10/05/15 18:25:54 0
「これは…少し、私の部屋にしては広過ぎますねぇ。
この部屋はどれになるのでしょうか。」
先程勝手に取ってきたパンフレットを開き、客室を確認する。
>・S(スイート)……一歩先の贅沢を味わいたいお客様へ。
「神戸君も強運ですねぇ。しかし、彼が止まるにしても
いささか分不相応といいますか……」
客室上部に設置された小振りのシャンデリアを見つめながら右京は
マイポッドを取り出した。
紅茶をカップに注ぎながら周囲の様子を眺める。
これといって異常はない。だが、何か妙だ。
右京の勘がそう告げている。
「……虫の知らせでしょうかねぇ。これから楽しい旅だというのに、
やけに気が乗れません。そうですね、食事にしましょうか。」
客室を後にし、右京は食堂車へと向かった。
―杉下右京 8号食堂車へ…