07/09/20 19:58:34
「……がみ……みくん………おーい最上くん!!」
「ふぁああいいっ!?」
叫ばれた驚きで飛び起きると、ソファに身体を預けていたキョーコの目の前には、いつもどおりの派手派手しい扮装をまとった社長がいた。
「いつまで寝てるつもりだ?まあ泊まっていってもらっても俺は構わんが、どうせクーの野郎の朝飯の用意に早く起きるんだろうから帰ったほうがいいんじゃないのか?」
「……え?」
「なんだ寝ぼけてるのか?よっぽど疲れてるんだな、お前さん玄関で俺を待ちくたびれて寝てたらしいぞ?」
「あ…れ……そうですか…?…すみません、ご迷惑をおかけして…」
「クーの居場所を知りたいらしいが、あいつは今日はここには」
「あっ、あの社長っ!」
「ん?」
「こっ、ここに今日…妖精…じゃなくてっ、金色の髪をした男の人……いません…か…?」
返答を待つキョーコを、ローリィ宝田はじっと探るような瞳で覗き込む。
「…いるぞ」
「本当ですか?!」
「最上くんもよく見てるだろう、俺んとこには常時いろんな国のダンサーが待機しているんだ!
一緒に踊りたくなったのか?早く言ってくれればいつだって、そうだ、なんなら今呼んでやろう」
「ちっ違います結構です!!」
「そうか?残念だなあ、いや確かに着替えたり踊ったりで不眠のまま朝を迎えてクーの食事の世話は不憫だしな」
「あ…あの……じゃあ…」
「ん…なんだ?」
「……敦賀さん…は……?」
「蓮がどうかしたか?」
「…あ…いえ……な、なんでもありませんっ、今日はもう失礼しますっ」
パタパタと慌てて帰っていくキョーコを見送り、ローリィはふぅ、とひとつ、大きな溜め息をついた。