10/01/30 23:11:35 0
~>>19の続き~
ザイム「・・カレイド、俺にはこうするしかなかったのだ。」
俺は膝をつき項垂れる。この結末よりも、彼女との絆を築きたかった。
求める世界の違いが生んだ「彼女の死」。今後も消えない傷となって・・ん?
カレイド「美しき余を勝手に殺さないでくれるかな?」
ザイム「い、生きてたのか!?て、てっきり死んだかと。」
カレイドは生きていた。黒衣が一部焼けており肌が露わに・・ぐはっ(鼻血!
髪も少し焦げているが、全然平気そうな佇まいだな。
カレイド「余の氷術はザイムの炎術に負けた。ザイムに道を譲らぬわけにはいかないねー。
…ヴォイドの新世界創造を阻止出来るかなー?余は見守るよ、美しき諸君を。」
・・どこで心境の変化が訪れたのかは知らんが、俺に対する敵意はもう無いようだ。
俺が勝ったからだけでは無いと思う。俺の呪文がカレイドの凍った心を溶かしたのかもな。
ドシュッ!!!
カレイド「…うっ!」
突然の光の矢によってカレイドは腹部を貫かれる。・・これは聖術!
ヤミリーダ「汚物が仲良くしてるのを見ると、すっごく水を差したくなるねぇ。
二人纏めて地獄に送ってやるよ、生きる価値の無い魔族の成り損ない達。」
俺の親の仇の天使だ。もう追ってきたのか!よくも、カレイドを!!
いきり立って、ヤミリーダに攻撃を仕掛けようとした俺だが、一瞬眼を疑った。
光の矢で貫かれたはずのカレイドが、天使に氷術による猛攻を仕掛けている。
ヤミリーダ「こ、この女、致命傷を負ってる癖に何故!?
それに私のブラックエデン(魔力無効化領域)が通用しないとはねぇ!」
天使は焦り声でこう言った。あの自信の塊とも言える男がここまで取り乱すとはな。
カレイド「上級回復系呪文による瞬間再生力を知らぬか、愚か者。
余とザイム…纏めて殺す?身の程知らずも甚だしいねー。」
・・なるほど、グランドヒール(上級回復系呪文)も使えるのか。さすがだな。
ヤミリーダはカレイドの氷術から逃げ惑っているが、あの天使を倒すのは俺の特権だ。
~続く~