実質、入れ代わり8の続きになります。
209:入れ代わり13(式波パート)
09/08/16 03:19:42
アタシはシンジに抱きしめられて心地よかったが、このままではいられなかった。
アイツに見せられた記憶では、ネルフ本部が戦略自衛隊とエヴァ量産機に攻撃を受けるからだ。
「シンジありがと。もう大丈夫、急いで本部のケイジに向かうわよ」
「うん。わかったよアスカ」
アタシとシンジは警報の鳴り響く通路を、ケイジに向かって駆けた。
ケイジに到着したアタシとシンジは、プラグスーツに着替え、エヴァに乗り込んだ。
弐号機に乗ってシンクロを開始したアタシは、ママに問い掛けた。
(この世界のアタシのママ。お願い、アタシとシンジのために起動して)
アタシの身体は暖かくなり、まるでママに抱きしめらているかの様に心が安いだ。
アタシの呼びかけにママは応えてくれて、弐号機は起動したのだ。
(ありがとうママ)
210:入れ代わり13(式波パート)
09/08/16 03:21:45
弐号機の起動を確認したミサトが回線を通じ、アタシにお世辞を言った。
「アスカ、シンクロ率の回復と弐号機の起動おめでとう」
「どういたしまして、ミサト」
「早速で悪いんだけど、戦略自衛隊がネルフ本部を占拠するために攻めてきているわ。シンジ君とアスカでこれらを殲滅しなさい」
「えっ・・・」
ミサトからの指示に、明らかにシンジは動揺していた。
「戦略自衛隊を殲滅?兵器には人が乗っているのに・・・人殺しなんて・・できる訳ないよ・・・」
「シンジ君。これはしかたないことなのよ。受け入れなさい」
ミサトはシンジの気持ちも考えず、一方的に命令を下した。
アタシは、ミサトに詰め寄った。
「ミサト、アンタはシンジに人殺しをさせようっていうわけ?」
「しかたないでしょ。そうしないと、こっちがやられるわ」
「アンタはシンジが、これまでどんな気持ちでエヴァに乗ってきたのか、少しでも考えたことある?」
「そ、それは・・・」
「シンジは兵器でもなければロボットでもない、何かあれば心が傷つく人間なのよ」
「それはわかってるわ」
「わかってない!アタシの変わりに来た弐号機パイロット、渚カヲルをシンジに殺させてるくせに!」
「彼は使徒だったのよ。彼を殺さなければ人類が滅んでいたのよ」
「ふざけんじゃないわよ!シンジはアンタ達の人殺しの道具じゃない!」
「あ、アスカ・・・」
シンジはアタシとミサトとのやり取りに、思わずアタシに声を掛けた。
211:入れ代わり13(式波パート)
09/08/16 03:23:35
「シンジは黙ってて。ミサト、アタシは軍人よ!対人の戦闘訓練も受けてる。戦略自衛隊はアタシが殲滅するわ」
「・・・アスカがそこまで言うのなら、わかりました。戦略自衛隊の殲滅はアスカに任せます」
アタシはミサトに軽く頷き、モニター越しにシンジにウィンクするとこう言った。
「シンジは主にエヴァの電源供給設備を守って。戦略自衛隊はアタシが片付けるから」
「でもアスカ・・・」
「シンジばかりに辛い思いはさせたくないのよ。アタシなら大丈夫だから心配しないで」
「う、うん」
「よろしい。この戦いが終わったら、アタシだけにおいしいハンバーグを作ってね」
「うん。わかったよ」
(絶対に何があっても、シンジだけはアタシが守ってみせる!ママ、アタシに力を貸して)
こうしてこの世界でのアタシとシンジによる人類の存亡を賭けた戦いの火ぶたは、切って落とされた。
212:入れ代わり13(式波パート)
09/08/16 03:31:22
短いですが、以上です。
ただいまエロパロのエヴァスレにて駆け引きを投下してます。
ですので次回の投下もかなり遅くなると思いますが、
なにとぞご容赦ください。
213:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/16 04:46:24
>>212
乙
続き楽しみにしてます
214:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/16 06:32:57
式波さんは良い子すぎて、惣流さんは悪い子過ぎるきがするな
両方が幸せになれると良いね
215:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/16 08:18:49
おつ!
216:名無しが氏んでも代わりはいるもの
09/08/16 09:08:22
あれは、貴方だったのか
217:入れ代わり13(式波パート)
09/08/16 10:59:00
皆様、応援ありがとうございます。
>>214さん。そうですね。
惣流アスカも新劇シンジとだんだん打ち解けていく様になると思います。
>>216さん。実はそうなんです。
携帯での投下なので遅筆ですが、エロネタの方が比較的筆が進むのは早いみたいです。
それではまた。