福本漫画バトルロワイヤル part.4at CSALOON
福本漫画バトルロワイヤル part.4 - 暇つぶし2ch898:マロン名無しさん
09/08/10 18:38:16
話に支障がでないなら構わないと思います。

899: ◆uBMOCQkEHY
09/08/10 22:50:02
81話『獣の儀式』修正しました。
お騒がせしてしまい、申し訳ございませんでした。

900:マロン名無しさん
09/08/11 02:32:13
>>899
お疲れ様ですっ…!

901:マロン名無しさん
09/08/14 15:43:21
皆様にお伺いしたいことがあります。

予約について。

ただ今、予約の期限は三日間になっております。
これを一週間の期限に変更したいのですが、よろしいでしょうか?

理由としては、福本漫画バトロワはかなりSSのクオリティを求められるため、もう少し余裕を持って推敲できるように。

もちろん、予約して即日投下でも問題ありません。

それとは別にもう一つ。
したらばの一時投下スレに投下するときも、できれば予約をお願いします。

ただ、元々予約は任意でしたので、強制ではありません。


いかがでしょうか?
ご意見をお願いいたします。

902:マロン名無しさん
09/08/14 17:01:58
>>901
賛成します。

最近、書き手さんたちが、「クオリティの高いSSにしなくては」と意気込みすぎで大変なのでは?
という感じもします。
応援していますが、あまり「ハイクオリティ、ハイクオリティ」と根を詰めすぎないで、もっと気楽にやってもいいのでは?
と思っています。

903:マロン名無しさん
09/08/14 17:40:54
>>902
ありがとうございます。
私個人で言えば、わりと気楽にやってます。
一方、ハイクオリティーを目指して書かれる方も、楽しんで書かれてると思うんですね。
以前書かれていた方や、新規の方にも参加しやすい雰囲気を、これから模索していきたいですね

904:マロン名無しさん
09/08/15 04:48:53
今の投下ペースなら一週間でも問題ないでしょ

905:マロン名無しさん
09/08/17 17:04:31
ハイクオリティを目指すことと楽しんで書くことは決して両立しないものじゃない。
ここの書き手陣も気負っているわけじゃなく、きっと楽しむためにやってるんだよ。
心配無用さ。

906:マロン名無しさん
09/08/19 00:52:19
予約が2つも
キタ━(゚∀゚)━!!!

907:マロン名無しさん
09/08/19 01:37:13
うおおっ…きたっ…きたっ…!

908: ◆uBMOCQkEHY
09/08/20 00:11:33
お久しぶりです。
作品が完成したため、投下します。

909:マロン名無しさん
09/08/20 00:13:19 acchDIDM
支援

910:マロン名無しさん
09/08/20 00:15:21
ククク…
聞くだけ聞こうではないか…
愚民の嘆きを


911:主君の片翼1
09/08/20 00:16:00
E-5ギャンブルルーム前。
月下に照らされ、浅く生えた雑草の上に一人の男の死体が横たわっている。
その肉体は上半身しか存在していない。
胴から下は、まるで豚のミンチをぶちまけたかのように、細かな肉片となって散乱している。
この男にとって、自分の死は突然のことであったのだろう。
まるで自分が死んでいることに気づかず、これから何かを語ろうとしているかのように、口が半開きになっていた。
そして、その頭部は胴体から離れていた。


その男を見下ろす男がいた。
額と手に焼け爛れたやけどの跡が残る男―利根川幸雄は死体の前にしゃがみ込んだ。
利根川は死体の首と胴の切り口をそれぞれ見比べた。
爆発によって吹き飛んだ胴は焼け焦げ、そこから流れる血はすでに乾いていた。
時間がかなり経過しているようである。
その死体のすぐ近くには、強い力でこじ開けられたかのように破損した、手に収まるくらいの円盤状の物体が転がっていた。

―形状からして地雷か・・・それを踏んで胴体が吹き飛んだ・・・しかし・・・

利根川は足元の雑草の中に隠れていたチップを拾い上げた。

―支給品は奪われていない・・・。

ほかの支給品も爆発で遠くへ吹っ飛ばされ、散らばっている。
もし、この男が死んだ時、仕掛けた者が近くにいたのであれば、支給品を拾っていくはずである。

―近くにいられる状態でなかったか、その必要がなかったのか・・・。
  どちらにろ、これを仕掛けた者は優勝狙いの輩か・・・。


912:主君の片翼2
09/08/20 00:18:13
それ以上に、利根川には気がかりなことがあった。
乾いている胴体に対して、首の断面は水道の蛇口を閉めたばかりのホースのように血が漏れ、首輪が持ち去られているのである。

―胴体と首の犯行にはかなりの時間差が存在している・・・。
  同一人物であれば、2度も同じ場所に来ていながら、
支給品を回収せず、首輪のみを持ち去ることは不自然・・・
故に、首切断は地雷を仕掛けた人物とは別人の可能性が高い・・・
  そして、その人物が首輪を持ち去った理由はただ一つ・・・
首輪解体かっ・・・!

首輪を持ち去った人物は、おそらく対主催もしくは脱出派のスタンスをとる者だろう。

―今後のために、どんな人物の犯行か知る必要がなるな・・・しかし、今は・・・

利根川は立ち上がると、周囲を物色し始めた。
死体の男―神威勝広の支給品を回収するためである。
探し始めて5分程、チップが13枚、ノミ、スコップ、箕が発見された。

利根川は退屈そうなため息をつく。
―所詮・・・ガラクタかっ・・・

チップとノミはともかく、スコップと箕は爆発の衝撃からか、ひしゃげてしまい、使い物にならない状態となっていた。
仮に傷一つない状態だとしても、嵩張る割に用途が限られた支給品など荷物になるだけである。

―最も使えそうなものはチップか・・・だが、拾ったところで・・・



913:主君の片翼3
09/08/20 00:20:07
和也、一条と同じように、利根川もまた、帝愛で揉まれてきた人間である。
棄権申請のD-4エリアが禁止エリアに指定された時、棄権の道が閉ざされたことに勘付いた。
初めこそは、棄権費用の一億円を集めて、和也を脱出させることを考えていたが、
棄権不可、優勝以外助かる道がないと分かった今、和也を助ける理由も存在しなくなった。
利根川の目的は和也を優勝させることより、
カイジをギャンブルで倒し、自身が優勝することに重きを置き始めていた。

―そうだとしても、チップは駆け引きの手段としてまだ有効っ・・・!
  ギャンブルルームの利用としても・・・。

利根川はノミとチップをディバックの中にしまうと、死体の前に建っているギャンブルルームの扉を開けた。
さっそく中から一人の黒服が現れる。
「何か用・・・」
黒服は利根川の顔を見るなり、蛇に睨まれた如く表情を青ざめる。
辛うじて動く半開きの口で言葉を漏らす。
「と・・・利・・・根川様っ・・・!」
利根川はその黒服の反応を見るや、眉を吊り上げた。
「仰々しく“様”などつけるなっ・・・!
オレは、今、このゲームでは参加者の一人でしかないのだっ・・・!
黒服ならどんな参加者に対しても公平に扱わぬかっ!」
黒服は“申し訳ございませんっ!利根川様っ!”とひたすら頭を下げる。

利根川は“こいつに何を言っても無駄か・・・”と言わんばかりに呆れたようなため息を漏らした。
とりあえず、この件は置いておくことに決めた。
「もうよい・・・それ以上頭を下げるな・・・・・・村上・・・」


914:主君の片翼4
09/08/20 00:21:58
黒服―村上は怯えるように、“はい・・・”と力ない返事をするとサングラスを外し、利根川を上目遣いで見つめた。
村上は帝愛の資金源の一つ“裏カジノ”で、一条の右腕として働いていた男である。
利根川も以前、この裏カジノを利用していた経験があったため、村上の存在を覚えていたのだ。

「・・・裏カジノの時は世話になったな・・・」
「い・・・いえ・・・あれは店長が・・・」
ここまで話した所で、村上は思わず口元を手で押さえ、“一条が・・・”と言い直す。
カイジとの勝負で敗北し、地下王国に落ちた時点で、一条は裏カジノのオーナーではなく、罪人でしかない。
そうとは分かってはいるが、一度、身に染みてしまった畏敬の念をそう簡単に拭い去ることはできない。
村上はそれを改めて悟り、思わず苦笑してしまった。

―話の節目で言葉を遮る奴だっ・・・!
利根川は村上にじれったさを感じた。
しかし、ほしい情報は村上が握っている。
下手に怒鳴りつけて、事を荒立たせるよりは、用だけを済ませて、早々に立ち去った方が建設的である。
利根川は苛立ちの表情を抑え、村上を直視する。
「担当直入に問う・・・表で何があった・・・?」
村上は“あの・・・”と返答の言葉を濁し、しばし逡巡する。

利根川は村上の反応に勘付くものがあったのか、ギャンブルルームの内部を見渡した。
床には赤い絨毯が敷かれ、天井には目を刺激させない柔らかい色合いの照明が照らされている。
壁は白を基調とし、ギャンブルに差しさわりがない程度の絵画が数点展示されている。
簡素ながらも品のある雰囲気を維持するためであろう。
窓は入り口付近にある、開閉式の小さな小窓のみで、その視界は限りなく狭いものであった。
また、防音設計らしく、風で木々が揺れる音―外部の音はまったく入ってこない。
つまり、ギャンブルルームは外部から完全に遮断されるように設計されていた。
参加者に誰が利用しているのか知られないようにするためであろうが、それは同時に黒服への情報の遮断にも繋がっていた。


915:主君の片翼5
09/08/20 00:23:44
利根川は村上に尋ねる。
「もしや、ゲームが終了するまでの間、表へ出ることを許されていないのか・・・?」
村上は無言で頷く。

―黒服に対しても、最低限の情報しか与えない・・・
当然と言えば、当然のことか・・・。
利根川は一言、付け足す。
「知りえる情報は限られているようだな・・・お前の分かる範囲で構わぬ・・・」


「実は・・・私の趣味なのですが・・・」
村上は小さなマッチ箱くらいの機械とそれに繋がったイヤホンを差し出した。
「ギャンブルルームの備品の盗聴器です・・・
このマイクを勝手に扉の表側に仕掛けていたんです・・・
なので、外で何があったかは把握しております・・・ただ・・・」
「ただ・・・?」
村上のニュアンスに、利根川は訝しげに目を細める。
村上は気まずそうに俯く。
「黒服は参加者に情報を尋ねられた場合、チップを受け取れば話すことが可能という規定はあるのです。
けれど、これまでここを利用した参加者がどんなギャンブルを行っていたのかなど、
ギャンブルルーム内の情報を他の参加者に話してはいけないということになっております・・・
つまり、お話できるのは、事前に決定しているルールなどに限られるんです・・・」

利根川は“ほう・・・”と呟きながら、口角を吊り上げる。
「村上・・・その黒服の規定の中に
“ギャンブルルームの外で起こった情報を話してはいけない”という事項は
盛り込まれているのか・・・」
村上は弱々しい声で“いいえ・・・”と首を横に振る。
「確かに、違反事項には盛り込まれておりません・・・
しかし、私が勝手に行った行動・・・なので・・・その・・・」


916:主君の片翼6
09/08/20 00:25:09
「しかし・・・黒服は“外部”を盗聴してはならないという規定もないのだろう?」
村上の話を全て聞く前に、壁に掲げられている絵画に足を止めると、それを裏返しにした。
「利根川様・・・何を・・・」
村上は言葉を失った。
利根川が持っていたものは、盗聴器のマイクであった。
村上の顔はみるみる蒼白する。
「まさか・・・それは本部が仕掛けていた物・・・」

利根川は室内を一周する。
「ギャンブルの内容を確認したければ、まずはカメラを天井に・・・
参加者の表情が見るために左右の壁にも・・・
それから、マイクがテーブルの下に・・・」
村上が愕然としている間に、利根川は本部が仕掛けた、部屋中の盗聴器と監視カメラを全て見つけ出した。

「つまり・・・お前の行動は筒抜けということだ・・・村上・・・」
利根川は初めに見つけた盗聴器のマイクを村上に手渡す。
「ここまで監視されていながら、主催側からのお咎めはなしっ・・・
つまり、お前の行動は許容範囲ということだっ・・・!」
村上は納得がいかないという表情を浮かべる。
「しかし、それは屁理屈・・・」
「村上・・・」
利根川は近くにあった椅子に座り、テーブルの上で手を組んだ。
その姿は威圧的なその雰囲気は、かつての帝愛ナンバー2の威厳を放っていた。


917:主君の片翼7
09/08/20 00:26:42
「確かにルールで禁止されていることを行えば、それは違反・・・
罰せられて当然・・・自業自得だ・・・
しかし、裏返せば、ルールで禁止されていないということは何を行っても可能・・・
今回、“ギャンブルルームの外で起こったことは話してはならない”という規定がなかったのは・・・」
利根川は壁を軽く叩く。
音が反響することなく、壁に吸い込まれていった。
「防音壁に、視野の狭い窓・・・
主催者は外部から完全に隔離された構造によほど自信を持っていたのだろう・・・
その傲慢さが“ギャンブルルームの外で起こったことは話してはならない”という規定の失念、
お前のイレギュラーな行動の黙認へと繋がってしまった・・・
ルールの裏をかくということはそういうことだ・・・
カイジのようにな・・・」

かつて利根川はカイジとのEカード勝負の際、耳を賭けることを条件にゲームを開始。
カイジの耳にはそれを果たすための専用の器具が取り付けられていた。
ルールには器具を取り外してはいけないという条件はなかった。
器具は一度、取り付けると外れなくなるシステムのため、ルールに盛り込む必要がなかったのだ。
しかし、カイジはその裏をかき、耳を切断し、器具を外してしまうという暴挙に出たのだ。
それ以後、ゲームの流れはカイジに傾き、結果、利根川は幹部の地位を剥奪された。

「カイジ・・・」
村上もまた、カイジにゲームの裏をかかれた者の一人である。
カイジが裏カジノの『沼』において、ゲージ棒の細工、ビルを傾けるなどのルールに記載されていない暴挙を行わなければ、
今頃、一条は帝愛の幹部入りを果たしていたはずだった。

村上の心にヘドロにも似た怨嗟が溢れ、それが激流のように体内を駆け巡る。
―カイジ・・・お前さえいなければっ・・・!


918:主君の片翼8
09/08/20 00:28:35
村上の心は、主催者から指示を淡々とこなす黒服ではなく、一条の部下へ戻っていた。
村上は、自信に満ちた笑みを浮かべる利根川を見据える。

―利根川様の言う通り、
規定には“ギャンブルルームの外で起こったことを話してはならない”
という事項は存在しない・・・
  ならば、オレがするべきことは・・・決まっているっ!

「利根川様・・・表で起こったこと、私の分かる範囲でよろしければ全てお話いたします・・・」

利根川はうねりのような予感を感じた。
―流れがきているっ!

村上は決意に満ちた眼差しを利根川に向けた。
「意外に思われるかもしれませんが・・・あの死体が踏んだ地雷を仕掛けたのも、
その後、首を切断したのも、全て兵藤和也様によるものでございます・・・」
「何っ・・・和也様がっ・・・!」
利根川は腕を組んだまま、目を見開いた。
今まで、地雷と首切断は別の人物による犯行、ましてや、首切断は帝愛に刃向かう者によるものと結論付けていた。

村上は事の経緯を説明し始めた。


ゲームが始まってから1時間が経過した頃、和也がここを訪れ、ギャンブルルーム前に地雷を仕掛け、待ち伏せた。
その後、全身血まみれの男と髪を染めている少女の二人組がこのギャンブルルームを通りかかり、男の方が地雷を踏んでしまった。
少女はそこで逃げるかと思いきや、和也を発見し、襲い掛かった。
窓の視界から外れてしまったため、どのような戦闘があったかまでは分からなかったが、軍配は和也の方に上がったらしく、少女は逃げていった。
和也もここに長居しては危険と感じたらしく、早々に立ち去っていった。



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