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「おやおや、いきなり何ですか?
貴方を襲った人が誰なのか分からない以上私の仲間かどうかなんて分かりませんよ。
それと街の敵か味方かという質問にも答えかねます、街に聞いてみないと分かりませんから」
空虚な声が通りに響く。
「貴方こそ何者なのです? この街の正義の味方とかですかね。
私が貴方にとって敵か味方か試してみますか?」
あからさまな挑発。そこに敵意と、そして言葉とは裏腹に逃がす気配が無いことを感じ取った。
しかし、彼の返答は決まっている。
「確かにそうだな、お前が敵か味方か、私を知るはずが無いのに答えられないのは当然だ、悪かった。」
さも当然のように頷きながら。
この状況でもマイペースを貫いていく。
「正義の味方、というのは違うな、雇われればどちら側にもつく…が、この街は居心地が良いのでね、
自分の為に騒ぎを鎮めに来た、といったところかな。そして試すのは…」
言葉を切り。
「よしておこう。私は専守防衛。お前から仕掛けるというのであれば別だが。それに、まだ情報が無い。出来れば逃がして欲しいものだ。」
そしてそのまま、棗を通り過ぎようとする。
彼にとっては、攻撃とは自己防衛の手段であり、自ら行うものでは無い。
「ところで、向こうの方に何か大きな気配を感じたのだが、…知り合いか?」
夕護の指差した先は、氷室が向かった公園の方角。
【敵意は今のところ無し】
【黒部夕護:遼太郎に逆に質問する。】