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●宮崎駿からのエヴァンゲリオン批判(1997年)
「僕は、人間を罰したいという欲求がものすごくあったんですけど、でもそれは自分が神様に
なりたいんだと思ってるんだなと。それはヤバイなあと思ったんです。
それから、『新世紀エヴァンゲリオン』なんかは典型的にそうだと思うんだけど、自分の知って
いる人間以外は嫌いだ、いなくてよいという、だから画面に出さないっていう。そういう要素は
自分たちの中にも、ものすごくあるんですよ。
時代がもたらしている、状況がもたらしているそういう気分を野放しにして映画を作ると、これは
最低なものになるなと思いましたね。むしろ、全然流行らない人々とか、ドンくさいものに立ち入
る部分をはっきり持たないと、その上で人間はなにをやってるのかということを問わないと、
これはエライことになるなと思ったんです。
それが、庵野と僕の違うところなんでしょうけれど・・それは、僕が歳をとっているせいか、
安保世代だったせいか知りませんけれど」
---庵野さんもまだ途中ですからね。全然違うと思いますけれど。
「あいつは実は古典的な人間だと僕は思っているんですけれどね(笑)。無理してるところがある
と思ってるんです(笑)。確かに群集シーンを描くのって嫌ですからね。手間ばかりかかって、
見栄え悪いし。だけど、それをやっていくうちに・・人間のよい部分をなるべく描こうというふうにな
っていきました。
だから今回、僕は嫌な部分も描いたけれど、人間のよい部分も描いたつもりです。タタラ場にいる
人間たちはいい人ばかりでなくて、愚かな部分もあるし、凶暴な部分もあるっていうふうにしないと、
それは人間を描いたことにならないですから。」