09/04/14 01:38:54
流木を拾って部屋のアクセントにしようとしている友人を波の上からじっと見る。
頼りなさげな板に見えるだろうけれど、大切だ。どれもこれも。
2年前の、そう2年も前にやりたかった事を今行っている事にはにかんで
波も無いのに立つ練習をして沈みながらも板を吹き飛ばし、遠くで大声で笑われる。
今年の夏の予感と共に、一片の人生を噛み締める。
思えば2年、生活の為に犠牲、そう捉えるのはあまりにも悲しいが
結果からいえば、そういった形で封印していた何かを今手にしている。
抽象的にでも心地良い丸い円を描くのは何も恋人同士だけではないだろう、そこに浸って笑顔を手にする。
今現在、付き合ってと言われて2週間近くが経とうとしている。
返事を返していない人にも申し訳がないが、現状を続けたい気持ちもまだある。
小さな小さな日々の生活の幸せを紡いでいく事が
どれ程までに人の豊かな心を感じられるというのも味わっている。
あの日々を、欲しくもあり、怖くもあり、他材料の焦燥の色と混じり合い、決めてを欠けている。
迷って悩んで眼を閉じている時間をゆっくり過ごす。
狂おしい程に世界は丸く濃縮していく。
日々がすり減るようにめまぐるしく過ぎる。
不格好にもサーフィンの板の手入れをするなんて無かった事だ。
新しい出発点を模索し、過去を探り、辿り着いたばかりだ。
又、此処から見える風景も刻々と変わっていくだろう。
そう、波のように。風を読んで。世界は、まだ広いから
迷子になりながらも太陽の下で夏の子供みたいにワクワクしていこう。
手を翳し、指と指の隙間から笑顔に呼応するだけでも冒険なんだ。