10/07/11 21:51:39
天下無双ってのは剣の技術や殺し合いで最強な奴なんだから
それより大きなものって言えば、最強を通り越して
戦うことすらできない存在の事だろう。
天地とひとつ。なんだから
天地の間に生きる敵意を持つ相手ともひとつになり
調和してしまう存在。相手からの敵意を反射させる事はない。
兵庫が襖の向こうで殺気を感じたと言う様に、
作中最大の敵意や殺意の塊である一刀をうまく丸め込んだ石舟の言葉は
自分が最後に何物かおしえてもらったという言葉の通り、無刀という兵法の完成形である。
それは石舟と対極の一刀が現れないとわからなかった事かもしれない。
しかし、まだ未熟だった小次郎と武蔵は
自分より弱い相手(一刀)を傷つける事無く戦いを避ける事はできなかった。
相手を殺さず傷つけず戦いを回避する。殺し合いの螺旋を繰り返さない。
これが石舟の辿り着いた極地であり、
天下無双よりはるかに大きなものになろうとした者と言う事である。