08/08/26 09:22:58 ErAnJTU+0
赤塚先生がなくなって三週間程が過ぎました。闘病生活が約六年に及んだこともあり、心の隅で覚悟しておりました。
思えば深夜の新宿の繁華街で、ゴミ箱に捨て置かれたキャバレーの制服を着て「俺が物陰に隠れるから、お前はポン引きしてよ。」と突然言い出したり、
真冬の軽井沢で、裸のまま木の上からアイスバーンになった地面にダイブして「ムササビになったよ。笑ってもらえるなら死んでもいいと思って」
と胸を血に染めながら苦笑いしてみたりとその行動は予測できないものばかりでしたが、お笑いやギャグに対しては独自の視線と厳しい観察眼の持ち主でもありました。
「お笑いをやるならお笑いは見るな。新しさのヒントは他の分野にある。下品であることは一向にかまわないけど下衆には絶対になるな。」
など知らず知らずのうちに胸に刻まれた言葉や教えエピソードは枚挙にいとまがありません。
私をこの世界に導いてくれただけではなく、それら全てが私の芸能生活に生きています。“芸人タモリ”の大半は先生が残してくれた物で出来ていると言っても過言ではありません。
けじめも意味もない荒唐無稽とも思えるギャグに隠された反骨精神や哲学こそ先生の真髄だったと改めて感じます。
私にとって肉親同様の存在でしたから喪失感も一際大きいのですが、
ただ今はこれまでの数々のご恩の感謝をするとともにご冥福を祈るばかりです。
タモリ