【邪気眼】二つ名を持つ異能者達at CHARANETA2
【邪気眼】二つ名を持つ異能者達 - 暇つぶし2ch31:海部ヶ崎 綺咲 ◆3LPMHhiq9U
10/06/06 01:04:41 0
>>26-28
「一つ言っておきますが、貴方が私達を追っているとしてもそこらの下っ端からではなんの情報も得られませんよ。
私くらいのレベルでなければ何も知らないでしょう」

それだけ言い残すと、棗はあっさりと引き上げていった。
立ち去った後も、用心深く周囲の気配を確認するもどうやら本当にこの場を去って行ったらしい。
はぁ、と安堵の息を漏らした後に慌てて少女の口から手を放した。
(この人、別荘地にいるって事はもしかして、この辺りのどれかの家の持ち主?となると、お嬢様ってことになるのかな……)

「す、すみません!!とっさの事だったので……お怪我とかしておられないでしょうか?
 気分が悪くなってしまったりとか、体調がすぐれなかったりとか……」
海部ヶ崎の口調は元から丁寧の方だが、今は勘違いによって更にバカ丁寧なものへと昇華していた。
あまり同世代で、しかも初対面の相手に使わないだろう言葉遣いでなおも少女の身を案じた。
必死に心配する長身の女性に見上げる形になっている少女が何か言おうと口を開いた、その時……

ファンファンファンファン―――

遠くからパトカー用のサイレンが木霊しているのに気付いた。
(……そうか、しまった!!車があるということは近くに人が居るって可能性もあるから、誰かに通報されたのかも。まずい……)
チラ、と振り返ると山となっている廃車達。
そして目の前には金持ちのお嬢様(勘違い)。
(確か、父上が言っていたな……ヤバくなったら逃げろ、と。)
ギターケースの紐をギュッと握りなおし、野球帽を深く被りなおすと少女に顔を合わせた。

「すみませんが、ちょっとこっちに!!事情は後でお話しいたしますので、いまはこっちに!!」
そう言いながら、海部ヶ崎は少女の手をサイレンと逆の方角へと引っ張っていく。
やはり体格の差か、それと事態が飲み込めていないのも合わさって
少女は言われるがまま、引っ張られるがままに海部ヶ崎と共に住宅街の方角へと走る羽目となった。

――AM11:30 とある公園 ベンチ
随分な距離を走破し、二人は住宅街の隙間に出来た小さな公園に行き着いた。
遊具らしきものは何も無く、ただ住宅を守るグリーンのネットとベンチが二脚設置されているだけの広場だ。
「飲みもの買ってきました。お茶でよかったですか?」
そういって、片方のアルミ缶を少女に手渡す。
相変わらず丁寧な口調だが、幾分か緊張も疲れによってほぐれてきた様だった。
二人は冷たいお茶で一服し、落ち着いてきたところに海部ヶ崎が話を切り出した。
「さっきはすいませんした。警察に捕まったらいろいろと私が困るので、こんな無理やり連れてくる形になってしまって。」
ほぼ元の口調に戻り、最初に謝罪を述べてから、
「こっちが喋ってばっかりで悪いのですが、あなたは見ていたのですよね?私とあの男の戦闘を。」
それに少女は肯定の意を述べる。
「それで逃げなかったのは、やはり……チカラを?」
その問いに少女は…………

【海部ヶ崎 綺咲:阿合 哀に能力者なのかどうかを尋ねる】


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