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初音ミクの聴き方が少し分かった
2009.03.11 Wed 05:18 - Mac and Didital gadget
初音ミクがブレイクしてもうずいぶん経ちますが、僕は元々音楽を聴く習慣が
ほとんどない上に、ニコニコ動画とかも、自分のペットの画像を時々アップする
くらいで、観る方は全く興味がないので、ボーカロイド関係は全くスルーして
いたのですが、家の者がCDを買ってきたので、試しに聴いてみました。
正直なところ、歌として聴くには、どう頑張ってもマシンボイスだし、こういう歌唱
データをつくるのは大変なんだろうけど、でも率直に言って歌としては下手ですよね。
少なくとも、普通の意味での歌唱力という点では、こんなのが商品になるなんて
どうかしてる、と思いました。
まあ、情感がこもっていないぶん、仕事しながら背後で流しておくぶんには邪魔
にはならないので、そのまま流し聴きしていたのですが、ある瞬間に、まるで
冷たいものを突然首筋に押し当てられたみたいに、歌声に強く注意を引かれました。
それは曲の良し悪しとか、詞の問題ではなく、僕は無意識のうちに、初音ミク
の歌っている曲に対して、『生身の人間が歌っている』という仮想を思い浮かべ
ていて、その仮想が歌声にカチッとはまった瞬間、無機質なマシンボイスが
生身の人間が完全に心を無にして歌う歌声のように聞こえたからではないかと思います。
そんなわけで、改めて『初音ミクという架空のキャラクターがどこかに実際にいて
これを歌っている』、という仮想をキープしたままアルバムを聴き直してみると
イントネーションの稚拙さや抑揚の乏しさが、まだ生きるために言葉を使ったことがない
無垢な知性体が懸命に言葉を繰っているように聞こえて、面白かったです。
おそらく初音ミクを支持している多くの人は、当たり前のようにパッケージの
あのキャラクターが実際に歌っている、という仮想を持つ事ができているのでしょう。
そういう意味で、あのキャラクターの存在は大きいな、と思いました。