08/11/21 01:56:18
鎧袖一触。
『ああああああ!』
初号機がバットで一撃され、兵装ビルへと突き刺さる。
使徒は失望したようにバットを放ると、再びゆっくりネルフ本部への前進を再会した。
「初号機、胸部部断裂! キレツ発生!」
「モニタ破損! チルドレンの状態をモニターできません!」
スクリーンが1つ「SOUND ONLY」へ切り替わり、シンジの息遣いと、そして迫る使徒の足音だけが響いてくる。
エヴァ3機の戦闘不能。
最悪の事態に落ちいったネルフに、冬月副指令の感情もない呟きが響く。
「この程度か。碇の息子」
「…いえ!」
息遣いが、聞こえる。
「サードチルドレン健在です!」
だが様子がおかしい。一方、スクリーン内では使徒がゆっくりと背を向け遠ざかる。
『……ちゃ駄目だ。逃……駄目だ…逃…しちゃ駄目だ』
一瞬がくりと屈みこみ、しかしゆらりと初号機が立ち上がる。
シンジの息は、荒い。
「シンジ君!」
『逃がしちゃ駄目だ…』
「え?」
『逃がしちゃ駄目だ逃がしちゃ駄目だ逃がしちゃ駄目だ逃がしちゃ駄目だ逃がしちゃ駄目だ……逃がしちゃ駄ァ目だァッ!』
突如初号機が駆け出す。
その手に握られていたのはプログレッシブ・バット。
初号機は思い切り振りかぶると、使徒の無防備な後頭部へクリーン・ヒットをブチ込んだ!