10/02/27 20:55:11 0
名前:てんつめし
種族:人間
年齢:31
性別:男
職業:修行僧
身長:185
体重:70
容姿:ハゲ、額に目がある、常に上半身は裸
備考:地球人最強を自称するハゲ男。
生真面目で冷静だが、自分の額の目に関してはノーコメントを通している。
(よろしく頼もう。
9:飲茶
10/02/27 21:59:40 0
ここは日本のどこにでもありそうな極平凡な地方都市・・・
ここのとある場所にある小規模な工事現場に、
端整な顔立ちに引き締まった肉体と非常に恵まれた風貌を持ちながらも、
一方でどこかヘタレ臭漂うオーラに包まれた中年がいた。
中年の名は飲茶。かつては資質・才ともに素晴らしいと評された武道家であるが、
今はアルバイターとして毎日を食いつないでいる。
思い返せばいつから道を踏み外してしまったのか・・・
資質と才能があると周りから騒がれながら、結果を残す為に出場した武道大会では、
何故か彼以上の資質・才能・実力を備えた極稀な存在と毎回ぶつかり惨敗の連続。
次第に人は彼をヘタレと呼ぶようになり、気が付けば武道界では生きていけなくなっていた。
飲茶が過去を思い出して溜息をついていると、その後ろで髭もじゃの現場監督が怒鳴り散らした。
手にしたスコップが止まっていると文句を言っているらしい。
やかましいことだ。ほんの五、六秒手を止めたから何だと言うのだろうか。
しかし逆らうわけにもいかない。今日を生きる金の入った給料袋は彼が握っているのだから。
はいはいと適当な受け答えをして再びスコップを土の中へとぶっ込む。
土をかきだしてはまたぶっ込む。
そんな単調な作業を繰り返していると・・・
ドーン!
突如爆発音が響いた。顔をあげて音の方向を見れば、もくもくと黒煙があがっている。
工場が爆発事故でも起こしたのだろうかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
飲茶は感じていた。爆発の方向に強い『気』があることを。
俺には関係ない・・・
飲茶はそう知らぬ振りを決め込むことにしたが、元々性格はお人好しの類に入る。
逃げ惑う人々を見て我慢ができなくなり、とうとうスコップを放り出して駆け出した。
「おい! どこへ行く! 給料出さねぇぞ!」
後ろでは現場監督が叫んでいる。それでも飲茶は現場へ急行するのを止めない。
心の中で何度もチクショーと叫びながら。
10:深海蓮夜 ◆UxLP6/x3RI
10/02/28 02:00:51 0
市内には大きな研究施設があった。
外部の人間では何をしているのか一切わからない謎の研究所……事件はそこで起きた。
複数の発砲音の後、大きな爆発が起こったのだ。
その直後、舞い上がる黒煙の中から飛び出した、一人の人間。
黒シャツに黒ジーンズ姿で、顎はほっそりして艶のある紺の髪は腰まで伸びている。
だが、女ではない。時折漏らすその声は間違いなく男のそれである。
名前は深海蓮夜。若干22歳の若者なのだが、彼こそ爆発起こした張本人だった。
黒煙の中から今度は武装した黒づくめの警備兵が複数現れる。
兵達の目的は研究所に潜入を試みようとした深海の抹殺。
深海の姿を認めると兵達は手にしたライフルを迷うことなく撃ち放った。
しかもただのライフルではない。銃口から飛び出すのは無数の光弾だ。
彼らが持つのはオーバーテクノロジー的な光線銃なのだ。
警備が仕事にしても不自然すぎるほどの重武装。
いや、だからこそ深海は自らの行動に価値を認めていた。
追ってきた真実に迫っているのだと……。
「ヒュン」と光弾の一つが深海の頬をかすめる。
今は考えることは後回しにして、脱出することを優先しなければならない。
とはいっても無数の光弾の雨の中を掻い潜って逃げることなど容易ではない。
しかし深海の顔には微塵も動揺の色はなかった。何故なら彼にはある『力』があったからだ。
広げた右の掌が徐々に光を放っていく。
いや、正確には掌に形成された、掌大ほどの青い光の球がその光を放っているのだ。
これは『気』と呼ばれる人間誰しもが持つ体内エネルギーを
肉眼で見えるほどの塊にして体外に放出したもので、『気功弾』『気弾』といわれるものだ。
気を操るこの技術は『気功』と呼ばれ、使える者は世界でも一握りと言われている。
気弾の大きさは放出するエネルギー量などによって様々となるが、
如何に小さくても気功を使えない者にとっては脅威な威力となる。
先程の爆発も放った気弾が爆裂した時のものなのだから。
深海は無言で腕を横に振り抜く。
その瞬間、青い気弾が手元から離れ、兵達のいる地面近くに着弾─爆発を起こした。
アスファルトが半径二メートル程に渡って砕け散り、二、三人の兵士を軽く吹き飛ばす。
続いて左手に作られていた第二の気弾を撃ち放ち、また新たに三人の兵士が吹き飛ぶ。
だが、新たな兵士が次々とやってきては、周りの被害などお構い無しに銃を乱射してくる。
これでは逃げる隙がない。
「くっ……次から次へと……」
11:飲茶
10/02/28 13:49:23 0
現場に来た飲茶は思わず目を疑った。
武装した兵士達に追われる黒服の青年・・・
兵士達は光線が飛び出す銃を乱射し、青年は『気』の球をお返しとばかりに放っている。
飲茶は唸った。ここは平和な国、日本ではなかったのか?
一体いつから戦場の真っ只中になったのだろう。わけがわからない。
そう混乱する頭とは裏腹に、飲茶の心は冷静に働いていた。
武装兵士達から大した気は感じない。感じた強い気は恐らくあの青年のものだ。
では、どっちが悪なのだろう。
所構わず銃をぶっ放す兵士達か、それともそれに応戦するかのような青年か。
・・・前者に決まっている!
飲茶の心は決まった。
「うおおおおおおおお!」
飲茶は叫び、一番近くに居た兵士に接近! 敵が視認する前に無数の拳を浴びせた。
「ぐわぁぁぁ!」
兵士が悲鳴をあげて吹っ飛ぶ。そこでやっと他の兵士も飲茶の存在に気が付く。
しかし、彼らが銃口を向けるより早く飲茶は移動し、一人、また一人となぎ倒していく。
「はい! はい! はい! オウー!」
「「「うぎゃああああ!」」」
信じられないような無双状態だが、それも『気』を使える者は常人より戦闘力が高いからこそだ。
武道家崩れとはいえ腐っても鯛、気を使える飲茶に武装しただけの兵士が適う道理はないのだ。
「へっ! 思ったより手強くなかったな。残りも俺が片付けてやるぜ!」
波に乗る飲茶は高らかに宣言する。
実際、力の差は歴然で、どう戦っても飲茶の勝利は火を見るより明らかであった。
・・・いや、そのはずだった。
余裕の表情で次に叩きのめす兵士を決めていると、突然背中に激痛が走る。
間抜けにも背後に全く注意をはらっていなかったので、
飛んできた光線に気が付かずまともに食らってしまったのだ。
「ぐおおおお!! そ、そんな・・・!!」
悶絶する中、飲茶は青年と目が合う。彼の目は今にも「アホか」といわんばかりだ。
武道界で飲茶がヘタレと呼ばれた所以は勝てる試合さえもみすみす落としてしまう
このどうしようもないほどの詰めの甘さにあった。
【飲茶:大ダメージでいきなり足手まといに】
12:深海蓮夜 ◆UxLP6/x3RI
10/02/28 18:54:35 0
気弾を放つ、敵が飛ぶ。そしてまた新たな敵が……きりがない。
そうして手間取る深海のもとに突然風の如く颯爽と現れた男がいた。
男は見事なまでの素早い動きで瞬時に敵兵の懐に入り込み、
重そうな拳撃で次々と敵兵をノックアウトしていく。
短髪で長身。鍛えられた肉体が纏う派手な胴着を見ると武道家か何かということがわかる。
それにしても、彼の動きは平凡な武道家のそれを遥かに超越している。
いや、それもそのはずだ。彼からは常人にはない強い気が感じられるのだから。
それは間違いなく深海同様の『気功使い』ということを意味している。
気功術は体を頑強にする上、攻撃力やスピードを向上させる効果がある。
先程から手間取りながらも深海が敵兵の攻撃を食らっていないのもそれが理由だ。
しかし、これほどまでに速く、力強い動きまではしていなかった。
もしかしたら男は単純な格闘戦では深海の上を行くのではないだろうか?
それはともかく、現時点で男は深海に対して敵意はないようである。
彼が何者かということも気にはなるが、今はこの混乱に乗じて脱出するのが得策だ。
と、この場から離れようとした時、深海は男の背後から銃口を向ける敵兵がいることに気が付いた。
男は油断しているのかそれに気付いた様子がない。
「避けろ!」
と呼びかけてみるが、時既に遅し。光弾は男の背中のど真ん中に命中した。
呻き声をあげて苦しむ男と一瞬目が合う。
たった一撃で大ダメージを負ったのか、どこかその目は虚ろに見える。
先程までの勇猛な活躍ぶりは一体何だったのだろうか……
強いのかそうでないのかまるで分からない男に、思わず溜息が出る深海。
遠くからパトカーと救急車のサイレンの音が近付いて来る。
このままダラダラやっていては面倒なことになるだろう。
敵もそう思ったのか、一斉に銃口を向けてくる。一気にカタをつけるつもりだ。
「俺はここから逃げる。逃げる力があるなら、あんたもそうした方がいい」
倒れ掛かった男にそう言って、深海は再び手に気弾を出現させた。
それを見て敵兵が一斉に引き金を引く。
だが、光弾はそれより早く放たれた気弾に命中し、気弾は空中で爆裂した。
辺りは一瞬にして爆発時の閃光と煙に包まれる。
深海はそれを煙幕に、常人を超越した跳躍力をもって、素早く闇の中に紛れていった。
【逃げましたが付いてきてくれても構いません】
13:飲茶
10/02/28 22:19:39 0
ふと飲茶は遠くからサイレンの音が迫ってきていることに気が付いた。
警察に見つかると事情聴取やら何やらで色々と厄介なことになるだろう。
敵もそう思ったようだが、それでもすんなりと逃がしてくれる気はないらしい。
だが、青年は言う。
>「俺はここから逃げる。逃げる力があるなら、あんたもそうした方がいい」
どうやってと飲茶が訊ねる前に、それは始まった。
彼は放出した気弾を爆発させてそれを目くらましに使い素早く闇夜に紛れたのだ。
目くらましはよくある手だがそれでも確実な方法だ。
飲茶も後に続こうとするが、ダメージのせいで思ったように足が動かない。
「なら・・・!」
飲茶は力強く右手を前に差し出す。
すると、手の先からエネルギーの光線が飛び出し、飲茶の体を後背へと押し出した。
これも気弾同様の気の技の一種で『気功波』とかと呼ばれるものだ。
本来は攻撃に使うものだが気弾とは違ってこういった使い方も可能なのだ。
「警察とのお付き合いはお前らに任せるぜ!あばよ!」
得意満面な顔で離脱していく飲茶。
しかし、敵の追跡を困難にする為に闇夜に紛れた彼の行動と比べれば、
ロケットのブースターを用いて移動するような飲茶はあまりにも目立つ。
しかもあろうことか飲茶は彼の後を追いていっているのだ。
この男、どこまでも間抜けで足手まといである。
尤も敵が追跡してくる様子がないのは、飲茶に悪運の強さがあるからかもしれない。
14:名無しになりきれ
10/03/03 19:50:50 0
飲茶ww
15:名無しになりきれ
10/03/06 15:44:06 0
ヤムチャからとったのだろうか?
16:名無しになりきれ
10/03/06 15:57:56 0
名前:ホリイ
種族:人間
年齢:28
性別:男
職業:車の整備士
身長:175
体重:100
容姿:少し太った体型で、手袋をしている。決してイケメンとはいえない。
備考:少年時代から気を使う修練を行ってきたが、好きな機械いじりをするため
武道家になるのはやめて車の整備士となった。ムードメーカーで関西弁。
気の精密な扱いは随一。デブとは言わないで。
17:ホリイ ◆maQY4WLalU
10/03/06 16:08:44 0
「なんやこの騒ぎは……
まさか僕とおんなじ気功戦士がなんか騒ぎでもやらかしたんか?」
彼の名はホリイ。車の整備士をやっている、何処にでもいるメタボである。
気をブースターのようにして逃げる飲茶を見つめてクックックと笑う。
「アホやなあ…あんなに気をだだ漏れにしとったら逃げても位置は特定できる。
放った気功波の出力と光量ぐらい調節せんかい。それならもうちょいマシやろ」
飲茶の逃げた方向に、ホリイもそのメタボな体型とは裏腹に驚異的なスピードで追跡していく。
その姿は滑稽なもので「水を得た魚」であり、「飯を食うブタ」である。
飲茶には悟られないよう気を抑え追いかけていく。その先に深海もいるとは知らずに。
18:深海蓮夜 ◆UxLP6/x3RI
10/03/07 00:48:23 0
深海はふと後ろから大きな気がついてくることに気が付いた。
追っ手かと思い後ろを見れば、ついてきているのはあの男であった。
しかも、手から気功波と呼ばれる気の光線を出しながらだ。
深海が向かっている場所は自分のアパートだったが、
このまま行ってはわざわざ敵に深海の居場所を教えてしまうようなものだ。
「しょうがないな……」
深海はアパートに行くのを止めてたまたま近くにあった小さな公園で足を止めた。
男も相変わらずの派手さで公園にやって来る。
昼間の公園であれば大騒ぎになっていただろうが、
今は時間が時間なのでそうなることもないのが救いだ。
「さっきはどーも。あんたのお陰で助かった。
……逆に、あんたの派手な行動のお陰でつけられてもしまったようだけど」
男が一瞬呆けた顔をするが、すぐに公園内に存る気が一つ増えていることに気が付いたようだ。
感じられる気はその大きさ具合から気功を体得した人間のものだということが解る。
だが、敵意が感じられないことから、少なくとも今は敵ではないということも解る。
同種の人間を見つけて興味本位で近付いてきたのか、
それとも別の目的があるのかは定かではないが、
いずれにしても互いに存在を認識している以上無視するわけにもいかない。
深海はこの場にその第三者を呼び出すことにした。
「そっちに危害を加える気がなければこっちも闘う気はない。
何があったか気になるなら説明してやるから、とりあえず出てきなよ」
【遅れてすみません】
19:ホリイ ◆maQY4WLalU
10/03/07 10:39:17 0
「あそこか。なんとなく興味本位できてもうたけど…」
ホリイが公園に着くとまず公衆便所の背後に身を隠した。
近くに手頃な茂みがあったので適当にそこに隠れる事にし、移動する。
瞬間、ホリイはどうでもいいウンチクを思い出した。
「バックトラック」という奴で、一部の動物が使う。
それは自分の足跡をなぞるようにして歩き、近くの茂み等に逃げるというものだ。
これで足跡を辿った動物や人間は「あれ、これ足跡が途中でなくなってるぞ?」となる訳である。
つまりこれがどういう意味を指すかというと、ホリイは大昔に気を完全に消す方法を習っていたのだが、
長年車の整備という非常に普通の仕事をしていて気を使うことなんぞめったになかった。
故にド忘れし、代わりにどうでもいいバックトラックを思い出したのである。マヌケホリイ。
ブービートラップのブービーとはまさにホリイのこと。
>「さっきはどーも。あんたのお陰で助かった。
……逆に、あんたの派手な行動のお陰でつけられてもしまったようだけど」
(……やっべ、バレてもうてるやん。どうやって気を消すんやったっけなあ…?)
>「そっちに危害を加える気がなければこっちも闘う気はない。
何があったか気になるなら説明してやるから、とりあえず出てきなよ」
どうやらあの様子では完璧バレバレである。
相手が本気でそう思っているかどうか保障はないのだが、気の感じからして悪い奴ではないだろう。
そう判断したホリイはがさがさと音をたてながら茂みから姿を現した。
「やっぱり現役の若いにーちゃんには勝てんわな。
あの騒ぎがなんやったんか説明してくれるとありがたいねんけど」
20:飲茶
10/03/07 14:32:03 0
青年が公園に入っていくのを見て、飲茶も公園に入っていく。
人っ子一人いない静かな公園の中央で飲茶は青年と対峙した。
青年の筋肉は飲茶ほど立派ではないものの、
良く見れば長いヘアースタイルに相応しく女性的な顔立ちをしている。
女だったらナンパしていただろうな・・・
などと飲茶が特にどーでもいいことを思っていると、不意に青年が言った。
>「さっきはどーも。あんたのお陰で助かった。
> ……逆に、あんたの派手な行動のお陰でつけられてもしまったようだけど」
飲茶は最初言葉の意味が理解できなかった。
追跡されれば気が付くし、第一ただの人間が気功波のスピードについてこれるわけがない、と。
しかし、試しに気を探ってみれば、確かに青年以外の気を感じるではないか。
ここで飲茶は初めて自分のせいで追跡されたことに気がついた。
「う、うかつだったぜ・・・!クソ!やるってんならやってやるぜ!」
>「そっちに危害を加える気がなければこっちも闘う気はない。
> 何があったか気になるなら説明してやるから、とりあえず出てきなよ」
飲茶が攻撃を予想して身構える一方で、
青年は追跡者の意図を見抜いたかのように落ち着いていた。
先程からの青年の行動と対比すると飲茶は酷く滑稽に見えるが、
幸か不幸かそんな客観的事実に気が付くほど鋭い人間ではなかった。
そして青年の声に反応して現れる追跡者・・・
出てきたのは少々太めの体格をした男だった。
思わず飲茶はあんぐりとして、終いには見下したように彼の腹を揺さぶり始めた。
「おいおい・・・お前が追跡者・・・?この腹で?冗談は止してくれよ、ハハハ!」
気功は使えるのだろうが、大したことはないのだろう・・・
一人でそう先走る飲茶だったが、彼は忘れていた。
過去に幾度も見た目に惑わされて苦汁をなめた記憶を・・・。
21:飲茶
10/03/07 14:35:09 0
(下げた方がいいんかな?この板に慣れてないんでスマン)
22:深海蓮夜 ◆UxLP6/x3RI
10/03/07 17:24:30 0
>「やっぱり現役の若いにーちゃんには勝てんわな。
>あの騒ぎがなんやったんか説明してくれるとありがたいねんけど」
呼びかけに応じて出てきたのは関西弁を喋る体格の良い男であった。
気で感じた通り特に悪い印象はない。
それどころか、丸っとした容姿を口をつく関西弁が引き立てるように、
どこか非常に陽気な性格を思わせるぐらいだ。
>「おいおい・・・お前が追跡者・・・?この腹で?冗談は止してくれよ、ハハハ!」
横から彼に茶々を入れる道義の男を深海はスルーして、
事前に約束した通りゆっくりと事のあらましを語り始めた……。
「さっきの騒動は俺が起こしたものだ。
事を荒立てるつもりはなかったが、研究所に忍び込もうとしたのを見つかり発砲されてやむなくね……。
俺は深海蓮夜。四年前にこの市に越してきて、今は市内の大学に通ってる。
だけど、超してきた本当の目的は大学に通う為じゃない。
─俺の一族はどういうわけか知らないが生まれつき気功という技術が使える。
親父はサラリーマンながら俺と同じ力を持っていたが、四年前にこの市で何者かに殺害された。
警察は通り魔的な事件と見たようだが、気功を使う親父が平凡な事件で死ぬはずがない。
そう思った俺はこの街に来て調べることにした。
そして四年かけて、あの研究所が親父の死に一枚噛んでることを突き止めたのさ。
忍び込もうとしたのは内部を調査して確証を得る為だった。失敗してしまったがな。
奴らが何を企んでいるか知らないが、話によれば研究所の幹部には気功を使う者もいるらしい。
俺の最終目的はそいつらを見つけ出して倒すこと……。
……あんたらはこれ以上関わらない方がいい。奴らに目をつけられたら一生付け狙われるだろう」
そう言って深海は二人に背を向けた。
23:深海蓮夜 ◆UxLP6/x3RI
10/03/07 17:27:53 0
>>21(age sageは自由でいいんじゃないかと)
24:帝王リュウザ ◆wT1lR7Pglw
10/03/07 18:46:38 0
名前:リュウザ
種族:男
年齢:28
性別:男
職業:帝王(邪気眼神拳継承者)
身長:195
体重:97
容姿:金色の短髪
備考:最凶の気「覇の気」を持つ男。
多数のならず者の部下を従え、自らを「帝王」と呼ばせている。
気功を研究する連中とも絡んでいる。
25:ホリイ ◆maQY4WLalU
10/03/08 16:03:52 0
二人の顔をしっかりと見るホリイ。
さきほどは茂みに隠れていたのでしっかりとは確認出来なかったので
とりあえず顔をちゃんと覚えておこうと何気なく思っただけである。
イケメンだな………
自分と対比してみるとあら不思議、いつもの二割増しブサメンに見える。
こんな事ならイケメンに生まれたかったな。
今まで親を恨んだ事はなかったがこの時ばかりは少しだけ親を恨んだ。
>「おいおい・・・お前が追跡者・・・?この腹で?冗談は止してくれよ、ハハハ!」
すこしムカッとしたが、よく見ると背中を怪我している。
心配しようかなとも思ったが人を馬鹿にするような奴を心配するほどホリイは優しくはない。
それどころか、
「なんやお前背中怪我しとるやないけ。ま、その様子じゃあ心配はなさそうやな。ハハハ!」
先程までホリイの腹を揺さぶっていた道着の男、飲茶の背後に一瞬で回りこみ、
勢いよく三回ほどバッシィーーンッと叩いたのだった。
悪い奴ではないのだろうが、自分の一番気にしている腹を言われると我慢ができない。
口で言われた事に手でやり返すのはなんとも子供じみている気がするが、気にしてはいけない。
能ある豚は鼻を隠すとはまさにこのこと。
(でもこいつ、どっかで見たことある顔やねんなあ。どこぞの武道会で会ったような…)
そんなどうでもいいことを考えていると、もう一人の青年がことのあらましを語り始めた。
自分は死んだ方がマシなんじゃないかというぐらいの修練によって気功を手に入れたが、
この男は生まれつきだったと聞くと、少し羨ましかった。
>「そして四年かけて、あの研究所が親父の死に一枚噛んでることを突き止めたのさ。」
(そんなアニメみたいなフザけた話が実際にあるもんやねんな……)
しかし、何故この青年の父親は殺されたのだろう。
そしてその研究所では何をしているのだろう。ホリイの疑問は尽きなかった。
そんな湧き上がる疑問について色々と考えると、青年は呟いた。
>「……あんたらはこれ以上関わらない方がいい。奴らに目をつけられたら一生付け狙われるだろう」
まあ、その通りだろう、自分にはこんな話は関係のないことだと考えたが、
そんな事はたった一つの自分のくだらないモノに比べればどうでもいいだろう、と思った。
「アホやな。あんたの片割れはもう既に沈没寸前の船に乗りかかってんねん。
もう逃げられへんやろうな。でも僕はそうじゃない。関わりたくないからサイナラさせてもらうわ……
……って普通は言うやろうけど、俺のしょうもない好奇心と正義感がそれを許さんねん。
その研究所が何してんのか、徹底的に調べ尽くしたるわ!一人より二人、二人より三人や。よろしく頼むで
おっと!ところで名前はなんて言うんや?俺はホリイ!車の整備士や」
26:飲茶
10/03/09 21:05:44 0
>「なんやお前背中怪我しとるやないけ。ま、その様子じゃあ心配はなさそうやな。ハハハ!」
男は素早く飲茶の後ろに回りこむと、怪我をした背中を容赦なく引っ叩いた。
それも一瞬の内に三回もだ。
見た目に惑わされ油断しきっていた飲茶へのダメージは計り知れない。
飲茶は大口を開けて飛び上がった。
「あっだーー!!」
背中に手を回して苦痛にもがくその姿は、もはや三枚目のそれである。
青年はそんな小太りの男とアホ丸出しの中年の低レベルな争いを一切無視して、
ぽつりぽつりとあらましを語り始めた。
青年の言ったことをまとめればこうだ。
彼の名は深海蓮夜。生まれつき気功が使える大学生らしい。
彼がこの街に来たのは四年前。目的はこの街で父親を殺害した連中を探し出すこと。
早い話が仇討ち、といったところか。
そしてどうやら、その仇がいると思われる場所が、先程のあの研究所らしいのだ。
なるほど、研究所前で戦っていたのはそれが理由か・・・
と飲茶が思っていると、深海は最後にこう付け加えた。
>「奴らが何を企んでいるか知らないが、話によれば研究所の幹部には気功を使う者もいるらしい。
> 俺の最終目的はそいつらを見つけ出して倒すこと……。
> ……あんたらはこれ以上関わらない方がいい。奴らに目をつけられたら一生付け狙われるだろう」
確かに、成り行きで深海の味方をしてしまった飲茶だが、
得たいの知れない連中に付け狙われることは望むところではなかった。
飲茶は「そうか、頑張れよ」と一声かけてこの場から立ち去ろうと目論むが・・・
>「アホやな。あんたの片割れはもう既に沈没寸前の船に乗りかかってんねん。
>もう逃げられへんやろうな」
その矢先、小太りの男にタイミングを計ったように釘を刺され、飲茶の目論見は無残に失敗した。
しかも、ホリイと名乗った彼が深海の仲間になるという展開となり、
尚のこと一人だけそそくさと立ち去るわけにはいかなくなっていた。
「ったく、しょうがねーな。俺の名は飲茶。飲が名字で茶が名前だ。
俺もお前らの手伝いをしてやるぜ!よろしくな!深海にホリイ!
俺の足手まといになるんじゃねーぞ、ハハハ!」
飲茶はことさら明るく振る舞ってみせたが、その笑顔はどこか引きつっていた……。
哀れ、飲茶。
27:深海蓮夜 ◆UxLP6/x3RI
10/03/10 19:33:44 0
深海が敢えて秘密を、自らの過去さえペラペラと喋ったのには理由があった。
それは危険であるという事実を伝えることで二人に手を引かせる為。
しかし、どうやら人の好奇心というものは、危険と聞くほど沸くものらしい。
>「その研究所が何してんのか、徹底的に調べ尽くしたるわ!一人より二人、二人より三人や。よろしく頼むで
>おっと!ところで名前はなんて言うんや?俺はホリイ!車の整備士や」
と、関西弁が……もとい、ホリイが言う。
親切で言ったつもりが完全な逆効果となってしまったのだ。
再度止めてもよかったが、既に乗り気になってしまった者を止めたところで、
火に油にしかならないことは容易に想像がついた。
>「ったく、しょうがねーな。俺の名は飲茶。飲が名字で茶が名前だ。
> 俺もお前らの手伝いをしてやるぜ!よろしくな!深海にホリイ!」
続いて道着の男、飲茶もホリイに同調する。
手を引かせるどころか二人を深く関わらせることになってしまい、
深海は誤算に深く溜息をついた。
だが、その一方で、強力な味方を得たという安堵感も感じていた。
深海は無意識の内に心の底で悟っていたのだ。
恐らく、一人では敵全てを倒すことはできない……と。
「……わかった。あんたらの好きなようにしてくれ。
だが、気をつけろよ。敵は研究所を襲撃した俺達が気功を使える人間だと既に知っている。
敵も容赦はしないはずだ。恐らく夜明けまでには、気功使いを市内に送り込んでくるだろう。
武装兵士などとは比べ物にならないほどの強力な戦士達をな……」
こうして深海が戦闘を予感した頃─
研究所の秘密の地下室では複数の黒尽くめの男達が密談を交わしていた。
「……先程、施設内にネズミが一匹忍び込んだと聞いたが……
まさかそのネズミが気功使いだったとはな……」
「兵達によれば男二人の二人組だったようで。
兵達と散々撃ち合った挙句、闇の中に姿を消したとか」
「気まで消したというのか? やはり、我々の存在に気が付いていると見るべきだな」
「鼻のいいことだ。建物から何まで上手く偽装していたのだがな。
尤も、所詮この研究所も我ら『組織』の一拠点に過ぎん。気付かれたところでどうということはない」
「しかし、我らに牙剥く者共を放っておくわけにはいくまい。
ネズミだろうが何だろうが『組織』について嗅ぎまわる者は抹殺する……ボスもそれをお望みだ」
「……いいだろう。我らの大望の為、小さな芽でも確実に摘んでおくことにしようか……」
【研究所の人間が動き出す】
28:名無しになりきれ
10/04/10 07:04:24 0
いいねー