10/06/10 18:19:55 O
>>41
「危険なのは……知ってますよ……」
哀は女性の眼を見つめかえしそう答える
「あなたのいうチカラというものなのかどうかはわかりませんが……
特殊な体質のようなものなら……あります……
といってもあなたやもう一人の男の人と戦って自衛できるほどのものでもないですが……」
哀は女性のことを信じ、自分のことについて話しだす
「毒に愛された女(ポイズネス)って知ってますか
結構マイナーな都市伝説みたいなんですけど……
それが私なんです
体が……厳密に言うと体液が毒なんです
今までこの毒で何人もの人を殺しました……
母もこの毒で私を産んですぐ……」
哀は少し下を向き自分の胸に手をあてる
「父は私の毒を知るとすぐ私を咸簑山に捨てました……」
咸簑山(みなみのやま)とは角鵜野市の南にある山である
「まだ幼かったので父のことはほとんど覚えてません
覚えているのは父の名前と最後に言った言葉のうちの三つの単語
『能力』『機関』『化身』だけです
それであなたたちの話にそのうちの二つが出たので気になったんです」
哀はまた顔をあげる
「私……父に会いたいんだと思います
ずっと父は私を捨てた悪いやつだと思って父を忘れようとしてきたんですが……
なぜか父を知りたいと、父が最後に言った言葉を最後まで思い出したいと思ってしまうんですよ
父を知れば父に近付けるから
だから知りたい
知りたいんです」
【阿合 哀:海部ヶ崎 綺咲に自分の能力と過去を打ち明ける】