美少女戦士セーラームーン連載中 ☆3at CSALOON
美少女戦士セーラームーン連載中 ☆3 - 暇つぶし2ch350:マロン名無しさん
09/01/28 19:08:07
>>349
クイーンとセーラームーンが誘惑に負けて話をしてしまったばっかりに
時空にゆがみが生じて、二十世紀に破滅の神が突如出現したということか?

「歴史が変わる」とはどの程度の規模なのか知らないが、
最悪な場合、破滅の神によって地球滅亡、ということもありうるな

351:マロン名無しさん
09/01/28 19:51:34
>無限植物園で死体!

何気にデスバスターズ編初の犠牲者が…
銀水晶で生き返したりできそうな気もするけどなぁ
遠藤しかりシスターしかり

352:マロン名無しさん
09/01/29 00:14:47
ウラヌスとジュピターの犬猿ぷりは異常

353:マロン名無しさん
09/01/29 08:39:48
どうも破滅の神ってセーラー戦士とデス・バスターズ共通の敵みたいだよな
この両者がひとまず休戦して協力すれば神だって倒せんじゃね?

354:マロン名無しさん
09/01/29 08:43:54
平氏滅亡のときみたいに、三種の神器(タリスマン)を海に沈めちゃえばよくね?
なんで三戦士が手放さないのかわからない

355:マロン名無しさん
09/01/29 08:52:29
敵のパワー源であるタイオロン・クリスタルとやらが
銀水晶に近い力を持つってのはヤバいよな

デスファントムは銀水晶を手に入れても使うことが出来ずに、
使い手であるセーラームーンとちびうさも手に入れようとしてたけど
デスバスターズは直接銀水晶を使えるんじゃないか?

356: ◆P9MoonSjzo
09/01/29 21:39:34
Act32-2

「育子ママ!あたしきょう放課後みんなと映画見にいくの 帰りおそくなるよ」ちびうさが大好きな牛乳を飲みながら笑顔で報告する。
「へい いーなー ナニ見んの?」「ナイショ!」うさぎは尚も食らいつく。「だれといくのよっっ まさかまもちゃんとっっ!?」
「あのね ほたるちゃんのほうから電話くれたの さそってくれたんだ 映画」

『ちびうさちゃん?』「ほたるちゃん」『―こんど映画見にいかない?……ううん映画じゃなくてもいいの
ちびうさちゃんの友だちもいっしょに みんなでどこかへ遊びにいかない?』

「教授のハナシとかきけたらいいよね」ちびうさは無邪気ににっこり笑う。「おーい ちびうさ キレイだなvこれなんだ?」
「あ!けんじパパ それね うさぎとまもちゃんにつくってもらった“伝説の聖杯”よ!」まもちゃん、という単語に謙之パパは血管を浮き上がらせる。
「ねえ けんじパパ “聖杯”っていうのはねえ 知ってる?神聖な儀式のときに ワインや聖水を飲む特別な杯なんだよ」
ダイアナはルナとクスクス笑いあう。「戦士らしくしっかりしてきましたよね スモール・レディも」「ホントね」
うさぎがふと窓の外の景色を見ると、そこに広がっていたのはどんよりとした雲。今にも雨が降り出しそうだ。育子ママは溜息をつく。
「このごろ毎日昼でもうす暗いのよねえ どうしちゃったのかしら」

ほたるとの約束の日が来て、ちびうさは桃子や九助、空野とともに映画館の前で待っていたが、ほたるは一向に現れる様子がない。
「ちびうさちゃん 映画はじまっちゃうよ」―ほたるちゃん こない…… もう一時間近くまってるのにどうしたのかな
ちびうさは桃子達に先に映画館に入っているように勧め、ほたるの部屋の電話にかけてみるが、誰も出なかった。
胸騒ぎがちびうさを襲う。―もしかして また倒れて 連絡できないのかも……

ちびうさは心配のあまり土萌研究所まで様子を見に行った。……なんだかさむい 黒い雲があんなに……


357: ◆P9MoonSjzo
09/01/29 21:40:18
「新しいパーツの使いごこちはどうだい?」「いいわ パパ なじんでる」「新開発の細胞(セル)と神経組織(ニューロン)だ
素材も受容器(リセプター)も最新型(タイプ) もうアクシデントをおこすことなどありえないよ」
ほたるはパタンとドアを閉め、自分の部屋へと急いだ。―いそいでいかなきゃ もうちびうさちゃん帰っちゃったかな こんな大遅刻になるなんて

部屋に戻ったほたるは試しに腕をゆっくりと曲げてみた。微かな機械音とともに動いた腕。タンクトップを着ていたため露わになったその腕は、
まるで人工模型のように筋が浮き出て、細いコードがいくつも通っていた。
視線を感じ、不意に目が合う。窓の外からこちらを凝視していたのは、ほたるのたった一人の友だちだった。
ほたるとちびうさ、二人の時間が止まった。

「―ちびうさちゃん」驚きのあまり、ほたるがガタンと立ち上がった。ちびうさもショックのあまりまともに言葉が紡げない。
「―ごめんなさい あたし……っ かっ かってにはいりこんだりして……」ちびうさはそのまま振り向くことなく駆けていってしまった。
「ちびうさちゃん!」ほたるが必死で叫び、呼び止めようとするが、胸にパキイと引き裂かれるような痛みが走った。
ほたるは窓辺でがくりと座りこんでしまう。―また…… 発作が……

四年前のことだった。燃え盛る業火の中、母がほたるを呼ぶ声が遠くに聞こえた。「ほたる!」「ママあ あついよお」
ほたるはベッドの上で目を開けた。「……パパ?」「おはよう ほたる 目がさめたかい?調子はどうだ?」
全裸のほたるはシーツを体に巻きつけ、起き上がった。腕と足には異質な人工の細胞が埋め込まれていた。―コレは……?

発作の苦しみ、そして孤独の苦しみがほたるを苛む。涙がじわじわと溢れてくる。―血の通わない こんな冷たいカラダのヒミツを知られたくなくて
ずっとひとりぼっちだった パパは研究ばかり このままひとりで死んでゆくだけかと思ってた
“友だちのしるしに ほたるちゃんにプレゼントするのがいーかなーと思って”……やっとできた友だちだったのに


358: ◆P9MoonSjzo
09/01/29 21:41:04
―こんなカラダになってまで どうして生きる理由があるの?

―あたしに 生きる意味は あるの―?

ピシッ、とほたるの額に衝撃が走った。―額が……いたい!まるで燃えるよう額を押さえ、苦しみ悶えながら、ほたるがやっとのことで顔を上げると、
窓の外に辛そうな顔をしたはるか・みちる・せつなが立っていた。「―だれ?……あなたたちは 死に神なの?」
また涙と熱いものがこみ上げてくる。「どうしてそんなあわれみの目であたしを見るの!?」ほたるは思わずはるか達に向かって
アミュレット―タイオロン・クリスタルを投げつけるが、彼らの姿は陽炎のように消えてしまった。
―くるしい…… 額から…… カラダの中からだれかが外へでたがっている ……だれかがあたしを乗っ取ろうとしてる…

ちびうさは一目散に走り続けていた。―どうしよう 見ちゃ いけなかったのかもしれない
“―むかし事故にあって キズがたくさんあるのよ”……あたしびっくりして… ―どうしよう
逃げてきちゃった…… ――ほたるちゃんをキズつけた……!?

突然、真夏にもかかわらず、空からパラパラとひょうが降ってきた。―しびさる!力がはいらない…… この“ひょう”ヘンだ!!
一緒に歩いていたうさぎと衛は偶然にも、道端で倒れているちびうさの姿を見つけ、異変に気付いた。

はるかは自室の窓から無限洲を監視していた。―黒い雲が無限学園のほうから広がっている……!
「無限学園脱走者 天王はるか!見つけたわ」急にべランダにシプリンが現れ、魔法攻撃で大きな一枚張りの窓ガラスを粉々にぶち破った。
「―くっ!やってきたね デス・バスターズ!!ウラヌス・プラネット・パワ― メイクアップ!!」
ネプチューンとプルートははるかが襲われたことを察知し、救援に駆け付けた。「星の守護をもつもの!新たなるセーラー戦士!あらわれたね!」


359: ◆P9MoonSjzo
09/01/29 21:42:57
「アルテミス!モニターを見て!」司令室で、ルナが呼びかける。モニターに映っていたのはウラヌス達が敵と対峙している姿。
そこへ美奈子達が駆けこんできた。「みんな!?」「ルナ!アルテミス!たいへんよ!町じゅうが…… “ひょう”が町を襲ってきたと思ったら
町じゅうの人が突然殺気立って……!!」「無限洲上空でウラヌス達が敵と戦ってるわ!」「―あんなやつら助ける必要はないよ」まことはそう言うが…。
「いこうよみんな!」「うさぎ!」「町の人たちもあの三人も助けるのよ!」うさぎはちびうさに、激しい戦いかもしれないからここで待つよう言った。
「うさぎ!」「まかせて!まもちゃん ちびうさをお願い!」

「無限学園魔女養成クラスプロフェッショナル!レベルあるてみアルテミス999(スリーナイン)の このシプリンの魔法をかわせた者はいない!
リボンバスタ―ッッ!!」ウラヌス達はシプリンの猛攻に押されている。「蛇火炎(マーズ・スネイク・ファイア)!!」
マーズが放った技は、シプリンのリボンを粉砕した。駆け付けたセーラームーン達。「おまえたち!!どうしてここへ……!?帰れ!!」

「逃がさないわ!」シプリンの渦のような魔法攻撃を喰らい、ウラヌス達の眼つきが冷たく変貌した。
「―おまえたちそんなに死にたいの?」「それならわたしたちが戦ってやろう 死なせてあげるよ」「殺してあげるわ わたしたちが」
ヴィーナス達も正気を逸している。「あたしたちをバカにしたな!?」「おまえたちこそ殺してやる!」
「みんな!?」セーラームーンが止めに入ろうとする。「どうしたの!?しっかりして!」―シプリンの魔法にかかった!?

シプリンはほくそ笑む。―ククッ あたしの魔法は心の奥底に巣くってる黒い心を増幅すること 本音をさらして共食いしあえ!あはははっ
「ムーン・スパイラル・ハート・アタッック!」セーラームーンの必殺技で、シプリンは倒された…かと思いきや、なんと二人に分裂した。
「あたしはシプリン」「そしてプチロル 二人でひとつvの魔女」「どこがタイオロン・クリスタルに近しいパワーなの?シプリン」
「わざわざ二人で手をくだすまでもないわ プチロル セーラー戦士どもだって ホラ」ヴィーナス達とウラヌス達は、全力で技をぶつけ合おうとしている。


360: ◆P9MoonSjzo
09/01/29 21:43:28
「みんな!目をさまして!ケンカしないで!仲なおりして!」駆け付けたちびムーンとタキシード仮面が間に入る。「ピンク・シュガー・ハート・アタック!!」
「ジャマをするな!」ジュピターとマーキュリーの攻撃を浴びて、二人は傷を負ってしまう。「タキシード仮面!ちびムーン!」セーラームーンが叫ぶ。
「みんなやめてぇぇ!!」内部戦士と外部戦士の死闘は収まる気配が無い。―どうしてあたしたち 争わなきゃいけないの?
―みんな心の中で敵対しあってるから!?―いいえ!!

いつだって三人はあたしたちを助けてくれたわ “はるかかなたでシルバー・ミレニアムを守ってきました”―大切なものを守るために戦う―!
あたしたち戦う目的は同じはずよ まどわされてはダメ 心をひとつにしなきゃ 心をひとつにして戦うのがあたしたちセーラー戦士よ

ロッドを持つセーラームーンの手を、タキシード仮面とちびムーンがぎゅっと握った。―心を ひとつにして―
重なった手の中から次第に暖かな光が生まれた。目を閉じたセーラームーンの額には月の刻印が透けて見える。
光はやがて輪郭をともない、うさぎと衛が丹精込めて作った粘土の聖杯にそっくりのものが生まれ出たのだった。
●to be continued●


361:マロン名無しさん
09/01/29 21:51:22 G5ccRoCM
ぎゃああああああああああほたるううううううorz

362:マロン名無しさん
09/01/29 21:54:45
えええ??一見生きてるように見えるほたるの体は死体なの…?

363:マロン名無しさん
09/01/29 21:57:16
聖杯キタコレ
なんかすごそうだがこれでどうやって戦うんだ?

364:マロン名無しさん
09/01/29 21:59:28
変態が非戦闘員に成り下がった件

365:マロン名無しさん
09/01/29 22:01:42
>>363
柄を持って力一杯殴る

技術指導:変態(第二部参照)

366:マロン名無しさん
09/01/29 22:49:11
>>362
死体っていうか、サイボーグ化されて生きてるんでしょ
その上今回でまたダイモーンに乗っ取られかけてる可能性濃くなったし

どんだけ不幸なんだほたる…(;_;)
せめてちびうさと仲直りができれば…

367:マロン名無しさん
09/01/29 22:49:17
土萌教授のライフワーク「超生物」がほたるというわけか

教授がほたるに優しかったのは娘として愛していたからではなく
「超生物」の最高傑作だったからなんだな
ほたるかわいそすぎる

368:マロン名無しさん
09/01/29 22:55:59
友だちの腕が人体模型みたいになってるの見ちゃったら神経細い女性なら失神ものだな
その友だちのことを好きであれば好きであるほど、ショックは大きいよな…

369:マロン名無しさん
09/01/29 23:01:07
シャー‥‥、ピッ という機械音がもう°・(ノД`)・°・
腕や足だけじゃなくて頭も改造されてるのかな‥

370:マロン名無しさん
09/01/29 23:03:40
はるかの部屋が半壊しとるw
でも多分来月になったらなにもなかったように元通りになってるんだろうな

371:マロン名無しさん
09/01/29 23:08:16
ピンクシュガーハートアタックが本編では一度も効いてない件について

372:マロン名無しさん
09/01/29 23:11:48
ほたるの運命を変えた火災は間違いなくデスバスターズによるものだろうな











ついでに長沢んちも

373:マロン名無しさん
09/01/30 21:19:31
なんではるか達はわざわざ三人揃ってほたるの様子を見に来たんだ?
もしかして、ほたるを乗っ取ろうとしてるのはダイモーンじゃなくて破滅の神?

374:マロン名無しさん
09/01/30 23:13:43
うーん…自分はダイモーン説に一票
デス・バスターズのシンボルであるタイオロンクリスタルを
教授がほたるにアミュレットと偽って与えたのは
ダイモーン化を早めるためだと予想

375:マロン名無しさん
09/01/30 23:18:47
アルテミスって希少な♂キャラだけど扱いが悪いのか印象薄いな…。

376:マロン名無しさん
09/01/30 23:18:52
破滅の神は恐らくセーラームーン・ファラオ90両者をも凌駕する力を持っているんだろうな
幻の銀水晶VSタイオロン・クリスタルVS神…。
この三つの力がぶつかり合った時に地球が耐えられるか心配

377:マロン名無しさん
09/01/30 23:22:36
>>375
しかもまともな♂キャラだしな
どっかの王子とは違ってw

ちびうさやレイの番外編はあったんだから美奈子&アルテミスの番外編もやってほしいところ

378:マロン名無しさん
09/01/30 23:26:39
>>377
それはセーラーVでは(笑)

379:マロン名無しさん
09/01/30 23:29:39
あれほどまでにのた打ちまわって苦しむほたるを見てたら、安楽死問題を想起した

ほたるは好きだけど、四年前の事故で静かに永眠していたなら
こんなに苦しむことなかったのに…と思うと複雑

380:マロン名無しさん
09/01/30 23:35:11
>>378
じゃあるんるんの読み切りでルナとアルテミスが恋して結ばれる話が見てみたい

タイトルは「ダイアナ絵日記」で
…無理か。万が一やるとしても亜美まこと美奈子ついでに変態の番外編の後だな。一体いつになることやら…。

381:マロン名無しさん
09/01/30 23:39:43
>>373
大穴
ほたるが破滅の神に勝てる唯一の少女でセーラーサタン。ジョーカー的存在。
ところが寿命があと僅かしかないため、気を揉んだはるか達が様子を見に来た。

382:マロン名無しさん
09/01/30 23:41:37
ああ苗字が土か。
男でも女でもない教授の方がセーラー戦士でいいんじゃない?

383:マロン名無しさん
09/01/30 23:48:29
>>376
ブラックムーン編で、2つの銀水晶が接触すると世界が滅びるって設定があったじゃん?
世界が滅びる=破滅の神が降臨するってことじゃね?
タイオロンクリスタルとやらは幻の銀水晶に非常に近いものらしいから、
この2つが接触しても破滅の神が生まれる気がする

384:マロン名無しさん
09/01/30 23:53:04
>>382
みちる「ふた●りは間に合っていてよ」

385:マロン名無しさん
09/01/31 00:03:22
>>373
敵の最終目的である「ファラオ90の器化」とは
ファラオ90がほたるに寄生することを指すんじゃないか?
ほたるを選んだのは地上で最も清らかな心の持ち主だったため

386:マロン名無しさん
09/01/31 00:10:42
>>382
ちょw土萌創一教授は希少な♂だってwww

387:マロン名無しさん
09/01/31 00:13:58
>>382
実は土萌螢子さん(享年32)こそセーラーサタンの生まれ変わり
もうお亡くなりになられたので話には絡んできません

388:マロン名無しさん
09/01/31 00:20:22
>>387
土萌夫人が天に召されて破滅の神になった可能性もあるな

389:マロン名無しさん
09/01/31 00:24:30
土萌教授=Mr.セーラーサタン
ほたる=セーラーサタンjr

こうですか!?わかりません!

390: ◆P9MoonSjzo
09/01/31 21:57:21
Act33 無限7 変身 SUPER SAILORMOON

―みんなの 心をひとつに―

聖杯がセーラームーンの手の中で輝いている。―みんな―
ヴィーナス達、ウラヌス達は皆正気に返った。―セーラームーン!?
―心をひとつにして戦うのが あたしたちセーラー戦士よ
セーラー戦士達は光輝く一点を見つめた。―セーラームーンが わたしたちをよんでる

外部太陽系三戦士のもつタリスマンもキラキラと輝き始めた。
―わたしのタリスマン ディープ・アクア・ミラーが……
―わたしのタリスマン スペース・ソードが……
―わたしのタリスマン ガーネット・オーブが……
共鳴をはじめた!?

聖杯の蓋がふわりと開いた。三戦士はその中に力を送りこむ。―セーラームーンに力を
四守護神も続く。―力を――
セーラームーンはまるで聖水を飲みほすような仕草をすると、聖杯を空高く掲げた。「―クライシス!メイクアップ!!」
一瞬、セーラームーンの背中に天使の羽が生えたかと思うと、コスチュームが華やかなものに変わった。
セーラー戦士達の胸のリボンの中央のブローチもハート型に変化した。―セーラームーン!?―いいえあれは……
「スーパーセーラームーン!?」ちびムーンが叫んだ。ちびムーンは三十世紀でのひとときを思い出す。

“セーラームーンは無敵だよ”“ママ!やっぱりセーラームーンは無敵だったわ!ママとこのクリスタル・トーキョーを助けてくれたもの
あたしもセーラームーンみたいな戦士になるわ ゼッタイに!”“がんばって修行にてらっしゃいスモール・レディ
あなたはいつかもっともっと強いセーラームーンに出会えるわ スーパーセーラームーンに”“スーパーセーラームーン!?”


391: ◆P9MoonSjzo
09/01/31 21:58:17
セーラー戦士達は一斉にセーラームーンを凝視した。―スーパーセーラームーン!?
カオリナイトは水鏡でこの様子を見て驚く。―セーラームーン!パワーアップした!?
「―おお!」土萌教授は窓の外を見て感嘆の声を上げる。―なんという巨大なエネルギー このパワーの中心にいてなんのダメージもうけないのか!?
―信じられない!セーラームーン!!このパワーはいったい!?

ほたるは今も額を押さえ、苦しんでいた。―額がいたい―!われるよう はき気がする くるしい……
―のどから額から 体じゅうから何かが外へでたがっている―でてはダメ
――ダメ!!

“―なんという光の渦!なんと巨大な気(オーラ)!天までつらぬくエネルギーの柱が見える!!
かつてわが母星でタイオロン・クリスタルが 最もエネルギーに満ちた その何万倍ものパワー!
おそろしい数の星の光があの中に見える セーラームーン!おそるべきパワー なんの力だ!?すべてに生気(パワー)を与えるあれは!?”
はたるは部屋の壁にもたれかかり、苦しみに耐えていたが……突然、キラリと妖しい眼差しに切り替わった。
「幻の銀水晶の力ですわ 師ファラオ90」

セーラームーンはハートムーン・ロッドを取り出した。「―もうまどわされない!」―もう迷わない!
「虹色月心激(レインボー・ムーン・ハートエイク)!!」シプリンとプチロルは悲鳴を上げて砕け散った。

カオリナイトは水鏡に杖を叩きつけた。―おのれ!セーラームーン!わたしのたいせつなしもべ ウィッチーズ5の
最後にして最大の魔女 シプリンとプチロルを破るとは!
水鏡が干上がり、杖の周りがパキパキと音を立ててひび割れていく。
―異物などさっさと消去し この地で師とわれらの新世界のはじまりを見るはずだったのに こんなことがおころうとは!
「―このわたしをおこらせたな セーラームーン!」



392: ◆P9MoonSjzo
09/01/31 21:59:04
ほたるはアミュレットータイオロン・クリスタル―を拾い上げると、忌々しげな表情を浮かべるカオリナイトの映像を映した。
“師のパートナーとなるためにも ―だれにもジャマはさせぬ!”「秘術師(マグス)ごときのおまえが師のパートナー?血まよったことを」
ほたるは薄ら笑いを浮かべていたが……突然額にパキッと激痛が走った。―額がわれる!!「ううっ!!」ほたるはドサッと床に倒れ込んでしまった。

スーパーセーラームーンは自分の両手を信じられない思いで見つめる。―あたし……!?パワーアップした!?
―とつぜん現れ そして消えた聖杯から力をもらって……「スーパーセーラームーン!!」皆が上空から地上に降り立ち、傍へ駆けつけた。
―みんなからの力だったわ 聖杯からあたしに注がれてきたのは
タキシード仮面は実感が沸かないでいた。―「伝説の聖杯」!!―これが「伝説の聖杯」のパワー!?

三戦士は呆然とタリスマンを見つめる。「タリスマンがセーラームーンに力を……!」―タリスマンのこんな共鳴ははじめて―!
「―わたしたちのタリスマンに こんな力があったなんて…」
「こんなバカな だって タリスマンが鍵(キイ)となり目ざめるべきなのは…… こんなことがおこるなんて」「ウラヌス!」ネプチューンがたしなめる。

「みんなの心を ひとつにって願ったの ―力をかして と願ったの」―ブローチが 変化している
―一瞬たしかに心が通じあった みんなを助けたい 敵をたおしたいその気持ちはいっしょだった
―そしてあたしたちが 「伝説の聖杯」とスーパーセーラームーンをよびおこしたの
「あたしたちはこんなに一つになれるわ だって同じ戦士だもん 仲間だもんあたしたち」―仲間…… スーパーセーラームーン……!
……わたしたちがどんなにあらがっても タリスマンはこんなに直にセーラームーンに力をかした
―タリスマンがセーラームーンに真実を告げよ といっている
―これ以上真実を告げないまま戦うことはできない ―わたしたちは同じセーラー戦士―!
●to be continued●



393:マロン名無しさん
09/01/31 23:02:42 WtTO1Gvm
スーパーセーラームーンw
シンプルでいいかもな

セーラー服の襟やスカートがどうも虹色をイメージしてるっぽいけど
アニメでそれをどう表現するのか気になる

394:マロン名無しさん
09/01/31 23:12:13
ほたるちゃんが痛々しすぎて見てられない><

395:マロン名無しさん
09/01/31 23:14:10
>>385
星矢信者乙

>>389
DB信者乙

396:マロン名無しさん
09/01/31 23:18:11
忘れてた
>>339
幽白信者乙

ウラヌス達とも打ち解けて、次回全ての謎が明かされそうな雰囲気だな
楽しみだ

397:マロン名無しさん
09/01/31 23:19:33
「虹色月心激(レインボームーンハートエイク)」ってなんだか…なんだかだな

398:マロン名無しさん
09/01/31 23:22:56
ほたるを乗っ取ろうとしてるのは破壊の神かと思ったが
「師ファラオ90」って口にしたということはどうもデスバスターズ側の幹部らしいな

セーラーサタン?鳥●明がいつか気が向いたら描いてくれるさ

399:マロン名無しさん
09/01/31 23:30:20
>>397
カタカナだけじゃ満足できなかったのかなんなのか…
まぁアニメから入った人には新鮮な印象を与えられるからいいかもね

400:マロン名無しさん
09/01/31 23:34:51
>>398
DB連載終了後、鳥●先生が、
セーラー服を着て女装したサタンのイラスト入りの同人誌を発行するんですね、わかります

401:マロン名無しさん
09/01/31 23:39:59
カオリナイト終了のお知らせ

402:マロン名無しさん
09/01/31 23:42:27
>>397
そのうちラモスボンバーも漢字表記になったら笑うw

403:マロン名無しさん
09/01/31 23:48:44
クイーンネタバレ自重

404:マロン名無しさん
09/02/01 00:05:06
>>400
冨樫のことか――!!

405:マロン名無しさん
09/02/01 00:07:38
>>402
変質者出動
態勢万全
乙女渇望

こうですか?

406:マロン名無しさん
09/02/01 00:19:12
これヤバいだろ
ほたるが完全に敵に吸収されてしまったら真っ先にちびうさの銀水晶を奪いにくるぞ
しかもタイオロン・クリスタルと銀水晶は似ているらしいから、
恐らく敵も銀水晶から力を引き出すことができる
もはやちびうさの友情パワーに賭けるしかないな

407:マロン名無しさん
09/02/01 14:42:46
これヤバいだろ
ほたるは小学生なのに巨乳

408:マロン名無しさん
09/02/01 16:59:36
セーラームーンはもはやチート

409:マロン名無しさん
09/02/01 19:15:19
つーかタリスマンが集まってセラムンパワーうpって流れだったけど
本当に集まったら具体的にどうなるのだろう
変態仮面の覚醒?

410:マロン名無しさん
09/02/01 20:07:32
>>409
破滅の神=変態www

411:マロン名無しさん
09/02/01 23:37:37
            , -―-、   _ -―- 、 __     , -―-、
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        \: / /l: : :l/y≠=    =≠ミレ}: : :ト、 |イ
          l ムl: : :l/ fしハ      fしハ Y:/ノⅥノ
           j/レハ: :| 弋Yソ  ,  弋Yソ イイ: : :',
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            /: : ハ( l   }/     ヽ{   l ) ハ: :\
          / : : : : : :rマ人  l      l  人7 ): : : : : :\
        /: : : : : (\:ハ ∨:> \__/ <: :/ /: :/): : : : \
     /: :/: : : : r'\ヽJ V=/ ) 〕   〔( ヽ=7 /// ): : : : : : :\
   /: :/: : : : : : : \ ヽ  ∨ /h〈   〉ハ V ´ ' /: : : : : \: : : \
   ///: : : : : /:r―‐'     l/ ハl   lノ| l      'ー┐: : l: : : :\: : : ヽ
   |'  l: : : : :/l: :  ̄入    / /Υi⌒iΥ!ヽ二二二}下´ : : :ト、 : l  ヽ: : |
     |: : : :/ l: : : : {二二二 イ l l   l l \   イ人}: l: : | ',: |   ヽ:|
     ∨: / l: : : : /\   /  ゝ___ノ  〈     { ∨:/: :/  l:/    リ
      ∨  ∨: :/    /廴 / 薔 \ 八    ト、V: :/   /′
          ∨{   / \ }/川1\{ ∧   j卜l/
          /} }  /   }   ノハヽ   {  \ノノ |
ここは「Yes!プリキュア5GoGo!」」の大いなる希望の力・キュアドリームこと夢原のぞみ(CV:三瓶由布子)に萌えるスレです。

412:マロン名無しさん
09/02/01 23:47:00
ちびうさは戦ってる場合じゃないな
いち早くほたると仲直りして力になってやらなきゃ

413:マロン名無しさん
09/02/01 23:55:00
>>410
あのザコで有名な変態が神なわけねーだろww
…と笑い飛ばすところだったが、マジでありかるかもしれないな
「破壊の神」が出てくる夢を見たのは他でもない変態だし

414:マロン名無しさん
09/02/01 23:59:51
そういや全能の神ゼウスって絶倫だよな
神は変態じゃなきゃ務まらないのかもしれんw

415: ◆P9MoonSjzo
09/02/02 21:45:03
Act33-2

セーラームーン達ははるかの部屋へと降り立った。「ウラヌスの部屋 シプリンの攻撃でメチャクチャだわ☆ 窓ガラスもこなごな…☆」
「ガラス代の請求書を見るのがコワイ……☆」ウラヌスは真っ青。「プラス こわれた家具にリフォーム代に カネがいくらあってもたりないな
ココ家賃月百万なんだぜ 夜にげしかないなこりゃ」「百万ッッ!?」
ジュピターも真っ青。「どっ どーしてんのそのおカネッ あったしなんて月五万だよっっ☆ 両親が出してくれんのかっっ!?」
「うふふ わたしたちにはパトロンがいるからカネにはこまんないのさっ」「はるかっ」ネプチューンがたしなめる。

「―スーパーセーラームーン」ネプチューンが話しかけた。「いいえ プリンセス ―わたしたちは たどれる記憶のなかで この三つのタリスマンが
作動するのを見たのは いままでただ一度だけだった ―おぼえていますか?かつてシルバー・ミレニアムが滅んでいったときのコトを―」
エンディミオンが自分を庇って倒れたこと、悲しみのあまり自害したこと、四守護神も皆死んでしまったこと……。
スーパーセーラームーンの脳裏に哀しみの記憶が一気に甦った。

「―あのときわたしたちは 自分の守るべき領域(テリトリー)をはなれることはゆるされず はるか遠くで 見守っているしかなかった
―遠くから はるか母なるふるさと シルバー・ミレニアム最後の悲鳴を」「―いや ……その話をしないで」―胸が……はりさけそう
動揺し涙を零すスーパーセーラームーンを、タキシード仮面が抱きよせる。

「―そのとき わたしたちのもつ 外部太陽系最強の武器タリスマンは 見たこともない共鳴をはじめ わたしたちは集結した
―そして美しく輝くタリスマンは ―禁忌(タブー)の星から 目ざめさせてはいけない 最後の戦士を 召喚した
―破滅の星土星を守護にもつ ―沈黙の戦士セーラーサターン ―そのとき“おわり”がやってきたことを 知った
わたしたちはセーラーサターンのもつ“沈黙の鎌(サイレンス・グレイブ)”が ゆっくりふりおろされるのを
シルバー・ミレニアムが静かに滅んでゆくのを見ながら ―力つきた」
―セーラーサターン―……


416: ◆P9MoonSjzo
09/02/02 21:45:42
「―セーラーサターンは 滅びの瞬間に姿をあらわし すべてを無に帰す死への案内人― ―タリスマンが三つそろうとき
セーラーサターンをよびさます“鍵(キイ)”として真の発動をする わたしたちはその“鍵”の守り人
わたしたちが集結し 三つのタリスマンがそろうとき それはセーラーサターンの目ざめのとき―」
―タリスマンを三つそろえてはいけない― セーラーサターンが目ざめるとき それはこの世の終焉のとき― ―この世の破滅のとき―

マーズは納得する。―破滅に導く三つのタリスマン このことだったのね
タキシード仮面は解せない顔。―だが夢の中でずっとだれかだタリスマンを集めよ―とよんでいた あれは……?

「おたがいの守るべき領域は遠く 本来ならけっして出会うことのないわたしたちは こうしてこの星の人間として転生し また三人出会ってしまった」
―タリスマンがよびあっている 外からの侵入者― 「もうとめられない そう感じたわ」とプルート。
「そして 侵入者を追ううち 見つけてしまった のろわれた三角洲のまんなかに わたしたちの手の中に 敵はいた
滅びの戦士の生まれかわりも―」「まさか……」ちびムーンが信じられない様子で口を開いた。「……ほたるちゃん…?なの?」

―ほたるちゃんがセーラーサターン!?

「セーラーサターンの目ざめはちかい―あの子の体(ボディ)がそれを感じはじめてるわ」
タキシード仮面はここで納得した。―サターンの魂がタリスマンをよんでいたのか―!?
「スーパーセーラームーン ちびムーン!」プルートが呼びかける。「あなたたちも知っているとおり未来はあるわ いまここで破滅がやってくることなど
ありえない これはアクシデントなのよ サターンの魂が転生してくるなど どこかで運命の歯車がくいちがってしまったんだわ」
「どうしてこんなことに…」タキシード仮面が尋ねる。「わかりません……」プルートはうな垂れてしまう。


417: ◆P9MoonSjzo
09/02/02 21:46:22
「―でも!どんなことがあってもセーラーサターンを目ざめさせるわけにはいかない!」ウラヌスがそう言い切る。
「―どうするつもりなの?」ヴィーナスが尋ねる。「殺すわ あの子を そしてサターンを完全に封印する!」
ちびムーンは頭が真っ白になってしまう。「そんな……!ウソでしょ!?」「三つのタリスマンが発動するかどうかはまだわからないわ!」
「タリスマンがあんなに共鳴しあい スーパーセーラームーンをよびおこす力を発した ―力がみなぎっているのがわかる あのときのように」
―シルバー・ミレニアムが滅んだあのときのように 「タリスマンがサターンをよびさますために発動するときは 近い」

スーパーセーラームーンが必死で止める。「だからって殺すなんて!ほかにも方法はあるはずよ!」
「もしもわたしたちが手を下さなくても 長くはないわ あの子の体は あの子の体(ボディ)を見たことあるでしょ?ちびうさぎちゃん」
ウラヌスの一言に、ちびムーンはドキッとする。人体模型のように筋が剥き出しで、醜い腕をしていたほたる……。

「八歳のときの事故で重体― 昏睡状態から奇跡の生還をしたほたる 最高の頭脳をもちながら学会を追放された土萌教授のライフワークの結晶
人間と機械(マシン)との融合― 教授はまるで人形のようにほたるの体を機械化し つくりかえていったんだ あの子の小さな体はもうボロボロさ」
「―助ける方法はないのか?ほたるちゃんを」ちびムーンの肩を抱きながら、ジュピターが尋ねる。
「いまあの子の体が助かる方法はただひとつ セーラーサターンとして目ざめ パワーをもつ戦士となること だがそうさせることはできない」

「サターンを封印するためにほたるちゃんの生をあたしたちの手でたち切る権利はないわ!」マーズがそう主張する。
「世界が滅びの道をたどらずにすむためには いまあの子を殺す 殺してから敵を倒す!あの子を殺さないかぎり サターンは目ざめ 滅びはきっとやってくる すべてが消失する」―そしておとずれる無―
「―わたしたちにはとめられないかもしれない でも いまのわたしたちの使命は 覚醒まえのセーラーサターンを封印すること―」



418: ◆P9MoonSjzo
09/02/02 21:47:30
「―ダメよダメよ!あの子を殺すなんてダメ!!みんな助かる方法はあるわ!サターンは目ざめないかもしれないわ だって未来は存在するわ
どんな形でも世界は滅びたりしない!あたしたちは助かるわ 救えるわきっとすべてを― 殺すなんて…ダメ……!」
スーパーセーラームーンは堪え切れずに涙を流す。

「あなたはそういうと思った だからわたしたちは行動をともにはできない 仲間にはなれないのよ
にくんでもいいわ あなたたちにとって 敵でもいい これしか方法がないから わたしたちはわたしたちの使命をはたし 世界を救う」
三戦士は風とともに何処かへ消えていった。「ウラヌス!ネプチューン!プルート!!」

ちびムーンはショックのあまり呆然としてしまっていた。―ほたるちゃんが 破滅をよぶセーラーサターン ほたるちゃんが “ちびうさちゃん”
―ふしぎな力をもつ深い目をした ―いつもさびしそうだったほたるちゃん
ちびムーンは急いではるかの部屋を出て行った。「ちびムーン!!」―そんなのはダメ!助けなきゃ!ほたるちゃんのところへ!!
―殺させない!
ちびムーンはいつものように研究所の門を乗り越えると、ほたるの部屋目指して一目散に走った。
―こんどはにげない ほたるちゃんがどんな姿をしてても だれであっても どんな運命をせおっていても あたしの友だちだもの!
木の上からほたるの部屋の様子を窺っていた三戦士は驚く。―あれは―セーラーちびムーン!?

部屋の中央に倒れていたほたるの体がピクリと反応した。ほたるはまるで別人のように瞳孔を見開き、バッと起き上がった。
ただならぬ様子にちびムーンは声が出ない。ほたるの目がギラッと光り、見えない触手のようなものがちびムーンに向けて大量に放たれた。
窓ガラスが砕け散り、カオリナイトと教授も異変に気付いた。―なに!?いまの音は!?
「ちびムーン!」スーパーセーラームーンとタキシード仮面が駆け付けてきた。


419: ◆P9MoonSjzo
09/02/02 21:48:19
触手は一直線にちびムーンに襲いかかると、胸のブローチをブチっともぎ取った。変身の解けたちびうさの体はバチバチと痛めつけられ、
そのまま地面に倒れ込んでしまった。「ちびうさ!!」司令室にいたダイアナも異変を感じ取る。―スモール・レディ!?

ほたるの目が妖しく輝き、髪が何メートルにもわたって伸びた。そこに四守護神も空を飛んで駆け付けてくるが、ほたるの猛攻を受け、ひるんでしまう。
「あいつは??あれはほたるちゃんなのか!?」「ククッ クククク」―まさか サターン!?覚醒した!?
しかし外部太陽系三戦士は戸惑っていた。―タリスマンは発動していない!あの姿は―!!

ほたるはちびうさのブローチをぎゅっと握り締める。その額にはデス・バスターズの証である黒い星の印があった。
「手に入れた!手に入れたぞ “幻の銀水晶”を 師ファラオ90よ わたしは目ざめましたぞ ククッ アハハハハッ」

タキシード仮面に抱きあげられていたちびうさの様子がおかしい。「―ちびうさ?」「ちびうさ!?」
―体がつめたい― ちびうさ!? 息をしてない――!?
●to be continued●



420:マロン名無しさん
09/02/02 21:55:15 x0TRupAf
闇ほたる>>>>>>>>>>>>>>セーラーサターン

でFA?

421:マロン名無しさん
09/02/02 21:57:00
ちびうさオワタ\(^o^)/

422:マロン名無しさん
09/02/02 21:58:17
これでほたるを殺すいい口実ができてしまったな…

423:マロン名無しさん
09/02/02 22:01:39
ほたるをころす
ほたるをころそうとするうらぬすたちをころす
→みんなでしぬ

424:マロン名無しさん
09/02/02 22:03:51
サターンの武器かっこええええええ

425:マロン名無しさん
09/02/02 22:05:58
敵に乗っ取られたほたるが髪が伸びる日本人形みたいで怖い
夢に出てきそうだ…

426:マロン名無しさん
09/02/02 23:35:05
サターンとサタンをかけてるんだよな?

427:マロン名無しさん
09/02/02 23:57:21
>>426
自分は今月号見るまでここの住人に乗せられて本当にセーラーサタンだと思ってたw
そういえばマーズが出てくる前もセーラーマルスとか呼んでる人がいたなw





…自分もその一人だけど(´・ω・`)

428:マロン名無しさん
09/02/03 00:02:37
はるか達がこんなに時間をかけて何をしようとしてるのかイマイチわからなかったけど
破滅の神がほたるであるという確証を得るために奔走してたのね
そりゃ人の命を絶つのだから慎重に慎重を重ねる必要があるよね

429:マロン名無しさん
09/02/03 00:05:11
サターンこそ冥界の戦士に相応しい感じがする

サターンのコスチュームかなり気に入ったわ~
あの編み上げブーツ可愛い

430:マロン名無しさん
09/02/03 12:58:31
ネプチューンがなんか外部のリーダーっぽいんだけど
気のせいか?

431:マロン名無しさん
09/02/03 13:07:02
>>430
ネプチューンだけに地球の外に1000人の弟子がいるんだよ
ウラヌスもプルートもその中に含まれる

432:マロン名無しさん
09/02/03 17:57:32
ネプチューンのリーダーは名倉に決まってるだろ

433:マロン名無しさん
09/02/03 19:54:53
パトロンとかさらに黒幕がいるのか?

ウラヌスは口を滑らせすぎだろう。

434:マロン名無しさん
09/02/03 21:27:17
なんか、どっちかというとウラヌスたちのほうに賛同できるなー

>>429
イヤリングもブローチもチョーカーもいいなあ
サターンのテーマカラーは何だろう

435:マロン名無しさん
09/02/03 22:21:15
ウラヌスたちの情報が全てならどのルートでも
HAPPYENDにはならないからウラヌスらの行動が正しいと思うな。
実際は今後別ルートが出てくるんだろうけど・・・。

436:マロン名無しさん
09/02/04 00:40:57
>>430
マジレスすると、ウラヌスは喧嘩腰になりがちだし、
プルートは主人公側(特にちびうさ)寄りで私情が入ってしまうから、
穏便にすませようとネプチューンが説明役を買って出たんだとオモ

437:マロン名無しさん
09/02/04 00:46:08
>>435
ほたるちゃんの聖体(魂)だけ保護してダイモーン(ほたるちゃんの体)を殺し、
別の丈夫な体に移し替えるみたいなことできないかな
例えばルナPの中に移すとか

438:マロン名無しさん
09/02/04 00:52:07
>>429
無の象徴である黒に一票
でもプルートと被るか…

439:マロン名無しさん
09/02/04 03:25:41
>>437
ちょ、ルナPほたる想像したら吹いたwww
武内テンテーそれだけはやめてwww

440:マロン名無しさん
09/02/04 09:11:36
ほたるからネコミミが生えてぷかぷか浮くようになったら可愛いが…(笑)

441:マロン名無しさん
09/02/04 10:26:31
>>440
なんというコペルニクス的転回

442:マロン名無しさん
09/02/04 20:15:22
>>440
なんか生首浮かんでるの想像した…

443:マロン名無しさん
09/02/04 22:48:45
>>442
ヤ-メ-テ-((((゜д゜;))))

444: ◆P9MoonSjzo
09/02/04 23:07:53
Act34 無限8 「無限迷宮(ラビリンス・ムゲン)」1

意識を失ったちびうさはJ医科大学病院へと運び込まれた。無情にも心電図の波は静まっていく。「心停止しました ―ご臨終です」
うさぎは頭が真っ白になってしまう。「―うそ そんな―」「―オレたちだけにしてもらえませんか?」衛の要望通り医者は病室を出て行った。
「ちびうさ!!ちびうさっ!?」―どんどん体が固く つめたくなってく ―ほたるちゃんに セーラーサターンに殺された―…!!

「聖体(オスティー)をぬきとられたな」険しい顔をしたはるか・みちる・せつなが姿を見せた。
「聖体!?」みちるが説明する。「デス・バスターズはターゲットにした人間から 聖体― ―魂をぬきとってしまうのよ」
はるかが続ける。「そして魂をぬきとった体を器として合体する “器化”―人間の体と一体になって活動する それがやつらデス・バスターズなんだ!」

うさぎを嫌な予感が襲う。―魂をぬきとる!?人間と一体になる!?「それじゃ ほたるちゃんは あの姿はまさか―」
「セーラーサターンが目ざめたわけじゃない」「三つのタリスマンはまだ発動していない―」とせつな。
「ほたるはやつらにように“器化”されていたんだ あれはもうほたるなんかじゃない ―敵だ!!
あいつはちびうさの“幻の銀水晶”をうばったとき ちびうさの魂もぬきとっていったんだ」

うさぎは愕然とする。「―ちびうさとほたるちゃんは 二人は……どうなるの!?」
「“器化”したやつらは人間の魂を糧にして生きてゆく だが“器化”に成功しても やつらはやがてダイモーンの姿に先祖返りする
あの姿になってしまったらやつらは―助からない しょせんムリなんだこの世界で生きてゆくのは どんな形をとっても」

―いままでたおしてきたのは“敵”と“人間”の合体した姿― やがてダイモーンの姿になったら ―助からない―!



445: ◆P9MoonSjzo
09/02/04 23:08:25
「ほたるはもう敵にのっとられてしまった かえってやりやすい やがて苦しんで滅んでゆくんだ 苦しむまえにわたしたちの手でやる」
はるかの暴言にうさぎは動揺を隠せない。「そんな―」「ちびうさの魂と“幻の銀水晶”はやつの手元だ!どうなってもいいのか!?
ちびうさを助けたかったら 戦ってたおして奪い返すんだ あいつをやらなければあたしたちがやられる
セーラーサターンが目ざめなくても滅びがやってくる やるかやられるか どちらかを選ぶしかない
いくよわたしたちは ちびうさだけじゃない すべての人を救うために!」

…―そうよ うさぎ この星を救わなければ…… ―いままであたしがたおしてきた敵は 人間と敵の合体した姿― そして ほたるちゃんも……
「―このままではちびうさの体は血液がまわらなくなり ―ほんとうに死んでしまう ―オレの部屋へ運ぼう」

うさぎ達は病院を後にし、衛の部屋のベッドにちびうさの体を横たえた。―時間はない いそいで魂をとりもどさないと… ちびうさは助からない―!
「ちびうさとオレの体をリンクする オレの体を生命維持装置がわりにしてちびうさの体を生かす」
衛はちびうさの手を握ると、力を注ぎ込んだ。ルナが心配そうに見守る。「でもそれじゃ まもちゃんの体に負担が……」
「だいじょうぶ いまオレとちびうさはひとつだ このひとつの体を生かすことぐらい ―なんでもないことだ へ―キだよ」
うさぎはちびうさの傍で心配そうに付き添っている。「―しばらく 三人だけにしてくれないか」衛に言われ、美奈子達四人は部屋を出て行った。

うさぎは胸が締め付けられる思いだった。―ちびうさ ―選べない ちびうさもほたるちゃんもこの星の人々も!見すてることはできない―! 
衛はちびうさに力を送り続けている。……いまのオレたちにどちらかなんて選べない ―破滅していくしかないのか?―オレたちも そして世界も

うさぎはちびうさの小さな手を取って耳に当てた。―まもちゃんの心音がつたわってくる まるでちびうさが生きてるみたいに
うさぎの頬を涙が伝う。―どうすればいいの?どうすれば…… 「うさ」衛は自由な方の手でうさぎの手を取ると、口づけを送った。


446: ◆P9MoonSjzo
09/02/04 23:08:54
二人の前に、瓦礫の山の上に立つ長い髪の人物の幻が浮かび上がった。―あまた あのビジョンが
「……とりもどしにいくんだ うさ ちびうさの魂と“幻の銀水晶”を ……いまのオレたちにできることを するしか ない」
―希望をすてずに ……希望を…… 
―あのビジョン あれは救世主(メシア)?それとも破滅の神―?

ほたるを乗っ取った敵は、ナイフで自分の髪を幾度も切っていた。「切っても切
ってものびてくる うっとおしい髪だな
おまけにせまくて不都合な器だ 居心地が悪い これが人間の体か」教授とカオリナイトはほたるの部屋へと急いだ。
「―おお!―ミストレス9(ナイン)!あなたの到来をおまちしておりました 長かった ―あのとき娘ほたるに卵を移植したものの
ずっと未分化のまま ―目ざめぬかと思っていました」『―そうだったの……』そんな声が聞こえた気がしてミストレス9は耳を疑う。

カオリナイトは一人苦い思いを噛み締めていた。―いまごろになって目ざめるとは……
「長の努め ご苦労であったカオリナイトよ」「!」「これからは師のことは旧世界からのパートナーであるこのわたしにまかせるがよい」
嘲笑うミストレス9に心の内を見透かされた気がして、カオリナイトはカアッと赤くなる。
「おまえには師から賜った重大な使命を 一刻も早くまっとうしてもらわねばならぬ 異物は消去せよ!わたしは失敗はゆるさぬ」
「やってみせますとも!」―わたしだとてこのままひきさがる気はない!

“……おお まちかねていたぞ! ミストレス9!”「―師(マスター)ファラオ90(ナインティ)!」
“目ざめたばかりのおまえにみなぎるこのパワーはなんだ!?こんな聖体ははじめてだ……!おお 体が狂いだしそうだ”
ミストレス9はちびうさのブローチをファラオ90に見せた。「師ファラオ90 これは聖体ではありませんわ ―“幻の銀水晶”です
星の守護をもつものの光の源 やっと手に入れた強大な力を秘める “幻の銀水晶”ですわ!」


447: ◆P9MoonSjzo
09/02/04 23:09:23
ミストレス9はほたるの部屋に戻り、ブローチを宙に浮かべて眺めた。
―ふしぎな光 わがタウ星系の母なる力の源タイオロン・クリスタルとおなじ光 なにかが宿っているような 強くやすらぐ聖なる輝き―
『あたりまえよ あの娘(コ)の無垢な美しい魂に 守られたものなのだから』「―だれだ!?」
―だれかがわたしの内側でわたしを通して呼応している―? ……気のせいか わたしに力を与えてくれる この“幻の銀水晶”があれば
わたしたちにおそれるものは もう何もない―!

「おお!ミストレス9!」研究室を訪れたミストレス9を、教授は歓迎する。
「卵はもう残り少ない 聖体をぬきとり卵をうえつける“器化”は この世界でわれらが生きるための唯一の手段であった
だが師の“器化”完了すればその必要もなくなる われらの新しい世界の誕生はもうすぐだ ククッ あははっ もうすぐだ!」
研究室の隅に浮かんだ一糸纏わぬ姿の少女が、この様子をじっと眺めていた。

カオリナイトは不気味な魔法陣の中心に立つと、生きたコウモリの心臓をわしづかむと、それを握り潰してトロトロと杖の上に落とした。
「ククク わがしもべ ウイッチ―ズ5を甦らせたまえ」続いて蝋燭に火を移し、セーラー戦士をかたどった蝋人形を生みだした。
「蘇りしわがしもべよ あやつらにのろいをかけよ 永遠にとけぬのろいを― ククク」

うさぎが衛の部屋を出ると、美奈子達が外で健気に待っていた。「みんな……!」「いこう ちびうさの魂をとりもどしに!」
「―あたしたちは前へ進むしかないわ」「みんな……!」―無限洲へ―!!
●to be continued●



448:マロン名無しさん
09/02/04 23:21:50
土萌教授、もうほたるを娘と思ってなかったんだな・・・。
ほたるカワイソス

449:マロン名無しさん
09/02/04 23:32:45
ほたる、体を追い出されただけでまだ生きてるっぽいね。
ミストレス9を追い出して元に戻る展開とか普通にありそう。

450:マロン名無しさん
09/02/05 00:32:41
>>449
ミストレス9が逆に体を追い出されて、部屋の隅に真っ裸で浮いてたらホラーだな…

451:マロン名無しさん
09/02/05 00:37:09 L4IFIwF4
>ほたるはもう敵にのっとられてしまった かえってやりやすい
やがて苦しんで滅んでゆくんだ 苦しむまえにわたしたちの手でやる

正論なんだがもうちょっと他に言い方ってものがあるだろ

452:マロン名無しさん
09/02/05 00:42:13
世の中には知らないほうがいいことも存在する
ほたるは優しかった父親の本性を知ってしまう前に
眠りについてしまっていたほうが幸せだったのかもしれない

453:マロン名無しさん
09/02/05 00:49:07
ほたるはデスバスターズにはミストレス9を覚醒させるためのただの養分扱いされ
破壊の神であるためにセーラー戦士側からは敵視され
父親には裏切られてどこにも居場所がない感じだな
ほたるを本当に救えるのはちびうさしかいないんじゃないか?

454:マロン名無しさん
09/02/05 00:53:25
変態がちびうさと合体した件

455:マロン名無しさん
09/02/05 00:57:21
瀕死のちびうさ、てっきり幻の銀水晶が体を包み込んで癒すのかと思ったら、
銀水晶は敵の手元か
そりゃお手上げだな

456: ◆P9MoonSjzo
09/02/06 21:45:51
Act34-2

無限学園のビルは、ツタのような植物にびっしりと覆われてすっかり変貌してしまっていた。
「無限学園がいつのまにこんなに…… これはいったい……!?」とヴィーナス。
「―ものすごいエネルギーが充満してる ―空気も植物も建物も すべてのものがくるってしまうほどの……」マーズはそう読み取る。
「異常なパワーがドーム状にうずまいてる― そう まるで“Ω(オメガ)”の形に……!」マーキュリーが分析する。
「―いくぞ!」ジュピターが凛々しく言った。セーラームーンは切なげに振り返る。―ウラヌスネプチューンプルート
―あたしが選んだ道はまちがってる―?あたしたちはずっとこのままいっしょに戦えないの?

ウラヌス達三人も無限学園へやって来ていた。―セーラームーン 残念だけどわたしたちは三人で ほたるを殺しにいかせてもらうわ!
しかしウラヌスは胸に拳を当てて躊躇している様子。ネプチューンが心配して声を掛ける。「ウラヌス」

「ククク きたな星の守護をもつものセーラー戦士ども!」すんなりと入口が開き、セーラームーン達は無限学園の中へ突入した。
「いらっしゃいませ “無限迷宮(ラビリンス・ムゲン)”へようこそ」なんと受付嬢は制服を着たシプリンとプチロルだった。

それに気を取られていると……いつの間にか、マーズは一面の闇の中にいた。―ここは―!?セーラームーン!!?―みんなはどこ!?
マーズは皆を探して走りだし、ガラリを作法室のドアを開けた。「作法がなってないわね」和室の中央で、なんと制服を着たユージアルがお茶を嗜んでいた。
「無限学園礼儀作法担当 この有村ゆうこが 指導してあげましょう」―ユージアル!?あたしがまえにたおしたはず!
誰もいないのにドアがピシャリと閉まった。―しまった!



457: ◆P9MoonSjzo
09/02/06 21:46:32
―すごい闘気―!「おまえの相手をしてるヒマはないわ」「そうはいかない!炎の武闘家このユージアルの!相手に選ばれたのだからなおまえは!」
ユージアルに思いきり顎を蹴りあげられ、マーズは倒れ込む。
「あなたホントは戦いたくないんでしょう?わかるわ 闘気がないもの セーラームーンのためだけに戦うことなんかないわよ
作法や武芸 占いでもやってるほうが自分のためになると 体じゅうがいってるわよ」ユージアルに言われ、マーズは立ち上がる気力を無くしてしまった。

マーキュリーは一人、廊下を走り回っていた。―迷った!?みんなは!?どこへいっちゃったの!?
マーキュリーは身長の何倍もある巨大な機械の前に辿りついた。―本で見たことあるわ!今世紀最大のシステムをもつ
―人工生命(A・L)タイプのスーパーコンピュータ!!すごいわ!―こんなところに!?

「ようこそ!おぼえているかしら?サイエンスクラスの美堂ゆいよ わが学園の真髄をやっとお見せできてうれしいわ」―ビリユイ!?
突如伸びてきた細い無数のコードが体を絞めつけ、電流がマーキュリーを苦しめる。「あうっ」
「ホラ あなたの体がデータをほしがってる コンピュータに同化して人工生命になりたがってるわ
もっと情報量をふやしたいクセに 自分自身を成長させたいのに 貴重な時間を戦いに狩りだされ セーラームーンのためにその能力を使われる毎日」
……そう ホントはもっともっと勉強したい データがほしい もっと勉強しなきゃ医学部なんてムリ―
―セーラームーンのおかげであたし電気は食うし データはちっともふやせない……

―みんなどこ!?いつのまにどこいっちゃったの!?―だれかの歌声!?頭が割れる―!!この歌をやめて!
ヴィーナスは走りまわる内にコンサート会場へと辿り着いた。―まえにもだれかの歌をきいて こんなふうに体がマヒしたことが……!?
「では!あたし羽生美々の今夜のコンサートのすてきなゲストは セーラーヴィーナス!!」―え!?
「ヴィーナス!!」「セーラーヴィーナスちゃあん!!」観客は歓声を上げて、いつの間にか舞台に立っていたヴィーナスを迎える。


458: ◆P9MoonSjzo
09/02/06 21:47:16
マイクを握ったヴィーナスの体に伸びてきた無数のコードが巻き付き、身動きがとれなくなってしまった。
「どうしたの!?はやく歌うのよ!セーラーヴィーナス!アイドルが夢だったんでしょ!?」―そうだわ アイドルはあたしの夢 これはチャンスだわ
―チャンスさえあればさっさとセーラー戦士をやめようと思ってた セーラー戦士なんてバカバカシイコトはさっさとやめて……

「セーラームーン!?みんな!?おーい!!どこだ!?」ジュピターは走りまわっているうちに植物園にやってきていた。
「ようこそ無限植物園へ!責任者の照野留々よ」「おまえは!?テルル!!」「きょうは戦いはナシよ ね?ゆっくり中を見て!ホラ!」
「わあ!バラがいっぱい!ハイブリッド・ティの最初の品種“ラ・フランス”!こっちは“ソレイユ・ドール”だ!名品の“光彩”がこんなにたくさん!」

……心がなごむ ……あたしいままでナニしてきたんだろう なんだかつかれちゃった ……戦いなんてバカバカしくなってきちゃった
咲き始めた妖しい花々がジュピターを眠りの世界へと誘っていく。―ずっとここにいたい
―あたしの夢はね 好きな人とこんなバラ園で 一生のんびりと……

「―みんな!?」セーラームーンが振り返るが、そこには誰も居なかった。そこに広がるのはただ一面の闇。
―しまった!!―五人バラバラになった!?敵の手の内にはまった!?―ここはどこ!?みんなは……

闇の中にポウッと明かりが灯り、傷ついた四守護神の姿が浮かび上がった。「―マーズ!マーキュリー!ジュピターヴィーナス!!」
「あんたのせいであたしたちボロボロよ もう戦いなんてまっぴらごめんだわ」
四人の体はドロリと溶け、セーラームーンの体に纏わりついた。「ひっ」
「あんたのせいよセーラームーン」現れたちびうさは背後からセーラームーンの首を絞めつけた。「く くるしい…… ……ちびうさ…!?」
「わたしたちもてつだってあげるちびうさちゃん うっとおしいと思っていたのよセーラームーンなんか!」「ウラヌスネプチューン!プルート!!」
「解放されたいんだうさ!ちびうさもほたるもオレが殺してやるぜ」衛はちびうさの体を真っ二つに引き裂いた。「そしてうさ!おまえもな!」「まもちゃん!!」


459: ◆P9MoonSjzo
09/02/06 21:48:02
本物の衛はセーラームーンのピンチを感じ取っていた。―うさ!?まどわされるな!うさ!!

―ちがう まどわされちゃダメ!!これは!!幻覚よ!みんな!!「ムーン・スパイラル・ハート・アターッック!」
幻覚とともに闇は消し飛んだ。セーラームーンは四守護神の姿を求めてさらに学園の奥へと進んでいく。

三戦士は無限学園を覆う植物と戦っていた。「くそっ!!なんだこいつらは!切っても切ってもおそってきやがる!」
―無限学園へ近づけない!!胸さわぎがする!セーラームーン!?
「ウラヌス!プルート!」ネプチューンが呼びかける。ネプチューンのディープ・アクア・ミラーには巨大なロウの塊に埋め込まれた四守護神の姿が。
三戦士はセーラームーン達の危機を知り、顔を見合わせた。
「強行突破するぞ!宇宙剣乱風(スペース・ソードブラスター)!!」三人は無限学園の中へ突入することに成功した。

「セーラーマーズ!!マーキュリー!!ジュピター!!ヴィーナス!!」「ククッ あはははっ」
そこには鏡に映っていたのと全く同じ光景が広がっていた。巨大なロウの前でウイッチーズ5が勢揃いして笑っている。―四人を助けなければ!!
「時空嵐撃(クロノス・タイフーン)」「深海鏡射(サブマリン・リフレクション)!」タリスマンを使った攻撃で、ウイッチーズ5はまとめて溶けて消えた。

「ウラヌス!ネプチューンプルート!!」セーラームーンはウラヌスに飛びついた。「―きてくれると思ってた」
解放された四戦士も荒い息をしながら喜ぶ。「ウラヌスネプチューンプルート!」
ウラヌスはしばらくセーラームーンと抱き合っていた。―ああ そうだほんとうは ―おなじ気持ちだった みすてることなんかできない
―ずっといっしょに戦いたいと思ってた 

衛は片手を覗きこむ。―そうだ 力をあわせて戦うんだ そして力が大きくなれば 不可能も可能に近づく



460: ◆P9MoonSjzo
09/02/06 21:48:54
セーラー戦士のブローチがハート型に変化した。皆は手を重ねあう。―あたしたちはセーラー戦士 ひとつになればどんな力も生み出すことができる
聖杯が現れ、セーラームーンは二段変身をした、「クライシス!!メイクアップ!!」
ネプチューンが手鏡で敵の居場所を移す。「スーパーセーラームーン!!上よ!学長室よ!」

学長室にはロウソクを手にしたカオリナイトの姿があった。部屋にはドロドロに溶けた人形が置いてある。―あれは!?あたしたちの形のロウ人形!?
「この秘術師(マグス)カオリナイトの最大の術を解いたか!!われわれのジャマはこれ以上させぬ!!」
カオリナイトは怪物のような醜い姿になり、グアッと襲いかかってきた。―ダイモーン!!

「あたしは救ってみせる!破滅の夢からこの星を!!虹色月心激(レインボー・ムーン。ハートエイク!!)」
カオリナイトは断末魔を上げて滅びた。カラン、とタイオロン・クリスタルが地に落ち、粉々に砕け散った。
―どんな迷宮に迷いこもうとも あたしは希望をすてない― 「さがすのよ!ほたるちゃんを」

―この要塞にたどりつき 秘術師カオリナイトまでふきとばしたか ―スーパーセーラームーン
―時は きた
このオメガ・エリアをわれらの聖地にするときが―!もうわれわれにおそれるものはなにもない この“幻の銀水晶”があれば―!!

ミストレス9はちびうさのブローチから銀水晶を抜きとると、なんとそのまま丸飲みしてしまった。

その瞬間、ちびうさの体がパァッと輝いた。―ちびうさ!?
●to be continued●


461:マロン名無しさん
09/02/06 23:08:18 0WLgfzNT
はるか達→ほたるを殺したい
うさぎ達→ほたるを助けたい


一見和解したように見えても、根本的な問題が解決してないから土壇場で再び決裂する気が

462:マロン名無しさん
09/02/06 23:10:22
変態はなぜ遠く離れたセーラームーンの姿が手にとるようにわかるんだ?

463:マロン名無しさん
09/02/06 23:14:43
まさかちびうさも悪人化しないだろうな。

男手を必要としないのはいつものことだがそれでいいのか未来のプリンス

464:マロン名無しさん
09/02/06 23:24:49
銀水晶はミストレス9の胃液で溶けて消えたのか?
溶けなかったとしたら取り返すためにはトイレタイムを見計らって…げふんげふん

>>263
非戦闘員同士である教授と衛のタイマン戦があったら燃える

465:マロン名無しさん
09/02/06 23:27:29
炎の武闘家(笑)は肉弾戦披露できてよかったな

それにしても蹴りを一発喰らっただけでダウンするマーズ…

466:マロン名無しさん
09/02/07 02:56:07
>>462
変態だからじゃね?w

467:マロン名無しさん
09/02/07 06:00:17
>>462
※変態はセーラームーンのスカートの中に小型カメラを仕込んでいます※

468:マロン名無しさん
09/02/07 09:32:33
内部太陽系四戦士がドロッと溶ける場面や
変態がちびうさを切り裂く場面が怖すぎる
自分が子供なら泣く

469:マロン名無しさん
09/02/07 09:35:27
>>463
ちびうさの体(器)は一応変態が守ってるから敵に乗っ取られる心配は…

…でも変態だしなあ

470:マロン名無しさん
09/02/07 13:08:52
変態「敵に乗っ取られるくらいならオレが乗っ取ってやる」

体はちびうさ!
魂は変態!

ちび変態「待たせたなセーラームーン!」

471:マロン名無しさん
09/02/07 19:08:27
>>470
バーローwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

472:マロン名無しさん
09/02/07 19:13:10
>>464
ケンシロウとヤムチャが戦ったらヤムチャに勝ち目はないだろうw

473:マロン名無しさん
09/02/07 20:13:06
>>470
頭と頭がゴッチンコして中身が入れ替わってしまうんですね、わかります

474:マロン名無しさん
09/02/08 13:38:51
でもマーキュリーの「電気は食うし…」って
つまり色んな計算機械の電気代は亜美もちだから嫌だなって事?
でも第一部でダイヤモンド割ってたよね…?

475:マロン名無しさん
09/02/08 15:42:29
>医学部なんてムリ
亜美ちゃん…あなたIQ300…
確か普通で80~100くらい、超天才のアインシュタインが180でしたよね…

476:マロン名無しさん
09/02/08 17:12:05
>>474
自分はそこ普通に読み飛ばしてて気づかんかった
亜美の使ってる計算機(?)やゴーグル、司令室のパソコン(?)等の
メンテナンスが大変て意味じゃないかな

477:マロン名無しさん
09/02/08 17:20:49
>>470
ゴクリ…そんな危険なこと…さ、させられるかよ!

478:マロン名無しさん
09/02/08 17:23:11
>作法がなってないわね
出会っていきなり蹴り飛ばす奴に言われたくねぇー

479:マロン名無しさん
09/02/08 17:24:58
>チャンスさえあればさっさとセーラー戦士をやめようと思ってた
セーラー戦士なんてバカバカシイコトはさっさとやめて……

ちょwリーダーwww

480:マロン名無しさん
09/02/08 17:28:20
プルートとネプチューン二人だけで
ウィッチーズ5を全滅させた件
タリスマン強すぎだろ

481:マロン名無しさん
09/02/08 17:31:23
>解放されたいんだうさ!ちびうさもほたるもオレが殺してやるぜ
そしてうさ!おまえもな!


プルート「やっと私たち一緒になれるのね」

482:マロン名無しさん
09/02/08 17:34:53
今更ながら気づいた
オメガ・エリアって無限洲のことか
マーキュリーいわくパワーがまるでオメガ(Ω)の形に渦巻いてるらしいから

483:マロン名無しさん
09/02/08 17:46:34
未来の地球の王の輝かしい遍歴

・変身能力を持たないただのコスプレイヤー
・夜な夜な怪盗の真似事
・女子中学生にいたづら
・悪の組織に荷担
・何の落ち度もない遠藤を殺害
・女子中学生を拉致
・幻の銀水晶強奪
・女子中学生に刺される
・なんちゃって失明詐欺
・生身で月面旅行
・タキシード・ラ・スモーキングボンバー
・熟女と不倫
・「うさこ…!かならずオレが助け出す(口だけ)」
・再び悪の組織に荷担
・近親相姦
・DV
・税金泥棒疑惑
・娘と合体←NEW!!

484:マロン名無しさん
09/02/08 17:52:44
ミストレス9がうさぎの銀水晶も飲み込んでしまったら
胃の中で2つの銀水晶が接触して世界が滅びるんじゃね?












破滅の神=ほたるの胃

485:マロン名無しさん
09/02/08 17:55:50
ちびうさが幻の銀水晶のことをほたるに喋っちゃったのが原因でこんな事態になるとは…
個人的にはNAOKOは結構伏線張るの上手いと思う

486: ◆P9MoonSjzo
09/02/08 21:42:11
Act35 無限9 「無限迷宮(ラビリンス・ムゲン)」2

カラカラと音を立てて、中身を失ったブローチが床に転げ落ちた。ミストレス9が銀水晶をごくりと飲み込んだ瞬間、すぐに変化は体じゅうに訪れた。
―おお!―力が!体の奥深くからみなぎってくる 飲みこんだとたんわたしの中にあふれかえる これが“幻の銀水晶”の力!!

“―おお!―感じる この力!タイオロン・クリスタルに近しい生命の光!ミストレス9!解放されたのか!それが「幻の銀水晶」の力か―!”
「師ファラオ90!あなたのために手に入れた力!いますぐあなたのもとへ!」ミストレス9はファラオ90のもとへワープした。

“―おお!なんという輝き!人間どもの聖体(オスティー)の何万倍もの巨大な生命エネルギー!タイオロン・クリスタルなど足元にもおよばぬ力”
ファラオ90は巨大な手を伸ばして祭壇に祀られていたタイオロン・クリスタルをへし折り、グシャッと潰してしまった。
“このわたしがふたたび力に満ちるときがきた!この星をわれらの第二の母星とするための いまこそわたしの「器化」のとき!
クククッ 「幻の銀水晶」よ!もっと!もっとパワーを!”

衛の部屋のベッドの中のちびうさの体が光輝き、衛は当惑する。「ちびうさ!?」―この光は!?なにがおこったんだ!?ちびうさの眼がカッと見開いた。
ミストレス9は更なる力を引き出そうとする。―もっと力を!もっと力の解放を――!ちびうさの体はがくがくと痙攣し始めた。「ちびうさ!?」

『―いけない!おさえなければ ―これ以上力を増大させてはダメ!力を解放させてはいけない!
“幻の銀水晶”の力 おまえなどにたやすく使わせてなるもんですか!!』聖体となったほたるは懸命に制止しようとする。
ミストレス9の額に痛みが走った。「―額が 額がわれるー!やけつくようだ!おおお……!」―だれかがわたしの中でわたしのカラダを
支配している―!わたしをおさえつけようとしている―!もうすこしのがまんだ 師ファラオ90の“器化”さえ完了すれば
こんな不都合な器などいらぬ―!こんなカラダなど食いちぎって この世界を支配してやる―!
『―そんなことはさせないわ!!』


487: ◆P9MoonSjzo
09/02/08 21:43:04
ちびうさの聖体は暗黒の中を彷徨っていた。―ここはどこ?くらくてこわいよ あたしどうしてこんなところにいるの?
―さっきからなにかがあたしを追いかけてくる!―こわい!だれか助けて!

『―ちびうさちゃん』ちびうさが振り返ってみると、そこには幻の銀水晶が浮かんでいた。―あ あたしの“幻の銀水晶”―!
―よかった これがないから不安だったんだ いつのまにか 身につけてないと いてもたってもいられなくなったの もうあたしのカラダの一部なの
『そうよ それはあなたと一心同体のあなたの心臓(ハート)のようなもの もうそれのそばをはなれたりしちゃダメ カンタンに人に見せたりしてもダメ
心にそっとしまって守って』ちびうさはふわりとした感覚に包まれる。―ママ……?―ううんママのうでの中とはちがう
―ひんやりしておおきくて―広くて とても安心する……

ちびうさをそっと抱き締めていたのはほたるだった。『―だいじょうぶ あたしが守ってあげるわ この美しく純粋な魂と“幻の銀水晶”手出しはさせない』
ほたるは決意の眼を向ける。『きっと助けてあげる』

ミストレス9は体の異変を感じた。―“幻の銀水晶”のパワーが弱まった―!!?
ちびうさの体は痙攣が止まり、手にも暖かさが戻ってきた。衛は信じられないようにちびうさを覗きこむ。
―だれかが ちびうさの魂を守ってくれている―!?

「だれもいない!」「こっちもだ!いったいやつらはどこにいるんだ!」ジュピターは焦る。「生徒たちがいなくてよかったわ」とマーキュリー。
「だけどひとっこひとりいないなんて まさかあたしたちまだ迷宮(ラビリンス)の中にいるんじゃ……」ヴィーナスが考え込む。

「建設中のままのビルがあんなに…… ―ここから三角洲と東京湾が一望できるのね」セーラームーンは不安げに窓の景色を眺める。
―まるで黒い怪物がひそんでいそうな廃墟…… 廃墟 あの廃墟のイメージ…… ―あれが未来のビジョンだなんて思いたくない―!
―姿の見えない敵デス・バスターズをはやくたおし こんな不安を感じずにすむ もとの平和をとりもどしたい―!


488: ◆P9MoonSjzo
09/02/08 21:44:26
そのためにもいっこくもはやくほたるちゃんと ちびうさの魂 そしてちびうさの“幻の銀水晶”を助け出さなければ
―セーラーサターンが目ざめるとき それじゃこの世のおわりのとき ……もとどおりの平和なんてとりもどせるんだろうか
ちびうさ……!ほたるちゃん……

マーキュリーがゴーグルを装着し、居場所を突き止めようと計算を始めるが…。
「―だめだわ 内部の構造も座標もつかめない 生命反応もなにひとつとらえられない…」
「この無限洲にはたくさんの強いパワーが集まってるわ それらが強く影響しあい この地はいま混沌としてるのよ」マーズが分析する。

ネプチューンがエレベーターの前に立った。「地下へいきましょう 地下には実験室が集中してる ダイモーンに遭遇できるかもしれないわ」
ヴィーナスが提案する。「ふたてにわかれよう あたしたちはこの56階から一階ずつ調べながら下へおりてく!
セーラームーンはウラヌスたちとエレベーターで地下へいって!」セーラームーンは一抹の不安に駆られる。―ふたてに―
「気をつけて」「あ―…」―マーズマーキュリージュピターヴィーナス……
三戦士はエレベーターに乗り込みセーラームーンを待った。「いきましょう 地下へ!」

土萌教授はなにやら実験をしながらエレベーターの階数表示を見つめ、ほくそ笑んだ。
「くくく 死刑台へのエレベーターにのったようだね 星の守護の光をもつかわいい者たち」―時は来た!長年の私の夢の結晶の晴れの舞台の時が!
わたしのワイフワーク 超生物―!人間の数百倍の頭脳と体力 ―いまの寿命の何十倍もの長命種!
それはほんのすこしの遺伝子操作と薬物投与 そしてサイボーグ化で可能だったのだ 天才であるこのわたしを追放したことを後悔するがいい
わたしが研究のためにこのオメガ・エリアを選んだのも ―そしてあの事故も すべて天が与えもうたチャンスだったのだ




489: ◆P9MoonSjzo
09/02/08 21:45:06
―あの事故のあと ほたるの体を大改造し わたしの夢の結晶「超生物」を誕生させる あの最大の実験中に
“教授!落雷が!!”“カオリくん!!”助手のカオリは雷に打たれ、その後大きな爆発が起こった。
むくりと起き上がったカオリの目はまるで別人のようにギラギラと輝いていた。その背後には異生物―ファラオ90がいたのだった。
―やつらは降臨してきた ―異界から卵をもって―

神がわたしを選んだのだ
ほたるの大改造はしそこなったが かわりにこうして わたしは卵の「器化」をおこなうチャンスを得た
教授はウイッチ―ズ5を思い浮かべる。―美しい完成体もつくりだすことができた

「そしてわが愛するダイモーンよ!われらデス・バスターズにとっては失敗作のなりそこないでも わたしの実験はおまえたちあってこそのものだよ
師自身の“器化”が完成すれば われわれは完全に存続することができる だがわたしはぜひとも“器化”をつづけてゆきたい!
わたしのような完全体をもっとふやすのだ!人間と異生物が合体した まったく新しい生命体“超生物”のわたしは発明者だ!わたしこそ神だ!」

『パパ……』高笑いする土萌教授を、部屋の隅でほたるが哀しそうに眺めていた。
●to be continued●


490:マロン名無しさん
09/02/08 22:43:10
今更だが、「ご臨終です」のあまりの展開に一瞬絶句w

491:マロン名無しさん
09/02/08 23:35:53
>>490
自分もそこ展開早すぎワロタw
アニメじゃ当然改変されるだろうな

492:マロン名無しさん
09/02/08 23:39:09 XgjRhey0
ほたる…自分だって未知の状況の中怖いだろうに、ちびうさを守ろうと頑張っていて健気だ

493:マロン名無しさん
09/02/08 23:43:52
うさぎは果たしてほたるの父を殺せるか心配
殺す殺さないでまたウラヌス達と意見割れそう

494:マロン名無しさん
09/02/08 23:47:09
ほたるは体はボロボロでも魂はこんなに強かったんだな
今までは気力だけでなんとか生きてた状態だったのかもしれん

495:マロン名無しさん
09/02/08 23:50:08
ほたるが銀水晶とちびうさを見つけ出して守ることができたのに対し、
ちびうさからはほたるの姿を見ることすら出来ないのは何故?

496:マロン名無しさん
09/02/08 23:53:42
ほたるパパ…

















死ね(#^ω^)

497:マロン名無しさん
09/02/09 00:00:37
>わたしのライフワーク超生物―!
人間の数百倍の寿命と体力―いまの寿命の何十倍もの長命種!

あと七年もすればほぼ全ての地球人が約1000歳まで生きる体になるって死ったら教授は発狂するなw
プルート教えてやれよw

498:マロン名無しさん
09/02/09 00:06:10
学会を追放され何もかもを失った教授に付いてきてくれたカオリさんの末路が悲惨すぎる
雷に打たれて敵に体乗っ取っられて最後はセーラームーンに殺されて…
ちょっと誰か追悼スレ立ててきてくれ

499:マロン名無しさん
09/02/09 00:14:15
土萌教授は自ら進んで悪魔に魂を売ったのか

ほたるを大改造して超生物を誕生させるつもりだったって
まるで実験動物並みの扱いじゃないか

でもほたるが偶然の事故で死にかけるまで大改造をしなかったってことは
やっぱり少しは父親としての愛情があったために躊躇していたんだと思いたい

500:マロン名無しさん
09/02/09 00:15:55
もしかして四守護神に死亡フラグ立った?

501:マロン名無しさん
09/02/09 00:19:15
師ファラオ90の器化って誰の体を乗っ取るんだ?
土萌父?

502:マロン名無しさん
09/02/09 00:44:14
>>501
どうせまた変態が寝返るんだろ

503:マロン名無しさん
09/02/09 00:45:37
>>501
冷凍保存しておいたほたるの母の体に入るんじゃない?

504:マロン名無しさん
09/02/09 00:46:41
>>501
天王はるか

理由:男女どちらも楽しめるから

505:マロン名無しさん
09/02/09 06:57:08
>>501
大穴でセーラームーン

506:マロン名無しさん
09/02/09 09:09:20
>>501
デス・バスターズ編はちびうさがヒロインみたいな感じだからちびうさに一票

で、ちびうさの体を守ってる変態もついでに捕まって洗脳されるパターンだろ

507:マロン名無しさん
09/02/09 09:12:02
>>495
破滅の神の魂はゴキブリ並みにしぶといから

508:マロン名無しさん
09/02/09 20:01:27
つーかほたるちゃんが本気でかわいすぎる…
あんなに健気で頑張ってるなんて本当に泣けるわ
戦えないのに頑張ってちびうさを守り続けるとかすごく萌える
「他人に見せてもダメ」って諭すのがすごくかわいい

509:マロン名無しさん
09/02/09 20:02:30
×すごく萌える
○すごく燃える

の間違いね

510:マロン名無しさん
09/02/10 08:18:17
ほたるがちびうさの魂を懸命に守ってるのを知ったら
ウラヌス達も考えを改めるかもしれないな
でもそしたらセーラーサターンが目覚めて地球が滅ぶか…うーん

511:マロン名無しさん
09/02/10 08:28:20
二手に別れるのになぜ四守護神がセーラームーンと別グループになったのか謎
プリンセスを守る戦士じゃなかったのか

512:マロン名無しさん
09/02/10 18:58:05
どうせ4人一気にやられる為だろ…(´A`)

513: ◆P9MoonSjzo
09/02/10 21:43:06
Act35-2

スーパーセーラームーンと三戦士の乗ったエレベーターは静かに地下へと降りていく。「うっ」突如スーパーセーラームーンはずりずりと崩れおちていく。
「……はっ はきそう」「だいじょうぶ?セーラームーンッ」プルートが心配する。ウラヌスは腕組みをしたままくすりと笑った。
「スーパーセーラームーンも エレベーターにのれば重力にはさからえないらしいな」

……どんどんはやくなる ―まるで 底なしの ―地獄へおちてゆくみたい…… ―こわい…
「……ヴィーナスたちは だいじょうぶかな」スーパーセーラームーンがぽつりと尋ねる。ネプチューンがクスッと笑って励ましてくれた。
「ついていきたかった?彼女たちならだいじょうぶよ」「……三人は こわくないの?」
スーパーセーラームーンはおどけたように笑った。「あたしはダメ☆なんかもうすぐびびっちゃって☆ ―こんな無人のゆうれいビルや
とまらないエレベーターにとじこめられちゃったりするとコーカてきめん☆」―これから大きな敵とたたかう そう思っただけで
「―まるで ひとりぼっちみたいな気がしてきて ―こわいの」―いやな不安ばかりおしよせてくるの……

「こんなものを孤独とはいわないよ 孤独とはもっと 無限にひろがるものなんだ あたしたちのいた場所みたいに」とウラヌス。
「―おしえて ウラヌスやネプチューンやプルートがいたところはどんなところだったの?」
三人は驚いたようにこちらを見ている。やがてウラヌスが静かに口を開いた。「さびしいところさ」
―だれもいない たったひとりぼっち だれも助けてくれない孤独な場所―……

―でも どんなときでも わたしたちはかなたの美しいシルバー・ミレニアムを 美しいクイ―ンとプリンセスの姿を思いうかべた
それはわたしたちにとって ひとすじの光だった


514: ◆P9MoonSjzo
09/02/10 21:43:48
ネプチューンは手鏡にセレ二ティの姿を映して微笑んだ。「―そう その光がさしこむと力がわいてきて できないことはなかった」
プルートもこちらを見据えて力強く微笑む。「その光はいつも だいじょうぶあきらめるなって わたしたちを導いてくれるのよ」
その言葉にスーパーセーラームーンは救われた思いだった。

「―長いな」「長すぎるわね」スーパーセーラームーンははっと我に返った。「……四人が心配だわ……」プルートが考え込む。
その瞬間、エレベーター内に耳をつんざく様な音が響き渡った。するとバッと底が開き、四人は暗黒の中に投げ出された。
「セーラームーン!」三戦士はぐんぐん闇の中へと堕ちていく。「ウラヌス!ネプチューン!プルート!」

― 一面の……闇――!?

―こわい……!ウラヌス!ネプチューン!プルート!声がでない―!みんなどこ!?
ヴィーナス!ジュピター!マーキュリー!マーズ!不安になるくらいならあそこで別れなければよかった ―まもちゃんちびうさ!
あたしいつもみんながいなくちゃなにもできない どうしたらいいの!!?こんな暗闇でたったひとりぼっちであたしになにができるの!?

―ひとすじの 光だった―
その光がさしこむと力がわいてきて できないことはなかった その光はいつも だいじょうぶあきらめるなって わたしたちを導いてくれるのよ

スーパーセーラームーンは闇の中に光明を見出した。―そう いつでも……みんながあたしをてらして導いてくれる
おしつぶされそうなときいつも思い出す ……あたしも胸の中に光をもっていたんだわ
それはみんなのひとつになった心― 信じるだけでいい 一瞬のうちにその光が輝きだす―!
あたしは スーパーセーラームーン ―みんなのさずけてくれた力で光輝く戦士―!あたしがこの闇をてらす光になる!
どんな暗闇にだって幻覚にだってまけない―!!「虹色月心激(レインボー・ムーン・ハートエイク)!!」


515: ◆P9MoonSjzo
09/02/10 21:44:20
闇は消え去り、四人はガクンとエレベーターの床にしゃがみこんだ。すると、ポーン、と音がしてエレベーターの扉が開いた。
「ようこそわたしの研究室(ラボ)へ まちかねていたよ ククッ わたしのカワイイダイモーンたちが腹をすかせてね」
エレベーターの前で待ち構えていた土萌教授の背後のダイモーンが、奇声を上げて襲いかかってきた。
「時空嵐撃(クロノス・タイフーン)!」「深海鏡射(サブマリン・リフレクション)!」
ダイモーンを二体撃破されても土萌教授は余裕の笑みを浮かべている。「クククッ!まだまだ!ダイモーンならいくらでもつくりだせるぞ!あはははは」
巨大な実験装置の中で、ダイモーンが今にも生まれ出そうとしている。

「もうやめて!!」スーパーセーラームーンが凛々しく立ちはだかった。「ここであなたたちと戦う気はないわ!ほたるちゃんはどこ!?」
「ほたる?―もとわたしの娘なら いまごろは聖なる神殿で タイオロン・クリスタルに近しい光 “幻の銀水晶”のパワーを
師(マスター)ファラオ90(ナインティ)にささげているところさ!」―師ファラオ90!?

地の底からズズズズと何かがせり上がってくるような音が聞こえてきた。「―おお!いよいよ師の胎動が始まる!」
ネプチューンが気付いた。「地下よ!」教授は白衣をバサッと脱ぎ捨てた。「残念だがここがおまえたちの墓場だ!」
メキメキと教授のシャツが破れ、筋肉がはち切れんばかりに盛り上がっていく。「このわたしの最初のえじきとなるのだ このゲルマトイドのな!」
そこにいたのはもはや人間ではなく、額に黒い星のマークが付いた怪物だった。「ダイモーン!!」

「わたしはダイモーンなどとはちがう!わたしこそ超生物!異生物と人間との融合体なのだ!死ね!」
教授の激しい攻撃を、戦士達はなんとかかわした。スーパーセーラームーンはロッドを構えたものの、攻撃を躊躇してしまう。
―これは数秒まえまでたしかにほたるちゃんのお父さんだった!
そうしている間にも、凄まじい攻撃がスーパーセーラームーンを襲う。



516: ◆P9MoonSjzo
09/02/10 21:45:11
「ヤツはもう人間じゃない!ダイモーンだ!敵だ!宇宙剣乱風(スペース・ソードブラスター)!!」
ところがウラヌスの体はバチッと弾かれてしまった。「ウラヌス!!」スーパーセーラームーンは意を決した。
「虹色月心激(レインボー・ムーン・ハートエイク)!!」「ぎゃあああああ」教授はグシャグシャに潰れて絶命した。

『―パパ ―ママが死んでからのやさしいパパは あたしをすくってくれたパパは もうすでにパパじゃなかったのね』
教授の残骸を見たほたるは俯くと、ふわりと消えていってしまった。『さよならパパ……』
「だれ!?」スーパーセーラームーンが振り向くが、そこにはだれもいなかった。―いま―だれかがそこに いたような……?

次第に地響きが大きくなり、プルートのタリスマンが光って危険を知らせた。―なにかくる!「時空球(ガーネット・ボール)!!」
プルートがタリスマンを掲げて自分達の周りに球体のバリアを張った瞬間、轟音と共になにかが天井を突き破って出て行った。
スーパーセーラームーンははっとして上空を見上げる。―上には四人が!!マーキュリー!マーズ!ジュピター!ヴィーナス!?

内部太陽系四戦士は異変を感じ、警戒しながら地面を見下ろしていた。―下からなにかくる―!?
その瞬間、ドオンと爆発音がしたかと思うと、四戦士の体は弾き飛ばされ、力なく宙を舞った。

なんの前触れもなく、シュン、とセーラームーンのコスチュームが通常のものに戻ってしまった。「セーラームーン!?」
―スーパーセーラームーンのパワーアップが解けた―!心のつながりがたちきれた―!?―四人の身になにかおこった!?

セーラームーン達がそのまま上昇していくと、空に黒い雲が立ち込めているのが解った。ガラス張りのビルの中には、
ミストレス9と巨大な化け物―ファラオ90がいたのだった。
―あいつは―!あれは……!ほたるちゃん!?
●to be continued●


517:マロン名無しさん
09/02/10 22:27:31
四戦士…
>>512の通りになったな
いいかげんヤムチャより酷い扱いに思えてきたのは気のせいだろうか

518:マロン名無しさん
09/02/11 00:14:12
土萌教授…あっさり死んだな

519:マロン名無しさん
09/02/11 01:20:24
やられやすいよう
化け物になる教授

520:マロン名無しさん
09/02/11 12:11:01
めっちゃ親切だな。

521:マロン名無しさん
09/02/11 12:14:12
戦闘が始まってから次回まで生き残ってる敵ってどれくらいいたかな…。

522:マロン名無しさん
09/02/11 19:21:19
>>521
変態とか

523:マロン名無しさん
09/02/12 12:36:27
あれは敵じゃなくて変態

524: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:49:59
≪かぐや姫の恋人≫
(1994年11月単行本かきおろし作品)

“―さびしかったわ ―わたしの最初のカケラを手にしたあなた ―あなたがわたしの永遠の伴侶”

「―彗星だわ」みちるの手鏡に大きな彗星の姿が映し出された。せつなが後ろから覗きこむ。
「ホントだ!太陽系のおおむかしの住人のご帰還ね」「おかえりなさいってとこかしら」「まねかれざる客にならなきゃいいけど」
はるかが目覚まし時計を二人に見せる。「きゃあ☆もうそんな時間!?」三人は急いで家を出ると、タクシーに乗り込んだ。

クラウンゲームセンターではうさぎやちびうさ、衛・美奈子達が三人を待っていた。
「おっそーいっ はるかさんvみちるさんせつなさんvやっときたきたv」「ハッピーバースデー 美奈子まことv」はるかは大きな花束を持っている。
さすが女子大生。せつなはワインとシャンパンを持ってきていた。「みんなvせっかくパーラークラウンかしきってくれたんだからいっぱい食べてね」
宇奈月が大きなケーキを手に微笑んでいる。元基も一緒だ。

うさぎはジュースを手に、乾杯しようとするが……誰か足りない。「―ごめん 大ちこく☆」「ルナ!アルテミス!ダイアナ!おっそ~~い!」
「アルテミスのせいよ☆むかえにくるのおそいんだもん」「なんだよっ いっつもボクがむかえにいってばっかでさ
たまにはルナのほうからむかえにきてほしーよな」喧嘩を始めた二匹を、美奈子が「ふーふゲンカはキリンのおさしみ!」という格言(?)で止める。
「とにかく はやく宇奈月ちゃんの手料理とまこちゃんのケーキを食べるために」衛がウインクして見せる。
「カンパーイ ハッピーバースデーッ!まこちゃん美奈子ちゃんv」

窓の外は雪が降り始めていた。“―ふふっ クスクス”薄い衣を纏った妖しい女が、この様子をどこからか見て黒く笑った。


525: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:51:20
十二月がやってきた。雪が舞い散る中、ルナは一匹でうさぎの家を出た。“ルナって一度も美奈子ちゃんちいったことないよね”
“そーいや いつもてってーしてアルテミスがむかえにいく役だよね”“へー ルナって女王サマなんだ―”……そんなつもりじゃなかったんだけど☆
“たまにはルナのほうからアルテミスのとこいってやったら?あいつきっとよろこぶぜ”……まもちゃんにいわれたんじゃしかたないわよね

―アルんとこいきたくないのはね理由があんのよ☆どうしても通らなくちゃならないこの大通り
むかしここで悪ガキに 額の三日月のバンソコはられた超やな思い出があるのよ~~

そうしている内も、子供達がルナの傍に寄って来た。ルナはひらりと身をかわす。ところが、子供はルナのしっぽをムギュっと掴んだ。
「つかまえた!」「見て見て―ヘンなのっ 三日月ハゲがある!」「ホントだ!」「ちょっとイタヅラしちゃおーぜっ おいだれかバンソコもってる?」「あ あたしある!なかよしのふろくーっv」
―おねがいそれだけはやめて~~ そこにバンソコはられると力(パワー)が……っっ

ベタッ

ルナの願いも空しく、子供たちによって額にセーラームーンの絆創膏を貼られてしまった。ルナはふらふらしながら逃げだした。
……ああ… 力がでない…… ……もうダメ……
ルナがよろけた拍子に、なんと車がこちらへ突っ込んできた。「あぶない!」……ああ ……死ぬ前に一度 アルをむかえにいってあげればよかった……

……なあに?あまーいいいニオイがする ここは天国かしら ……なんだか ……おナカがすいてきたわ
「あ 目 あけた いまおナカがなったよ黒ネコちゃん こんぺいとう食べるか?」ルナは信じられない思いで目の前の白衣の若い男を見つめた。
ルナが擦りむいた前足にはハンカチが巻いてあった。「しかしおかしな所にバンソコはってるな ケガでもしたのかな どれ」
彼は一気に絆創膏を剥がした。「―こりゃまたキレイな三日月ハゲだなあ ムリヤリはがしていたかったかい?ゴメンゴメン」


526: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:52:09
「おい宇宙(おおぞら)!」別の男が勢いよく部屋に入ってきた。「姫がもどってきてるぜ」「ホントか?」
その瞬間、彼は胸に痛みを感じて顔を強張らせた。女がドアをコツンとノックする。
「スペースマンは体力第一!あいかわらずしろいカオしてるわね 翔(かける)!」「オレはしがない地上勤務だよ ―姫」

宇宙開拓事業団の職員は姫子登場にどっと沸く。「ひさしぶり!姫!どうだったの?クリスマスイブの月世界旅行のクルーの最終選考は」
「ケッカまちよ 一週間後」姫子は宇宙飛行士になりたくてケネディ宇宙センター勤務まで希望したらしい。
「クルーに選ばれるよ 姫ならぜったい 今度のスペース・プレーン“ルナ・フロンティア”計画(プロジェクト)の
ペイロード・スペシャリストに 二十二歳の最年少宇宙飛行士の誕生はもうすぐだな」と翔。
「あたりまえよ!ぜったいなってみせるわ 体力と腕力根性なら自信あるのよ!」

“あいかわらず名夜竹(なよたけ)姫子は 姫というよりサムライだな それにくらべてどっちかってーと
姫の幼なじみどの 宇宙翔ハカセのほうがまるでおヒメサマみたいだな”“あいつまた彗星発見したんだって?”“さすがハカセ!”
“しかもその彗星にさ 「プリンセス・スノー・カグヤ」って命名したんだって”“オレ見たよ テレビのインタビュー
彗星が月から流れてきたみたいに見えたからなんだってさ”“博士というより 「宇宙少年」”職員達はくすくす笑っている。

姫子はその様子を見て少し寂しく思った。―翔ったらきこえてるクセに 男らしくおこればいいのに ―ムカシはあんなじゃなかったのに
―最年少で アメリカで 航空宇宙工学 科学 物理 生物 医学の博士号をとろ いままでにないカンペキな資格で
宇宙少年団からの初の宇宙飛行士になるはずだった翔 でもスペース・プレーンの最終選考で ―クルーには選ばれなかった……
みんなびっくりしたっけ だれもが翔は確実って思ってたから ―でももっとびっくりしたのは
それきり翔が一度も宇宙飛行士の募集にチャレンジしてないこと ―なぜ?


527: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:52:54
―宇宙(おおぞら)さんか ホントに宇宙飛行士みたいな名まえ
宇宙開拓事業団では緊急会議が開かれ、ルナは窓の外から会議の様子を眺めた。「―まだ極秘であるが
数日まえ わが宇宙開拓事業団職員であり工学博士である 宇宙翔の発見した彗星プリンセス・スノー・カグヤ このとつぜん現れた彗星が
信じられないことだが 地球衝突軌道にあることが今期判明した」―なんですって!?
「直径10キロメートル― 恐竜絶滅の時とまったく同じ大きさの彗星の地球衝突― 各国で緊急会議が開かれている ―なんとかしなければ」

「彗星が地球に衝突!?」ルナの報告にうさぎ達は唖然とする。「―まさか パーティーのとき せつなさんやみちるさんがいってた彗星―!?」
「―直径10キロクラスの天体との衝突なんて一億年に一度の確率よ そんななことがおきるなんて」亜美は信じられない様子。
ルナははるかに電話を掛けた。「軌道計算したの 発見時から軌道が変化してるわ たしかに地球衝突軌道で―」「わかってる」

みちるはじっと手鏡を見つめた。「―彗星の輝きが なくなっていく― ―見えなくなったわ ―安心して消滅したみたい」
うさぎ達はアルテミスから彗星消滅の知らせを聞いて安心する。ルナもまた笑顔を取り戻した。

「まさか“プリンセス・スノー・カグヤ”がとつぜん消えてしまうなんてな」ルナは再び宇宙開拓事業団を訪れた。
「太陽に急激に接近してもえつきたって発表だ 大さわぎしなくてよかったよ」「……流星雨が見れなかったな おっかしーなー
もえつきたなら見えるはずなのに」―いた 宇宙さんだわ 「おヒメサマの残がいが見れなくて残念だったな翔」
ルナが窓の淵にハンカチだけ置いて帰ろうとすると、職員に見つかってしまった。翔が手招きする。「―オレの客だ やあよくきたね」

「もえつきて消滅した か 残念だな」……また 部屋の中へいれてもらっちゃった  ルナはハンカチを口にくわえ、なんだかそわそわしてしまう。
「コレ……もしかしてあのときケガにまいてやったハンカチ?すごいなきみのご主人はとても礼儀正しくきみを育てたんだな
こんなレディーにははじめて会ったよ」


528: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:53:37
翔はミルクのお供に、とこんぺいとうを差し出した。ルナは赤くなる。―紳士だわ あたしこそこんなふうにあつかってもらえるなんて
「おまえの名まえは」「ル」―っととあぶないっっ しゃべっちゃいけないんだった!
ルナは何か名前のヒントになるものはないかと辺りを見渡し、開かれた雑誌のページに気が付いた。ルナはトントンとそのページを叩く。
「え?ナニ?ルナ・ローバー? ―ルナ!ルナっていうのか?そっか!―ルナか 今度フライト予定のスペース・プレーンも
“ルナ”って名まえなんだよ いい名だな オレの名まえは宇宙翔だよ よろしくなルナ」―すごい コミュニケーションできちゃったわ

ふと机の上を見ると、シャーレの中に幻の銀水晶のような形の結晶が収められていた。「キレイだろ?彗星を見つけた夜ひろったんだ」
翔はシャーレを光に透かして覗きこむ。「あのときあの彗星もこのカケラも ちょうど月からおちてきたように見えたんだよな
かぐや姫のおとしものかな オレ 月にはかぐや姫が住んでるって信じてるんだ」

「それで彗星に“プリンセス・スノー・カグヤ”なんて名まえつけたの?」部屋の前に姫子が立っていた。
「夢みたいなことばっかいってるから みんなにカゲで“宇宙少年”なんていわれるのよ もうすぐ三十になろうってヒトが☆」
「翔!姫!ミ―ティングはじめるぞ」姫子は翔を置いてさっさと行ってしまった。「姫―」そのときまた翔の胸に激痛が走った。
ルナは慌てて駆け寄る。「…だいじょうぶ ルナ いつものたちくらみさ… ―-このこんぺいとうのふくろについてるリボン
ルナににあいそうな三日月色だな」翔はルナの首にリボンを巻くと、額をチョン、と突いた。「また遊びにこいよな ルナ」ルナは完全にのぼせてしまった。

最近ルナの様子がおかしい、とダイアナがうさぎに訴えた。なんでも話しかけてもうわの空で毎日一人でどこかへ行っているのだという。
しかもこのごろこんぺいとうばかり食べているらしい。「ルナならたまにウチきてじっと本読んでるケド?」と亜美。
そのころルナは亜美の家で竹取物語を読んでいた。―ナルホド かぐや姫ってのは 月からきて月へかえってくお姫サマのことなのか



529: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:54:57
「結晶が成長してる―!―信じられない」―断定はできないが ものこの結晶があの彗星の核から飛来したものなら
太陽系発生のナゾがいっきに明らかになるぞ あの彗星が消えるまえにサンプルリターンできたらよかったのに 残念だな
翔は顕微鏡で結晶を観察していたが、疲れたのかそのまま机で眠ってしまった。ルナはクスッと笑って毛布を引きずってきて掛けてやる。

宇宙開拓事業団から帰宅するルナは、家の前でのうさぎと衛のキスシーンを目撃してしまった。顔から火が出そうなルナ。

風呂上がりのうさぎからはなにかいい香りがした。「ポプリよ ひきだしに入れてあるからパジャマににおいがついたんだわ」
ルナがさりげなく尋ねてみる。「…うさぎちゃんて まもちゃんと二人でいるトキさ いつもどんなハナシすんの?」
「まもちゃんていっつもムズカシイ本ばっか読んでて相手なんかしてくんないわよ あたしばっかししゃべってんの で すぐソファでねちゃう」
……なんか 翔さんとそっくり 「でもさ そーゆーマイペースさって 気をゆるしてるからなんだって思うのよね」―そう?―そうかしら
ルナはドキッとする。「まぁもちゃんのネガオって子どもみたいでかあわいいのよっっv」「わかる!でしょでしょ?」
「……ルナ だれのコトいってんの?」ルナは我に返った。「アルテミス?」「いっいーじゃないっだれだってっっ」「ふぅーんv」

「……ねえ うさぎちゃん キ ―キスってどんな味がするの?」
予想もしなかった質問に、うさぎはカアーッと耳まで赤くなってしまった。「あ あまいっ 味 かなっ なんちゃってーっ」笑ってごまかすうさぎ。
―あまい味…… ―あまい味って こんぺいとうみたいな味かしら

「またそんなもの食べて!糖尿病になるわよ翔!」「姫 好きなんだよこんぺいとうが 星のカケラを食べてるみたいでいーだろ?」
「もう十一時よ!さっさときりあげて帰りなさいよ あしたにひびくわよ」姫子は部屋に入ってくると、ルナをつまみ出そうとした。
ところが、姫子はルナを抱いたまま足元の分厚い本に躓いてしまう。「あぶない!」翔が駆け寄ろうとするが、不意に痛みを感じ、床に座りこんでしまった。




530: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:56:03
「翔!?どうしたの!?」「―いや… ちょっと立ちくらみ…」「―ちゃんと自己管理してるの?―そんなんじゃ宇宙飛行士なんて ゼッタイ ムリね」
「……オレのぶんも見てきてくれよ 宇宙を さ もうアメリカもどるんだろ?」
姫子は悲しそうにしばらく翔の顔を見つめた。「……そのぶんじゃ知らないのね 気にもかけてくれないんだあたしのコトなんて」
姫子がテレビをつけると、ニュースでは選ばれた四名のクルーが紹介されていた。その中に姫子の姿は無かった。

「あたし おちちゃった 最終選考に ……またアメリカもどって一から出直しよ 部長と局長にいわれちゃった 女のコはヨメにいったほうがいいって」
「チャンスなんかまたいくらでもあるさ」「もちろんよ!本気だものあたし 一回おちたくらいで あきらめたりしないわ」
「……あなたとちがって あたしは夢を忘れたりしないんだから」姫子は感情を爆発させると、バタバタとその場を後にした。

―どっ どうしよう☆
ルナがおろおろしていると、翔は優しくこう言った。「……おナカすいたかい?帰ろっか」―宇宙さん……
「粉雪だ 今年はさむいな たしか冷蔵庫にミルクが…」翔が自宅の冷蔵庫を開けたとたん、またも胸を激痛が襲い、翔は座りこんでしまった。
「―だいじょうぶだよ ルナ…… 薬を……」ルナに取ってきてもらい、翔はたくさんの種類の薬を飲んだ。
―なんの薬なんだろう ああこんなトキ まもちゃんやあみちゃんたちがいたら適切な処置をしてあげられるのに
翔はソファに横になると、眠ってしまった。ルナはソファの傍の壁に飾ってあった宇宙の写真に気づき、見とれてしまう。……キレイ… 日がのぼる瞬間ね

「ルナ」呼ばれて、ドキッとする。いつの間にか翔が目を覚ましていた。「おまえ ずっとおきてついててくれたのか?」「ニャーオ」
翔はルナを抱き上げ、窓の外の光景を眺めた。「雪がやんだな もう夜明けだ ごらん 美しい地球の朝だ」
「ルナ ―宇宙から見る夜明けはもっとスゴいんだ もっとずっと 美しい― おまえにも見せたいな ルナ 二人で見にいけたらいいな」
にっこり笑いかける翔に、ルナの心臓は高鳴った。



531: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:56:36
「おまえはいいニオイがするなあ 花のニオイ?」翔はルナに頬ずりをした。「ポプリのニオイだ ご主人サマのかい?」
翔はベッドに寝転んだ。「おまえといるとホッとするよ おまえとならなんでもわかりあえそうな気がするな」翔はそのまま眠ってしまった。
―あたしも そう思うわ……
ルナはドキドキしながら、眠っている翔にそっと近づいた。顔を顔が近づいてゆく。

……チュ

ルナは恥ずかしさのあまりパッと顔を上げると、急いで翔の部屋を出て行った。―ああ 世界はなんて 美しいのかしら……
……キスしちゃった ……あたし ……あのヒトが ……好き  翔さん……

翔が起きると、もうルナはいなかった。「ルナ?帰ったのか」暖房を入れようと、翔が立ちあがると、壁に飾ってあった宇宙の夜明けの絵ハガキが目についた。
画鋲を外し、裏返して見る。それは姫子が翔に送ったものだった。「……有休いっぱいあまってたっけ」翔は勤務先である宇宙開拓事業団に電話を掛けた。

―翔さん もう出勤してるかしら
ルナが翔の職場に赴くが、翔の姿は無かった。「もしもし?宇宙?あさってまで休暇?わかったいっとくよ いきさきは?ケネディ宇宙センター?」

ほどなくして、翔の乗った飛行機の翼に乗る黒ネコ―ルナの姿があった。子供がそれに気づいて騒いでいるが、翔は考え事をしていて気づく素振りもない。

―なんだか消えちゃいそう… どうしてきゅうにケネディ宇宙センターへなんて……?
翔はケネディ宇宙センターの近くでただ空を見上げるばかり。「ニャーゴ」振り向くと、草むらの中からルナが現れた。
「ルナ!?まさか☆でもこの三日月ハゲはっ☆まさかおまえのご主人はNASA勤務なのかっ!?」翔はルナを抱きよせた。
「信じられない…… ホントにルナなのか こんなところで会えるなんて……
―オレを おいかけてきたのか?」翔はクスッと微笑んだ。
……どうして わかっちゃうの? そうよ おいかけてアメリカまできちゃったわ……


532: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:57:22
「……オレも未練たらしいヤツだよな いまさらこんなところへきて …おまけにオレはやなヤツさ 姫がクルーに選ばれなくて ホントはホッとしてる」

“あ!流れ星だ!”“ホントだ!”“宇宙飛行士になれますよーに!”“あたしもあたしも!なれますよーにっ!”
“なんだよ 姫子も宇宙飛行士になりたいのかよ”“そーよ あたしだって見てみたいもん 月にホントにかぐや姫がいるかどーか”
“じゃ 二人いっしょに宇宙飛行士になろっか”“ホント?”“そいで二人でかぐや姫がいるかどうかたしかめるんだ”
“約束よ 二人でゼッタイ宇宙飛行士になって 月へいこーね”

「……あんなにカンタンにたくさんのヤツが 宇宙へいける時代になったんだなぁ」翔は切なげに空を見上げて呟いた。
“あなたとちがって夢を忘れたりなんかしないわ”……このヒトは 夢を忘れてなんかいない
宇宙飛行士になりたいのね 翔さん……

「―う!」突然、翔は胸を押さえてその場に倒れ込んでしまった。―翔さん!?―どうしよう!―だれか!よんでこなきゃ!
ルナは懸命にケネディ宇宙センターの姫子の元へ走った。「あらっ!?このネコちゃんはまさか―!?―まって!どこいくの!?」
走り去っていくルナを追いかけていくうちに、姫子は倒れている翔を見つけたのだった。

「拡張型の心筋症―!?」姫子は目の前が真っ暗になった。「しかも不整脈をともない手術もできない 宇宙飛行士なんてとんでもないのさ ヤツは
無理は禁物だ 日本へ帰って早く入院させろよ」姫子はその言葉に従い、翔と共にアメリカを後にした。
「―姫 ごめん おまえまで日本に…」「あたりまえでしょ ほっとけるわけないじゃない あなたが入院してちゃんとよくなるまで日本にいるわ」

ルナは翔が所持していた薬の一部を亜美に見せた。「この薬はジキタリス 利尿剤血管拡張剤 パラパミル心臓の薬ね その人―心筋症じゃないかしら」
―心筋症― ―心臓の病気だったの!?翔さん……




533: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 21:58:05
「恋ね ルナはカンッペキ恋をしてるわよ」美奈子の言葉にアルテミスは大ショック。「ル ルナがこいっ!?だれにっっ!?」
「すくなくともあんたじゃないわねきっと」アルテミスは白目を剥いて放心してしまっている。
「ポーッとしてる回数が多い 行動がつかめない オシャレになった リボンをしたりポプリのにおいとかさせたり」はるか達三人もそう言って同意する。
「それにいまさらあたしとまもちゃんのことをいまさら気にするよーになるなんてっ 恋しかないわよ!ねえ?」とうさぎ。

「だいたいあんたが手ヌキしてるからいけないのよアルテミス!さあんじゅっせいきの未来でいっくらケッコンして
ダイアナちゃんって子どもまでいるからってアグラをかいてるよーじゃダメね!未来なんていくらでもかわるんだから」
美奈子の強烈な一言にアルテミスは完全にノックアウトされ、すごすごと去っていった。

「ルナが恋かあ…… なんかわかるような気がするな ……センパイ…v」「そうねえ たしかにこんな季節はむかしの恋なんか思い出しちゃうわね」
「……初恋… バレー部の東センパイ…v(でもあたしがころしちゃたんだっけ)」まこと・レイ・美奈子はみんなしんみりしてしまっている。
「どっどーしたのよみんなまできゅうにっっ」「うさぎにはわかんないわよ あたしたちの気持ちなんてさ」
「クリスマスまえはね だれでも恋をしたくなるのよ イブの夜にひとりぼっちなんてさびしいもの」とまことは溜息をつく。
みちるははるかにぴったりとくっついた。「そうよねえ」「さびしいのはイヤよねえ」

“―クスクス ―ふふっ ―そうよ ―さびしいのは イヤ”

「そっかもうすぐクリスマスかあ ……パパ ママ……」ちびうさまでしんみりして泣き出してしまった。「なんだなんだちびうさまでっ」
うさぎと衛は困惑する。そこで亜美が提案をした。「みんなでクリスマスパーティ0しない?きっと楽しいわよ」「ホントッ!?」
さっそくちびうさが食いついてきた。


534: ◆P9MoonSjzo
09/02/12 22:00:32
「あのね毎年クリスマスにはね 主役をきめるの」「主役?」「そう それで主役にはパーティーでいちばんほしがっているものを
みんなでプレゼントしてあげるのよ」とちびうさが楽しそうに答えた。
“スモール・レディ 今年のクリスマスの主役(ヒロイン)が あなたよ さあ目をあけて みんなからのプレゼントをうけとって”
“はじめましてスモール・レディ あたしはダイアナ よろしくね”“すごーい どうしてあたしのほしいものがわかっちゃったの?パパママありがとーっv”
「楽しかったな みんなでやったクリスマスパーティー 今年はだれを主役にしようかな」とちびうさはうきうきしていたが……
また両親が恋しくなって泣き出してしまった。衛はおろおろするばかり。

「入院の手続きはしといたわ お見舞いにいくわ なにか必要なものある?」姫子が翔と電話を掛けた。
「ありがとう 姫 だいじょうぶ これから研究室によってから病院へむかうよ」

翔が研究室に向かうと、なんと結晶が何十倍もの大きさに成長していたのだった。―結晶が……こんなに巨大に成長してる―!?バカな……!
―まるで人の形のようだ……!これはいったい……!?
またしても翔を胸の痛みが襲った。―苦しい… このごろ発作の回数がふえた オレもそろそろおはらい箱ってところか

J医科大学病院のベッドで翔が寝ていると、いつの間にか窓が空き、冷気が入ってきた。翔は一気に意識を覚醒させる。
“―さびしかったわ”「…だれだ?」なんと開いた窓にあの結晶が現れ、次第に女の形になっていった。
“―わたしのカケラを最初に手にしたあなた わたしはスノー・カグヤ あなたに名をもらった者”
「……オレを むかえにきたのか…?」女はただ妖笑を浮かべている。「……オレはもうすぐ死ぬのか ……そうか
……心配しなくてもオレの両親はずいぶんむかしに死んだし ほかに悲しむ人もいない… 思いのこすことはなにもないよ いつでもつれていってくれ」
“―さびしいのね あなたのさびしさが すこしわかる ―わたしも孤独だったわ 45億年たったひとり……”
●to be continued●




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