09/07/16 21:08:12
何故かというと、レイは前方の隙間から何かが見えることに気が付いたのだ。
(あれは初号機? まさか、ずっと動いていなかったの?)
思わずレイは物陰から出てくると。
そこには作業を終えた「零号機」の姿があった。
そして、飛び出したエントリープラグからひょっこり顔を出すシンジ。
「ああ、綾波」
と、すぐにシンジはレイの姿に気が付いた。
「綾波、ごめんね。零号機、借りちゃった」
「……」
「あ、ああ、その……怒ってる?」
「い、いいえ……碇君、零号機に乗れるの?」
「ああ、そうみたい。自分でも驚いた」
「そう……」
(弐号機では駄目だけど、零号機ならシンクロ可能)
その新たな事実―いや、赤木博士なら知っていたかもしれないけど。
それはなんだか、ほっこりとした気持ちが沸いてくるような発見だった。
そして、レイのもとに降りてきたシンジは苦笑いで話を続ける。
「あ、それから午後の訓練は中止だってさ。その、一緒に帰る?」
「……うん」
(終わり) はい、これもおそまつさまでした。