10/06/02 21:47:20 0
「御剣検事……!?」
おびえ切っている検事に反応はない。
右京は思わず顔を震わせ叫ぼうとした。
「何やってんすか!?お、けが人じゃねぇかよ!!
おい、おっさん!ちゃんと支えててくれよ……っと!!」
突然右京の隣に、大柄の男性が並び立つ。
右京は思わず目の前の男に叫ぼうとした。
「亀山……君ではありませんねぇ。」
男は数時間前にこの列車の中ですれ違った男だった。
携帯でなにやら娘らしき者と会話している様子だったのを覚えている。
男は金髪の青年を救出すると右京に向けて、警察手帳を見せた。
「あ、俺はこういうもんです。加茂伸之助っていいます。」
男は警察官だった。亀山によく似たこの男を右京は間近で食い入るように
見つめる。
「似てますねぇ……いや、失礼。知り合いによく似た人間がいたものですから。」
加茂は不思議そうな顔で見つめ返す。そして右京が取り出した警察手帳に
目を丸くした。
「お、おっさんも刑事!?まじかよ……」
「加茂刑事。おっさんとは失礼ですねぇ……私はあなたよりも階級が
上です。もう少し年上を敬う心をお持ちになったらどうでしょうか?」
真顔で呟く右京に、加茂はやや顔を歪めて苦笑いをするしかなかった。