10/06/06 18:30:16 O
>>31
「す、すみません!!とっさの事だったので……お怪我とかしておられないでしょうか?
気分が悪くなってしまったりとか、体調がすぐれなかったりとか……」
女性は口から手を放したあとそう話し掛けてくる
あまりにも丁寧なその口調に哀は少しとまどう
そしてとりあえず気を遣ってもらったことに対してお礼を言おうとするがその瞬間
ファンファンファンファン―――
パトカーのサイレンの音が聞こえてくる
その音に目の前の女性はびくりと反応する
そして女性は哀の手をとり引っ張りだす
「すみませんが、ちょっとこっちに!!事情は後でお話しいたしますので、いまはこっちに!!」
その緊迫した言い方に哀は何も言うことはできなかった
――AM11:30 とある公園 ベンチ
「飲みもの買ってきました。お茶でよかったですか?」
軽くありがとうございますと言い、女性からお茶を受け取る
「さっきはすいませんした。警察に捕まったらいろいろと私が困るので、こんな無理やり連れてくる形になってしまって。
こっちが喋ってばっかりで悪いのですが、あなたは見ていたのですよね?私とあの男の戦闘を。」
落ち着いたところで女性が話し掛けてくる
ここで嘘をつく理由もないので素直に肯定する
「それで逃げなかったのは、やはり……チカラを?」
この質問には少し答えるのをとまどった
質問されてから一瞬時間をあけたあとで曖昧な返事を返す
「逃げなかったのは……ただの好奇心です
あんなのを見るのは初めてでしたから
それにあなたたちが話していることに興味があって……」
嘘は話していない
何かあれば自分の毒でなんとかしようという気は全くなかったのである
「教えてください
能力って何なんですか?
機関って何なんですか?」
【阿合 哀:海部ヶ崎に能力、機関について問う】