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天下無双柳生石舟斎の実力2
自身の死期が近いと感じた頃、ある男が石舟斎のもとに訪れた。
剣の神様とまで言われる伊藤一刀斎である。
お互いが生涯を剣の道を進んで来た者同士であるため、石舟斎は伊藤との対面を期待していた。
しかし、目の前に現れたのは今だに強さを競う事しか考えていない男であった。
石舟斎は自身の剣に並んですらいない伊藤に助言を与える事にした。「この世のすべてはひとつ」
しかし、伊藤は聞く耳を持たず石舟に刀を向けた。
石舟は思った。
この男は自身の方が優れていて、自身が最強と証明したいだけでわし脅しているつもりなのだろうか?
自身が強いと思いたい自己満足で振る剣は、自身が生きるために爪や牙を振る動物と等しい。
この男はそんな剣の為に生涯をかけて腕を磨いていたのか。そんな男は他にいないだろう。まさしく天下無双。
同じ道を進まなくて正解だった。最後に自分が何者か教えてもらった。
やはり天地とひとつになる事を理解できる者はいないのか。
そういえば前に訪れた武蔵なら・・・。今武蔵はどうしているだろう?