美少女戦士セーラームーン連載中 ☆4at CSALOON
美少女戦士セーラームーン連載中 ☆4 - 暇つぶし2ch2: ◆P9MoonSjzo
09/03/18 01:47:35
Act42 夢4 ジュピター・ドリーム

ちびうさは部屋から窓を眺めて、一つ溜息をついた。―エリオスが あれからあらわれない
鈴を鳴らしてみても、なんの反応もない。「ちびうさ―っ おやつ食べないの?」
ダイアナを頭に乗せたうさぎが、ケーキを食べながらちびうさを呼びに来た。「……食欲ないの 胸がいっぱいで」
「え゛~~~っ!?」うさぎはびっくり。「そっかー ざんねんねー きょうはレモンパイもメロンもチョコケーキもシャーベットもあったんだけど…」
ちびうさはしばらく思考停止した後、廊下を走ってリビングへまっしぐら。「食欲ないけどっっ ……食べる」「ハイハイ」

ちびうさより先におやつを食べ終えたうさぎは、衛の家に出かけるようだ。
「まもちゃんずっとぐあい悪くて大学休んでるの おみまいいこうと思って あんたもいく?」ちびうさの脳裏に人間姿のエリオスがちらついた。
「あ ううん いい これから二人のジャマはしないコトにしたの いってらっしゃい」
笑顔で手を振るちびうさを見て、うさぎとダイアナは天変地異の前触れではないかと不気味がっている。

ちびうさはドキドキしながら顔を赤らめた。―いけないわアタシったら まもちゃんっていう心の恋人がありながら
あのときからエリオスのことばかり ……考えてる ―これじゃまるで気分はフリンだわっっ
エリオス……どうしてきゅうにあらわれなくなっちゃったの?あれがエリオスのほんとうの姿なの?
どうしてペガサスの姿をしてるの?―ヒミツのニオイがいっぱいのエリオス ―力になってあげたい


3: ◆P9MoonSjzo
09/03/18 01:48:33
「―だれかのとこに相談でもしにいこっかな ひとりでモンモンとかんがえててもはじまんないしっ」
―亜美ちゃん…“まずはデッド・ムーンの解析から”……は話が長くなりそーだし
レイちゃんってカンジの話題じゃないし“若いオトコの姿になったとたんにっっ(怒)”
“で?二人はどーゆーカンケイなワケッ??”美奈子ちゃんにはつっこまれそーだしっ☆
「そーだっ まこちゃんにそーだんしよっ」ちびうさは元気に出かけていった。

「うさぎはいいなあ なんでもそーだんできる仲間がいっぱいいて」
「スモール・レディッ☆あなたはまだまだ修行中の身!うさぎさまと立場をくたべるなんて!身分不相応なっっ」ダイアナが忠告する。
「わかってるわよぉ」―いつかあたしもりっぱな戦士になって あたしの仲間ができるときが ……そんなときがくると いいな―

闇の底の籠の中では、ペガサス姿のエリオスが苦しんでいた。……しっかりしなければ 王子のおからだまで蝕まれてしまう… そしてこの星も……

“ジルコニア”「なんでございましょうネヘレニアさま」“―わたしはだあれ?”
「あなたさまはこの世でもっとも美しくかしこい わがデッド・ムーン最高にして最大の力をおもちの 偉大なる女王ネヘレニアさまでございます」
“―われらの悲願は?”「―われらの悲願 それは にくき白い月の王国シルバー・ミレニアムにとってかわり
聖石(クリスタル)“幻の銀水晶”と この青い星地球をわが手にすること」―そしてやがては全宇宙の偉大なる支配者となること

“ククク そうよ エリュシオンはすでにわが手に落ちた 太古のむかしからこの星を守りぬいてきた白い月の王国も
もうすでに息たえ あそこはもう死の星 ククク あとはめざわりな月の王国の生き残りどもを始末するだけ
はやく 悪夢と暗黒で満たされた この青い星が見たい― 美しき暗黒のデッド・ムーンのものとなったこの星を!”
「女王ネヘレニア おまかせを このアマゾネス・カルテットと このアマゾン・ストーンと!このレムレスどもに!」
「かならずやこの星をわれらのものに!ククク」


4: ◆P9MoonSjzo
09/03/18 01:50:35
衛はベッドの上で苦しんでいると、スウッと四天王の幻が現れた。
―師(マスター)の体を包むオーラが弱まっている ―師の体の内部に異変がおこっている―
衛は苦しげに咳き込んだ。思わず押さえた手に付着したのは、血だった。
―だが もうわれわれの力ではどうすることもできない―

玄関のチャイムが響き渡り、四天王は静かに姿を消した。「まもちゃん?」「―うさ」
「もしかしてねてた?おこしちゃってごめんね だいじょうぶ?体のほう 食事とかしてないんじゃないかと思っておべんともってきたの
ママに煮物いっぱいつめてもらっちゃった あとね 外でてないんじゃないかと思って のみものと薬も……」

「……うさ」衛が不意にうさぎの言葉を遮った。「……帰ってくれないか ―ねむろうと思ってたところなんだ ……ゆっくり休みたいから……」
「……あ うん ごっ ごめんね か 帰るね ―とつぜんおしかけて ……ごめんなさい ―ゆっくり休んでね それじゃあ」
うさぎは笑顔を取り繕って、衛の部屋を出て行った。衛はぎゅっと目を瞑る。―感づかれちゃいけない うさにだけは
衛はまたも激しく咳き込むと、吐血した。―この黒い血のことを!
“肺に影が”―どうしたんだオレの体はいったい!デッド・ムーン!これからだやつらがこの街に魔の手をのばしてくるのは―!
これからというときに!またしてもうさの足手まといになるのか―!
衛のマンションを出たうさぎは、呆然と立ち尽くしていた。―まもちゃん……!?

「どうだった?きょうのショーは」「きょうはゾウとオートバイのショーが迫力あったな」
「なんかモーレツに怪電波がでてたよーな気がするわ アタマがクラクラする」「ショーを見た人たちだいじょうぶかしら」「うん 見た目はひとまずだいじょうぶそうだけど」
―あたしたちあれから毎日 デッド・ムーンサーカスに偵察にきてます
「あくまで表向きはタダのサーカス団をよそおうつもりなのかしら」「怪電波で洗脳しよーってケーカクのショーコはあがってんのよデッド・ムーン!ぜぇったいバケの皮ひんむいてやるわっ!」



5: ◆P9MoonSjzo
09/03/18 01:51:32
「でもその後敵のコーゲキのナシ☆サーカス団にもとくに変化はナシ☆」「もう最後はサーカスの人たちをはしからつかまえてみるしかないわね」
「いったい敵は何者?どんなヤツらなのかしら」そう言って帰路につく美奈子達四人を、木の上からアマゾネス・カルテットが眺めていた。
「―そうカンタンにしっぽをつかまれるほどまぬけじゃないよv」「あんたたちがどんなに手ごわいかも ウワサにきいているしね」

アマゾネス・カルテットは美奈子達を手鏡に映した。そこに映ったのは四人のセーラー戦士。「シルバー・ミレニアムの守護戦士 セーラー戦士ども!」
「あたしたちはね 夢にまで見た外へやっとでれたの」「思いっきり楽しませてもらうよvククッ」
ジュンジュンはパチンコを構えると、美奈子達四人の後頭部にボールや石の欠片を命中させた。
不思議そうな顔をする美奈子達を、アマゾネス・カルテットは木の上からせせら笑った。

「それにしても すっかりサーカスが街に定着したわね あいつらこの街にずっといすわる気かしら☆」
十番商店街は放置されたゴミが増えたように見受けられる。「サーカスがきてから なんか十番もきたなくなったわね」
「しかたないわよ ヒトが集まるんだもの」「夏になればもっと人がサーカスに集まっちまう キケンだな なんとかしないと」
「暑いわね 今年の夏は猛暑になりそうね」「じゃね」「バイバイ」「またあしたね」ゴミの傍には、無数のレムレスが隠れていた。

「あ!まこちゃんv」ちびうさがまことを呼び止めた。「よっちびうさv」
「いまね まこちゃんちいこうと思ってたの ちょっとそーだんしたいことがあって……」
「なんだなんだあらたまっちゃって 気になるオトコの子でもできたか――っ」鋭いまことに、ちびうさはドキッとしてしまう。
「よ―ーし まこちゃんがおいしい夕ごはんごちそうしたげようv」「わ―いっv」「スーパーへレッツゴ―v」



6: ◆P9MoonSjzo
09/03/18 01:52:07
スーパーではなにやら人だかりができている。変わった客が、店員を質問攻めにしているようだ。
「ええっ!?ピリピリもピンコピンコも!?ガラナもないのっ!?」「お客さま そのようなものは当店には……」
「それじゃトコンは?ヘンルーダは?オールスパイスは?」―もしかして……
まことがにっこり笑って客に話しかけた。「スパイスとかがほしいんですか?それなら外国人専用のスーパーにそろってますよ」

まこととちびうさは、その客と一緒にスーパーを後にした。
「スパイスやハーブは小さなスーパーでは売ってないんですよ そこのスーパーまでいっしょにいきましょうか?」
「ご親切にどうもvでも じつはいまのは市場リサーチだったの」客はバッチンとウインクして見せた。

まこと達二人は、その男の経営するハーブ専門店へと付いて行った。
「きょう開店したばかりなのvもううれしくってv十番商店街のほかのお店をいろいろ研究してまわってたのvどうぞ入ってv」
「わあっ」まことは歓声を上げた。「ハーブならほとんどそろえてるの でもおススメはやっぱり いろいろとりそろえたアマゾンの薬用植物かしら」
まことはアマゾンと聞いた途端表情を変えた。―アマゾン!?

「―まさか サーカス団の?」―アマゾンからのサーカス団!デッド・ムーンサーカス!」
「ええアタシメンバーよvまだ当分興業はつづくしせっかくだからお店をだしたの 副業ってとこかしら」
「じゃ さっきいってたのもアマゾンの植物なの?」ちびうさが質問する。「そうよ 薬になるのよ」
(ピリピリ…カヤツリグサ科 婦人病に ピンコピンコ…マオウ科 膀胱炎に ガラナ…ムクロジ科 万能薬 トコン…アカネ科 去痰薬)
男は目をキラキラさせた。「アタシね こういう小さなお店をもつのが 若いころからの夢だったの 十番は良心的な街だわ 店舗も安くかしてもらえたし
いい街ね大好きよvでもまたサーカスの巡業でべつの街へも行くわ いつか世世界中にお店をもつことが夢なのよ」




7: ◆P9MoonSjzo
09/03/18 01:54:11
まことはドキドキしながら切りだした。「―あ あたしの夢も……いつかお店をもつことなんです お花屋さんとケーキ屋さんの」
「まあステキッ!ゼッタイ実現させてね!目標をきめたら若いうちから努力しなきゃダメよ!」
男に夢を肯定されて、まことは嬉しくてポーっとしてしまう。「ウチのお客サマ第一号の二人に特別なプレゼントさしあげるわ」
男―ホークス・アイはまこととちびうさに綺麗な指輪を手渡した。
「これはアマゾン・ストーン アマゾンの魔よけのおまもり 夢をかなえるおまもりでもあるのよ」
まことは感動して真っ赤になってしまったのだった。
●to be continued●


8: ◆P9MoonSjzo
09/03/19 21:39:05
Avt42-2

「まーこちゃーんvトマトきってサラダに入れたよ」「OK そしたらバジルをちらしてできあがりv」
「バジル?」「トマトをおいしくするハーブだよ」「へ―v」まことはイタリア料理のディナ―を作りながら、右手中指の指輪を眺めた。
―夢をかなえるおまもり かvすてきな人だったよな キラキラしてて 夢を実現させてもさらに努力をつづけてた
“若いうちから努力しなきゃ”―あたしの夢 ―あたしは両親が早く死んじゃってひとり暮らしが長いから
早くケッコンして しあわせな家庭をつくるの そして小さなお花屋さんとケーキ屋さんをひらくこと
それからナイショだけど ホントはみちるさんみたいに キレイな女性にもなりたい それからはるかさんみたいに 強くもなりたい
夢はたくさん ―でも あたしその夢のために 努力なんてしてた?

「それでね まこちゃんにハーブのお料理を いっぱいつくってもらったの(ごはん食べたらエリオスのそーだんするのわすれちゃったケド)」
「そうか それで」衛が相槌を打つ。「これがそのアマゾンストーン 魔よけの石の指輪か」
「ねっキレイだけどあやしいでしょ?タダでこんな高そーな指輪くれるなんて」「ちびうさ コレあずかってもいいか」
「もちろんvじゃああたし帰るね」ちびうさはドアの前で心配そうに振り返った。
「まもちゃん “おだいじに”ね ちゃんとごはん食べてね なにかほしいものあったらでんわしてね かってくるから」「わかったわかった」

ベッドの中から笑顔で見送った衛は、ちびうさが部屋を出るなり表情を変えた。―アマゾンストーンか
衛はペンチを取り出したかと思うと、ちびうさから預かった指輪の石を割ってしまった。
―ふつうの石に見えるが しばらくおいてみてみるか……



9: ◆P9MoonSjzo
09/03/19 21:39:40
衛のマンションをでたところで、うさぎがちびうさを待っていた。
「……ちゃんと“おだいじに”ってつたえてきたよ まだ具合わるそうだった まもちゃん」
「……そっか ごめんねちびうさ ありがとね」「……どうして会わないの?せっかくきたのに……」「いいの」
―なんだか また拒否されそうで ……こわいの ……なにかあったのでしょ?まもちゃん 時間がたてば ……話してくれるよね

一方、まことの足は自然とあのハーブ専門店に向かっていた。「いらっしゃいませ―… あら」
「こんにちは すこし見ていってもいいですか?」「もちろんよ」

店員―ホークス・アイはお茶を入れてまことを座らせた。「どう?その後夢にむかって順調につきすすんでる?」
まことは恥じらいながら切りだした。
「……友だちにはなんか相談できなくて…… ……あたし ……夢がたくさんあるんです ……でも 迷ってて……」
―あたしはほんとうはどの道を選んだらいいの?―もしかして このままセーラー戦士をつづけていたら 戦いがあるだけ
―ずっと心に秘めていたあたしの夢は 実現しないんじゃないの?
「―いますすんでる道がまちがいなんじゃないかって思っちゃって―」―やだあたしナニいってるの?

「迷ってるならやめちゃえば?セーラー戦士なんか」―え!?
指輪から妖気が吹きだし、まことの右手にレムレス達が現れた。―なに!?こいつら!―この指輪!ぬけない!?
「悪夢の権化レムレスちゃんたちが 夢がたくさんつまってはちきれそうなあなたをほしがってるわ
あなたもデッド・ムーンサーカス団に入ったらいかが?あたしといっしょに悪夢を世界じゅうに売り歩きましょうよ」


10: ◆P9MoonSjzo
09/03/19 21:40:13
指輪からどんどん力が吸い取られていき、そうしているうちに店のシャッターがピシャリと下りてしまった。
鷹の姿に戻ったホークス・アイの後ろにベスベスが現れた。「かわいそうに これでだれも助けにこないわよvククッ」
パラパラもアマゾンストーンと共に現れた。「これがアマゾンストーンの“玉結び”ほどけるものならほどいてごらん」
まことはドサッと床に倒れ込んでしまった。―力が ぬけてく……!……みんな…… ごめん…
「今度こそセーラー戦士もこれでおわりね」そう言って、アマゾネス・カルテットの一人がまことの頭を踏みつける。「ちょろいもんだわ」

『……ピター ジュピター』全裸のまことははっと目を覚ました。「―ここは」『ここはお前の意識の中だよ ジュピター』
そういってまことの頬を打ったのは、なんと小さなセーラージュピターだった。
『しっかりしろよ!ったく!敵にまで弱みをみせてどうする!だからつけこまれんだよ!おまえは使命を忘れたのか?
怪力ジュピターがいなくて だれがプリンセスセレ二ティを マーズやマーキュリーやヴィーナスたちを守れるんだ!この街の人たちを守れるんだよ!』

……そうだ あたしは怪力ジュピター 夢はいろいろあるけど いまいちばんの夢は
大好きなみんなを守る最強の戦士になること そしてそれが使命―!
“まこと 覚えておいて 敵をたおすまえに最大の敵は 自分の弱さだ!”―わかってる はるかさん ―まけない!
『それでこそ セーラージュピター!』―あたしのプリンセスジュピターだ
まことの手の中に、ハート形のクリスタルが現れた。『それはおまえのジュピタークリスタルだよ』「おまえは……」
『あたしはおまえの分身ってとこかな いつでも見守ってる がんばんな怪力ジュピター』

まことはすぐさま起き上がると、自力で呪縛をぶち破った。「ジュピター・クリスタル・パワー・メイクアップ!!」
変身したジュピターの額の上には、雷電のエンブレムであるオークの葉が飾られていた。
「この街からかならずおい出してやる!そのときはおまえらが死ぬときだ!デッド・ムーンサーカス!」


11: ◆P9MoonSjzo
09/03/19 21:40:48
「ジュピタ―・オーク・レボリューションッッ!!」パラパラとベスベスは急いで姿を消し、鷹の姿のホークス・アイだけが電撃の餌食になった。
すると、店は幻のように消えてしまった。「ジュピター!?」「うさぎ!ちびうさ!」なんと偶然にもうさぎとちびうさが傍にいたのだった。

―ククッ さすがはセーラー戦士!だが死ぬのはおまえたちのほうよ!
木の上にいたアマゾネス・カルテットにジュピターが気付くも、彼女たちはすぐに消えてしまった。

突然、ちびうさの鈴が鳴り響いた。「エリオス!?」―エリオスが!どこかであたしをよんでる―!?
うさぎとちびうさは同時に危機を察知した。―まもちゃん!?

うさぎとちびうさは急いで衛の部屋に乗り込む。「まもちゃん!!」
そこにはベッドの上にうつ伏せに倒れている衛に、ペガサス姿のエリオスが寄り添っていた。
その周りはたくさんのレムレスの囲まれている。「ちびうさ!」「うさぎ!」二人は顔を交わした。
「「ムーン・クライシス・メイクアッップ!!」」

二人はすぐに武器を構えた。「「ムーン・ゴージャス・メディテイションッ!!」」
レムレスは一撃で吹き飛び、エリオスがふらつきながらちびうさの傍に寄ろうとした。『―乙女よ……』
「エリオス!?」―体じゅうキズだらけ―!?
衛はベッドの上で苦しげに咳き込んだ。「まもちゃん!?」スーパーセーラームーンは見てしまった。―黒い血!?
●to be continued●



12:マロン名無しさん
09/03/19 22:13:26 8mMJfAjD
オークの葉って軍隊の紋章などのシンボルになってるやつだよね
雷電のエンブレムって言われてもなんのことだか

13:マロン名無しさん
09/03/19 22:32:58
>ごはん食べたらエリオスのそーだんするの忘れちゃったケド

ごはん>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>エリオス
ですね、わかります

14:マロン名無しさん
09/03/19 22:35:23
亜美もレイも意識の中(?)で服を着ていたのになぜまことだけ裸なんだ

15:マロン名無しさん
09/03/19 22:37:23
~~~レボリューションってサターンの技もそうだったような

16:マロン名無しさん
09/03/19 22:38:51
いきなりペンチで宝石を破壊する変態にワロタwww

17:マロン名無しさん
09/03/19 22:41:23
次回、衛に多額の保険金を懸けるうさぎの姿が

18:マロン名無しさん
09/03/19 22:43:16
アマゾン・トリオ全滅か…
次回からは、アマゾネス・カルテットが、一人また一人と消えていくんだろうな

19:マロン名無しさん
09/03/19 23:26:01
>>12
オークというか、日本語だとカシワの木。
ヤドリギが生えるので、ヨーロッパのドルイドとかがあがめられてる。
雷を操るゼウス/ジュピターの象徴だったり(ヤドリギのほうが)。

しかし、「怪力」ジュピターか…もう少し言いようってものが

20:マロン名無しさん
09/03/19 23:36:04
脳筋ジュピター

21:マロン名無しさん
09/03/19 23:50:22
筋肉キャラで良いのかまこ

22:マロン名無しさん
09/03/20 01:07:41
>>14
亜美&レイ→服着用
まこと→全裸
ときたから、美奈子の意識の中のシーンは全裸かな。

23:マロン名無しさん
09/03/20 14:47:12
Vコスに一票

24:マロン名無しさん
09/03/21 00:03:47
ヴィーナスの武器?予想


1.ラブミーチェーン進化版

2.初期に出てきた銀水晶の剣(何故か復活w)

3.セーラーVの時に一度だけ使用したマイク

4.クレッセントカッター

25: ◆P9MoonSjzo
09/03/21 23:59:41
[受験戦争編]
第2話 亜美ちゃんの初恋 (「るんるん」1995年7月号掲載)

―あたし 水野亜美 九月十日生まれ 星座は乙女座 血液型はA型 母と麻布十番のマンションに二人ぐらし
毎朝授業開始四十分まえに教室へいって本を読むのが日課 趣味は読書とチェス 好きな色は水色
好きな食べ物はサンドイッチ 食べながら本を読んだりできるからよ 好きなスポーツは水泳 好きな科目は数学 そして苦手なものは……

ある朝、亜美が学校のロッカーを開けると、そこに入っていたのは―ラブレター。「……いっ」
手に取ったとたん、亜美の顔には広範囲にわたってプツプツと発疹が出来てしまった。亜美は思わずラブレターを投げ出す。
「いやあ~~ん かゆ~~~いっっ」

昼休み、すっかり変貌してしまった亜美の顔を見て、うさぎはびっくり。「亜美ちゃんっ!?どーしたの!?そのカオッッ」
「……ちょっとね 朝じんましんがでちゃって ストレスがたまっているのかしら(じんましんはストレスが原因なのよっ)」
そーよべんきょうのしすぎよおっ、とうさぎは内心思うのだった。

―苦手といえるほどもらったことがあるわけではないのだけど(じつはこれで三通め)ラブレターを手にしたとたんカラダにこんな症状がでてしまうの
まず第一に「はずかしい」からだと思うわ 第二に「信じられなくて」 だってこんななんのとりえもないあたしにラブレターなんて
そして第三に ―やっぱり拒否反応なのかしら
―あたしね 思うの 中学三年のたいせつなこの時期 情熱をかたむけるべきことはただひとつ

それは勉強よ!いまの亜美の辞書に「恋愛」の二文字はないわ!


26: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:00:10
「ああっ!!」下校中、受験生向けの情報誌を読んでいた亜美が突然叫んだものだから、うさぎや美奈子達はびっくり。
「……またこのヒトだわ!予備校の模試で最近よく名まえを見かけるヒトなの いつもかならずわたしの順位と同じなのよ」
そう言われて亜美の持つ情報誌を覗いてみるが、うさぎにはさっぱり意味がわからなかった。
「マーキュリー?メリクリウス?それが名まえ??」
「ペンネームよ 自分の好きな名まえを登録してその名まえで試験を受けられるの もともとは通信添削のシステムよ」
「マーキュリーってもしかして亜美ちゃんのペンネーム?」「そうよ」
―いろんな出版社や予備校の全国模試にもよく登場するこのヒト 「メリクリウス」 いまのところずっと満点で一位をキープしているヒト

「どれどれ?」まことも一緒に情報誌を覗いてみた。「一位マーキュリー 五教科総合五百点 ……五百点ッ!?また全教科まんてんッッ!?」
「いつも満点ばっかであきない?」レイが笑顔をひきつらせながらつっこむ。「そうね ちょっと変化にとぼしいわねっ」

「受験勉強もいいけど さ たまには息ぬきしないと あしたみんなで原宿のバーゲンいくんだ 亜美ちゃんもいかない?」
同じく笑顔をひきつらせたまことが誘ってみたが……。「ごめんなさい あしたも模試をうけようと思ってるの」
さすが模試荒らしの異名をとる亜美ちゃんっ!友情よりもテストをとるオンナッ!とうさぎ達は揃って呆れてしまうのだった。

―そう いま あたし友情をうらぎっても模試をうけたい理由があるの ―それは気になるヒトがいるから

「ああっ!」別の情報誌を読みながら、またも亜美は短く叫んだ。―またこの人!同じ点数 同じ順位―!
―メリクリウス ―ラテン語で「マーキュリー」 この名まえと都内の中学ってこと以外はいっさい不明
気になってしかたない亜美。そんなとき、亜美は掲示板に模試のポスターと新しい予備校のポスターが貼ってあるのに気が付いた。




27: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:00:40
―もしかして「メリクリウス」もこの模試をうけるのかもしれない うけなくちゃ!―そうよ彼(もしくは彼女)も予備校や塾へいっているハズだわ
もうすでに模試会場や予備校で 知らないうちに会っているのかも……!どんな人かしら―!
亜美はぱっと閃いた。―そうだわ もしかしてこれからある模試ぜんぶをうけて いろいろな予備校へも通ってみたら 会えるかも……!
「なんだかやる気がでてきたわっ ライバルがいるってすてきなコトねっ」眼鏡をかけた亜美は思わずガッツポーズを決めた。
「さあっ ガンガン模試をうけるわよっ 予備校にもいくわよっ もうしこまなくっちゃ!」

参考書をブツブツと読みふける亜美を遠目に見て、うさぎ達が呆れている。「亜美ちゃん最近やつれてない?」
「あたりまえよ!塾や予備校に加えて 毎週日曜を模試の日にしたんだって」
「おカネもかかるわねー」「いーのよあみちゃんち医者だしひとりムスメだしっっ」
「え―っ IQ300の亜美ちゃんがなんでそこまでっっ」うさぎ達は同時にピンときた。二ヤリとして亜美を見やる。「……例のメリクリウスさまねっ」

数日後…。「ああっ!」またまた別の情報誌を見ていた亜美はまたまた短く叫び声を上げた。またマーキュリーとメリクリウスが同時に一位を取っていたのだ。
「ここまでピッタリ同じ点数同じ順位なんて もう奇跡よ!!やっぱり敵かも!」
二人そろっていつも満点なんだから一位であたりまえでしょ、と思うレイをまこと。うさぎと美奈子は「そりゃキセキだけどーっっ」と喚いている。

「でもこのヒト きっとすばらしいヒトなんでしょうね ここまでトップをキープするなんて どんなヒトかしら 会ってみたいわ」
美奈子が思わず呟いた。「亜美ちゃん まるで恋でもしてるみたい」
亜美は猛否定。「彼(もしくは彼女)はあたしのよきライバルよっ 恋だなんてフキンシンなっっ」
「そーよ まだメリクリウスさまは男か女かもわからないのよ」とうさぎ。
「ねえ 亜美ちゃんの理想の男性ってどんな人?たとえば芸能人でいうとだれ?」美奈子がわくわくしながら聞いてみるが……。
「あたしの理想のヒト それは…… あの特殊相対性理論のアインシュタインさまかしらっ」亜美は夢見るような目でそう語るのだった…。


28: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:02:24
「さすがに理想は高かったけど あたしあんな亜美ちゃんはじめて見ちゃった」「あたしも!」フルーツパーラークラウンでうさぎ達がお茶をしている。
「あんなホオを上気させてひとみをキラキラさせた亜美ちゃん」あんなハイテンションでぶっとんだあみちゃん、と内心思ううさぎ。

―もしかして…… これはマジに亜美ちゃんの初恋!?

「よ―し!ココはいっぱつあーみちゃんのために ひとはだぬごうじゃないの このみなこサマがっ
つきとめるのよ!メリクリウスさまがどんなヤツかっ!あのままじゃ亜美ちゃん気がちって成績がおちちゃうわ!」
「こんなコトはじめたってのがバレたときのほうが 亜美ちゃんの気がちると思うけど」レイが冷静につっこむ。
「どうやって見つけるの?」一同はもんもんと考えていたが、やがて美奈子がパチンと指を鳴らした。
「そうだ!亜美ちゃんたしかネットの掲示板でチャットやってるよね メリクリウスさまもやってるんじゃない?きっと!
そこでメリクリウスってハンドル・ネームをさがしだして ネットをつかってそいつのデータをゲットする……」

一同はしーんと静まりかえった。うさぎ・レイ・まことはメカオンチで、美奈子は唯一メカオンチではないがパソコンはいじれないのだ。
―そんなことできるの亜美ちゃんしかいなーいっっ

「でもあたしもメリクリウスさまがどんなヤツか見てみたい!亜美ちゃんの初恋だものね←本人に確認を取ったわけではない
カッコイイヒトかもしれないしv」うさぎが悶々としながら学校の廊下を歩いていると、なると海野がやってきた。
「うさぎ― きょう図書館よってかない?海野が中間テストのヤマかけてくれるってv」
―海野ッッ!!限りなくいま力をかしてくれそーなヤツの存在をしばらく(一年くらい)忘れてたわっっ!!
うさぎはがしっと海野の胸ぐらを掴んだ。「海野!あんたメリクリウスってペンネームの模試荒らしきーたことないっ?」
なんと、ラッキーなことにメリクリウスは海野の友人だったのだ。「え?会わせてほしい?いーですよ」


29: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:02:59
そのころ亜美は、一番予備校に殴りこみに来ていた。「ここね 学校の掲示板に広告をはりだしてあった予備校って
ずいぶん古い建物ね 生徒はいるのかしら」―ううん!勉強はどんなところでもできるわっ
メリクリウスとのショーブのために学ぶ場所がひとつふえて 亜美うれしいわっ!

チャイムの音で、亜美ははっと目を覚ました。ノートにはよだれが付いている。
―いけないっ あたしとしたことがっっっ 初日からいねむりっっ!?なんだかアタマがポーッとするわ 体調をくずしたかしら こんなことはじめて
メリクリウスを意識して勉強をやりすぎたせい?あたしのペースを乱すなんて なかなかやるわね さすがメリクリウス!

亜美はドレーク方程式を思い浮かべた。―でも あなたとショーブをしてもしても満たされない 会ってみたくても名まえさえ知らない
これはまさに方程式がとけないときのイラだちと同じ はやく解を見つけてスッキリしたいわ!

亜美は気づかなかったが、同じ教室で、全国模試の申し込み用紙を書いている男がいた。彼がペンネーム欄に書きこんだのは―「メリクリウス」。

夜になり、予備校に煙のように湧き出た悪しきものが一人。
“わらわは地霊(ゲニウス・ロキ)ぼんのーん 由緒正しき寺子屋を ここに開いて百数十年
まじめに勉学にはげむ者しか見たことなかったが なんと!まれに見るオソロシイ煩悩を感じる!
このよみかきそろばんの聖地に 口に出すのもはばかれるような インラン邪気のかたまり!”
地霊は、ふらふらと予備校を出ていく亜美の姿を認めた。“おおっ!まさしく恋する乙女!オトコのことばかり考えてる煩悩のカタマリじゃ!”



30: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:03:30
「この予備校ですよ ヤツが通っているのは」海野はうさぎや美奈子達を、一番予備校へと連れてきた。
「あ!メリクリウス!」「やあ!ぐりぐり博士!←どうやらペンネームでよびあう仲らしい」うさぎ達はぱちくりと目を瞬かせた。

「けっきょくゆうべは体調がわるくてノルマがおわらなかったわ きょうは内職しなきゃ」
亜美ははっと我に返った。―ダメよ!授業中に内職なんて 学校へのぼうとくだわ!……あら?「ぼうとく」ってどういう字だったかしら
しっかりしなきゃ!成績をおとすわけにはいかないわ!模試でメリクリウスがあたしをまってるのに がんばらなきゃ……
なんと亜美はそのまま廊下でパッタリと倒れてしまった。「きゃ~~~ 亜美ちゃ~~~ん」うさぎが叫ぶ。

亜美は保健室へと運びこまれた。「亜美ちゃん~~ もしかして知恵熱?」「それをいうなら恋の病だろ」とまこと。二人とも心配して涙ぐんでいる。
「ただのカゼよ 不摂生のせいね ねてればなおるわ」保健の先生はそう言うが、亜美は高熱でかなり辛そうだ。

急用のため、保健の先生は亜美を一人残して保健室を出て行った。
「う―ん う―ん アタマがいたーい カラダが動かなーい 勉強したいのにできなーい これはどういうコト?
まさか メリクリウスあなたのせい……?」そう呟く亜美のもとへ、地霊が湧いて出た。
“とうとううなされるほどに煩悩に支配されたかvさっさと煩悩のカタマリになってしまえ!わらわのエジキとなるためにv”

“すべての煩悩のはじまりっ 初恋の君からの恋文攻撃ッ!!”地霊はいきなり大量のラブレターを投げつけてきた。
“初恋の香りに自己の解放をしない人間などいないのじゃ~~ さあ 煩悩の権化となれ~~っv”
その途端、亜美の顔中にじんましんが広がる。
「いや~~ だれっっっ!?かゆ~~いっっっ これはラブレターねっっ カオにはりついてとれな~~いっっ」




31: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:04:01
「ああっっ かんじるっっ 感じるわっっ せっかく覚えた方程式がっっ 単語がっっ アタマからにげてく~~~ うそおっっ」
亜美はやっとのことで顔からラブレターを剥がすことに成功した。「だれっ!?そこにいるのは!!」―ああっ 頭がボーッとしてよく見えないわ!
“よくぞきいてくれた わらわは地霊ボンノ―ン…”しかし亜美は聞いちゃいなかった。―もしかして
「そこにいるのはメリクリウスッ!?あたしをおとしいれよーなんてあなたはメリクリウスでしょっっ!?」
地霊のセリフを無視して、亜美は神経を研ぎ澄まし、計算を始めた。―なんてヒキョ―な!メリクリウス!ついに勝負のときはきたわ!まけられないわ!

初めに亜美の頭に浮かんだのはE=mc²という相対性理論の公式。それは次第にもわもわと形を変えていった。

_______________
/ストレス×体温×(妨害工作)² 
(模試²+予備校²)+ / _______________ ×ライバル²
            √    順位
            
       …=メリクリウスの正体=敵=たおす

亜美はチ―ンと閃いた。「変身よっっ!マーキュリー・プラネット・パワーメイクア―ッップ!」
あまりの展開に、地霊は悲鳴を上げて恐れおののいた。
「正義と知の戦士セーラーマーキュリー ここに見参ッ!←“けんざん”じゃなくて“げんざん”よっっ!」

「メリクリウス!おたがいいつも満点で一位!ケリのつかない不毛な机上の勝負はもうおわりよ!」
“あの―っ もしも―しっっ わらわのなまえはボンノ―ン…… きいてるっっ???”しかしやっぱりマーキュリーは聞いちゃいなかった。
「あなたが敵だってわかっていたわ!だってこのあたしをこんなにまどわすなんて!あなたに会えてほんとうにうれしいわ!
ライバル=敵!亜美の方程式よ!これで証明されたわ!敵はたおすのみ!水蜃気楼(マーキュリー・アクア・ミラージュ)!!」
マーキュリーの怒涛の攻撃で、地霊はあっけなく消滅してしまったのだった。
「ああっ!!スッキリしたv」マーキュリーは満面の笑みを浮かべた。


32: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:07:40
「ああっ!!スッキリしたv」マーキュリーは満面の笑みを浮かべた。
「ちょっと目がかすんでメリクリウスのカオがぜんぜん見えなかったけど きっとすてきなヒトだったんでしょうね」
―だってあたしのライバルだったヒトだもの……
マーキュリーは頭がぐらついて、またもばったりと倒れてしまった。「わ~~ 亜美ちゃんっ」保健室のドアを開けてみて、うさぎは真っ青。

「ライバル=敵ねえ あたし成績よくなるのだけはやめよーっと 亜美ちゃんに殺されたくないし」
フルーツパーラークラウンでお茶をしながら、美奈子がどん引きしている。うさぎが続ける。
「そうね とにかくいま亜美ちゃんのまえで メリクリウスさまを見ちゃったって話はしないほうがいいわね」
「ええっ見たのっ!?」なんと背後に亜美が立っていた。

「どんなヒトだった?」亜美がキラリと鋭く目を光らせた。美奈子とうさぎは慌てて美少年の巨大ポスターを広げてみせた。
「こっ こんなヒトッ」「このアイドルにそっくりだったv」
「やっぱり!アインシュタインさまの若いころにそっくり!vさすがあたしのライバル(だった)ヒトだわっっv」
美奈子とうさぎは内心ドキドキしていた。―ゼッタイメンクイだと思ったんだ 理想高いし
―メリクリウスさまが海野にそっくりなおたくだってことは こんどこそだまってよう
ちなみにメリクリウスの本名は“数理くるめ”で、ペンネームの由来は本名を逆さまに読んでみただけだったのだ…。

そして後日模試結果発表。そこにはまたも亜美と共に全教科満点で一位を取る“メリクリウス”の文字があった。
亜美は怒りのあまり冊子を真っ二つに裂いてしまう。「ああっ ナゼッ!?たおしたハズのメリクリウスがナゼッッ!?そんなバカなっっ」
―理想の高いマーキュリーの戦いは まだまだつづく
●The End●



33: ◆P9MoonSjzo
09/03/22 00:12:29

_______________
/ストレス×体温×(妨害工作)² 
(模試²+予備校²)+ / _______________ ×ライバル²
            √    順位
            
       …=メリクリウスの正体=敵=たおす


訂正です 失礼しました

34:マロン名無しさん
09/03/22 00:16:29 InfSZOYa
亜美ちゃんって論理的なイメージだったけどむしろ情緒的だな

35:マロン名無しさん
09/03/22 00:18:12
>食べながら本を読んだりできるからよ

これは作法上問題があるんじゃ…
みちるさんあたりが見てたら叱りそう

36:マロン名無しさん
09/03/22 00:21:18
アインシュタインさまwwwww
アインシュタインさまはイケメンですかそうですか

37:マロン名無しさん
09/03/22 00:23:00
目と口にモザイクかかった亜美にワロタw
人気キャラなのにこんな扱いしていいのかw

38:マロン名無しさん
09/03/22 00:34:16
もうマーキュリーは前線部隊の仲間入りすればいいんじゃね?

39:マロン名無しさん
09/03/22 01:02:36
>「ここまでピッタリ同じ点数同じ順位なんて もう奇跡よ!!やっぱり敵かも!」
>二人そろっていつも満点なんだから一位であたりまえでしょ、と思うレイをまこと。
温度差にワロタ
頭が良いのにこんなことは気付かないんだなw

40:マロン名無しさん
09/03/22 09:57:01
受験戦争編の亜美は水を得た魚だなw

41:マロン名無しさん
09/03/22 09:59:44
海野ッッ!!限りなくいま力をかしてくれそーなヤツの存在を
(直子が)しばらく(一年ぐらい)忘れてたわっっ!!

42:マロン名無しさん
09/03/22 10:02:46
数理くるめはいくらなんでも無理やりすぎだろ…
逆さ読みではなく、アナグラムにするなりすればよかったのに

43:マロン名無しさん
09/03/22 10:05:31
>ライバル=敵

浦和くん…(´・ω・`)

44:マロン名無しさん
09/03/22 10:48:28
医学部に進学した変態も亜美の中では敵認定されてるのかもな

45:マロン名無しさん
09/03/22 11:06:24
>>35

> みちるさんあたりが見てたら叱りそう

みちる:食事しながら勉強するのは、はしたなくってよ。



こうですね。わかります。

46:マロン名無しさん
09/03/22 11:43:20
亜美「(みちるさん…同じ水使い…ライバル…敵…タオス…)」

47:マロン名無しさん
09/03/22 12:19:39
>>44
勉強はちょっと世代が違えば敵じゃないと思う

48:マロン名無しさん
09/03/23 01:09:36
>きっとすてきなヒトだったんでしょうね
だったら倒すなよ亜美ちゃん…

49: ◆P9MoonSjzo
09/03/23 21:38:05
Act43 夢5 ヴィーナス・ドリーム

「まもちゃん!!」黒い血を吐いた衛に驚き、セーラームーンとちびムーンは衛の側に駆け寄った。
「まもるさん!!」遅れて、ジュピターも駆けつけてきた。

「まもちゃん!いつからなの!?どうしてこんな黒い血が……」「―わからない すこしまえから胸が痛みだして」―そして肺に黒い影が……
ちびムーンはエリオスに懇願する。「エリオス!おしえて!エリオスなら知ってるでしょ?まもちゃんのこの黒い血は
もしかしてエリオスや敵に関係があるの?これは敵のしわざなの!?」エリオスはしばらく迷っている様子だったが…。

「……もう時がせまってきたようです おはなししましょう」エリオスはふわりとペガサスから人間の少年に姿を変えた。
「―わたしは エリュシオンの 祭司エリオス」―エリュシオンの 祭司エリオス?「エリュシオン?」ちびムーンが聞き返した。
「エリュシオンは地球と守護する聖地 地球の奥深くに静かに息づく この星の心臓部のような場所です
―わたしはそこにつかえる祭司 わたしの使命は エリュシオンとこの星―地球と
王子(プリンス)エンディミオン あなたを見守りつづけること わたしはあなたの守護祭司でもあるのです」
あまりにも意外な話に、衛は目の前に跪く少年をじっと見つめた。―オレの 守護祭司―?

「あなたは遠い過去の時代から いまはたったひとりこの星に守護される この星の高貴なる 王子エンディミオンなのです」
「オレが王子!?オレのことを知っているのか?」
「―ええ 王子 あなたはわたしをごぞんじないでしょうけれど― この星は聖地エリュシオンに守られ わたしの命もエリュシオンと共にある
王子とこの星と エリュシオンとわたし― 四つの心と体はつながっているのです その四つの心と体は 共鳴しあうようになっているのです」
―四つの心と体がつながっている?共鳴―?



50: ◆P9MoonSjzo
09/03/23 21:39:00
「けれど そのためにこんなことがおこってしまうなんて……」エリオスの額のマークから光が放たれ、衛の胸を照らした。
セーラームーンが驚き叫んだ。「まもちゃん!?胸の中に……!」衛は部屋の鏡に自分の姿を映してみた。―胸の中に 黒いバラが咲いて……!?
エリオスは自分の胸にも光を当てて見せた。「わたしの胸の中も この呪われた黒いバラに蝕まれています
これはエリュシオンが蝕まれているしるし 王子はわたしとエリュシオンにかけられた呪いに 同じようにかかってしまったのです」
―まもちゃんの胸の中に…… 黒いバラが……?呪い!?

「あなたがたの見ているこの姿はわたしの幻影 ―わたしの体はいま 呪いによってさらにペガサスの姿へとかえられ
エリュシオンで幽閉されているのです」心を痛めたちびムーンが尋ねた。「……だれが そんなことを……!?」

「……こんなことができるのは あいつしかいません ―新月の中の悪夢の王国 デッド・ムーンの女王ネヘレニアです
デッド・ムーン それは 新月の闇の奥深くに封印された王国 ―太古のむかしから 光の王国 シルバー・ミレニアムにとってかわり
地球を支配することを もくろんでいたのです ―デッド・ムーンの女王ネヘレニアは 執念深い化けものです」

―月からのシルバー・ミレニアムの輝ける力がなくなり いまならエリュシオンにダメージを与えれば この星はたやすく落ちる
―そう考えたあいつは 長い時の力をかけ暗黒の中心から 地球の心臓部であるエリュシオンに 呪いをかけてきたのです
まず内側からこの星を落とすために ―わたしは祈りつづけました しかしわたしの小さな力ではかなわず
呪いは悪夢のように広がり エリュシオンは荒廃していった そして地球を守護する力が 一瞬うすれたその時
―そのスキをついて 美しく呪われたあの皆既日食の瞬間に やつらは入りこんできたのです






51: ◆P9MoonSjzo
09/03/23 21:40:04
「この星はいま内からも外からも侵略されようとしています エリュシオンはいま やつらの呪いによって 悪夢と暗黒に支配され ひん死の状態です
この状態が長くつづけば やがてすぐにこの星の表面にも悪夢が広がり この星は死の星となり やつらのものとなってしまうでしょう
プリンセスセレ二ティ ―いいえ スーパーセーラームーン やつらは シルバー・ミレニアムの後継者であるあなたが
この星に転生していたことまでは気づいていなかった どうかあなたの力と“幻の銀水晶”の力でやつらをたおしてください」
「もちろんよ!敵はかならずあたしがたおす!そうすればエリュシオンも あなたもまもちゃんもたすかるのね」

「……残念ながら やつらをたおすことができても “幻の銀水晶”の力だけでは エリュシオンにそして王子にかけられた呪いをとくことはできません」
セーラームーンは動揺して言葉を失ってしまう。衛が尋ねる。「……どういうことだ!?」
「……蝕まれたこの体で 乙女であるあなたと王子のところへたどりつくのは たいへんなことでした そしてやっと見つけた」

―プリンセスセレ二ティ ―もしもあなたが“選ばれたる乙女”なら
「ゴールデン・クリスタルをさがしだし その力を導きだせるはず― “―美しい夢をもつ 月の光に守られた”
プリンセスにして戦士 ゴールデン・クリスタルの封印をとく 聖石(クリスタル)をもつ選ばれたる乙女ならば―」「ゴールデン・クリスタル?」

エリオスは苦しげに体を抱きしめ、ペガサスの姿に戻ってしまった。「エリオス!?」
「……乙女よ わたしは祭司 わたしにはこうしてたすけをもとめ 祈り見守るだけの力しかない
乙女よ あなたの力が必要なのです ゴールデン・クリスタルの封印が解かれる日がやってきたのです
どうか “幻の銀水晶”とゴールデン・クリスタルの力で 悪夢からすべてを救いだしてください……」
「エリオス!」そのままエリオスの姿はどんどん透けて消えていってしまった。



52: ◆P9MoonSjzo
09/03/23 21:40:50
―ゴールデン・クリスタルがなければ まもちゃんもエリオスも そしてエリュシオンもこの星もたすからない―!
―ゴールデン・クリスタル―…!それはどこにあるの?どうやってさがせば……!
衛はまた苦しげに咳き込んだ。「まもちゃん!?」「……オレに近づかないほうがいい ―この呪いが…… うつるかもしれない!
オレのそばにいないほうがいい……!」―この体じゃおまえに力をかすこともできない―!

「……そばにいるわ あなたがこの星の痛みもわかるように あなたの苦しみは あたしの苦しみよ」セーラームーンの目から大粒の涙が溢れた。
「あたしがかならずあなたを直してみせる」セーラームーンは泣きながら衛に思いきり抱きついた。
―だからどんなときも いっしょにいさせて いっしょにがんばろうっていわせて―!「うさ……!」
―かならずこの星を この人をみんなを あたしが守ってみせる―!

ちびムーンはこの様子を見守りながら、ぎゅっと鈴を握り締めた。―エリオス……!たすけてあげたい―!エリオスを
ジュピターもまた二人を見守っていた。―ゴールデン・クリスタルがないと 王子とエリュシオンはたすからない ―そしてたぶんこの星も―
―ゴールデン・クリスタル―!それはいったいどこにあるの?―どんなクリスタルなの!?

「―デッド・ムーンから完全に地球を救いだすには ゴールデン・クリスタルが必要…か」
「まもるさんがそんなことになっているなんて……!」ちびうさとまことの話に耳を傾け、亜美・レイ・美奈子はじっと考え込んだ。
「―こんどの敵はいままでとはちがう そう思ったほうがいいな」「これからはあたしたち五人が うさぎをたすけしっかり守って戦わなきゃ」
「―うん!」ちびうさが頷く。「これからデッド・ムーン やつらにどう達むかってくか 作戦をねらなきゃね」「そうね」

「……こんなとき あの三人がいてくれたらな」まことがぽつりと呟いた。「え?」美奈子が聞き返す。
「はるかさんとみちるさんとせつなさん さ」


53: ◆P9MoonSjzo
09/03/23 21:44:29
「あの三人といっしょに戦えたおかげで すこしはあたしたちたくましくなれたんじゃないかって」まことが遠い目をして言った。
「……あたしね 何度か変身できなかったときがあったの」とレイ。
「でも はるかさんやみちるさんやせつなさんのことを考えたら 力がわいてきたわ そしてパワーアップして変身できた」
「あの変身のときあたしたちの姿であらわれた分身たち―
もしかしてあの三人が“がんばれ”って おくってくれたメッセージだったんじゃないかって思うの」

「ね?美奈」亜美が美奈子に同意を求めた。「う うん そうねっ」美奈子は曖昧に相槌を打っておく。
美奈子には気がかりなことがあった。……このごろ思うんだ ―どうしてあたしだけ 変身できないの?
「ヴィーナス・プラネット・パワ― メイクア―ッップ!」自室で叫んでみるも、なんの変化も起こらない。
……そう みんなにはいってないけど 変身できないんだ あたしだけ……!

「あわてなくても みんなもそれまで変身できなかったことがあるっていってたじゃないか
みんなパワーアップを感じたって 自分の分身に会ったっていってただろ?これは特別な変身なんだよ!
きっといま まさに!美奈の体の中でリーダーとしての力がたくわえられてる最中なんだ!」そう言ってアルテミスが慰める。
―そう これは特別な変身なんだ ―きっとこれから なにかおこるんだ―!
「なんたってきみは!セーラー戦士のリーダーなんだから!すぐ変身できるようになるよ!おくれてるだけで その時はきっとすぐくるよ!」
「……そうね 気にしててもしょーがないし おふろでもはいってこよっと」

―そうさ その証拠に美奈 最近のきみはずいぶん美しくなった まるで女神ヴィーナスに近づくみたいに―
シャワーを浴びる美奈子をこっそり見つめながら、アルテミスはそんなことを思っていた。
「リーダーか そうよね あたしいちおうみんなのリーダーだったのよね よくわすれるケド」美奈子は美奈子でそんなことをぶつぶつ言っていた。



54: ◆P9MoonSjzo
09/03/23 21:45:19
「ねえママちゃま」ダイアナがルナに話しかけた。「パパちゃまの美奈子さまを見る目って まるで恋人を見る目みたい」
「ダイアナったら☆」ルナは溜息をつく。「でもフロをノゾくのだけはとにかくゆるせないわねっ」
ルナに尻尾を噛みつかれ、哀れなアルテミスの叫び声が響いた……。

「んまあv」空中ブランコに足を引っ掛けながら、セレセレが手鏡に美奈子を映した。「セーラー戦士の中で 変身できないのがひとりいるわよんv」
「どこの世界にもおミソちゃんはいるのねえ」玉乗りをしながらパラパラが同調した。
「サーカスのショーだけで人間どもに悪夢をまきちらすのもあきてきたわ」とバスバス。
「コイツを使って楽しいイベントでもひらきましょうか」「わーいvさんせーいっ」

「ゼノタイム!ゼオライト!」アマゾネス・カルテットに呼び出され、瓜二つの二人が投げナイフとともに現れた。
「われらにおまかせをvお姉さまがた われらは能ナシのアマゾン・トリオとはちがうv
レムレスどもを使い この世に悪夢をふやすだけでなく イベントのクライマックスにはジャマものを一掃し!われらが女王ネヘレニアさまご所望の “幻の銀水晶”をこの手に入れてみせましょう!」
●to be continued●




55:マロン名無しさん
09/03/23 22:24:42 J38FZ8Gw
ヴィーナスのヤムチャ化が著しい件

56:マロン名無しさん
09/03/23 22:27:54
変態と地球が繋がっているなんて\(^o^)/

57:マロン名無しさん
09/03/23 22:30:06
>この呪いが― 移るかもしれない!

※慶応大学医学部の学生の発言です

58:マロン名無しさん
09/03/23 22:32:29
幻の銀水晶の剣でクインベリルを討伐した頃のヴィーナスは何処へ…

59:マロン名無しさん
09/03/23 22:34:30
しかしエリオス長生きだなw

60:マロン名無しさん
09/03/23 22:39:02
フォボスとディモスも一時的に人間姿になったことだし、
次回まさかのアルテミス人間化クルー?
でもあんまり需要なさそうだな

61:マロン名無しさん
09/03/23 22:42:44
衛の涙の結晶がゴールデン・クリスタルだったらどうしよう

62:マロン名無しさん
09/03/23 22:45:06
>>58
つーか幻の銀水晶の剣は何処へ…

63:マロン名無しさん
09/03/23 22:48:04
美奈子はセーラーVとして生きてけばおk

64:マロン名無しさん
09/03/23 22:51:30
×ネヘレニアの呪い
○遠藤の呪い

65:マロン名無しさん
09/03/23 22:57:39
>>61
衛の黒い血の結晶より良いはいい

66:マロン名無しさん
09/03/24 00:06:28
エリオスとちびうさに物凄い歳の差があることが発覚した件
さすがロリコンで名高い変態と繋がっているだけのことはあるな

67:マロン名無しさん
09/03/24 00:11:53
……ん?エリオスと変態が繋がっているということは
仮にエリオスとちびうさが結ばれた場合近親相kうわなにするやめry

68:マロン名無しさん
09/03/24 00:16:54
衛とうさぎのハグを見ても嫉妬せずに
エリオスの心配をしてるあたり、ちびうさも成長したよな

69:マロン名無しさん
09/03/24 00:28:31
胸に黒バラが咲くとなんで血まで黒くなるんですかセンセイ!
…いま思ったんだが、黒い血ってアニメで再現されたら相当グロいだろうな

70:マロン名無しさん
09/03/24 00:31:01
>>69
ヘモグロビン涙目

71:マロン名無しさん
09/03/24 16:32:42
アルテミスまで変態に目覚めるとは思わなかった…。

72: ◆P9MoonSjzo
09/03/25 21:44:54
Act43-2

「しっかし ほんとうに今年の夏は暑いわね☆」今日は美奈子達四人で十番商店街に偵察にやって来ていた。
「なんだか街の中がますます荒れてきたわね☆」
商店街の隅にはたくさんのゴミが捨てられていて―美奈子達は気づいていないが、そこにはレムレス達がわらわらと潜んでいたのだった。
「デッド・ムーンサーカス!とにかくあのテントをつぶさないとな!どうする?いっそ奇襲でもかけるか!?」まことが意気込む。

おもむろにレイが見覚えのある手鏡を取り出した。「それ?」
「みちるさんの鏡ちびうさにかりてきたの このみちるさんの鏡でなにか異変を感じとれるかと思って 最近暑いだけじゃなく不穏な空気を感じるのよ」
亜美も険しい顔つきになる。「サーカス団を中心に異様な気(オーラ)が十番を包んでるわ 結界か洗脳波か」―結界!?
美奈子は内心驚き、動揺を悟られぬよう、胸の前で帽子をぎゅっと握り締めた。
―まさか そのせいであたし変身できないんじゃ…… でもそれにしたっておかしいわよね あたしだけなんて……

「美奈?」「あ ううん なんでもっ その結界ってあみちゃん自分で調べたんだ スゴーイ!」
「そう せつなさんにもらったプログラムでね」その言葉に、美奈子はピクリと反応した。
不意に、空からヘリコプターの音が聞こえてきた。まことがサングラスを前髪の上にずらしながら、懐かしむように空に微笑んだ。
「―ヘリの音をきくと つい はるかさんたちじゃないかって思っちゃうんだよな
はるかさんたちみたいにヘリを足に使えたら 調査もラクにできるんじゃないか?…なんちゃってー 免許ももってないクセにー」「……五回」



73: ◆P9MoonSjzo
09/03/25 21:45:36
「え?」「きょう集合してから あの三人の名まえがでた回数が 全部で 五回」イライラが頂点に達してしまった様子の美奈子。
「いない人のこと考えてたって しょーがないと思う!」「美奈?」「三人がいたらたよれるってハナシだよ」美奈子がムキになって言い返す。
「どうせあたしは たよれないリーダーよ!」亜美達は当惑してしまう。「そんなコトいってないじゃない」「美奈 ヘンよ きょう」
美奈子はしばらく沈黙していた。「美奈?」「……どーせヘンよ ヘンでケッコー!コケコッコーッッ!!」
美奈子は力一杯に捨て台詞(?)を吐くと、どこかへ駆け出していってしまった。

走りながら、美奈子の目にはじわりと涙が滲みでた。「……これじゃリーダー失格だわ☆」―ああ サイテーッ!
―ああ どうしてこんなにイライラするの?どうしちゃったの?あたしの力 なんで変身できないの?
―こんなんじゃ敵があらわれたってどうやって戦えってゆーのっ!?
美奈子がティッシュを取り出し、思いっきり鼻をかんでいると、スーツを着た男が近づいてきた。
「きみ アイドルのオーディションうけてみない?」

「スカウトされたあ!?」寝耳に水の話に亜美・レイ・まことにルナ達はびっくり。美奈子は優雅に髪を?き上げてみせる。
「そ!と いうワケで あたしこれからオーディションうけにいって あたしの夢だった!!アイドルにっ!!なにがなんでも!なってみせますv」
レイは一人だけ興味なさそうに「……なれば?」と突っ込んでいる。

亜美が眼鏡を取り出し、目を光らせた。「あやしいプロダクションじゃないでしょうね スカウトマンの名刺見せてっ」
そこには【(株)デッド・ムーン興業 Mr.Xenotome】の文字があった。「デッド・ムーン興業ッ!?」「美奈~~ あんたコレッッ」
「いってきまーすっv」「美奈ッ!?」美奈子はそんなことどこ吹く風で、笑顔で出かけていってしまった。





74: ◆P9MoonSjzo
09/03/25 21:46:18
―あたしだってバカじゃないわ デッド・ムーンのワナだってコトぐらいわかってるわよ
アルテミスが慌てて追いかけてきた。「美奈ッ!まてよ!ナニ考えてんだよ!一人でのりこむ気が?変身もできないクセにっ」
「うるさいわねっ」怒り心頭の美奈子は、アルテミスの口にテープを張ってしまった。
―これはあたしの力を発揮するチャンスなのよ!あたしはリーダーよ!行動あるのみ!のりこんでやるわ デッド・ムーンに!
―セーラーヴィーナス!シュミと実益かねて戦わせてもらいます!

こうして美奈子はたった一人でデッド・ムーンのアイドル・オーデイション会場に乗り込んだのだった。
―いつのまに まわりにこんなデッド・ムーンのビルが……!?このごろやけにムシ暑いせいか ここはとくに息苦しいカンジがする
―熱気だけじゃないわ たしかに異様な空気がただよってる ―あたしたち 知らないうちにやつらに侵略されているんじゃ
……よし!てってー的に調べてやるのよっ!

会場には、美奈子含め水着を着た少女達で溢れかえっていた。―え~~っ☆こんなに女のコたちが集まったの!?
不安に駆られた美奈子はセーラーV時代のコンパクトを取り出した。―あたし一人じゃみんなをたすけるのはムリだわ
やっぱり亜美ちゃんたちにレンラクを…… ―でも―― あたしが変身できないことがみんなにバレちゃう―!
―ううん!弱気は禁物!“弱くても相撲取り”よ!美奈!あたし一人で戦ってやる!そう決めたのよ!

「みなさん!オーディション会場であるテントの中へどうぞ!」広いテントの中は、まるで熱帯雨林が再現されているようだった。
「さあ!サバイバルオーディションの開始です!このオーディションはストーリー仕立てとなっています ひとりひとりが勇者となり
ジャングルをぬけ あの塔の上の子どもたちを救うのです!」なんと、鉄柱で作られた塔のてっぺんには、あまりの恐さに泣いている子供たちが見えた。
―あんなところに子どもたちを!!
「一位のかたには賞金500万円と!TV・映画の主役!CM出演 CD発売などが決まっています!!では!!スタート!!」


75: ◆P9MoonSjzo
09/03/25 21:47:02
少女達は、我先にと凄い勢いで走りだした。ジュンジュンがこの様子を木の上から傍観していた。
「ふふっv怒れ怒れ もっともっとエネルギーを放出しな そのエネルギーとおまえたちの夢を レムレスどもが悪夢にかえてく
こんなに大量に悪夢をふやせるなんてうれしいねv」

美奈子が慌てて止めに入った。「みんなおちついて!このオーディション変よ!テントからでるのよ!」「うるさい!あたしたちはアイドルになるのよ!!」
ところが少女達は全く聞く耳を持たない。「まってみんな!!」

後を追おうとした美奈子の前に、突如大きな岩石が転がってきた。「あぶない!!」
咄嗟に美奈子の盾になり、素手で岩石をはね退けたのはジュピターだった。「ジュピター!?」
「美奈!もうこういうのはナシだぜ!」「そうよ!のりこむときはみんないっしょよ!」マーズとマーキュリーも駆けつけてきてくれていた。
「美奈!変身よ!」美奈子は一瞬ためらうが…。「ヴィーナス・プラネット・パワー!メイクアップ!!」
やっぱり、何の変化も起こらない。「美奈!?」―ダメだ!やっぱり変身できない このままじゃみんなの足手まといになるだけだ!!
「先にいく!」「美奈!!」美奈子は皆の止めるのも聞かず、ジャングルの奥へと走っていってしまった。

草木を掻き分け進んでいくと、目の前には先に行った少女達が倒れていた。周りにはレムレスが蔓延っていた。
「みんなしっかりして!!」―どんどんふえてくコイツら!まさかコイツらがみんなのパワーをすいとってる!?
美奈子はぎゅっと拳を握り締めた。―みんなアイドルになりたいだけ そのキレイな夢を利用してえじきにしようなんて!!
―ゆるせない!こんなイベントぶっつぶしてやる!デッド・ムーン!!助けてみせる みんなを!!
美奈子は子供達を助けるために、果敢に塔をよじ登っていった。






76: ◆P9MoonSjzo
09/03/25 21:48:45
ところが、そんな美奈子の頬をナイフが掠めた。塔の頂上にはゼノタイムが待ち構えていたのだった。
「さすがくさってもセーラー戦士 レムレスのえじきにならず ここまでくるとは!」

「美奈!あぶない!」マーズ達が助けに行こうとするが、突然、威嚇するようにたくさんのナイフが飛んできた。
「オーディション参加者じゃない者がいるようね」ゼオライトが鋭いナイフを宙に浮かし、追い込まれた三人を脅す。
「ヘタに動くと 変身できないおまえの仲間の命の保障はないよ」どこからかわらわらとレムレス達が湧いてきた。
「さあ レムレスども セーラー戦士をくいつぶしておしまい!あはははっ」

そのころ、美奈子は自力で塔の頂上までよじ登ることに成功していた。「やった!みんな いま助けてあげるからね!」
ところが、なんと子供達は恐ろしい目をしたかと思うと、レムレスへと姿を変えたのだった。―子どもじゃない!しまった!!
突然、大量のナイフが飛んできて、美奈子は床に貼り付けになってしまう。ベスベスが笑顔で擦り寄ってきた。
「おめでとう!数々の難関をクリアーし あなたがダントツ一位でここまでたどりつきました!
さあ!アイドルまであと一歩!最後に特別な宝さがしをしてもらうわ ―レムレスちゃんたちv」―レムレス!?

レムレスは動けない美奈子の頭の中にどんどん入りこんでいく。「うふふvおまえもこれでデッド・ムーンの一員よ」
むくりと起き上がった美奈子の目は、正気ではない。「さあ 仲間たちのところへいき “幻の銀水晶”をうばっておいでv」
美奈子はにんまりと笑った。「“幻の銀水晶”を われらデッド・ムーンの手に…… くすっv」



77: ◆P9MoonSjzo
09/03/25 21:50:14
物影からバッとアルテミスが飛び出してきたかと思うと、美奈子の顔をバリバリと引っ掻いた。美奈子は痛みで正気に戻ったようだ。
「しっかりしろ!美奈ッ」「アルテミス!?」ベスベスは舌打ちをすると、ダンッ、と床を踏みつけた。
その時だった。なんと美奈子の居た床がパカッと開いたのだった。―うそっ……おちるう~~~

みるみる落下していく美奈子の腕を、すんでのところでアルテミスが掴んだ。「アルテミス!?」……だめ… うでがちぎれそう……!!
「このへんであたしにもおたのしみをちょうだいv」この場に不釣り合いな微笑みを浮かべて、パラパラがふわりと現れた。
「玉あられ!!」パラパラが唱えると、なんと必死に美奈子を支えるアルテミスの上に巨石が降ってきたのだった。
「アルテミースッッ!!いやあああ」
●to be continued●




78:マロン名無しさん
09/03/25 22:17:37 FRo26cDF
えーと… 新リーダーはウラヌスあたりでよくね?

79:マロン名無しさん
09/03/25 22:20:49
珍しく引っ張ったな
アルテミスは猫の身なのに人一倍頑張ってて(というか無理してて)えらい
これで風呂覗いてなければ人気鰻登りだったのにもったいない

80:マロン名無しさん
09/03/25 22:22:33
主役とヒロインはどうした

81:マロン名無しさん
09/03/25 22:26:16
鼻かんでる時にスカウトされるとかwww
でも何十メートルも(しかも水着でw)よじ登っていける美奈子はすごい根性の持ち主だよな

82:マロン名無しさん
09/03/25 22:28:48
今回ばかりは敵が容赦なさすぎて笑った
ところでうさぎは衛の看病に明け暮れているんだろうか

83:マロン名無しさん
09/03/25 22:31:40
>>79
単行本に収録される時に、アルテミスが変態に書き換えられてたりして

84:マロン名無しさん
09/03/25 22:34:06
怪力ジュピターすげええええええ
まこちゃんはこれから先そのキャラを押し通すつもりなんだろうか

85:マロン名無しさん
09/03/25 22:36:02
次回、実ははるかみちるせつなの内の誰かがアイドルのオーディションを受けていて、助けにくる展開希望

86: ◆P9MoonSjzo
09/03/27 21:30:48
Act44 夢6 ニュー・ソルジャー・ドリーム

一人の少女が、寝ころびながら詩集を広げている。
「“―たしかに なにか啓司が近づいている たしかに「再来」の時が近づいている”
“―「再来」そのことばを口にするやいなや 「世界の霊」からの巨大なイメージが わたしの視界を乱す―”
“―砂漠のどこかで 獅子の胴体をもち人間の顔をもつ怪物が 太陽のようにうつろで非情なまなざしで凝視し
ゆっくりと足を動かし そのまわりには怒れる砂漠の鳥たちの影が旋回する―”」

―あたしの夢はね 愛する人とその人の子どもと お花のさいてるかわいい家で 幸せにくらすことなの
はるかは、信号を待ちながらうさぎのことを想っていた。―君の夢は?そうたずねたら 君はそんなふうに答えるだろうか
横に付いた車の男が、はるかを見て口笛を鳴らした。―青いフェラーリ ―F512-M 十二気筒最高出力440PS 最高速度315km/h
―風をあやつる最速のマシンだ その風にふさわしく青いメタリックのボディ
―“AZZURRO HYPERION” ―紺碧の彷徨の巨人神(ハイビリアン)―か  ―男かな 女かな
男は、はるかの耳に光るピアスに気がついた。―女だ!

男はサングラスを外しながら、はるかに声を掛けた。
「ねえ ひとりなの?よければいっしょに走らない?そのあとお茶でも……」信号が変わると同時に、はるかはアクセルを全開にした。
「―このはるかさまに声をかけるなんて 百億光年早い!」
風のように駆けだしていった青いフェラーリを見て、男は目を回してしまうのだった…。


87: ◆P9MoonSjzo
09/03/27 21:52:03
その頃みちるは、大きな花束を持って、店でCDを見ていた。みちるの姿を見つけて、男が声を掛けてきた。
「あのっ 海王みちるさん―ですよね?ああっやっぱりホンモノだあっ!オレ大ファンなんです!CDぜんぶもってます!
あくしゅしてください!このCDショップよくこられるんですか?あ!この近くにおすまいとか?」

横からスッと差し出された手。はるかは笑顔で、しかしとんでもない力を込めて男の手を握った。
「やあやあCDぜんぶ買ってくれてドーモドーモ」痛みのあまり絶叫する男を放置して、はるかは渋い顔のみちるの肩を抱いた。
「おまたせv」「……☆」「まっ白いバラか いいね ファンにもらったの?」
「ざんねんでした 買ったのよ あたしたちの新生活スタートちょうど半年めのお祝いに」「―もう半年か」はるかは感慨深げに呟く。

連れ添って歩く二人の華やかな姿は自然と人目を引いた。“見て!バイオリニストの海王みちるよ!”
“帰国してたの?海外に移住してってウワサだったじゃない?”“あれがアツアツの彼氏 F1テストドライバーの天王はるか?”
“カッコイーイッ!!いっしょにすんでるってほんとうかしらっ”“見て見て!二人の左手のくすり指!”“うそ― あの二人ケッコンしてたの!?”

帰りの車の中で、はるかは薬局に目を止めた。「みちる!おむつと粉ミルク大特売だって!すげーやすいよ」
みちるは運転しながら笑みを見せた。「はるか まだなれてないわね ウチのおヒメサマは ミルクもおむつももうとっくに卒業したでしょ?」

家ではせつながパソコンに向かっていた。その左手の薬指には、はるかやみちると揃いの指輪が光っていた。
すると突然、ガシャーンと派手な音が響いた。続いて聞こえてきたのは、激しい子供の泣き声。
「キッチンだわ ああもう☆さっきまでおとなしく本読んでたと思ったら おねがいだからあの二人が帰ってくるまで大ケガしないでちょうだい」
キッチンで泣きわめいている少女の腕には皿の欠片で切ったのであろう傷が出来ていたが、なんと少女は一瞬で傷を消してしまった。



88: ◆P9MoonSjzo
09/03/27 21:53:32
「ただいま―v」「あち―っ 今年の夏の暑さはイジョーだよ」二人の声に気づき、少女はぴたっと泣きやむと、玄関に向かって駆けだした。
「はるかパパ!おかえりっ!きのうのゲームのつづきしよっv」
「きょうはみちるママとバイオリンのおけいこの日!」「え――っ」「えーじゃない さっさと着がえる!」

「……やられた」キッチンの惨状を見て、みちるは頭を抱えた。「ラリックとロイヤルコペンのおさらが……こなごな」
「……ごめん ついさっきまでおとなしく本読んでたんだけど」せつなが詫びる。仕方なく、みちるは素手で割れた皿を拾い始めた。
「ムリもないわ あの子書斎の本をとっくに読みきっちゃってるんだもの このあいだなんてウェルギリウスの詩を暗唱したのよ
目の玉がとびでたわ あたし」「―ほんとうに 毎日のことながら ほたるの成長速度のはやさには ついていくのがたいへんだわ」
「毎日が夢のようさ」とはるか。「ほんとうね」少女を着替えさせながら、みちるが相槌を打つ。

「びっくりしたわ この子(ほたる)がとつぜん 朝おきるたびに恐ろしいほどのスピードで成長しはじめて この半年でこんなに大きくなるなんて」
「あたしたちが新生活をはじめて きょうでちょうど半年め―」みちるは白薔薇を花瓶に生けてテーブルの上に飾った。
「あたしもずっと夢を見てるみたいだわ」「おしめをかえてやってたころはおとなしくていい子だったのに
ぐんぐんでかくなってこんなやんちゃなガキになるとは」足を元気にバタつかせるほたるを抱っこしながら、はるかがぼやく。
ちなみにしつけ・教育係はせつな、食事・健康管理はみちる、おしめと遊び相手がはるかだ。

―そう ほんとうに 毎日がまるで夢を見ているよう ―あの日食も―せつなは半年ほど前の日のことを思い出していた。
―四人で暮らしはじめて 数週間後のあの皆既日食の日 ―あの日 あたしは東京湾天文台で観測をしていた
―不吉な予感がしたの 四人での生活をはじめて 最初の ―いやな予感



89:マロン名無しさん
09/03/27 23:07:47 H0j83WRM
「一次接触(※日食の開始)―確認」白衣のせつなは祈るような気持ちだった。―なにごともおこらないで
「二次接触(※皆既日食の開始)―確認」―闇が どんどんおりてくる
突然、目の前の観測員がぐにゃりと歪んで見えた。―え!?

「……つなさん せつなさん?」観測員に肩に手を置かれ、せつなははっと我に返った。
「汗びっしょりですよ 皆既日食ぶじおわりましたよ」―ぶじ!?いいえいまのは!一瞬空間がゆがんだわ!だれもなにも感じなかったの!?
―なにかが異空間から侵入したわ―!敵!?調べてみなければ 変身して調べてみなければ
一人になったせつなは、変身のスペルを叫んだ。「プルート・プラネット・パワー メイクアップ!!」ところが、せつなは変身することはなかった…。

「…つなママ せつなママ?」我に返ったせつなは優しくほたるの頭を撫でた。「ごめんね なんでもないわ」
―もう半年 ―わかっていたことだわ あのとき戦いはおわり あたしたちはべつべつの道を選んでしまった
―変身できない それはきっとあたしたちの使命がおわったしるし―
―なのに あの日食の翌日から ―ほたる あなたは毎日みるみる恐ろしい速さで成長をはじめた
―ほたる あなたのその力は ―目ざめのしるしなの?あなたはなにを伝えようとしてるの?なにがおこるの?

「こんにちはーっ」「みちるせんせーいっ」家に訪れた子供たちを、みちるが笑顔で出迎えた。「いらっしゃい きょうも時間どおりね みんな」
みちるは子供達に順にレッスンを施した。「はい よくできました じゃあつぎはほたるちゃんね」“くるぞくるぞ”子供達はひそひそと話しあう。
「さん はいっ」ほたるがバイオリンを奏でると、なんと背後に翼を広げたエリオスの幻が現れたではないか。
「でた!ペガサスのユーレイだ!!」子供達が悲鳴を上げる。「せんせい!まただよ!先週もあのユーレイでたよね!」
「どうしてほたるちゃんが弾きだすとでるの?」「みんな静かにっ…」





90: ◆P9MoonSjzo
09/03/27 23:10:19
しばらくすると、なんとエリオスに続いてちびうさの幻も現れた。みちるは呆然と見つめるしかない。―あれは スモール・レディ!?
エリオスとちびうさの幻は、廊下へと駆けだしていく。「まって!」「ほたる!?」ほたるもその後を追っていく。
廊下の角を曲がると、そこには動かなくなったエリオスを前に、泣き崩れているちびうさの幻があった。

後を追ってきたみちるは、ほたるの表情を見て不安に駆られてしまう。―まえからは想像もつかないくらい 明るく元気に育った ほたる
―でも一瞬 凍るような 冷たいひとみになるときが ある まるでサターンのように―
「―あの子 見たことある みちるママといっしょに写真にうつってた あの子泣いてた あのペガサスが死んじゃったからだ かわいそう……」
みちるは哀しげな眼をすると、ほたるを後ろから抱き締めた。―この子は また 目ざめてしまうのかしら

みちるは皿洗いをしながら、はるかは窓の景色を見やりながら、せつなはパソコンと向かい合いながら、薬指の指輪にキスを落とした。
―ずっとこの家で 四人で暮らせたら― ―でも 心がさわぐ 夢からさめる その時が 近づいてくる―

部屋の一室で、ほたるが目を瞑って力を集中させている。目の前には、太陽系の星々のミニチュアのようなものが浮かんでいる。
それを見守るはるか。冷たいドリンクを用意したみちるが部屋を訪れた。「太陽系を育てるゲームは順調に進んでる?―はるかの役目はなんなの?」
「ほたるひとりじゃ力が暴走しちまうんだ 力をコントロールする“おさえ”の役だな」
「すごい…!きのうあんなにたくさんあった微惑星がぜんぜんなくなったわね ガスもどんどん消えてゆく……」
「過去からのできごとを高速でシュミレートしているの いまねちょうど四十
六億年 完全な現在の太陽系になったわ」
「なにか小さく光ってる これは?」「小惑星たち― 自分の意志とはカンケーのない ―新しい生に 生きるべきか死ぬべきか とまどってる光よ」





91: ◆P9MoonSjzo
09/03/27 23:11:58
「―この白く光るのは 月ね ……キレイ まるで真珠のようだわ」みちるが思わず見とれてしまう
「まるで青いガラス玉の地球をつつんでるみたいな光だ」はるかの脳裏に甦ったのは、笑いかけるうさぎの姿。“はるかさあん”
―あの子をいつもつつんでいた光だ
はるかの目から涙が零れた。「はるか……!」みちるがそっとはるかを抱きしめる。「……会いたいな」
「あいつら…… みんな元気でやってるかな」空は雲行きが怪しくなり、遠くで雷が鳴りだした。

「―いま ちょうどこないだの皆既日食をすぎたわ」はるかとみちるは太陽系の異変に気が付いた。
「―地球がどんどん黒くなってゆく……!」「日食はおわったんじゃないのか―?」「―月の光が…」「まっ黒に……!」
「ほたる!」不意に呼びかけられ、ほたるはびっくりしてホログラムをパァンと消し去ってしまった。
「―きょうはこのへんでおしまいにしよう おふろへ入ってからゆっくりおやすみ」「うん」はるかはそっとほたるの頭を撫でた。

「皆既日食のあとの 闇につつまれる地球と月― それがほたるの見たビジョンなのね
東京上空に出現した時空のゆらぎ 異常な気温の上昇 各地での植物の異常増殖 ―原因不明の街の荒廃
それらがすべて新月に支配されていることがわかったの そして異変はすべてあの皆既日食の日からはじまっている―!敵が侵入してきたのよ!」
「わかっているわせつな!だけど」みちるが叫んだ。―あなたはあの日東京湾で あたしはそのあとウィーンの公演中で はるかはアフリカのレースで
―闇につつまれ荒廃しはじめる街や人の中に たしかに敵の影を察知した ―でも変身できなかった!








92: ◆P9MoonSjzo
09/03/27 23:12:39
「―もう変身できないのよ!もうあたしたちには 外部太陽系戦士としての力はないのよ」
「―もう必要とされてないってことか わがプリンセスに 見はなされたってことか」はるかが呟いた。
「―もうあいつらは あたしたちがいなくてもりっぱに戦ってゆける」―プリンセスを守ってゆける
―変身できない それは ―あたしたちは必要じゃない そのしるしなの―!?
●to be continued●






93:マロン名無しさん
09/03/28 00:00:15
ほたる、ご都合な成長してるなw
この分だと本シリーズ中に4人一緒に参戦しそうだ。

94:マロン名無しさん
09/03/28 00:44:45
ほたるがちびうさを覚えてなかったことがショックだ

95:マロン名無しさん
09/03/28 00:49:13
みちるさんは指が命のバイオリニストなんだから素手で割れ物持っちゃだめでしょ
それにしても生活感溢れるはるかさんとみちるさんを見れてなんだか嬉しい
せつなさんは家族というよりなんか事務員ぽいw

96:マロン名無しさん
09/03/28 00:51:50
部屋の中で太陽系を作るほたるスゲー
…そういえばドラえもんでそういう話があったな

97:マロン名無しさん
09/03/28 00:55:41
>>93
ほたるは三つのタリスマンが揃わないとサターンになれないんじゃない?
ちびうさがみちるさんに鏡を返さないと

98:マロン名無しさん
09/03/28 01:00:02
※この間美奈子はずっと宙吊りになっています

99:マロン名無しさん
09/03/28 01:02:22
アニメでは確か土萌教授生きてたよな
どうするんだこれ

100:マロン名無しさん
09/03/28 01:08:46
ほたるは何歳位の設定なんだろうか
キッチンで悪さするってことは幼稚園とかその位か?

101:マロン名無しさん
09/03/28 01:16:14
>この子はまた目ざめてしまうのかしら

サターンとして目ざめる=自分の身を犠牲にして世界に再生をもたらす
ってことだよね
…これ早くもほたるちゃん死亡フラグ??((((゜д゜;))))

102:マロン名無しさん
09/03/28 01:33:39
せつなは、はるか・みちるみたいな熱々カップルと一緒に暮らしていると、なにかと苦労もあるだろうな
自分だったら色々気を使うと思うし居心地悪いと思う
心中察するわ

103:マロン名無しさん
09/03/28 01:41:29
>>102
ほたる「せつなママ、どうしてうちにはママが二人いるの?」
せつな「………」

みたいなことはありそうだ
頑張れせつなw

104:マロン名無しさん
09/03/28 06:28:55
URLリンク(seramyuantics.takaginaosama.com)
実写版タキシード仮面・・

105:マロン名無しさん
09/03/28 09:19:15
はるかに声掛けたナンパ君が、耳のピアスで女と確信してたけど、今だったら男か女か見分けられなかったんだろうな。

106:マロン名無しさん
09/03/29 21:24:04
百億光年早いって言われてもなぁ…

107: ◆P9MoonSjzo
09/03/29 21:40:50
Act44-2

ほたるが脱衣所で服を脱いでいる。雷の音が聞こえ、ほたるは思わず短く悲鳴を上げて大きな鏡に触れた。
ほたるはビクリと体を震わす。鏡の向こう側に映っていたのは、静かに微笑むセーラーサターンだった。
『―こわがらないで』「……だあれ?あなたは だあれ?」『―わたしはあなたの中の ねむれる あなた』「ねむれる あたし?」
『―目ざめのときがきたのです― 新たな使命の はじまりの時が』―目ざめなさい わが星土星の守護のもと ねむれるわたしの魂よ―

ほたるは本を持ったままゆっくりと湯船に浸かった。―目ざめなさい
閉じた瞼の裏に、パワーアップしたマーズ達や抱き合ううさぎと衛の映像が駆け抜けてゆく。―見える いろんなビジョンが―… いそがなければ
ほたるはザバッと湯船から出ると、脱衣所の鏡の前に立った。その中にいるサターンと、ほたるの背はぴったり同じになっていた。

「―“そして再び闇…… だが いまのわたしにはわかっている 石のようにねむっていた2000年の歳月が
ゆらゆらとゆれるゆりかごによって 悪夢をもたらされたことを」闇夜にカッと稲妻が走り、ほたるの大人びた横顔を照らした。

「ほたる?」はるか達三人は、部屋のドアを開けて入ってきた人物を信じられない思いで見つめた。
「―人は自分以外のもののために生きられるようになって はじめて生のスタートをきる―」
ほたるの額に光るサターンのマーク。「アルベルト・アインシュタインのことばよ」「……その 姿は……!」
「―時がきたのよ あたしたちの新しい目ざめの時が 何度生まれかわろうとも あたしたちはだれのために生きてゆくか きまってるの」
「ほたる…… それは……!」「―思い出したの?以前の記憶を……!」
「もうまえのあたしたちじゃない もう遠くから孤独に戦う必要はないの
あたしたちはあのときあたしたちのプリンセスとともに新しく生まれ変わったそしていまやっと時は満ちた」


108: ◆P9MoonSjzo
09/03/29 21:41:42
ほたるは子供らしくにっこりと微笑んだ。「ここまで育ててくれてありがとう はるかパパ みちるママ せつなママ
こんどはあたしが三人を導くばんよ みんなのもとへ!」ほたるは四人分のクリスタルを差し出した。
「新しい戦士としてのしるし あたしたちのクリスタルよ」突如、ほたるの前に聖杯が現れた。
聖杯の蓋が開き、うさぎと衛の幻影が揺らめく。二人とも青白い顔をしている。「―プリンス!プリンセス!?」
「―二人のようすがヘンだわ!」「これはいったい……!どういうことなの?」

ほたるは花瓶に生けてある白薔薇を一本抜きとった。すると、薔薇はみるみる枯れていってしまった。
「あたしたちの プリンスとプリンセスに 危機がせまっている ―いかなければ!」
四人の額に、守護星のマークが煌めいた。―ほたるを育てることをちかいあった 三人の約束の指輪 もう いらない
―いこう あたしたちのあつまるべき場所へ だっていつでもそこが あたしたちのほんとうの夢のある場所だから

美奈子の左腕に血が滴っている。アルテミスは巨大な岩石の下敷きになってしまったが、その腕は、決して放すことがなかった。
「アルテミス……!」―ごめんねアルテミス―!あたしいつもあんたにひどいこといってばっかり いじめてばかりだった
―いまわかった いまあたし体じゅうがこんなにいたい こんなに苦しいよ
―アルテミス!あんたはいつだってあたしと一心同体 あたしの分身だったのよ―!

美奈子ははっとして自分の左手を見つめた。握り合っているのは、人間の手同士だった。
長髪の男が、荒い息をしながら岩石を持ち上げた。「……いま わかった 美奈 キミが変身できなかったのは
パートナーであるぼくの力がたりなかったからなんだ」男の額には、三日月のマークがあった。「……アルテミス?」男はニコッと笑ってみせた。





109: ◆P9MoonSjzo
09/03/29 21:43:09
……体じゅうに力がみなぎってくる さっきよりもずっと強く つながってるあたしとアルテミス
「きみのヴィーナスクリスタルだ 美奈 さあ変身だ!」「ヴィーナス・クリスタル・パワ― メイクアッップ!!」
今度こそ無事に変身した美奈子は、宙吊りの状態から、塔の頂上に舞い戻ることに成功した。
「ヴィーナス!」アルテミスが頷いてみせる。「アルテミス!」ヴィーナスは感激のあまり涙ぐむ。

「よくもこのあたし 愛と美の女神ヴィーナスさまを さんざんいたぶってカスなあつかいしてくれたわねっっっ!
無敵の金星の女神の愛のムチ!!うけてみよ!!ヴィーナス・ラブ・アンド!!ビューティ・ショ―ッックッ!」
薔薇をモチーフにしたムチが乱れ飛び、ベスベスは姿を消したが、残されたゼノタイムは呆気なくやられてしまった。
「おのれっ」ゼオライトが投げナイフで応戦するが、ヴィーナスは上手く避け、ムチを振るった。ゼオライトもついに消滅してしまったのだった。

「マーキュリー!マーズ!ジュピター!」ヴィーナスが急ぎ三人の元へ駆け寄った。
「ヴィーナス!!変身できたのね!?」「みんなごめんね でももうだいじょうぶっ!」ヴィーナスは明るくVサインをした。
ヴィーナスはついさっきまでいた塔の頂上を見つめた。―アルテミス あんたのおかげよ

「せっかくの大イベント!このアマゾネス・カルテットが もりあげてあげるわ!」
「パラパラ!」「わかってるわセレセレ!玉かずら!!」パラパラが玉に力を込めると、なんと樹木の太い根が動きだし、
四守護神の体に巻きつくと動きを封じてしまった。「きゃあああっ」
「あたしたちはアマゾンの伝説の最強戦士アマゾネスの血をひく!」「アマゾネス・カルテット!!」
「アマゾンの密林 アマゾンの熱帯夜」「そしてわれらがアマゾネスにつたわる のろわれた石アマゾンストーンが」
「新月の闇のもと真の力を見せるのはこれからよんv」動けない四人に大量のレムレス達が襲いかかった。「いやっ!!」―アマゾネス・カルテット!?


110: ◆P9MoonSjzo
09/03/29 21:43:55
「みんな!?」ヴィーナスが叫ぶ。マーズ達三人は意識をレムレスに支配されつつあった。「しっかりして!みんな!」
「アルテミス!!」「美奈!」―やっぱりあたしの力だけじゃダメなの!?たりないの?あたしたち!―もっともっと力があれば
―敵をたおすために たいせつな人を守るために 力(パワー)よ あつまれ!!

誰かの声が聞こえた気がして、家にいたちびうさははっと顔を上げた。―胸さわぎがする 今夜もまた 星が一つも見えない
ちびうさはエリオスの言葉を思い出した。“あの黒いところはあなたのいた街ですよ”ちびうさの背筋に冷たいものが走った。
―これも敵のしわざなの?星が見えないくらい闇がひろがってるの?
“幽閉されているのです”―会いにいきたい ―いますぐ助けにいきたい エリオスはどこにいるの?―エリュシオンはどこにあるの!?

カタッと物音が聞こえ、ちびうさは振り返った。「うさぎ?」うさぎは苦しそうに咳きこんでいる。
「おそかったね まもちゃんのぐあいどお?」「うん だいじょうぶみたい…… ゲンキだったよ もうねるね」
うさぎはフラフラした足取りで部屋へと戻っていった。ちびうさは心配そうにその背中を見守った。―うさぎ?
●to be continued●





111:マロン名無しさん
09/03/29 21:53:19
アルテミスロン毛・・・

112:マロン名無しさん
09/03/30 01:55:30 px3yazK9
鏡に映るサターンにドキッとした
この演出好き

113:マロン名無しさん
09/03/30 01:59:43
ルナ→幻の銀水晶と聖杯の力で人間に
フォボスディモス→レイの意識の中で人間に
アルテミス→現実世界で自力で人間に

アルテミスすげーwww

114:マロン名無しさん
09/03/30 02:01:01
ルナ「髪長い男ってムサくてイヤ」

115:マロン名無しさん
09/03/30 02:02:26
亜美同様、ほたるもアインシュタイン厨だった件

116:マロン名無しさん
09/03/30 02:04:36
美奈子とアルテミスが絆を確かめ合っている間、待ってくれてる敵は優しいと思ってしまったw

117:マロン名無しさん
09/03/30 02:09:47
ほたるが風呂から上がったら、鏡(ガラス?)の中のサターンと身長がぴったり同じになったようだが
はるか達のいる部屋を訪れた時には少し身長縮んでないか?

118:マロン名無しさん
09/03/30 02:12:27
まさかと思っていたが変態はうさぎに呪いを移したっぽいな
戦わずしてなお迷惑をかける変態…

119:マロン名無しさん
09/03/30 06:22:33
>>117
前者は精神的な成長を表していて、
実際はそこまで伸びていないんじゃないか。

120:マロン名無しさん
09/03/30 06:27:06
>もうまえのあたしたちじゃない もう遠くから孤独に戦う必要はないの
ほたるはうさぎとかちびうさとか四守護神達に守られてなかったか?


121: ◆P9MoonSjzo
09/03/31 21:44:43
Act45 夢7 ミラー・ドリーム

四守護神は樹木の根に絡みつかれて身動きが取れない。―セーラームーン!!

もう駄目かと思った瞬間、息を切らした四人がテントに乱入した。「暑いわね あたしたちアマゾンへでも迷いこんでしまったのかしら」
「バカいっちゃいけない レース中のあの五十度近い地獄にくらべれば こんなジャングルはニセモノだね」
「そう ここはこの世にあってはならないものだわ」「破滅 あるのみ」アマゾネス・カルテットは一斉に振りかえった。「だれだ!?」
「ネプチューン・クリスタル・パワー」「ウラヌス・クリスタル・パワー」「プルート・クリスタル・パワー」「サターン・クリスタル・パワー」
「「「「メイクアップ!」」」」ヴィーナス達は信じられないように目を見開いた。―まさか……

「―深海の星 海王星を守護にもつ 抱擁の戦士 セーラーネプチューン」「天空の星 天王星を守護にもつ 飛翔の戦士 セーラーウラヌス」
「時空の星 冥王星を守護にもつ 変革の戦士 セーラープルート」「沈黙の星 土星を守護にもつ 破滅と誕生の戦士!セーラーサターン!」「参上!」
「天界震(ワールド・シエイキング)」ウラヌスの放った攻撃で、ヴィーナス達はやっとのことで呪縛から解放された。
「破滅喘鳴(デッド・スクリーム)!!」しかしアマゾネス・カルテットはすんでのところでかわしてしまった。―にげられたか!?
「おのれ セーラー戦士ども!」

「―ウラヌス ネプチューン プルート……!サターン……!……どうして……!?」ヴィーナスの目からぽろぽろと涙が零れた。
「サターン……!成長を……!?」サターンは力強く微笑んだ。
「美奈!」アルテミスが戦士達の元へ駆けつけてきた。「アルテミス!」―ネコの姿にもどったのね
「セーラームーンに知らせなきゃ!」「そうよ セーラームーンに!」口ぐちに叫ぶ四守護神に、ウラヌスが重い口を開いた。
「……彼女に いま君たちの声はとどかないかも……」




122: ◆P9MoonSjzo
09/03/31 21:48:42
その頃、うさぎは自宅のベッドで青い顔をして伏せってしまっていた。苦しそうに荒い息をするうさぎの元に、ちびうさが心配して付き添っている。
「うさぎ!うさぎ!?」「……だいじょぶ ねればなおるから……」「まもちゃんのとこから帰ってきてから なんだか苦しそううさぎ」
「あたし!みんなをよんでくる!」ちびうさはうさぎの部屋から飛び出した。

「玉あられ!」パラパラがセーラー戦士達の真上に巨石を出現させた。「深水没(ディープ・サブマージ)!!」
瓦礫と化した岩石が降り注いだが、戦士達はなんとかかわした。「なぜセーラームーンにわたしたちの声がとどかないの!?」
「ウラヌス ネプチューン プルート サターン ―なぜもどってきてくれたの?あたしたちのところへ」

ネプチューンがやっと口に出した。「あたしたちのプリンスとプリンセスに危機がせまっている」四守護神は衝撃を受ける。
プルートが続ける。「そのためにあたしたちは集結したのです その運命をさけて通ることはできない
だから全力であの二人をお守りし その運命をうけとめのりこえ 新しい運命を切り開く それがあたしたち十戦士の真の使命」
「玉はがね!」ベスベスが鋭く光る石つぶてを投げて攻撃してきた。「でも ひとまずこいつらをぶっつぶしてからの話だけどな」ウラヌスが剣を構える。
「宇宙剣乱是風(スペースソードブラスター)!!」

サターンはそっと跪くと、目を閉じて神経を集中させた。―スモール・レディ
部屋を出ようとしていたちびうさははっとして立ち止まった。“スモール・レディ”―この声は……!まさか……
“スモール・レディ”―でも この声は!“スモール・レディ”―この声は―!
ベッドの中のうさぎも、全身で十戦士の力を感じ取っていた。―感じる!あの三人が戦っている!!みんなが集結している!!
うさぎの目から涙が溢れた。

ネプチューンの手鏡が光輝き、外部太陽系四戦士が映し出された。“小さなプリンセス かならずまたあなたがたのもとへ帰ってくるわ 約束のしるしよ”
ちびうさも堪え切れず涙を流した。―約束通り四人が 帰ってきた―!?
「うさぎ!」「わかってる……!」うさぎは苦しげに咳き込んだ。「あたしにも

123: ◆P9MoonSjzo
09/03/31 21:49:33
「うさぎ!」「わかってる……!」うさぎは苦しげに咳き込んだ。「あたしにも見えたわ……!!」―みんなの姿が!!
「あたしもすぐおいかけてくわ!だからさきにいきなさいちびうさ!」ちびうさは決意の表情を見せた。
「ムーン・クライシス!!メイクアップ!!」ちびムーンは手鏡を取り出した。「サブマリン・ミラーッ!ネプチューンのところへ!あたしもすぐいく!」
手鏡は光を放ったかと思うと、フッと消えてしまった。ちびムーンはみんなのもとへと駆けだした。
手鏡は無事にネプチューンの手元へと辿りついていた。鏡に映ったちびムーンを見て、ネプチューンは微笑む。―スモール・レディ!

「―いかなきゃ あたしも」うさぎは重い体を引きずりながら、ルナの制止も聞かずに飛び出していった。
うさぎが必死で走っていると、向こうから衛が駆けてきた。「まもちゃん……!」「うさ!」
「きこえたんだ おまえのよぶ声が」「……あたしならだいじょうぶ……」うさぎは衛と手を重ね合わせる。「―うさ!?」
ところが、うさぎはガクッと崩れおちてしまった。「うさ!」衛はぎゅっとうさぎを抱き締める。
「まさか おまえの体…… ―まさか おまえの肺の中もおかされて……!」

「……いかなきゃ みんなが集結してる なにかがおこるんだわ」それでもうさぎは力強く前を見据えた。
「いかなきゃ 敵をたおすのはあたしの役目よ」
●to be continued●



124:マロン名無しさん
09/04/02 10:52:50 FrKt+I6Y
変態おまえよりによって主戦力に呪いを移すなよw

125: ◆P9MoonSjzo
09/04/02 23:49:57
Act45-2

「プリンスとプリンセスに危機……!?」―そのために全戦士が集結を……!
ヴィーナスがウラヌスに詰め寄った。「なにがおこるの!?あの二人はどうなるの!?」
ところが、ヴィーナス目がけて投げナイフが飛んできた。「きゃあっ」
「寝言をいっているヒマはないわ!」ネプチューンが一喝する。「見なさい!」ネプチューンが手鏡を上空へと向けた。
「深海鏡射(サブマリンリフレクション)!!」ネプチューンの手鏡から放たれた攻撃は、勢いよくテントを突き破った。
テントにぽっかりと開いた穴から見えるのは、重く垂れこめる新月だった。

「このサーカス団の上空に出現した あの巨大な新月― いいえ 新月の闇の中にぽっかり口を開けた異空間―
あそこから悪夢がどんどん地上へふきだしているのよ」
ヴィーナスは愕然とする。―そんな……!このテントに入ったときはなにもなかったのに
―ううん ずっと以前からすでに外は異様な空気と闇が蔓延してた……!!
「世界中の人びとが 街が やつらのあやつる悪夢にのまれだしている」外部太陽系四戦士は語る。
「この星のまわりはもうとっくに異常な暗黒バリアにおおわれている やつらはこの星を征服し 死の星とするつもりよ」

ちびムーンは一人、十番商店街をひた走っていた。街では喧嘩が横行し、浮浪者の姿も見える。
―闇がこくなってゆく 世界はこんなに暗かった?―いつからこんなに荒れた街になっちゃったの!?こんなの十番じゃないよ!
ちびムーンはテントの上の大きな新月に気が付いた。―あれはなに?まっくろい月……?ううん まるでブラックホール……

誰かに後ろから肩を叩かれ、ちびムーンは振り返った。そこにはセーラームーンとタキシード仮面の姿があった。
程なくして、三人はテントの中へと駆け付けた。
「ウラヌス ネプチューン プルート!―サターン!」



126: ◆P9MoonSjzo
09/04/02 23:50:46
「小娘どもめ てこずりおって!おあそびもそれまでじゃ」怪しげな老婆が目の前に立ちはだかり、セーラー戦士達は身構えた。
「クククッ よくきた セーラー戦士ども わたしは女王ネヘレニアさまにつかえる 霊魂導士ジルコニア
白い月の王国の者たちよ おまえたちがこの星に生まれかわっていたとは!だがもうおそい この街はとうにわれらのもの
この星もわれらの支配下にあるも同然 こんなもろい星 悪夢を無防備に受け入れる人間ども 呪いを自ら受け入れる弱い者どもに守られた星など!
赤子のクビをひねるようなもの!」ジルコニアの背後にはネヘレニアの巨大な影が透けて見えた。
セーラームーンとタキシード仮面は苦しげに咳き込むと、崩れ込んでしまった。

セーラームーンは精いっぱいの表情でジルコニアを睨みつけた。「ゆるせない……!弱さにつけこんで思いどおりにしようなんて……!」
「もう とうに白い月の王国はないのだ」ジルコニアはスッと杖をこちらに向けた。「消え去るがいい!呪われた者どもよ!」
「あぶない!!」ウラヌスが叫ぶ。杖から放たれた魔術は、セーラームーンとタキシード仮面両者に降り注いだ。

ペガサスの姿のエリオスは、二人の危機を察知した。―いけない!王子(プリンス)と王女(プリンセス)が!
エリオスは急いで二人の元へ現れたが、間に合わなかった。二人の体は抱き合ったままどんどん縮んでいってしまった。
「プリンス!?プリンセス!?」子供の姿に返った二人は苦しみながらも懸命に呪いと戦っている。
「じわじわと苦しんで息たえるがいい ククッ アハハハッ」

ジュピターはガクリと跪いた。「―まさか これがエリオスのいっていた 呪いの第二段階!?」
―呪いによって さらにペガサスの姿へ……
「こんな…… ひどい!」ちびムーンは涙を零しながら、ジルコニアをキッと睨みつけた。「ゆるせない!」
「これでこの星はもう守れない!ククッ アハハッ」そう捨てゼリフを吐いて引き返すアマゾネス・カルテット。
その後を追って、ちびムーンとサターンが揃って駆けだした。「ちびムーン!?サターン!?」


127: ◆P9MoonSjzo
09/04/02 23:53:46
―どんどん抵抗力がなくなってゆく!このままではお二人の命が……!
「エリオス!?」エリオスはパアッと光を放つと、なんとうさぎと衛と一緒に何処かへ消えてしまったのだった。

ちびムーンは前を走るサターンの後ろ姿を見つめた。―ほたるちゃん ―ううん セーラーサターン
「―大きくなったのね」サターンはピタリと足を止めた。「あたしはあたしの使命をはたすために そして」
サターンは力強く微笑んだ。「スーパーセーラーちびムーン あなたといっしょに戦うために!」

サターンとちびムーンがテントの一角に突入すると、そこではアマゾネス・カルテットが曲芸をしながら待ち構えていた。
「ようこそ!」「ようこそ!」「ようこそv」「今世紀最大のアマゾンからの神秘のデッド・ムーンサーカス!
大スター・アマゾネス・カルテットのショーのはじまりよんv」

「玉納豆!!」パラパラが術を唱えると、二人の体に粘液が纏わりついた。
「きゃははっvいいザマですわんv新月の闇の力をもつアマゾンストーンが おまえたちを地獄へゴショータイ!ってトコかしらんv」
サターンが懸命に説得を試みる。「その魔性の闇の力こそ おまえたちを地獄へしばりつけるもの 目をさましなさい!」
「玉ぐすり!!」「不動城壁(サイレンスウオール)!!」ジュンジュンの攻撃を、サターンはバリアを張って防いだ。
「おまえたちもその心を悪夢に支配されているのよ!わからないの!?」
「なにをいうの!?デッド・ムーンに生まれたときから あたしたちはこの神聖な新月の闇の力で 悪夢を自在にあやつってきたのよ!」
「その力はおまえたちのねむれる力がゆがめられたもの 利用されているだけよ!目をさませ!」




128: ◆P9MoonSjzo
09/04/02 23:55:24
「沈黙鎌奇襲(サイレンスグレイブサプライズ)!!」アマゾネス・カルテットは霧のようなバリアを張って凌いだ。
―にっくきシルバー・ミレニアムの者ども!われらの野望は白い月と青い星をわが手にすること
「!?」ちびムーンは耳を疑った。―暗黒の中サーカスの中 夢を見ることなんてゆるされなかった ―にくい!すべて白い月の者どものせいだ!
ちびムーンの頭の中にアマゾネス・カルテットの悪夢が流れこんでくる。―でもこの悪夢はすこしかなしい こいつらは敵じゃないの?

サターンは冷たい目をして死神の鎌を構えた。「目をさませ さもなくば死 あるのみ」
サターンは左手で鎌を構えつつも、右手をスッと差し出した。
「おまえたちは亡者にあやつられているだけよ」アマゾネス・カルテットが戸惑いつつも、その手を取ろうとした時。

「未熟者め!!」「ババさま!」アマゾネス・カルテットは恐れおののいた。「ゆるしてババさま!」
ジルコニアは四つの石を取り出すと、なんとアマゾネス・カルテットをその中へと封じ込めてしまった。
「わしが手塩にかけて育ててやった恩も忘れ 邪魔ばかりしおって ―おおジルコン そこの侵入者どもにも おいたをしたバツをせねばな」
ジルコンの目が妖しく光輝き、散らばっていた二つのガラスの破片が浮き上がった。
ちびムーンは咄嗟にカレイドスコープを取り出す。「ムーン・ゴージャス・メディテイ……」

ところが時すでに遅く、ちびムーンとサターンはそれぞれガラスの破片に閉じ込められてしまった。
ジルコニアは不気味に笑いながら四つの石と二つの破片を拾い上げると、ネヘレニアの住まう鏡の中へと投げ入れてしまったのだった。
●to be continued●





129:マロン名無しさん
09/04/03 18:44:19
原作セラムンでこんな風に敵と和解フラグって初めてじゃね?

130:マロン名無しさん
09/04/03 19:37:27
あたしはあたしの使命をはたすために-
すっかり凛々しくなったな~新生サターン

131:マロン名無しさん
09/04/04 00:36:18
もしアマゾネス・カルテットの4人が改心したらどうするんだろうか。
アニメでのあやかしの四姉妹みたいに普通の人になるのかな?

132:マロン名無しさん
09/04/04 08:46:37
原作じゃ普通に考えりゃ死ぬだろ

133:マロン名無しさん
09/04/04 13:57:42
改心してやっぱり死ぬwwwさすが原作すごく後味悪いですwww
悪役に同情の余地など無いとwww

134:マロン名無しさん
09/04/04 20:15:22
うーん…
アマゾネス・カルテットは意外にも生き残る気がするなあ
死ぬなら「許してババさま!」のところであっさり殺されてそう

135:マロン名無しさん
09/04/04 20:17:19
つーか誰か主人公とヒロイン(笑)の心配してあげてください><

136:マロン名無しさん
09/04/04 20:21:32
死に神と呼ばれるサターンに見込まれたアマゾネスカルテットは死なないと見た

137:マロン名無しさん
09/04/04 20:22:37
ほたるちゃん、ちびうさのこと思い出したんだね°・(ノД`)・°・

138: ◆P9MoonSjzo
09/04/04 21:44:11
[受験戦争編]
第3話 レイと美奈子の女子校バトル!? (「るんるん」1995年11月号掲載)

―あたし 愛野美奈子 十五歳ちゅーさんっvただいままこちゃんちで受験勉強まっさいちゅー゚・*:.。. .。.:*・゜
誕生日は十月二十二日(プレゼントちょーだいねっ(^^)v)てんびん座 のーてんきなB型ちゃんv
好きな色は黄色と赤 趣味はアイドルの青田買いとおっかけ 好きなものはカレーとラーメン キライなものはシイタケ☆特技は遊ぶこと……

気づけば、時計は22時25分を指していた。「あら もうこんな時間 じゃあ今夜はこのへんでエンドにしましょうか」
亜美の一言に、とっくに限界が来ていた美奈子は泣きながら万歳をする。「バンザーイ べんきょ― おわりっっ!」
この様子に、亜美はわなわなと震え、鉛筆をバキっと真っ二つにしてしまった。―そんな泣くほどよろこばなくても やる気あんのっ!?みなこっっ

「みんなー アップルパイあるけど食べる?」とまこと。「あ 食べる 食べるっv」アップルパイを頬張りながら、美奈子はすっかり元気を取り戻した。
「ねーねー テレビつけてもいいっ?」美奈子は思いだしたとばかりにH×Hの14巻を取り出した。
「あ うさぎーっ このまんがおもしろかったー つづきかしてーv」美奈子とうさぎはテレビを見ながらゲラゲラ笑っている。
「あー 勉強さえなかったらこーゆーのっていーよねえv」「女のコどーしで気ぃ遣わないし女子校みた―いv」
正直なヤツ、とまことはお茶しながらニコニコ見守っているが、亜美はすっかりご立腹の様子。―勉強さえなかったらっ!? だれのためにっっ

「あしたは日曜だしさ とまってけば?みんなv」まことが笑顔で提案する。「え―っっ うそ―っ とまりた―いっっv」
「じゃ― お夜食ナニがいいっ?vvv」―まこちゃんのつくるごはんは天下一品 お姉さんみたいで大スキv
「そーねっ 一晩かけてこの問題集みんなでおわらせましょ―かっ!」―あーみちゃんは…… ちょっとコワイケド 勉強カンケーたよりになるし
「ねーねーみなP しんやばんぐみでキレてるヤツあるのよお きょー見よーね」―ゲームとまんがとテレビのハナシはうさぎがいちばん!


139: ◆P9MoonSjzo
09/04/04 21:45:32
「―あたしは」レイは読んでいた本を静かに閉じた。「あしたお祓いがあるからパスするわ 朝早いの」「何時から?」「四時」
「四じ~~~っ!?」「いつものことよ」周囲が驚くのも気に留めず、レイはずずっと日本茶をすすった。
美奈子は横目でそんなレイを見やる。―いつも四じにおきてんの?マジッ??

―そして 火野レイ 同じく十五歳 中三 四月十七日生まれ ガンコな牡羊座のAB型 趣味はたぶん占い(よくやってるから)
だだっぴろい神社に おじーちゃんと二人ぐらしのブルジョワちゃん
―じつはこいつだけはちょっとズルイヤツである
「レイちゃんの好きな食べものってナニ?」美奈子が聞いてみる。すると「ん― フグかなあ」となんともシブい答えが返ってきた。
「特技は?」「座禅」美奈子は頬杖をつきながら、じっとレイを見つめる。「……レイちゃんてさあ」

「お ナ ラ と か す ん の ?」うさぎ・亜美・まことは盛大にお茶を吹きだした。レイは相当頭に血が昇ってしまっている。
「……ケンカ売ってんの?」「えー だって座禅のときでないのかなーって思って」悪びれる様子のない美奈子。
レイは亜美の眼鏡を借り、どこからかマイクを取り出した。まるで芸能レポーターかなにかのようだ。
「エキゾチックストレートロングが売りのレイちゃん!複数の男子校におっかけがいるってウワサですけど!」
「アタシ 男ってバカだと思ってるから」ツンとそっぽを向くレイに、美奈子はそこまでゆうっ?と呆れ顔。

―レイちゃんてばおじーちゃんと二人ぐらしでテレビだって見ほーだいのクセに
「家にいるとあんま見ないのよねえ うるさいしくだらないし」(ちなみにカルピスこども劇場とデビルマンは見ていたらしい)




140: ◆P9MoonSjzo
09/04/04 21:46:46
「ねえ レイちゃん もしかしてあたしたちに 気 遣ってる?」勉強できる環境を求めて帰ることにした亜美が、玄関で靴を履きながらレイに尋ねた。
「レイちゃんとこ受験ないし もっと有効な時間の使いかた……」レイはにっこり微笑んだ。「なに 気 遣ってんのよ いいのヒマだから」
―そう なにがずるいって レイちゃんには ―受験がない!こんなずるいことってあるっっ??
―ヒマだから受験べんきょーしてんのか―っ キサマは―っっ

「それはさ― レイちゃんトコ 小中高大一貫教育の私立の女子校なんだから あたりまえなんでない?」とまこと。
「天下ムテキの都内一等地の(六本木まで徒歩0分ッ!)ブライド私立 短大まであそんでてもいけるエスカレーター式!うらやましーっv」
うさぎとまことはキラキラと目を輝かせる。
「あっ きたきた おそーい レイちゃん」「ごめーん そうじが長びいちゃって」
麻布前派出所の警官が、レイを見て鼻の下を伸ばしている。「あ T.A女学院のコだぜ」「美人!あそこのセーフクいーよなーっv」
二人の警官は、傍に立っていた美奈子に気づくと、フッと鼻で笑って通り過ぎていった。
「キサマら~~っ いまハナでわらったなああっっ あたしだってぢょしちゅーがくせーよおおっっっ」
美奈子はまことが押さえていなければ暴れ出しそうな勢いだ。
―ちなみに あたし愛野美奈子の苦手なもの ママとおまわりさん ―ちなみに レイちゃんにはうるさいクソババア
―失礼 ママがいない そしておまわりもファンの天下のT.A女学院生 ……ずっこい ……なんか差ァつけられてる☆

やる気が起きず、ぐったりと机に突っ伏した美奈子を、亜美が覗き見る。「美奈ッ さっきから一ページもすすんでないじゃないっ」
美奈子はパラリと高校受験ガイドを広げた。「……アタシ 女子校うけよーかなあ……」
レイがクールに言い放つ。「わるいけど ウチのガッコは高校からの募集ないわよ」「ゆるせんっ」美奈子は本を真っ二つに割いてしまった。





141: ◆P9MoonSjzo
09/04/04 21:47:46
「このごろこればっか だれかなんとかしなよ」まことが呆れる。「受験からの逃避の矛先を受験のないレイちゃんにむけたわね」と亜美は冷静に分析する。
うさぎはにっこり微笑む。「なあんだ美奈Pvレイちゃんとおんなし高校いきたかったんだ―v」
「どーせ地球がひっくりかえってもはいれないわよっっ」美奈子がヒステリックに叫ぶ。
「まあ そりゃボシューしてないんだからムリだよなあ」まことが宥める。

さすがのレイも呆れ顔。「ないないってゆーけど ウチだって入試ぐらいあるわよ 毎年おちて高校上がれないコだっているし
だからあたしもここきてるのよ」「キサマーッ ヒマだからってゆってたぞーっっ」飛びかからんばかりの美奈子をうさぎが押さえる。
「女子校なんて 変化ないし生ぬるいし つまんないわよ 規則ばっかりキビシくて」
「へー キビシイんだ」「つまんないの?」ふーんと聞き入るまこととうさぎ。ところが美奈子は……。「ウソよっ」
「そんなのウソッ」あんたその自信はどっから、とまことは心の中で突っ込む。レイが冷めた目で言い放った。「じゃあ きて 見てみれば」

―とゆーわけで きたわよ―っ レイちゃんっv
T.A女学院の門の前ではレイが腕組みをして待っていた。まさか本気で来るとは思っていなかったようだ。
美奈子はセーラーV時代のコンパクトを取り出した。―こーゆーときのためにこのコンパクトはあるのよおおっv
「ムーン・パワー T.A女学院生にへんしーんっv」ボボン、と音がして、美奈子はおさげ髪に眼鏡の生徒に変身した。
「アラッ アラッ もちょっと美人にしてくれても~~」コンパクトは、ワガママッと内心悪態をついている。

「昼休みのあいだだけよ あんまし大さわぎしないでね」―女子校 それは女のコのステイタス ヒミツの花園゚・*:.。. .。.:*・゜
「わああーいっ アコガレの女子校のローカだああっ」美奈子はバタバタと廊下を走りだした。「みっ 美奈ッ いってるそばからっっ」



142: ◆P9MoonSjzo
09/04/04 21:48:52
「そこのあなたッ!なんて野蛮なっ おまちなさいっ」恐ろしい顔をしたシスターが、ビシッと十字架を突き付けてきた。
「ろうかを走るなんて神への冒涜!学年 組 出席番号即答なさいませ!」とっさにレイが美奈子を庇った。
「もっ もーしわけございませんシスター  ゲ リでトイレにいきたかったんですっ 以後気をつけますっっ」「そーなんですうっ もれそうでっっ」
レイが小声で美奈子に打ち明けた。「バカッ シスターにつかまったら反省室いき ムチでおシリたたかれて反省文の刑なのよっ」
まあっ キャンディのセカイッッ!と美奈子はびっくり。

レイと美奈子は豪華な食堂へとやってきた。「え― スッゴーイ!食堂があんのっ!?」
「ひええ~~ レストランみたいーっ キレイ―ッッv」美奈子は大声で話しながら昼食をがっつき始めた。
「おいしーいっvレイちゃんてば まいんちこんなゴーカなお昼食べてんのっ?ずっる―い」
すると、またもシスターがビシッと注意を投げかけた。「そこっ なんて野蛮な!食事はしずかに!」
「「もっ もーしわけございません シスタ―ッ」」
ちらっと覗き見ると、レイは優雅にスプーンを口に運んでいた。美奈子はドキッとしてしまう。……レイちゃん なんて……
「なんてまずそーに食べるの」「……よけーなおセワよっ」

校舎の外に出ると、生徒達が上品にバレーボールを回しあって遊んでいた。「あっ 火野さーん ごいっしょにやりませーん?」
「きょうは遠慮しておきますわ」ホホホ、と笑うレイに、美奈子はカルチャーショックを受ける。―でたっっ!女子校コトバッ
代わりに美奈子が元気に名乗りを上げた。「クラスメイト?ハイハーイッ 食後のハラごなしにあたしやるざますっ なんたってバレー部ざますよっ」
誘ってくれた生徒達は、まあっどなたっ?何語ッ?と困惑している。

「いくわよ―っっ これならあたしもなじめるわっっv」体操着に着替えた美奈子が力一杯にアタックを打つと、
ボールはぐんぐん伸びていき、なんと校舎の窓ガラスに激突してしまったのだった。「なんてやばんなっっ」シスターが窓から怒鳴り声を上げる。
「……いい あたしあやまってくるから」レイは怒りで顔を引きつらせた。



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