GS美神世界の、三流GSのスレat CHARANETA2
GS美神世界の、三流GSのスレ - 暇つぶし2ch50:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/10 17:49:14 0
こうして、桜森小学校は取り壊され、牧街等は無事、報酬を手に入れ、牧街の車にて帰路についていた

「いやぁ、一時はどうなる事かと思いましたが、助かりましたよ」
タロー、神藤をそれぞれの家に下ろし、信号待ちをしながら、後部座席のカフェに、牧街は話しかける
「あ、そういえばどこで降ろせばいいっすかね、まだ聞いて無かったっすけど」
そういえばワイパー直さなきゃだなぁとぼんやり考えながら、牧街は普通にカフェに尋ねてみた

51:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/10 23:12:53 0
「おおっ、そこじゃ。ん? 何を驚いておるのだ?」
なんと! そこは牧街と同じ安アパートだった!

喫茶店のマスターが玄関の前で手を振って出迎える。
「無事に帰ってきたか! 
牧街君、わざわざここまで送ってくれるとは……何? 隣の部屋?
それは奇遇ですなあ! 今まで気づかんかったわい!」

この一家、壺騒動の時に自宅兼店が壊滅状態になったため近くの安アパートに転がり込んでいたのだ。
「ほれ、報酬じゃ」
「ははーっ! ありがたやありがたや~! 店が復活するまではこれだけが命綱ですからなあ」
奥から幽霊のコスプレをした女性が出てきた。
「あら? 噂の牧街くん、隣だったのね~」
どうやらマスターの奥さんのようだ。
「これ? 今店の次の路線を練ってる最中でこれは冥土喫茶のコスチューム。
なかなかいいでしょ? でも羊の着ぐるみの羊喫茶も捨てがたいのよね~。
よければ上がって一緒にご飯でも食べていく?」

これから変な隣人一家に振りまわされそうな事は想像にかたくない。
と、しょうもないオチがついたところで第3話完!?

52:安アパートの住人
09/10/11 23:15:28 0
興味はあるしキャラも作ったが常駐スレが4つもあるから参加できないんだよなあ…

53:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/12 13:20:17 0
「ど、どうも、よろしくお願いいたします」
(師匠に貰った店の修理代、路線変更に費やしたんすね)
マスターらの雰囲気に圧倒されながらも、牧街は心の中で突っ込んだ後

「刺身何か久しぶりに食いましたよ、うん!上手い!ベリーナイスっす!」
普通にあがって晩御飯をご馳走になっていた

「いやぁ、マスター達が隣にいてくれると俺もネタにこまらな…じゃない。まぁとにかくアレですよ、あはははは」
やがて酒飲んでぱっぱらぱーになり、わけわかんない事言い始めた牧街は師匠への報告が遅れ
後に地雷原をダッシュで駆け抜ける特訓をさせられるのだが
刺身を食って幸せ一杯の今の彼には、知るよしも無いのだった

第3話完

>>52
マジで残念っす
んでは暇ができたら参加してみてくださいな


さて、4話っすけど
どうしやしょう
何かアイデアはありませんか?
無きゃまた俺が考えますが

54:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/12 23:18:03 0
>52
「おお、アパートの住人殿か。最近入居してきたカフェじゃ。よろしく頼む。
余裕が出来たら共に除霊できると嬉しいのう」

>53
原作の最初の方だけちょっと読みました。ちちしりふとももの元ネタが分かったw
ガチバトルというよりはいかに悪霊の正体を見抜くかが重要なんですね。

そうですねー。思いついたのは
・自分達が住む安アパートでお化け騒動勃発とか
・黒歴史ノートに実は重要な秘密が隠されていてそれを狙って敵(?)が来るとか
まあとりあえず始めてしまって後は一緒にどうにかしましょう!

第1話の最後を見ると裏で着々と壮大な陰謀が進んでいるらしいw
世界の危機はほっといても1流GSがどうにかしてくれるんだろうけど
機会があったらちらっと絡めてみても面白いかもしれません

55:名無しになりきれ
09/10/14 17:25:40 0
ホラー物は幽霊屋敷と何故その場所が幽霊屋敷になったかの理由を用意すれば
シナリオの半分以上完成したも同然って偉い人が言ってた

・政権が代わって中止される予定のアニメの殿堂(国立メディア芸術総合センター)
しかしどこからか集まった無数の霊たちが建設予定地のお台場に謎の巨大な建造物を完成させてしまった!
…とか

56:名無しになりきれ
09/10/14 22:26:16 0
>55
ん、いいかんじかも
途中で破棄されたアニメの殿堂。
日の目を見る事無くなったアニメキャラたちの怨念が渦巻き世界を構築する!
アニメの殿堂再開デモをしていたオタクたちがアニメの世界に取り込まれてしまった。
一時は大事件と騒がれたが、オタクたちはアニメの世界を満喫し、変えることを拒否。
一流GSたちはアニメの世界のデタラメさと救出対象のオタクたちのどっぷりはまり具合に馬鹿馬鹿しくなり手を引いてしまう。
最早アニメの世界を解消しオタクたちを三次元の世界に引き戻すのは仕事を選べない三流GSたちのみだった!

・・・しかし、これってアニメに詳しく無いと参加できないなorz

57:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/14 23:37:14 0
>55-56
ちょwwwなんて素敵なアイディアをwww
別にアニメに詳しくなくても大丈夫だと思いますよー。
誰でも知ってる超有名どころを元ネタに+勢いに任せて架空のアニメネタ製造 でいけば

牧街さん、せっかくだしこれでいってみます?

58:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/15 00:49:41 0
>>57
そらまたカフェさんの力が120%発揮されそうなシチュエーションですね

いいですよ^^

59:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/17 00:40:35 0
それでは第4話前置き
お台場では連日激しいデモが行われていた。
「アニメの殿堂中止はんた~い!!」
「わが国の素晴らしい文化をうんぬんかんぬん!」
「我らに萌えの自由を!!」
言うまでもなくアニメの殿堂(国立メディア芸術総合センター)建設中止反対デモである。

その中にさりげなくカフェをはじめとする聖地秋葉原の門下生仲間達も賑やかしに来ていたりする。
「おのれ、ポッポめ!」
「全くです、先輩!」
この後大事件が起ころうとはまだ誰も知る由もなかった……!!

60:名無しになりきれ
09/10/17 15:06:51 0
可愛らしい幼女がプリントされたTシャツを着ている中年がTVカメラを持った報道陣に叫ぶ。
Tシャツのキャラは最近アニメ化したエロゲーのキャラだ。

「我々は児童ポルノ規制法を2次元まで広げるのは断固として反対する!
そもそも日本には古来より幼女を愛する文化があるのだ!
貴公らは浦島太郎に出てくる乙姫は知っているか?
古語で弟姫(おとひめ)とも書き、姉妹における妹をさす。
姉は兄姫(えひめ)というのだが知名度も低く知る物はいまい…。
なぜなら!古来より女性は若くて幼い方が人気も知名度も高かったからなのだ!
もしアニメの登場人物が全員熟女で、ロリが無くなったら世界はどうなるかっ!どうなる!?考えた事があるのか!
そもそも幼女とは何か!ポルノか!いや違う!芸術だ!芸術として保存して後世に残すべきものだ!
我々は幼女を愛でる事を規制するなどといった愚行は絶対に許さん!許さんぞー!
いかなる手段を持ってしてでも抵抗して見せるわー!」

エキサイトし始めた中年は両腕を警備員に掴まれてどこかに連れて行かれていった。警備員GJ。

61:名無しになりきれ
09/10/17 21:10:27 0
おばちゃんA「ああいった輩が性犯罪に走るのよねー。」
おばちゃんB「性犯罪者予備軍は逮捕すればいいのよ。」
おばちゃんC「性犯罪を誘発するアニメは廃止すべきよ!」
ヲタク「ロリアニメが性犯罪を誘発するというのには異論があります。
    日本の性犯罪発生率を知っていますか?
    例えばあなた方の好きな韓流の韓国。
    あの国はAVは禁止されており、貞操を重んじる儒教の国です。
    あなた方の求めるモデル国家と言っていいでしょう。
    しかし、韓国の性犯罪はなんと日本の10倍!
    これは単純に性犯罪数であり、人口当たりに換算すれば更に多くなるでしょう。
    ちなみに被害者の年代別に見れば幼女と老婆の被害数が多いのも韓国の特徴です。
    エロアニメの氾濫する日本と禁止している韓国の性犯罪数を見てどのような感想を持ったか聞かせてください。」

62:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/17 22:12:38 0
(一方その頃、牧街は、自宅のアパートにて二度寝していた)

63:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/18 22:28:04 0
>60
中年ヲタクが警備員に連れて行かれたが、もちろんこれが大事件という訳ではない。
「ほほう、兄姫なんておったのか。素晴らしい豆知識じゃ!」
「そうですね、先輩!」

>61
―良い子のみんなが安心してエロアニメをどんどん見れるってことね!
もちろんこう答えたのはおばちゃんではない。
ヲタク「そうです、その通り!」
―でもさ、アニメじゃなくて現実にしたいって思わない?
ヲタクB「思います!」
ヲタクC「禿同!」
―よかろう、ならば……孤高の求道者達よ、我らと共に新世界の神となろう!
おばちゃんA「可哀想に、ついに頭がおかしくなったみたいだね」
おばちゃんB「あー、やだやだ」
こうして大事件は起こった。
おばちゃんには聞こえていないが、ヲタク達には謎の声が聞こえているのである。
そして辺り一帯で霊力だか何だかよく分からない力が渦巻き始めた!
「まずい、ここにいては取り込まれる! 逃げるぞ!」
「嫌です、先輩! こんなチャンス二度とないじゃないですか!」
「たわけ! ほら行くぞ……うわあああああああ!」
興奮状態に陥ったヲタクの流れによって後輩と引き離される。
そのまま成す術もなく一目散に逃げ帰ったのであった。

>62
寝ていると、何やら声が聞こえてくる。
『緊急速報です、連日デモが行われていたお台場に突如として謎の建造物が出現した模様です!
不思議な事にデモ中のヲタク達は一人残らず消えています!』
「まあ、大変!」
「前代未聞ですな!」
マスター夫妻がどこか楽しそうに話している。そこにカフェが入ってくる。
「やはりそこにおったか」
隣人は往々にして部屋に侵入してくるという安アパートコメディのお約束に倣い、マスター夫妻は牧街の部屋でテレビを見ていたのであった。

64:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/19 00:07:16 0
>>63
我が家の騒がしさに目を覚ました牧街が見たものは、普通なら「己等何やっとるんジャアアアア」と叫ばずにはいられない、侵入者達の姿であった
しかし、牧街は違った
騒がしい一同をぼけーっとした目で見渡すと
「……何だ夢か」
再び、寝床へとつくのだった

素早い現実からの逃避の様は、今までの彼の実績が成せる技である

65:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/19 22:59:04 0
すぐさまパソコンを開き秋葉原の師匠と通信する。
「師匠、お台場で大変な事が……!」
『もう知ってるにゃ。
おそらくアニメの殿堂が建設中止になったことによるアニメキャラの怨念と
デモに集まったヲタクの精神エネルギーが引きよせあい渾然一体となって力場を形成したんだにゃ。
おそらくあの建物の中は様々なアニメの世界が入り混じった混沌空間になっているにゃ。
このままだと……』
「このままだと?」
『混沌空間が外に侵食して……全世界がアニメの世界と化すかもしれないにゃ!』
「大変じゃ! すぐに手を打たねば……!」
『我らの出る幕はにゃい。世界の危機はそれ専門の人に任せるにゃ』
「あ、はい」

>64
素早い現実からの逃避という類まれなる技により、世界が危機に陥ってる事等露知らず。
もっとも世界の危機などと言っているのは秋葉原の師匠だけかもしれないが。
だがしかし、数日後。知らなければいけない時がやってきた。
『我こそはという勇猛果敢なGS達が向かったもののとみんな憔悴しきって帰ってきたそうにゃ……!
たまたま道ですれ違ったGS師匠と話し合った結果それぞれの一門から優秀な者を推薦することににゃった!
カフェ、我が一門でとびきり優秀なお前に頼む! 行ってくれるか?』
「もちろんじゃ、師匠!」

同じ頃、同じような言葉で牧街も自分の師匠から依頼を受けたと思われる。
もちろん選考基準は根気よくヲタクの相手を出来そうな者という基準である。

66:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/19 23:55:41 0
>>65
「へ?俺が例のあの…宇宙センターみたいなとこに突入するんですか?」
牧街GSオフィスの2階、応接セットで、牧街と師匠が向かい合っている
「そうだ、この間飲んだ帰りに秋葉原のGS道場の師匠とばったりあって、お前行かす事になってな。今日、例の建物の前であちらの代表と合流して、協力して例の建物を攻略する事になる」
師匠の事だ、どうせ飲んだ勢いで「娘さん一人で行かすわけには~」とか言って牧街を狩り出したのだろう
牧街にしてみればはなはだ迷惑であるが、逆らうと生活が絶たれるので、断るわけにもいかない

「で、報酬の方は?」
「道具は神通杖一本あれば十分だろう、あの程度。お前には私が授けた様々な修行が云々かんぬん」
(要するに、無償でやれと…)
「ちなみに、この仕事には貴様のこのオフィスがかかっている」
「ほへ!?」
唐突な失敗の代価の登場に、牧街は素晴らしい声を出して、うろたえた
「な!?何故!?」
頬が歪み、顔芸状態の牧街に、師匠は邪悪な笑みを浮かべてみせる
「ここ数日、貴様はほとんど仕事せずぐーすかぐーすかと寝てばかりで、役にたっとらん。そんな奴にいつまでもいられては迷惑だ」
「ううっ……」
実際は仕事の依頼がからっきし来ないので寝てるくらいしかやる事が無かったのであるが
師匠の言い分は最もである
牧街が仕事せずにだらけているという事は、恐山流除霊道場のイメージにも関わるのだ
ここらで戦って勝利した記録を作らねば、確実に道場にとってはマイナスである

オフィスが取られるという事実に、目を真っ白にして動揺し、動かない牧街に、師匠が急に真面目な顔になった
「今まであの建造物の攻略に向かったGS達は、余りの馬鹿馬鹿しさにやる気を無くし、他の仕事を取っていったというが、お前は違う」
牧街の喉元に、一瞬の内に師匠の杖が突きつけられた
息を呑む牧街
「背水の陣だ。逃げたら……死ぬ」
恐怖のあまりこくこく首を縦に振る牧街に、師匠は再度不気味に笑うと、オフィスの入口を指差し、一言だけ言った
「行け」
「イーーーーー!!」
動揺の余り「は」が抜け、戦闘員の様な雄叫びで返事した牧街は、全力で扉から駆け出ると、ワイパー修理した愛車に飛び乗り、一路、アニメの殿堂へと向かうのだった

今回の所持品 神通棒のみ

67:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/21 23:52:13 0
「なんといっても世界の命運をかけた戦い。
今回のミッションが成功すれば我が道場の評判もうなぎ上りにゃ!
そこでキミにこれを授けるにゃ。
専門の職人が精魂込めて霊力付与をした人形、霊験あらたかな絵が描かれた掛け軸」
秋葉原GS道場の専門用語で言うところのフィギュアとポスターである。
「有り難く使わせてもらうぞ、師匠!」

リュックに師匠からもらった秘密兵器を詰め、電車を乗り継いでアニメの殿堂に向かう。
「恐山流除霊道場で一番優秀なGSか……どんな者か楽しみじゃのう」

>>66
「先方はもう来ておるかの? おお、牧街殿ではないか! 奇遇じゃのう」
アニメの殿堂の前でばったり牧街とはち合わせる。
「……ん?」
よく考えるとこんな所で偶然会うのはおかしい。
「そうか、恐山流で一番優秀な者とはお主だったのか!」

68:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/22 18:59:16 0
>>67
そういえば余り知らない人と会話するのって得意じゃないなぁ…
と先の展開に不安を感じていた牧街の前に現れたのは、先日知り合った顔見知りだった
「どうも、本日はどうかよろしくお願いします」
少しほっとして挨拶すると共に、彼女の言葉に少し引っかかりを感じてしまう
(恐山流で一番優秀な門弟……?)
牧街のいる恐山流の道場の門弟で事務所を開いている中には、あの師匠の弟子だけに牧街より能力や経験があるのはごろごろいる
絶対間違いなく牧街など戦闘員的な物のはずだが、では何故師匠はその様な事を言ったのだろうか
ちなみに実は潜在能力が高いだとか、正義感が凄いだとか、そういう普通の主人公が持ち合わせているようなスキルは、牧街には無い
少し考えた結果、でた結論は
(……一番つかいっ走りに使いやすい)
ビンゴ大当たりでなんだか泣けてくるものだった

「と…とりあえず、さっさと片付けちゃいましょう」
これからもじゃんじゃんこうやって金にならない仕事をやらされるんだと思ってえっつりしながら、牧街は殿堂を指差し、今回の仕事の手順を確認してみる
「えーと…まず中に閉じ込められてる人達を救出して、その後、この建築物を作った妖怪を殲滅、建物が残るようだったら後は市役所に撤去してもらう形でいいですよね?」
こういう建物を妖怪が準備した場合、相手の土俵で戦うなどよっぽど強いGSのやる事なので、通常の場合外壁に火をつけるなり投石機で発射した岩を喰らわせるなりするのだが
中に人質がいる場合、残念ながらそれはできない
なので相手の土俵で、なおかつ相手に人質がいるかなり不利な状況で戦う事を強いられるわけであり
もっと大勢のGSで挑んだほうがいいんじゃないかって程のピンチ…なのだが
この時牧街は(カフェさんが何とかしてくれんだろ)と他力本願の軽い気持ちでいたのだった

69:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/23 23:37:42 0
>68
一番優秀な者と言ったら怪訝な顔をする牧街。
(はて。何か変な事を言ったかのう)
と思うもののそれ以上深くは考えない。

>「と…とりあえず、さっさと片付けちゃいましょう」
「えいえいおー!」
>「えーと…まず中に閉じ込められてる人達を救出して、その後、この建築物を作った妖怪を殲滅、建物が残るようだったら後は市役所に撤去してもらう形でいいですよね?」
「そうじゃな。しかし人質は本当に閉じ込められておるのだろうか。
これは憶測だがもしかすると……自らの意思で出てこないのかもしれぬ。
だとしたら話はもっとややこしくなる! とはいえここで話していても始まらぬ。突入するぞ!」
ドアの前に立つと、ドアはひとりでに開いた。
といってもゴゴゴゴ……といかにもラスボスのダンジョンっぽく重々しく開くわけではなく。
普通に横開きの自動ドアがウィーンと開いただけである。

【アニメの殿堂・1F】
目の前に広がるのは学園物の様な風景。
その中で、大勢のヲタク達が軽快に踊っていた! 曲目はアニメソングのアメアメ愉快である!
「どうやら我々は歓迎されているようじゃ……!」
朝礼台らしき物の上にダンス軍団を洗脳していると思われる妖怪が立っている!
「どこかで見た事があるぞ! お主は……鈴宮ナツヒ!?」
「そうよ。ただの人間には興味はありません! 
ヲタク、ヲタク、ヲタクならダンスに加わりなさい、以上!」
ダンスの軍団をよく見ると、なんとGSっぽい身なりの人も何人か含まれているようだ!
勇んで除霊に来たもののミイラ取りがミイラになった人達である。

70:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/24 01:56:28 0
>>69
>自らの意思で出てこないのかもしれぬ。
(…サキュバス?)
カフェの言葉を聞いた牧街の脳裏に、一つの妖怪の名前が浮かんだ
サキュバス、R18指定を受けて然るべきその妖怪の名を知る成人男性は、そこそこ多いことだろう
人間の性欲を刺激し、精気を吸う、恐るべき妖魔である
そして、サキュバスの中には、魅了した人間を自在に扱う種も、勿論存在し
…オマケに、サキュバスは普通に戦ってもかなり強い

「待って!タローさんとか神藤さんに応援を!」

オオサソリに武力で劣っていた(様に見えた)カフェでは駄目だと、手近な援軍に救援要請を出そうとしたがカフェが先に扉を開けてしまい…

牧街は一気に熱気に包まれた

学園らしきところで一様に同じ踊りを踊る、人、人、人、そしてそれらを先導するのは、一段上の台の上にいる、女の姿をした妖怪
汗臭い、男臭い、でも何か熱い、んで踊りが息があってるから見てて気持ちいい
>お主は……鈴宮ナツヒ!?
妙な熱気に牧街が多少興奮やら踊ってて疲れないのかとかと様々な思いに思考がついていかずに呆然としていた所で、カフェが妖怪に対して叫んだ
>「そうよ。ただの人間には興味はありません!~
妙に自信満々なその態度と、カフェの驚きの言葉、そして踊っている人達の中にいるGS達
それらの情報からある結論に至った牧街は、カフェを軽くひょいと持ち上げ、一目散に自動ドアから外へとかけ出た

「指名手配中の大物妖怪なんですね、アイツ」
カフェを下ろし、自動ドアから離れた位置に来た牧街が、カフェが抗議する前に会話を切りだし
そして次に慌てて手を前に出して振る
「いや、…俺も指名手配中の妖怪のリストは一応憶えてたんすよ、けど…アレはちょい記憶してませんでした、すいません」
どうも牧街には相手がハーメルンの笛吹きの様な、相手を洗脳して操る能力に特化した妖怪の類に見えている様だ
インターネットは愚か携帯も無い世界の住人であり、テレビも電気代が勿体無いとか言ってほとんど見ない上、特訓だの何だのでド疲れた状態で毎日家に帰ってすぐ寝るだけの牧街には、現代のアニメキャラの容姿など知る由も無い
「それよか、あの人数で一斉に攻撃されては勝ち目はありません、ここは、ちょいと人質の皆さんには申し訳ありませんが、一度秋葉原あたりで護身用に売ってる催涙グレネードを何個か仕入れて来ましょう。
アレなら霊的防御を無視できるから、洗脳されてる人たちの動きを封じる事ができるはずです
その後はあの妖魔を2対1で攻撃して、殲滅する、これでどうでしょう」
催涙グレネードは精々数万、今牧街の家には100万以上の金銭があるし、防毒マスクは自前のがあるため、10、20個買っても、強力な破邪札一枚程度の値段もしない、安い…わけではないが、失敗できない今回の仕事を考えれば、安いもんである
しかし、敵に援軍が来たらどうするとか、ナツヒが結構強かったらどうするとか、問題点は山積みな上、人質のご家族に文句言われてもしかない人道に多少反した策である

71:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/25 23:01:34 0
>70
「こりゃ! まだ突入したばかりなのになぜ退却する!」
>「指名手配中の大物妖怪なんですね、アイツ」
「大物? 確かに大物ではあるが」

>「(前略)その後はあの妖魔を2対1で攻撃して、殲滅する、これでどうでしょう」
「常に最悪の事態を想定し念には念を入れる……見事な心がけじゃ!」
カフェは牧街の作戦に感心したようだ! 
牧街の事を優秀なGSだと思い込んでいるからである。先入観とは恐ろしいものだ。
「建物が出来かけた時に丁度現場にいたのだが様々な妖怪の声がしておった。
各フロアに妖怪がおるかもしれぬ
分かりやすい萌えヲタだけではなく様々な趣向を想定したアイテムを揃える必要があるだろう。
そうと決まれば早速秋葉原へ行くぞ!」

やってきました秋葉原。
待ちかまえていたかのように、猫耳をつけたロリショタ少年が現れた。
そう、秋葉原GS道場の師匠である!
正体不明、戦国時代から生きているとかいう噂もあるショタジジイである。
「むむ!? なぜにこんな所をうろうろしている。逃げ帰ってきたにょか?」
「よく言うわ、事前に察知して待ち構えていたであろう。
人質が思った以上に多く、念のためにもっと大量のアイテムを仕入れようと思うてな」
「危ないと思ったら一端退却して作戦を練り直す。良い心がけにゃ。付いてくるにゃ!」
二人を先導して店に入っていくロリショタ少年。
もちろん店は護身用具店……ではなくヲタクショップだった!
「おそらく霊力付与されていない普通のヲタクグッズでも効き目があるはずにゃ。
……何驚いてるにゃ、青年」
こうして話がかみ合っていなかった事にやっと気付く一同であった。

72:ヲタクショップ店長
09/10/25 23:54:26 0
「――やはり来たか。」
死を纏わせた囁きと共に天井から舞い降りる黒い影。
ヲタクショップでは全身から凄烈な殺気を放つ、忍びの者が待ち受けていた。
無論この男、忍者などでも霊的な物品を扱う人間でも武器屋でも無い。
只の忍者のコスプレをした男である。

「用向きは察している…拙者の配下の"草"たちは秋葉原の至る所に紛れているのだからな。
そうだな…今ならば、魔砲少女"リリカルなのか"の抱き枕が其処許らの目的に適おう。
他にも"うみうしの鳴く頃に"の限定版ポスターなど様々な物を取りそろえている…。」
漆黒の旋風が店内に生まれ、一陣の風となって吹き抜ける。
首筋に微風を感じた時には、すでに忍者店長は背後のカウンターのレジへと回っていた。

「ポイントカードはお作りになりますか…?」

73:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/27 20:39:55 0
>>71
>分かりやすい萌えヲタだけではなく様々な趣向を想定したアイテムを揃える必要があるだろう。
「まぁ…あーゆータイプの建物にゃ一階につき一匹化け物がいるのがふつーっすからねぇ」
【様々な趣向】とやらを武器のタイプの違いとでもとったのか
牧街もカフェの話しに納得し、二人は一路秋葉原へと向かい…

そこで待っていた奇妙な怪人に、牧街はある種の恐怖を覚えた
(こ…この人は一体どんな宗教のGSなんだろう)
自らの想像など及びもつかない奇妙で珍妙な格好をした親父の登場に、牧街は驚愕し硬直する
(じ…じさまが子供の格好をして…耳?耳が何故…ってかにょ?にょって何だ…?)
しばらく呆然としていた牧街だったが、まぁ、そういう人もいるだろうとあっさり許容してしまった
一々生きている人間で驚いていては、街中でバズーカ撃つ男の弟子は勤まらない
それに、この親父も一線級のGSなのだろう
恐らく強力な武器が売られている店へと、牧街を案内してくれた

そこは、今まで見た事も無い様なオカルトショップだった
アニメキャラの人形やら壁紙やらマネキンやら抱き枕やら布やらなにやらが所狭しと置かれ
何と看板にはオカルトショップではなくアニメショップと書かれている全く新しいタイプの……

「…すみません、俺、仕事中なので」
多少冷たい感じで、そう言って、牧街はさっさと店の出口へと向かった
ほいほい怪しい人についてったり、年下の中学生(カフェの事、未だに牧街は真実に気づいていない)の師を選ぶ能力を信頼したりした己の間抜けさに苛立ちながら牧街が外へ出ようとした、その時

そいつは現れた

>>72
天井から現れたすさまじい殺気を放つ謎の人物は牧街に一通り店の商品を説明し、ほらさっさと買いに来いと言わんばかりに次の瞬間レジに出現する
(こ…殺す気や…何か買わんかったら、俺を殺す気や…)
死の恐怖を感じた牧街は、やむなく程よく高い商品から何か買うべく選別し始める
(うう…知ってるアニメの商品が何も無いよぉ…)
牧街の知っているアニメで一番最新のものは、小学校の頃見ていた賢者指令タックオンと言う番組で
宇宙処刑場イヌダッソーから逃げ出した宇宙死刑囚達と、宇宙処刑場を管理していた宇宙科学パトロール防衛隊のサーガ星人が選抜した5人の超獣攻撃隊隊員が巨大ロボや強化スーツで戦うという「賢者シリーズ」の第7作目であり
違う路線のアニメの商品がメインのこのお店には売って無さそうだ
(……しかし、マジで見た事の無い奴ばっかだな……あ!)
困りながら陳列棚を見ていた牧街は、自分も知っているアニメ、奇行戦士ガルダムの女性兵士の人形の存在に気づく
奇行戦士ガルダムはお台場に像が建つ程の国民的アニメで、流石の牧街もこればっかりは知っていた
しかし、奇行戦士ガルダムの知らないシリーズ(ガルダムシューシやガルダム01、牧街は初代しか知らない)の知らない女性キャラや、機動スーツと人間を合体させた様な娘の人形等女性キャラの人形、しかも若い娘の物があるばかりで
ガルダム、ガルダタンクや、ガルダキャノン、ザイクなどのメカは見当たらない
(…?売り切れたのかな)
そういえば他にも男性キャラの人形もメカも無いなーとしばらく考えていた牧街だったが
(風水とかそういうのの関係なんだろ)
とオカルトちっくな結論で普通にまとめた

「オタク」と言う存在を知らないほど、牧街モリオは現代社会から隔離されていたのである

「ぇーと…んでは…これ…ください…、ポイントカードは結構です」
やがて牧街は12cm位で、ビニールに包まれた500円のガルダタンク娘の人形をおっかなびっくりレジへと持っていった

74:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/27 22:55:05 0
>73
牧街の心の声を聞いたのかは定かではないが、牧街の肩にぽんっと手を置く秋葉原の師匠。
「ボクちゃんが実はじさまだとよく分かったにゃ! なかなかやるにゃ!」
さて、ここで一つの疑問が浮上する。師匠は見抜けて弟子は見抜けないのか。
仮説を立てて検証してみよう。

仮説1:弟子の方は実年齢と外見が師匠ほどはかけ離れていないため逆に分からない
仮説2:師匠の場合は明らかにそれが霊的な力もしくはその類のよく分からない力によるもの
弟子は単なる童顔だから分からない。

>「…すみません、俺、仕事中なので」
地の文でどうでもいい検証をしている場合ではない。牧街が怒って帰ってしまう。

>72
が、いいタイミングで牧街の離脱を阻止する者が現れた!
秋葉原で修行をしたカフェはもちろんそれが店長だという事を知っている。
「ナイスじゃ、店長!」

「なかなか乙なチョイスじゃのう!」
ガルダタンク娘を恐る恐るレジに持って行った牧街に声をかけ、慣れた手つきでヲタクグッズをレジに持って行く。
「では店長お勧めの"リリカルなのか"の抱き枕と……ロボ路線には創聖のポカリスエットン
あとは少し懐かし路線でブレザー服美少女戦士ブレザームーンの人形をもらおう」
ちなみにポイントカードはもう作ってある。

75:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/10/28 18:42:19 0
>>74
A、書いてる奴が「ロリショタ少年が現れた」と書かれていた事には気づいたが、まさか化けているとは気づかなかったから=ただのミス
……大変申し訳無い、以後気をつけます

「……あれ?」
牧街は目をこすった
今しがたまで爺様だと思っていた怪人が、ロリな服がよく似合う少年へと変わっていたのである
そういえば、何だか最初からじさまなどおらず、この子供が応対していたような気がしてきた…
(…とうとう無茶な特訓のツケが回ってきたか…)
牧街が頭を抱えた時
>「ボクちゃんが実はじさまだとよく分かったにゃ! なかなかやるにゃ!」
「へ?じさま何すか?」
カフェの師匠の方が正体をばらしてくれた
が、今度は牧街にはカフェの師は普通に少年に見えているため、牧街は何だか混乱してしまい
「まぁ、偶然って事で」
何が偶然なのかわからないが、とにかく「偶然」と言う言葉でその場はしめておいた
(この戦いが終わったら、脳外科へ行って精密検査受けよう…)
書いてる奴のミスのせいで、新たな決意が牧街の中で固められてしまう
ゴメンネ、牧街

まぁ、牧街が脳外科へ行くか否かなどどうでもいい
牧街と同じく店の商品を選別していたカフェは、どういう基準で選んでいるのかわからないが、慣れた手つきでいくつかの商品を選び、購入していく
(アレ、どうやって使うんだろ…)
カフェの真面目な表情からどうやらマジでそれらを除霊道具として活用するらしい事はわかった牧街だったが
どうやって使うかまで想像が行き届かない
所詮、コイツの想像力などネガティブな方にしか発揮されないのだ
(やっぱ投げるのかな…。じゃ、俺の買ったこれも投げつけるの?)
ガルダタンク娘のキーホルダーをちらっと見て、牧街は渋い顔になる
(車のキーにつけるのに丁度いいのになぁ、可愛いし。ガルダタンクギムの次に好きだし)
長年貧乏生活をしてきた牧街には、勿体無いお化けが何匹も取り付いていた
ちなみにギムとは、ガルダムの量産型機動スーツの事であり、機服娘シリーズにはまだラインナップされていない
(あ、これ正座してんのってキャタピラって事なのねぇ)
じろじろといちいち感心しながらガルダタンク娘を眺めている牧街は、既にカフェの買い物が済んでいる事に気づいていなかなかった

76:李珠 ◆rdfEGE/BGM
09/10/28 18:52:46 0
「ふふ…どうやら私の出番が来たようですね…主公。」
アニメートの奥に設けられたスタッフルームの扉が開く。
そこから店内に現れたのは中国風の白い漢服に葛巾を被った女性。手には白い扇。
顔は青褪めていて血色が悪く、口調は生気の無い棒読みの台詞口調だ。
昔の中国風の服を着た人物は、行列しているレジで商品を捌く忍者店長から牧街とカフェに視線を移す。

「これは失礼を…名乗るのが遅れました。
私は姓を李(リ)、名を珠(シュ)、字(あざな)は翠璧(スイヘキ)と申す者です。
我が師でもある丞相から江東で乱が起こった事は、すでに聞き及んでいます…。」
一礼して挨拶した李珠と名乗るこの人物の胸には"赤城 幸子"という名札が付いている。
無論の事だが、こちらが本名だ。

「天下統一の為にも江東の乱は鎮めねばなりませんね…私も一臂の力となるべく江東へと赴きましょう。」
手にした白羽扇を扇ぎながら李珠は店の外へと出る。
そして燦々と降り注ぐ日光を浴びた瞬間、その姿をぐらりと傾がせて地に倒れ伏す。

「どうやら私の命数もあと僅かで尽きようとしています…。
しかし、私は…志半ばにして倒れるわけにはいきません…丞相の意思を継がねば…。
丞相、この李珠を見守っていてください…。」
李珠は何とかコンクリートの床に膝をついて立ちあがるが、別に死病に取り憑かれているわけではない。
コスプレの為のダイエットで貧血気味なだけである。


【GSを見たのは遥か昔…なんとなくしか思い出せませんが御勘弁を。】


【名前】李珠 翠璧
【年齢】19
【体格】やや痩身、顔色は悪い
【容姿】諸葛孔明のコスプレ
【属性】道教系の道士
【霊圧】20
【装備】白羽扇
【趣味】三国志
【特殊能力】風変、火計など三国志に関係するもの
【備考】アニメートでバイトする歴女。諸葛孔明の弟子という自分設定。
三国志の登場人物、諸葛孔明への愛が高じてネットや書籍を漁り、その知識だけで方術を習得した。

77:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/10/28 23:19:17 0
>75
ガルダタンク娘を無心に眺める牧街を見てどこか満足げなカフェ。
(最初呆れていた割には満更でもない様子ではないか!
やはりこっちの素質はあるのじゃな、妹萌え属性もあるし)

>76
と、あらぬ誤解が発生したところで新たな仲間が登場。
なぜ見た瞬間に新たな仲間と分かるかというと
仲間になる人はなんとなくそれっぽいオーラを放っているというRPG的なヲタクの勘である。
>「これは失礼を…名乗るのが遅れました。
私は姓を李(リ)、名を珠(シュ)、字(あざな)は翠璧(スイヘキ)と申す者です。
我が師でもある丞相から江東で乱が起こった事は、すでに聞き及んでいます…。」
「これはこれは、李珠殿というのか。
妾はカフェ、この者は牧街、この度江東の乱鎮圧に派遣された者じゃ。
だが敵は思った以上に強大、新たな戦力が加わればそれ程有り難い事は無い」
もちろん名札の名前と違う事を突っ込むなんていう無粋な事はしない。それがヲタクのジャスティス。
>「天下統一の為にも江東の乱は鎮めねばなりませんね…私も一臂の力となるべく江東へと赴きましょう。」
「うむ、よろしく頼む!」
常識的に考えると唐突も唐突だが勝手にとんとん拍子に話を進めてしまうカフェ。
が、外に出たとたんにいきなり倒れる李珠。
「お主、どうした!?」
>「どうやら私の命数もあと僅かで尽きようとしています…。
しかし、私は…志半ばにして倒れるわけにはいきません…丞相の意思を継がねば…。
丞相、この李珠を見守っていてください…。」
駆け寄って抱え起こしながら感動的なシーンを演出する。
「そうじゃ! 師の願いを叶えるまでは死んではいかん!
まずはその一歩として江東の乱を共に鎮めようぞ!」
どこまで本気でどこからが冗談なのかをあえて明確にしない、それがヲタククオリティ。

78:牧街 ◇0GgFQdrqrk の代理投稿
09/10/29 21:34:09 0
>>76
いらっしゃいませ
どうぞよろしくお願いします

突如現れた白装束に、牧街は数歩後ずさる
衣装や表情や雰囲気が尋常じゃ無いというのもあるが
(…ま、まさか…買った商品が安いから俺に呪いをかける気じゃ…)
同じく尋常じゃ無い雰囲気の上に殺気びんびんな店長に言った「私の出番」の意味を誤解したからだ

>「これは失礼~すでに聞き及んでいます…。」
正体不明の白装束に狼狽する牧街に、白装束は名乗りを上げたが…
(…いかん、どうやら俺に害なす存在じゃないらしいが、言ってる言葉がよくわからん)
三国志等の歴史系の物に強くない牧街には、赤城幸子の言っている事は、半分も理解できていなかった…
(とりあえず名をシュって言ってたから名前はシュって言うんだろう、んで、中国系の妖怪人間か何かで、こっちでは赤城幸子って名乗ってるんだな)
そして、恐ろしい誤解を抱いてしまう
どうやら牧街には赤城幸子が「シュと言う本名を持つ妖怪だが、わけあって人間界にとどまり、赤城幸子と名乗っている」様に見えているようである

>「天下統一の為にも江東の乱は鎮めねばなりませんね
まだまだ亜人種って世間的に認識されていないから大変なんだろうなぁと思ってた牧街は、幸子の次の言葉で更に困惑する
(…?妖怪怪の世界で戦争でも起きてるのか?)
牧街に江東の乱の意味を理解できるほどの想像力は無かったのだ
(いちいち俺達にそんなどこかの戦争鎮圧する宣言するって事はよっぽど律儀な人なんだなぁ…)
そんなこんなで妙に感心していたところで、赤城幸子は倒れ付した
びびって半歩後ずさる牧街
>「どうやら私の命数もあと僅かで尽きようとしています…。
苦しげにそう言って、命からがらといった調子で起き上がる赤城…いや、李珠に、カフェが駆け寄る
>「そうじゃ! 師の願いを叶えるまでは死んではいかん!
何だか感動的な雰囲気を醸し出す二人を、じーっと見ていた牧街は、やがてぽんっと手を叩くと
「殿堂の方は、俺に任しといて、カフェさんはその方と江東に向かってください!」
こっちは俺が何とかしとくから、お友達を助けに行っていいですよと親切心を見せるのだった

79:名無しになりきれ
09/10/30 23:17:32 0
ほしゅ

80:李珠 ◇rdfEGE/BGM
09/10/30 23:55:08 0
【Σ(゚Д゚ )さ、参戦数時間で大規模全鯖規制だってー!
…誠に心苦しいのですが影響の少ない内に一旦退場させて貰って構わないでしょうか?
代行依頼スレッドでは最低でも10回に分けないと本文投下できそうにないので本文投下は諦め。
ぼったくり冥土カフェで軍議とも思いましたが、体調不良で倒れた事にして進めてください。】

81:名無しになりきれ
09/10/30 23:59:26 0
つか規制がなくても10レスにわたるレス投下ってどうよ?
参加スタイルやレス内容見直してみたらどうだ?
消えるよりもスタイル変更して代理投稿で参加継続の方が同僚も喜ぶと思う。

82:カフェ ◇YNbEhcUF/I
09/10/31 19:31:38 O
どうやら全員規制にかかったようじゃ……。

>李珠殿
早まるな! 
退場するぐらいなら規制中はどこか外部で進めて規制が終わったらなな板に戻ってくる方法もあるぞ!
多分牧街殿も同じような考えだと思う。
特に今回は参加者全員規制+乱立が同時に勃発した特殊事情であるしな。
千夜万夜の代理投稿スレには見当たらなかったが他の代理投稿を使ったのかな?

いちいち代理投稿で相談するのも冗長になるんで
とりあえずの相談の場として千夜のこのスレ(TRPG系雑談所)をお借りしてはどうかと思っておる。
URLリンク(yy44.kakiko.com)

83:カフェ ◇YNbEhcUF/Iの代理投稿
09/11/02 23:17:17 0
>78 >80
>「殿堂の方は、俺に任しといて、カフェさんはその方と江東に向かってください!」
「お心遣い大変ありがたいが殿堂は江東にあるのじゃ」
誤解を解こうとしたときだった。ロリショタ少年が衝撃の事実を告げる。
「牧街くん、急用があるそうで向こうでキミの師匠が呼んでるにゃ」
牧街は大慌てで急用とやらに行ってしまった。
「ちょいと待ってくれ! 妾は原作をほとんど知らぬのだ、牧街殿無しでは困る!」
そんなカフェに、ロリショタ少年が他人事感全開で励ます。
「まあどうにかなるさ!」
「うむ、どうにかなるか」
納得することにしたカフェであった。
一方、担架を持った運搬係が出てきて李珠を奥の部屋へ運び込む。
「規制が終わるまで、もとい体調が良くなるまで休ませるので先に行っててください」
「はあ」

そんなこんなで一人でアニメの殿堂に再潜入。
ヲタク達は相変わらずアメアメ愉快を踊っていた。
妖怪鈴宮ナツヒがこっちをにらみつける。
「また来たの!? 踊らないなら帰りなさい!」
「残念だがそれはならんぞ! ヲタクグッズの真価を試す時が来た!
まずはこれじゃ、とお!」
ヲタク達の真っただ中に店長お勧めのリリカルなのかの抱き枕を投げた!

84:カフェ ◇YNbEhcUF/I
09/11/06 22:32:14 0
「むお? これは……!」
抱き枕の周囲のヲタク達は抱き枕の争奪戦を始めた。
当然、それまでの一糸乱れぬダンスが乱れる。
それを見たナツヒは当然ご立腹である。
「ちょっとアンタ、何てことしてくれるの!?
私が不機嫌になるとどうなるか分かってんの!?」
「知っておるぞ。お主が不機嫌になると世界が崩壊するのじゃ。
しかしこの世界を全世界に侵食させるのが目的なのであろう。崩壊させていいのか?」
「う……」
それもそうだと思い言葉に詰まるナツヒだが、すぐに攻撃に出た。
「ええい、ポルターガイストお!!」
カフェに向かってチョークや黒板消し等の学園物の定番アイテムが超スピードで飛来する!
ロリータ傘を開いて防御するカフェだが、霊力を相殺しきれずに後ろに吹っ飛ばされる。
「きゃあ!」
それを見て勝ち誇った顔のナツヒ。カフェが弱弱しく呟く。
「お兄ちゃん、助けて……」
その時、ヲタク達に変化が起こった!
「はっ、ヴォクは今まで何をしていたんだ!」
「ヴォク達の妹をいじめる奴は許さないぞー!」
すかさず号令を出すカフェ。
「お兄ちゃん……嬉しい! お兄ちゃんはすごく強いんだもんね、あいつをやっつけちゃって!」
大量のヲタク達がナツヒに飛びかかる!
「アンタ達、私を誰だと思って……ちょっと、趣味じゃないんだけど!
ぎにゃあああああああああ!!」
ヲタク達にもみくちゃにされるナツヒを見ながらカフェは言った。
「萌えヲタを大量に動員していてくれて感謝するぞ。
1階だけあってそれ程強く無かったが……次はこう簡単には行かぬだろうな」
【1F 鈴宮ナツヒ撃破】

85:李珠 ◆rdfEGE/BGM
09/11/07 19:03:24 0
映画やゲームで見知っている人も多かろうが、彼女が敬愛する諸葛孔明について少々解説しよう…べベンベン!
舞台は中国!遥か昔の後漢時代、俗に三国志と呼ばれるこの時代は多数の英傑や軍師を輩出していた。
諸葛亮はその一人で性を諸葛、名を亮、字を孔明といった。
劉備に仕えた諸葛亮は蜀という小国の丞相(宰相)として政治や軍事で国を支えたが、志半ばにして倒れてしまう。
しかし死後、その至誠溢れる生き様によって次第に神格化。
後世の小説や民話では風を起こしたり、地雷を作ったりと半分仙人みたいな扱いを受けるのであった…べベンベン!

>83
アニメの殿堂二階は学園風の一階とは全く異なり、ノスタルジーを感じさせる町並みが再現されていた。
町の入口に置かれている案内板に書かれていたのは、不吉な文体で書かれた〈不死子・F・不死雄町へようこそ〉という文字。
案内板の前に佇む李珠は、階段を上ってきた人物の気配を感じると振り返って声を掛ける。
「無事に一階を突破しましたか…見事なお手並みです。
フフ…少々予定外の事が起きましたが、私も縮地の法とタクシーでここまで追いつく事が出来ました。
先程はカフェ殿の師匠に介抱されねば命が危うかった所…後で答礼に伺わねなりませんね。
それにしても…アレには…癒されたものです…まさかあのような事まで…。」
ロリショタ少年の介抱を思い返した李珠の口元が緩む。

「それはさて置き…この謎の建造物出現に関しては根本の原因が分からねば、真の解決はありえません。
現在、間諜のキバヤシに調べさせておりますので、何か分かれば私に連絡が来るで…。」
李珠の声を遮るように突然、民家の屋根の上から黒い影が降って来る。
ブンッ!という風切り音に転げるように李珠が伏せると背後では町の案内板がスッパリ切断されてパタンと倒れた。
襲撃してきたのは、おそらくこの階の守護者だろう。
各階ごとに守護者がいるのは少年漫画のお約束である。

「何者ですか…?」
李珠が問うまでも無く、襲撃者の正体は郷愁を感じさせる夕映えが明らかにしていた。
それは髷の付いたゴムまりの頭部に体は風呂桶、掃除機のホースの腕の先に小さなゴムまりの手という人形らしき物体。
頭部に付けられた焦点の定まらない目でこちらを見上げたカラクリ人形は、可愛らしい声で名乗りを上げる。

『吾輩は殺助(ころすけ)ナリ! ここは通さないナリよ!』
手に持った長大な刀を引き摺りながら50cm程のカラクリ人形がこちらににじり寄ってくる。
有名なアニメの愛らしいキャラクターのはずなのだが、足が凍る程の圧倒的な剣気を発している様は年を経た剣豪そのもの。
カラクリ人形の腕が微かに動くと左右のブロック塀は倒れて辺りに土埃を巻き上げた。斬撃は全く見えないという絶望感。

「――気の盛んな敵と正面から戦うのは自殺行為。まずは兵法三十六計の一つ、走為上を持ちいるとしましょう…。
案ずる事はありません…まだ策はあります。私の勘が正しければ、この近くに土管が三つ置かれた空き地が有るはず。
そこまで誘い込めれば、敵は我が掌にありと言うものです…。」
と言いつつ、李珠は背を見せてダッシュで走り始める。
走為上とは逃げるのが最善の策という意味なのだ。


【どうやら予定より早く戻れたようですね…カフェ殿、牧街殿、色々御迷惑をお掛けしました】

86:カフェ ◇YNbEhcUF/Iの代理投稿
09/11/09 19:04:40 0
>85
さりげなく抱き枕を回収してから2Fに上がると、なんと李珠が先にいた!
「おお! もう規制解除……じゃなくて良くなったのか!
なるほど、師匠の介抱で。
我が師匠はああ見えていろいろな術を隠し持っておるからのう」

>「現在、間諜のキバヤシに調べさせておりますので、何か分かれば私に連絡が来るで…。」
「それは心強い……ほわあああああああああ!?」
>「何者ですか…?」
>『吾輩は殺助(ころすけ)ナリ! ここは通さないナリよ!』
「直接攻撃系じゃと!? ヲタク系アイテムが役に立たんではないか!」

>「私の勘が正しければ、この近くに土管が三つ置かれた空き地が有るはず。
そこまで誘い込めれば、敵は我が掌にありと言うものです…。」
「何か良く分からんがすごそうじゃ! ではそれで……てええええええ!?
普通に逃げるだけ!?」
案の定、すごい勢いで道を破壊しながら迫ってくる!
このままだと数十秒で追いつかれそうだ。
「ぎやあああああ!? 無理無理!!」
カフェは必死で走りながらトレカーケース、もとい破邪札ケースを取りだす。
「あれでもない、これでもない……あった!
破邪札“フードバトラー”シリーズ、“コロッケ”!」
コロッケの絵が描かれたカードを投げる。
それはボンッという効果音と共にコロッケになり、殺助は急ブレーキをかけてそれを拾う。
「今のうちじゃ! むむ!? そこに見えるは空き地!」
土管の3つある空き地に滑り込んだ!

87:李珠 ◆rdfEGE/BGM
09/11/09 22:06:59 0
『待つナリ~!』
足を漫画の様に回転させながら、刀を振り回すカラクリ人形が追ってくる。
必死に走るも運動不足と貧血の上に動き難い漢服という三重苦、早くも息が切れてきた。
「待てと言われて待つ者はいませんが…このままでは追いつかれてしまいますね…。」

>カフェ「あれでもない、これでもない……あった! 破邪札“フードバトラー”シリーズ、“コロッケ”!」
迫りくるカラクリ人形はカフェの破邪札に動きを止めて出現したコロッケに食い付き始めた。
その間に愛らしい殺人マシーンとの距離を取って一気に引き離す。
何とはなしに三枚のお札やイザナギの逸話を彷彿とさせる。
「好餌を蒔いて敵の足を鈍らせる……見事な兵法です。」

>カフェ「今のうちじゃ! むむ!? そこに見えるは空き地!」
「やはり空き地がありましたか…ここは火計こそが上策。」
空き地では土管の上に立つ、いかにもガキ大将という少年が人を集めてコンサートを開いている最中だった。
しかし李珠はそれに構わず、袂から透明な液体の詰まった数個のビニール袋を取り出して辺りに投げつける。
ビニール袋が割れて漏れた液体が地面に広がると周囲からはガソリン臭が漂う。

『追いふいふぁナリ! もう逃わふぁあいナリよ!』
コロッケを口に入れたままの殺助が空き地に足を踏み入れる。
「もう来ましたか…ですがここは貴方にとっての死地となりましょう。」
李珠はガソリンで出来た水溜まりに足を踏み入れた殺助を目がけて最後のビニール袋を投げつけた!
殺助が神速の切り返しでビニール袋を切り刻むが、宙に四散したガソリンは余す所なく殺助の体を包む。

「今です…炎よ、龍となって赤壁の戦いの如く燃え上がりなさい……ファイアー!」
三国志と関係無い掛け声とともに点火したライターを投げつけると紅蓮の炎が殺助を燃え上がらせた。
ごおっと迸る火焔は瞬時にガソリン溜まりを駆け、周囲の芝生にまで延焼を始める。
一瞬にして黒焦げになった人形は炎の中でバッタリと大の字になって倒れた。
誤解するといけないが、一般的に除霊や退魔の際にはガソリンは使わない事が多い。
ついでにいえば、この火攻めも術ですらない。

『キテー!』
謎の悲鳴を上げながら燃え尽きた殺助の残骸は、煙を吹き上げて消滅。
仮初めの肉体を失ってエクトプラズムか、或いは何か他のものに戻ったのかもしれない。
それを見て李珠は満足そうに頷いた。
周囲の炎の勢いはますます盛んになり、火の粉がバチバチと散る。
その時、李珠の袂の中の携帯電話がプルルルルという電子音を鳴らす。
「キバヤシから連絡が来たようです…何か分かったのかもしれません。
もしもし李珠です………(中略)………な、なんだってー!!!」

88:カフェ ◇YNbEhcUF/Iの代理投稿
09/11/11 07:11:03 0
>87
「?」
李珠の不思議な行動を見守る。
>「今です…炎よ、龍となって赤壁の戦いの如く燃え上がりなさい……ファイアー!」
「何いいいいいいいいいい!? 何と画期的な除霊方法!」
カフェは21世紀の科学を使った斬新な除霊方法に感動した。

>『キテー!』
「やったな! 2階のガーディアン撃破じゃ!」

>「キバヤシから連絡が来たようです…何か分かったのかもしれません。
もしもし李珠です………(中略)………な、なんだってー!!!」
その時カフェは大変な事に気づいた。
火の勢いは収まる所を知らず辺りが火事になっている!
ジリリリリリリ!! 火災警報器まで鳴り始めた!
妖怪の霊力によって出来た建物にそんなものがあるのか甚だ疑問だが
鳴ってしまったのだから仕方がない。

キバヤシの言った事はこうだ!
世界には不思議な力を持つノートが数冊あり、その中の一つレスノートがこの怪異の鍵になっている!
何らかの妖怪、恐らく最上階のボスが所有していると思われるので、それを奪取せよとのこと。

もしかしたらカフェが第三話で手に入れた黒歴史ノートもその中の一つなのかもしれないが、今は関係ないので話を本筋に戻そう。

「火事ではないか! 逃げるぞ!! 
ああっ! その前に人質を救出せねば! 一体どこじゃ!?」
「その必要はない……人質は1階にいたので全てだ!」
そう答えたのは……青年の姿をした妖怪だった。
整った顔立ちで、頭はピカピカに輝いている。
「本当は信者を動員するつもりだったのに誰も集まらなかった……なぜなら僕がハゲだからだ!
僕は夜髪ライト……またの名をピカ! 新世界の髪になる!!
本当は最上階で待っているはずだったのに火事が起こったから慌てて来てやったぞ!」
そして、ピカは一冊のノートを取り出した。そう、レスノートだ!
「安心しろ、このノートに名前を書かれても死にはしない……。
ただ髪がlessになるだけだ!」
要するにノートに名前を書かれるとハゲてしまうらしい!

89:李珠 ◇rdfEGE/BGM
09/11/11 19:39:35 0
「レスノート…要するに太平要術の書の様な奇書ですか。」
キバヤシの説明が怪異の原因を知らせる。
「カフェ殿…まずは、こちらの名前を知られないようにしないといけませんね。」
カフェに注意を促す。
『ほう!そちらは、カフェ君というのかね?』
耳聡く聞きつけたライトが口角を歪めてスラスラとノートにペンを走らせる。
「いけません…敵に名を知られてしまったようです。急いで阻止しなければ。」
李珠は袂から取り出した元戎(同時に複数の矢を放てる多発式クロスボウ)に銀の矢を装填する。
ギリギリと引き絞った弦を離すと短く太い矢が一斉に宙を躍り、ライトにドスドスドスと刺さった。

【またもや規制発動…風呂敷を広げるのは無理そうです…】

90:カフェ ◇YNbEhcUF/Iの代理投稿
09/11/12 23:02:59 0
「ぐわあああああ!? おのれ、ハゲにしてやる!! 40秒たったらお前もハゲだ!」
ライトは銀の矢に悶絶しながらも根性でノートにカフェと書いた。
「ウボアアアアアアアアア!!」
カフェは断末魔の叫びをあげながら転げまわる。
が、40秒たっても何も起こらない事に気づき、勝ち誇った顔で言い放つ。
「……そうじゃ! そういえばカフェは通称で本名は明かしておらぬのだった!
李珠も通称だからお主に勝ち目はない!」
その時のライトの絶望の表情と言ったら無い。
「くそお……こうなったら……死髪の目発動!! 当たると髪がコゲて無くなるぞ!」
ライトは目から縦横無尽にビームを出し始めた!
当たると髪以外も普通にダメージを受けそうだ!

【他板から代理投稿乙です。
こっちも一瞬だけ解除されて再規制~。スレが落ちない程度に焦らず進めましょう】

91:李珠 ◇rdfEGE/BGM
09/11/14 20:44:10 0
乱射されるビームに李珠は防御の陣形を敷く事を考えた。
「ここは鉄壁の防御陣で敵の猛攻を凌ぎましょう。」
カフェをサッと掴んで盾にする。
何気に非人道的と思った人もいるかも知れないが、これは戦。
指揮官が倒れれば総崩れとなる以上は多少の犠牲が出るのは致し方ない。致し方ないのだ!!
「カフェ殿…後で立派な碑を建てます故、どうか化けて出ぬように。」

李珠は力を使い果たして倒れたライトに近寄り、その手に握るノートを掴む。
「おそらくこのノートが怪異の核になっていたのでしょう。
ノートの後ろに名前が書いてあるようですが持ち主の名前でしょうか。
所々焦げていますが辛うじて読めそうですね…何々、■生太郎…なまたろう?」

92:カフェ ◇YNbEhcUF/Iの代理投稿
09/11/15 23:08:34 0
「鉄壁の防御陣!? あぁああああああああああ!!」
抗議する間もなく目から放たれたビームが飛んでくる!
師匠からもらった霊力付与された掛け軸、専門用語で言うとポスターをとっさに広げる!

さて、この掛け軸、巻物状に巻いてあってもらう時に中身を確認していない訳だが……
髪が必要以上にフサフサな幸せそうな家族のイラスト。
“髪様家族”というアニメのポスターだった。
ちなみに アニメ 神 で検索したら似たようなアニメのサイトが出てきたぞ!

それを見てライトは激昂した。
「許さん……フサフサなど許さん!!」
ポスターに向かって集中砲火する!
髪様家族の髪が少しずく削られていくが、そのフサフサは尋常ではなくついにライトが力尽きた。

>「所々焦げていますが辛うじて読めそうですね…何々、■生太郎…なまたろう?」
「もしや……阿蘇 生太郎!?」
ライトが言った。
「嫌だ。死にたくない!
僕たちは政権交代で潰えた彼の想いに応えたかった……それだけなんだ……」
それにしては髪だけにこだわっていたような気がするが気にしてはいけない。
「お主ら……ふぎゃ!」
しんみりした雰囲気はぶっかけられた大量の水によって遮られた。

いつの間にやら入ってきていた消防隊員達が消火活動をしている!
「はて、なぜ国家機関が介入しておるのじゃ?」
「困りますよ、火事なんか起こされちゃあ!
今さっき国会通過したんですけど、建物が出来てしまったのだからということで
ポッポが開き直ったのか知らないけどそのままアニメの殿堂にすることになったんですから!」
と、消防隊員が丁寧に説明してくれた。

「そうなのか……! それなら心残りはありません。
僕たちはみんなの心の中に帰ります。ありがとう……」
ライトをはじめとする妖怪たちは消えて行った。本来あるべき場所へ帰ったのだ。
そしてまたもや手元には霊験あらたかなノートが一冊残ってしまったのである。


93:李珠 ◇rdfEGE/BGM
09/11/17 23:02:44 0
「お見事です…カフェ殿なら必ずや敵の攻撃を防ぐと信じておりました…。
事前に防御陣の構築を知らせないのも実は計画のうちです。
前もって攻撃を知っていては、あの死髪の目の発射速度に反応すらできません。
何かを考えてしまっては、どうしても脳のインパルスが筋肉に到達するまでに一瞬の遅れがあるでのです。
ですが死と隣り合わせの危機が、先程の神がかった反応速度での緊急回避を成し遂げさせた…。
要するに…全ては私の綿密な計画の通りだったのです。」
と、したり顔でカフェの瞳をじっと見つめながら嘘だかホントだか分からない解説を始める。
どうでも良い事だが、人は嘘をつく時には饒舌になるという。
「それにしても怪異の原因は元宰相の所持していたノートでしたか。
いえ…それが本当かどうかを検証するためにも試しに何か書き込んでみましょう。」
李珠は書き込んだ事が現実に起きるノートなのかと期待しつつ、筆ペンを走らせる。
ノートに『平成の世に戦国の乱世を再び』と書き込もうとするものの、
『ERROR:アクセス規制中です!!』と言う文字が浮かび上がってインクを弾き、何も書き込めない。
「…書けませんね。とりあえず書き込めるようになるまで待つしかありませんか…。
これは危険な力を秘めているようなので私が管理しておきましょう。」
何食わぬ顔でそのままノートを懐に仕舞い込む。
ちなみに霊的な物品の収集は、悪用を防ぐためにそれなりの資格が必要だ。
そして誰からも突っ込まれなかったが、李珠は普通にGS免許は取得していない。
「では、後は国家機関に任せて私たちは戻って戦勝の祝杯を上げましょう…。
秋葉原に新しく開店した冥土喫茶とやらに宴席を設けておきました。」

94:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/18 23:37:08 0
>「お見事です…カフェ殿なら必ずや敵の攻撃を防ぐと信じておりました…。
(中略)要するに…全ては私の綿密な計画の通りだったのです。」
「なるほど……そこまで信頼してくれて感謝するぞ。
出会ったばかりなのにまるで長年組んだ相棒のようじゃ!」

>「…書けませんね。とりあえず書き込めるようになるまで待つしかありませんか…。
これは危険な力を秘めているようなので私が管理しておきましょう。」
「ご愁傷様じゃ。これは憶測だがもう少し待てば書けるようになるであろう」
ノートをしまいこむ李珠に何の疑問も持たないカフェ。
それもそのはず、まさかGS免許を持っていないなんて思っていない。

「なぬ!? 新しく開店した冥土喫茶!?」

―そして冥土喫茶

「お帰りなさいませ、お嬢様方!」
幽霊のコスプレをしたマスターとマスターの奥さん、つまりカフェの両親が出迎える!
「やはりお主らか! 元の店と場所が違う気がするのは気のせいか?
それにやたらと計画から完成までの期間が早かったような……」
「気のせいにゃ!」
師匠がすでに奥でくつろいでいた!
「二人とも、よくやったにゃ!」
続いてマスターが店の解説をする。
「ここはただの喫茶店ではないぞ。
冥土喫茶+GSが集って情報交換をする場+お前の事務所の3つの機能を備えておる。
どうだ、素晴らしいだろう!」
つまりRPGでいうところの冒険者の酒場みたいな店だ!

95:李珠 ◇rdfEGE/BGM
09/11/19 22:24:40 0
>カフェ「なるほど…(中略)…まるで長年組んだ相棒のようじゃ!」
「まさしく水魚の交わりですね……水魚の交わりとは、まるで水と魚の様に相性が良いという意味です。」
とりあえず三国志に纏わる小ネタを挟む。
そして相棒と聞いて何故か頭によぎる刑事ドラマ。
「では、私がウキョーさんですね。」

―そして冥土喫茶

入口をくぐると目に映るのは荒涼とした地獄のレイアウト。
店の全体からは不気味な霊気が漂い、寂れた雰囲気を醸し出す。
金棒を持って店内をうろつく牛頭馬頭の鬼たちは背中にチャックが無いが、バイトなのだろうか。
気のせいか、外から見た敷地面積よりも店舗内が広く感じられる。

96:李珠 ◇rdfEGE/BGM
09/11/19 22:25:24 0
「ここは、カフェ殿の御尊父と御母堂の経営されている店なのですか?
この世のものとは思えない斬新な店……いわゆるこれが現実を忘れての別世界気分というものでしょう。
さっそくですがランチに段ボール入りの饅頭を一つ頂きましょうか。」
椅子に座り、場を和ませる冗談を交えて注文を述べるとマスターから店の説明を聞く。
※ ※ ※
「“二兎を追う者は執念深く追えば三兎を得る”と中国の古い故事にもあります…多機能万歳ですね。」
『まあ、フロアの半分は別の経営者の事務所だけどね…閻魔さんっていったっけな』
『1ま~い、2ま~い、3ま~い…あれ?7枚も足りな~い…うらめしや~』
李珠は今回の件でICPOの超常犯罪課から要注意人物としてマークされるのだが、それも今は知らぬ事。
次のコスプレの武将を誰にするかに心を馳せながら饅頭に口を運ぶ。

レポート4.アニメの殿堂 END

97:李珠 ◆rdfEGE/BGM
09/11/21 21:46:24 0
饅頭は諸葛孔明が発明したという伝説があるので自称弟子としては外せない。
店のメニューは変わった物が多く、李珠の頼んだ饅頭も人の首そっくりの造形。
もともと饅頭は人の首の代わりとして作られた物なので、元の伝説をなぞっているともいえる。
「これは…いわゆる創作ネタ料理ですね。」

李珠がランチを済ませると、ベージュのトレンチコートを着た男が店に入ってきた。
男は店内を見渡し、李珠に近づくと渋い顔で警察手帳を開く。
『君が赤城幸子君だね? 先のアニメの殿堂事件で君が無免許除霊を行っていたという通報があってね。
任意での事情聴取を行いたいんだが。』
「いえ…私は李珠、字を翠璧と申す者。赤城などという方は存じ上げませんが?」
『わかったわかったOK。その辺りも署で聞こうか。別に逮捕しようってわけじゃない。』

じりじりと歩幅を詰めながらにじり寄る刑事。
羽扇を縦に持って風術の準備をする李珠。

逃走の経路は見る限り店の入り口一つで、刑事は入口を塞ぐように立っている。
とりあえず刑事を突風で吹き飛ばして後の事は後で考えるが上策。すなわち走為上。
「吹けよ、東南の風…!」
『公務執行妨害!』

突風は狙いを外すと隣のカフェを吹き飛ばし、刑事は無傷。
かくして、李珠の手に冷たい手錠が嵌った。


【四話終了という事で宜しいでしょうか?
カフェ殿、お疲れ様でした。こちらは事件を解決してからの復活です…。
容量節約に色々と文字を削っていたので意味が伝わらない箇所も多々あったと思いますがご容赦を。

元々はゲストキャラ的に一話ごとにキャラを変えて、
牧街事務所に何か依頼を持っていくという形を考えておりましたが、
規制状況に関しては年末は高確率での発動。
ネカフェの方はまだ規制と今回の惨状を鑑みると少々迷うところですね…。】

98:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/21 23:03:38 0
>96-97
新装オープンした冥土カフェで宴を楽しんでめでたしめでたし……と、思われたが例によってオチがつく。

物々しい雰囲気に包まれる店内。
>『君が赤城幸子君だね? 先のアニメの殿堂事件で君が無免許除霊を行っていたという通報があってね。
任意での事情聴取を行いたいんだが。』
「えええええええええええええええ!?」
目が飛び出さん勢いで驚くカフェ。
それもそのはず、素晴らしいチームワークで共に除霊した李樹が無免許だなんて思うはずがない。
「いえ、だが李樹さんがいなかったら解決は無理であった! ここは何とか穏便に……」
>「吹けよ、東南の風…!」
>『公務執行妨害!』
吹き飛ばされて伸びている間に李樹はタイーホされてしまいましたとさ。

>97
【そちらこそお疲れ様であった!
規制……年末になったら妾もかかるのであろうか……。
近頃規制が頻繁になってきたのう。
数年前は規制?何それ状態で去年ぐらいまではまだそれ程なかったのに。
参加形態についてはお任せするぞー。
1回4~5行やマターリペースでも全く問題ないし
厳しそうなら規制が落ち着くまでこっちで一人SSやるので名無し投下でもしてくれると嬉しい】

99: ◆rdfEGE/BGM
09/11/22 19:50:39 0
――アニメの殿堂事件が解決してから数日後。

営業中の冥土カフェに袴姿の子供が入ってくる。
頭はおかっぱで少し太り気味、見た感じの年齢は10かそこらになったばかりというところ。
明らかに時代遅れの格好だが、コスプレの盛んな秋葉原ではさほどの違和感は無い。
『いらっしゃいませ…おぼっちゃま!』
そして少年は、すぐさま回れ右して店を出た。

「怪しい店だけど、本当にここがチラシに書いてあった妖怪退治の店なのかな?
もし、ぼったくりバーって店だったらどうしよう…。」
少年は、訝しげにもう一度店の看板と手元のチラシを見比べると、今度は恐る恐る店に入る。
『おかえりなさいませ~おぼっちゃま~!』
「あのー…おばちゃん。ここは妖怪退治の店でいいの?」
『あら~そっちの用件なの?それなら二階が事務所になってるわよ~。』

カフェの母が二階への階段を指差す。
促されて袴姿の少年は階段を上ると、事務所の扉をコンコンと叩いて中に入る。
「もしもし、誰かいますかー?」


【名前】惣介(そうすけ)
【年齢】11
【体格】少し太めな人間の子供の姿
【容姿】藍色の袴姿
【属性】化け狸
【霊圧】48
【装備】爪
【趣味】腹鼓
【特殊能力】変化の術
【備考】108の霊的拠点の一つ、双神山(ふたがみやま)に棲む小狸。
1年前に生物としての狸の寿命を終えて化け狸になった。現在は修行中の身。

【では、お言葉に甘えて】

100:名無しになりきれ
09/11/23 23:09:31 0
りゅ

101:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/23 23:16:31 0
冥土カフェの二階に事務所を持つ事が出来たカフェ。
これで仕事も増えて商売繁盛、と思いきや……
「おかしい……なぜ依頼が来ないのじゃ?」
依頼が来なくて暇なので分析してみよう。
そもそもGSの商売相手は悪霊や妖怪の恐怖に震える一般人。
大してノリもよくないまともな常識人だ。
悪霊だってやたらハイテンションな人の前に出るのは気が引けるだろう。多分。
まともな常識人はわざわざ怪しげな店とタイアップしてる事務所に行ったりしないのだ。
もっと言うと秋葉原流のGSのところに行ったりしないのだ。
と、結論らしきものが出た所で。
>「もしもし、誰かいますかー?」
一番乗りの客がキタ――!
というわけで用意しておいたクラッカーを鳴らしつつ。
「喜べ、少年。そなたが我がGS事務所の最初の客じゃ!
袴とはまた乙な服を……」
カフェは少年が狸だという事に気づいたようだった。
「人里まで降りてくるとはどうしたのだ? 
さては狐との抗争か? 21世紀狸合戦ぽんぽこか!?」
普通なら報酬が葉っぱで払われるんじゃないかなど心配するところだが
何しろ今は初めての客が来たため舞い上がっている!
相手が狸だったことにむしろ喜んでいるようだ!

102:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/11/24 20:53:37 0
『りゅ。』
「わあー。」
突然、階段の下の方からお魚咥えたドラ猫ならぬ、猫耳の少年が飛びかかり、惣介の背中にしがみついてきた。
「もう…だれなの?離れてよ…。おんぶお化けなのかなあ…そうだったらやだなあ。」
手を伸ばして、背中の猫耳少年を振り払おうにもしっかりしがみ付いて背中から離れない。
これは、本題の前に背中のおんぶお化けを退治してもらわないといけないかもしれない。

事務所に足に踏み入れた惣介を出迎えたのは、パンと音を立てるクラッカー。
色とりどりの紙吹雪が舞い、何本もの紙テープがパサリと惣介の頭を覆う。
>カフェ「喜べ、少年。そなたが我がGS事務所の最初の客じゃ!
袴とはまた乙な服を……」

とりあえず頭のテープを払いのけて、キョロキョロと頭を動かす。
部屋には、目の前の西洋のドレスっぽい服を着てる女の人しかいない。
妖怪退治をすると聞いて、修験者や巫女をイメージしていた惣介のイメージとは何となく違う。
「あのー…ここで悪い妖怪を退治してくれるって下で聞いたんですけどー…?」

もしかしてキャバクラという店に入ってしまったのかもしれないと思い、少し自信なさげにカフェに尋ねる。
>カフェ「人里まで降りてくるとはどうしたのだ? 
さては狐との抗争か? 21世紀狸合戦ぽんぽこか!?」
「わぁ…もう正体も目的もばれてる。」
いままで不審気味だった惣介の目も一転して尊敬…とは言わないまでも驚嘆の眼差しぐらいのものには変わった。
変な人しかいなくて、ちょっとだけ帰ろうかなと思っていた惣介も思い直して自己紹介を始める。

「初めまして。僕は惣介。今は人間の格好に変化してるんだけど、仰る通りに双神山に住んでる狸です。
あ…双神山っていうのは僕の住んでる二つの峰を持つ霊山で、それぞれの峰に主がいる山なんです。
東の峰には化け狸の主の大狸様が棲んでて、僕たちみたいな大勢の小狸に化け方とか色々教えてくれます。
そして、反対側の西の峰は妖孤っていうずる賢くて迷惑な狐とその手下たちの縄張りです。
それで…そのー…退治してほしいのは、その妖孤なんですけどー…。」

話も核心に入り、惣介もギュっと握りこぶしを作る。
「西の峰の狐たちも半年くらい前まではおとなしかったんです。
だけど、双見家っていう昔から二つの山の仲裁をしてた家の偉い人がぽっくり逝ってからは、
わざわざ東の峰までやって来て、通り道にゴミを撒いたり、竹林を荒らしたりして嫌がらせをしてくるんです。
大狸様も妖孤から贈られてきた牡蠣を食べて倒れちゃうし…。
もう、あいつらにはずっと西の峰でおとなしくしてて欲しいよ…。
おばちゃん…どうかあいつらを懲らしめて!」

猫耳の少年…秋葉原道場の師範は、まだ惣介の背中。
頭を下げた拍子に惣介はバランスを崩してステンと転び、鼻を床に打ちつけた。
すかさず師範は惣介の鼻に『Sl.qrwsKik』と書かれた絆創膏をペタンと貼る。
『貼っておくにゃ。それは、しばらく剥がしちゃダメにゃ。』
「あいたた…変なもの貼らないでよ。何これ取れないよー…。」

103:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/25 23:11:36 0
なぜか少年の背中には猫耳ロリショタ少年がくっついている。
「ふむふむ、狐どもの横暴に困っておると……よーし、妾に任せ」
>「(前略)おばちゃん…どうかあいつらを懲らしめて!」
すてーん! マンガ的にずっこけてスライディングした。
「妾をおばちゃんと呼んだのはそなたが初めてじゃ……!」
『まだまだ修行が足りんということにゃ。
ぼくちんは修行を積んだから滅多な事ではバレないにゃ』
「ちょい待て! こちとら師匠と違って実年齢にしてもまだそんなにいってないぞ!」
姉弟漫才はそれぐらいにしておいて。
『とにかく……このままにしておくのは可哀想にゃ。助けてあげにゃさい!』
師範は狸くんに情が移ってしまったらしい。
こうなったらもうおばちゃんと呼ばれようが依頼を受けるという選択肢しか存在しない。
「ではさっそく西の峰とやらに行ってみようではないか!」

師匠がアイテム携帯電話を使用しタクシーを召喚した。
『ではいくにゃ!』
「ところで師匠も一緒に行くのか?」
『もちろんにゃ。でも疲れるから……
じゃなくてカフェの精進のために余程危なくなるまで手は出さないにゃ』
要するにこの師範、暇人のようである。

104:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/11/26 21:54:38 0
>カフェ「ちょい待て! こちとら師匠と違って実年齢にしてもまだそんなにいってないぞ!」
「実年齢……へぇ、人間も変化の術を使えるんだ。」
カフェと師範のやりとりから、惣介も彼らの年齢がかなり上だという事を察する。
惣介の背は小柄なカフェよりもさらに小さい。
カフェをおばちゃんと呼んだのは、単に自分より(ほんの少しだが)背が高かったからである。
自分より大きい=大人と適当に判断をしたに過ぎない。
田舎の山に棲んでいて人間を見慣れない惣介には、まだ人間の年齢やら何やらの判断は難しいのだ。
要は、人間にとって狸の個体識別が難しいのと同じ理屈である。

――程なくして、一台のタクシーが冥土カフェの前に停車した。

「けふんっ!けほっ!」
円筒型のマフラーから微かに燻る青い煙に顔を近づけると排ガスを吸い込んでむせる。
狸は基本的に好奇心が強く、人間が作ったり設置したものには強い興味を示すのだ。
ドアが開くと、当然真っ先にタクシーに乗り込む。
車内では、総白髪で60を超えているであろうタクシーの運転手が陽気に行き先を聞いてきた。
『どこまで行くんかね?』
「えーと、双神山までお願いします。」
『ああ…あそこね。ハイハイ、カッ飛ばして行くよ。』

「そういえば、ここに来る時は全然外の景色を見れなかったなあ。」
惣介は子どもが電車でするようにシートに膝立ちになる。
来る時は、ゴーストスイーパーを探せるかが気がかりで、ろくに景色を見ることが出来なかった。
改めて窓から都会の風景を眺め、外の景色に夢中になる。
駅の近くに差しかかると車内からは忙しく出入りする作業員の様子が見て取れた。
「何してるんだろう?」
『今、秋葉原駅では巨大駅ナカ商業施設“グランドアキバ”の工事中にゃ。』

やがて、タクシーは雑然とした市街を出て高速道路に入った。
『ハイハイ、ちょっと本気出すね。もちろん安全運転だから心配いらないよ。』
運転手がアクセルをめいいっぱい踏み、エンジンが猛獣の様な唸り声を上げる。
なぜかタクシーの速度計を隠すようにタオルを置く運転手。
疾風の四足獣と化したタクシーが道路を走行する車たちを縫うように…いや、切り刻むように追い越す。

――S県・月見ヶ原市。

高速道路の単調な景色とその他諸々の要因は、時の流れを曖昧にしていた。
ここに来るまでに費やした時間は、ほんの数時間のようにも、或いは十数時間経ったようにも感じられる。
一体どこにあるというんだろうか。 月見ヶ原市は。
辺りは山逢いの田園地帯という感じで民家もまばら。
そこかしこに生えるススキがいかにも郊外の田舎という印象を与える。

「何だか、あっと言う間に着いたなぁ。あ…あそこのM字型の山が双神山です。」

105:名無しになりきれ
09/11/26 22:04:22 O
バサバサバサバサッ

カア~カア~

106:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/11/28 00:45:10 0

恥ずかしながら、帰ってまいりました!ご迷惑をおかけして申し訳ございません!

PC、再びできるようになりました
また俺、書いてよろしいでしょうか?

107:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/11/28 01:00:08 0
【お帰りなさい、牧街さん。もちろん歓迎ですよ。
山の主の仲裁役をしている双見家か、西の峰の妖狐の依頼で来た事にすれば、
すむーずに月見ヶ原市まで来られると思います。
設定も導入ぐらいで、殆ど決めてないので好き勝手に風呂敷を広げても大丈夫です】


108:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/28 01:10:18 0
>>106
【うをおおおおお!! よくぞ帰った!
 いつの間にやら夜がふけてしまったので取り急ぎこれだけすまぬ!
 本編は明日書くぞ】

109:名無しになりきれ
09/11/28 12:34:49 0
ニャコーン
ようかいきつねこ参上

110:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/28 13:02:53 0
>104
>『ハイハイ、ちょっと本気出すね。もちろん安全運転だから心配いらないよ。』
どうやら猫バスならぬ猫タクシーに乗ってしまったようだ!
「うむ。確かにこれなら妾達だけは安全……」
と、呑気な事を言っている場合ではなかった。
(ひゅんひゅんひゅん!)
「おい、窓の外がSFのワープシーンのようになっておるぞ!」
「気のせいにゃ」
そう言われてみれば窓の外には田園地帯は広がっていた。
「気のせいか。そりゃそうじゃ。
トンネルの向こうは不思議の町でした、なんてあるわけないな」
「心配しなくても秋葉原だって十分不思議の町にゃ」

>「何だか、あっと言う間に着いたなぁ。あ…あそこのM字型の山が双神山です。」
「ここから先は車が入れないから歩いてね~」
と、猫タクシーの運転手。

>105
徒歩で双神山に向かう御一行。
カラスの鳴き声が聞こえ、いかにも何か出そうな雰囲気を演出している。

>106
「ニャコーン 、ようかいきつねこ参上!」
あ! 野生 の 妖怪 が 飛び出してきた!

111:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/28 13:06:33 0
師匠「こりゃ、そこのレスアンカーは106じゃなくて>109にゃ!」
カフェ「な、なんてこった!」
師匠「だがもちろん牧街殿の所に野生の妖怪が出てもOK!」

112:名無しになりきれ
09/11/28 22:42:09 0
>>106
恥ずかしがるな!胸を張れ!良くぞ帰ってきた!】

113:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/11/28 23:07:26 0
>>107
ありがとうございます
んでは、お言葉に甘えてちょっと風呂敷広げた方法で登場したいと思います
>>108
ありがとうございます、殿堂編の間に戻って来れず申し訳ありません
んでは、俺も参戦させていただきます(言い忘れましたが、PCに触れられるのは休日と祝祭日のみなのであしからず)


S県、双神山を山二つ越えた先の山、赤目山
その赤目山中腹にあるほら穴を、牧街を含む数名の腕利きの恐山流除霊道場のGSと、恐山流の師範が破邪札を初めとした武器を構えて取り囲んでいる

恐山流除霊道場の面々は、あのアニメ殿堂事件から牧街が抜けて以後ずっと、この赤目山で発生したある怪事件の捜査にあたっていた
その事件とは、校外授業に来た小学生達が血塗れの老婆の集団に襲撃されたというもので
老婆達は明らかにこの世の物ではない動きで動き回り、必死で逃げる生徒達を次々と斬りつけていき、ゲタゲタと不気味に笑ったという
幸いにも死者は出なかったものの、大きな怪我を負った生徒が多々出たため
事態を重く見た地元自治体は恐山流除霊道場に依頼し
その依頼から老婆達の正体が相当危険な物であり、一刻も早い討伐が必要だと感じた恐山師範は、直ちに実動可能な戦力を各地から呼び出し、遂に、数日にわたる調査と、数度の老婆達との交戦を経て、遂にその根城を暴き出したのである

「攻撃開始」
師範の声に、洞穴の横にはりついていた防護服姿のGS二人が、中に何かを投げ込んだ
程なくして、洞穴の中からすさまじい量の煙が立ち上ってくる
この煙には、霊体にとって有害な物質が多数含まれており、これで中の妖怪をあぶりだそうという分だ
が、妖怪達は暫くたっても一向に穴の奥から出てくる気配は無い
それでも、GS達は辛抱強く穴を包囲したまま、煙の立ち込める洞窟を見つめつづける
しばらく、沈黙の時が流れ
「罠だ!!」
「ぇえ!?んなとーとつ…ぬぅわ!!」
師範が叫びを上げ、牧街が地面に伏せた瞬間、数本の包丁がGS達の周囲の木々の間から放たれてきた
「ぎゃ!」
「げ!?」
反応できなかったGSが何人か、斬りつけられたのか刺さったのか、とにかく悲鳴が上がり、それと同時に、木々の間からGS達の倍の数の血塗れの不気味な老婆が現れ、GS達に襲い掛かってくる
「囲まれているぞ!」
「糞!何で気配がしなかったんだ!」
『ゲーーーゲゲゲーー』
半ばパニックになりつつ、破邪札や霊波刀といった武器で応戦するGS達だったが、素早く動き回る老婆らの攻撃に、完全に劣勢に立たされてしまった
「落ち着け!」
霊波の篭った杖で襲い掛かってきた老婆を一刀両断、真っ二つにした師匠が、混乱する弟子達に向かって叫んだ
「んで各自、頑張れ!」
「ぶっ!?」
「ちょっ!」
切羽詰まった状況で間の抜けた事を言う師範に、まじめに何か指示があるんじゃないかと聞いていた弟子達から突っ込みが入ろうとするが
しかし老婆達の猛攻がギャグに入る事を許さない
「~~~~~~~~~~~」
牧街に至っては老婆に組み敷かれ、迫り来る包丁を押さえつけるのに精一杯で、他に構う余裕が無いという有様だ
「ぇえい己等ぁ!もっと頑張らんかぁ!!」
だがそんな圧倒的不利な状況にも関わらず、恐山師範は杖を振るい、元気に叫び、一人大立ち回りを演じている
『ゲ!』
『ケケケ!!』
そんな恐山師範に、老婆達は攻撃を集中し、4~5体の老婆が師範を取り囲んで素早い動きと包丁で縦横無尽に師匠を攻めてきた
如何に一流GSといえど、この猛攻には苦戦を強いられる
さしもの師匠も老婆の攻撃に喋る余裕が無くなったかと思われた、その時

114:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/11/28 23:40:09 0
「じょれぇえはきぃあ”ぃでぅああああああああああぁ!!」
叫び声と共に、師範のコークスクリューが老婆の一匹を吹き飛ばした
しかし、大振りのパンチだったため隙も多く、そこをすかさず複数の老婆の包丁が斬りつける
噴出す鮮血!しかし、師範は怯まない
「いいか!うんこタレ共!ピンチの時程闘志を燃やせ!除霊は悪霊共に心で負けたらもうそこで幸運の女神に後任すしか無くなんだ!わかったら気合入れろ!カス!!」
決して浅くないダメージを負っているにも関わらず、放たれた師範の叫びに、苦戦していたGS達の目に、闘志が甦っていく
「俺はうんこたれじゃねぇああああああああああああ」
「んなとこで死ねるかぁ!俺には少女漫画家になる夢があんじゃああああああああ」
「ダンゴ虫が家で俺の帰り待ってんだよおおおおおお」

程なくして
師匠の魂の叫びでパワーアップしたGS等により、老婆の群れは何とか退治された
しかし、老婆数匹に逃亡を許してしまい、恐山側の被害も、決して少なくなく
戦闘に参加した恐山流GS7名の内、2人が重態で病院に送られ、3人が骨折など除霊に支障が出るレベルの怪我を負い
自らも手傷を負ったため追撃は不可能と判断した師範は山を一時的に封鎖し
新たな討伐隊を編成すると共に、赤目山の裏にある、歩通ノ山とその向こうの山である、双神山に、それぞれ怪我が軽い残ったGS2人を老婆達の逃走を予想し、警戒要員として派遣する事にした

と言う分で…
>>109

>「ニャコーン 、ようかいきつねこ参上!」
>あ! 野生 の 妖怪 が 飛び出してきた!
「どぅおわああああああああああああああああああああ」
牧街は悲鳴を上げて逃げ出した

双神山にはこの男が派遣されてきた分だが、謎の老婆軍団と戦うにしろ、狐達と戦うにしろ、このヘタレが役に立つかは、全くの未知数……いや…火を見るよりも……

とにかく
突然現れたきつねこにびびり、思わず全力ダッシュで逃走した牧街は、双神山に向かってくるタクシーを発見する
「OHナイスタイミング!へーールプ!へーールプ!」
そして、どう見ても悪霊を倒す人間ではなく、ホラー映画の冒頭で主人公の車に助けを求めるキャラの様に、タクシーに助けを求めていく

>>112
ありがとうございます
そう言って頂けると、もう何よりで何よりで

115:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/11/29 01:32:31 0
>114
ススキを掻き分けて飛び出す影。
>牧街「OHナイスタイミング!へーールプ!へーールプ!」
ドンッ!という音と共にタクシーに軽い衝撃が走った。

「あれ、なんか撥ねたのかな? もしかして…。」
途端に惣介の頭に暗い予感がよぎる。 
狸は車のヘッドライトにすくんでしまう習性があり、よく車に撥ねられるのだ。
もしかして撥ねられたのは……。
慌ててタクシーから降りると、目に入るのは呆然とした表情のジャケットを着た人間の男。
「何だ人間かあ……良かった。」


“車は急に止まれない”という言葉がある。
歩行者に車の注意を喚起する標語だ。
乾いた路面を時速40kmで走っている車は、急ブレーキをかけてもその地点から約8m進む。
もし凍った路面なら、車はブレーキを踏んでからも約41mもの距離を進まねば停止できない。
仮に昨日今日に雪が降っていたら、S県の自動車事故による死亡者数が一人増えていたであろう。
要するに妖怪が現れた時でも、歩行者は決して車道に飛び出してはいけないという話だ。


「カフェさんのお知り合いですか?」
タクシーから降り、かくかくしかじかのやりとりをする牧街とカフェを見守る。
どうやら間一髪でブレーキが間に会ったのか、大した怪我でもなさそうだ。
「へー…牧街さんも凄腕のGSなんだ。謎の老婆軍団なんて、とてもおいし…恐ろしいですね。」

116:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/11/29 01:35:53 0
都会の排ガスに馴れた肺に、山から降りて来る清涼で澄み切った冷気が入り込む。
かくして双神山の入口に着いた一向の前に、ひたすら長い石段が現れた。
「では、行きましょう。この階段は全部で2222段あるそうですよ。」

さすがに霊山だけあって森厳な雰囲気。
石段に足をかけると静電気に打たれたような、微かにピリッとした感覚が背筋を走る。
これは霊気で満ちた場所に特有の現象で、霊能者でなくとも感覚の鋭敏な人間なら感じる事であろう。

赤と黄色に色づいた葉の茂る樹陰が晩秋を知らせ、静謐な空気が山の一切を包む。
ふと見上げれば、何処かより湧き出る霧が山の頂きを霞ませる。
――端的に表現するとNHKで深夜に放送されている風景番組の様な光景だ。

やがて道はΨ字路となり、行く手が三つに分かれる。
「階段をまっすぐ登ると双見家です。僕は行った事無いけど巫女の一族が住んでるそうです。
そういえば前に大狸様が、双見家は当主がぽっくり逝って後継ぎを誰にするか迷ってるって言ってたなあ。
僕たちから向かって右の道は東峰に続いてて、反対側が西峰になります。」

西峰の入り口からは、林道の奥に鮮やかな朱の鳥居が建っているのが見える。
「僕たちも何度か西峰の狐たちに仕返しに行こうとしたんですけど、
あいつら“惑わしの九つ鳥居”とかいう仕掛けを作ってて、何度行っても迷ってしまうんです。
いきなり西峰に行くのは危険だから、まず東峰の中腹にある“狸大岩”まで行って作戦を練りましょう。
何だかお腹も空いてきたし、あったかい、バ、バ肉鍋も食…ふぇ…べた、た…い…ふぇ…ふぇくしゅ!」

最後の方は、くしゃみで何を言ったか明瞭としない。

「ここからは東峰です。」
四つ辻を右手に曲がると太いしめ縄が檜に張り渡されるのが見え、そこから先が霊獣の領域である事を示す。
石段も途切れており、でこぼこした獣道はハイキングシューズでないと厳しいかもしれない。

無数の青竹が生える竹林まで歩は進み、辺りは一面くすんだ青みの緑。
「ここは、僕たちがよく腹鼓の練習をしている所で“狸囃子の竹林”なんて呼ばれてます。」
言っているそばからポンポコポンポコ軽快な音が聞こえてくる。

「ここまで来れば、もういいや。ずっと人間の姿だと、ちょっと肩が凝るんだよね。」
ボンッ!と煙を上げて惣介の姿が人間から狸に変わり、軽やかに走り出す。
そのまま竹林の中を分け入ると、開けた場所に鎮座しているのは寝そべった狸の形をしている大岩。

「この岩屋が狸大岩です。こう見えて中は八百八十八匹の狸がくつろげるほど広いんですよ。
とりあえず、戦いの前にあったかい鍋でも食べて元気を出しましょう。
化け狸の作る鍋物はとってもおいしいですから、ぜひ食べて行ってください。」
岩屋の中に入ると、たちまち何十匹もの化け狸が現れて忙しく歓待の準備を始める。
いそいそと座布団を出したり、火鉢を持ってきたり、足湯を用意したり、肩を揉んだりもしてくれる。
やがて二匹の狸によって、湯気が立ち上り、芳醇な香りを放つ、何とも美味しそうな鍋が運ばれてきた。

117:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/30 00:13:51 0
>115
>「OHナイスタイミング!へーールプ!へーールプ!」
「牧街殿おおお! 助けに来てくれたのか……感謝するぞ!」
ヘルプの意味を勘違いしているらしかった。

>「カフェさんのお知り合いですか?」
「そうじゃ。父上の恩人でのう。牧街殿が来てくれたからには安心じゃ!」

>「へー…牧街さんも凄腕のGSなんだ。謎の老婆軍団なんて、とてもおいし…恐ろしいですね。」
「おいし……?」

>116
「何だかお腹も空いてきたし、あったかい、バ、バ肉鍋も食…ふぇ…べた、た…い…ふぇ…ふぇくしゅ!」
「馬肉鍋か! 美味しそうじゃのう」

ゴスロリ傘をステッキ代わりにしながら登っていく。
後で馬肉鍋が食べられるかもしれないと思うとやる気がでるものである。

―狸大岩
「おお、極楽極楽」
狸達の歓待を受けてご満悦である。
「うまいうまい」
平然と馬肉鍋を食べている!

118:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/30 00:22:10 0
「美味しいにゃ~」
カフェと同じく馬肉鍋を美味しそうに食べていた師範であるが、突然箸を止める。
「……にゅ!? 何か来る!」
その数秒後、老婆がよく聞き取れない奇声を発しながら乱入してきた!
『キサマラナニクットンジャケケケ!!』
「馬肉鍋にゃ~~!!」
どう見ても逃走した老婆です。本当にありがとうございました!

119:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/11/30 00:24:59 0
>117  ×ゴスロリ傘 ○ロリータ傘 連投ゴメンネ

120:名無しになりきれ
09/11/30 01:45:43 O



121:名無しになりきれ
09/11/30 09:01:12 O



122:名無しになりきれ
09/11/30 21:11:00 O



123:名無しになりきれ
09/12/01 11:15:16 O
じゃのぅ

124:名無しになりきれ
09/12/01 17:12:11 O
クリスティーヌ?

125:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/12/01 21:29:44 0
化け狸たちによるGSの歓待。

>カフェ「うまいうまい」
>師範「美味しいにゃ~」

箸が忙しなく動き、たちまち減ってゆく鍋の中身。
それを見てケタケタ気味悪く笑い、顔を見合わせる惣介と化け狸たち。
「僕たちの作った鍋は美味しいですか?それは良かったです。
でもそれは馬肉鍋じゃないんですよ。馬肉なんて高価な代物じゃありません。その鍋の正体は……。」
次第に声の調子には陰が籠り、鬱々とした響きのものへと転じてゆく。
明かりに置かれた行燈の炎が揺れると、岩屋の壁に化け狸たちの影が怪しく伸びた。

「……その鍋の正体はなぁ婆肉鍋さ!!!」
周りで甲斐甲斐しく世話をしていた狸たちが、一斉におどろおどろしい妖怪の姿へと変化した!
鬼、天狗、河童、鎌鼬にのっぺらぼう、一つ目小僧にその他諸々の百鬼夜行。
今や惣介の姿も3m以上ある岩屋の天井に届く大入道。
「こんなところまでホイホイついて来ちまったのが運の尽きよ。
俺たちは人間だって構わず食っちまう妖怪だぜ?
霊力を持った者を食らえば、俺たちの力はグンと増す!
さあさ、お前らは鍋にして食おか、刺身にして食おか。」

牧街とカフェ、師範の四方八方を妖怪の群れがグルリと取り囲む。
山椒魚に似た妖怪が、真っ赤な長い舌を伸ばして牧街の頬をチロチロと舐める。
カフェの手にしたロリータ傘はバサリと開き、柄の手先を足に変じてピョンピョン飛び始める。
大蜘蛛は糸を吐き、人魂は踊り狂い、生首が転がり回ってケラケラ笑う。

>師範「……にゅ!? 何か来る!」
>老婆『キサマラナニクットンジャケケケ!!』
師範の声に外を見れば、岩屋の入口には謎の老婆妖怪が立ちはだかっていた。
老婆妖怪はギョロリと飛び出しそうな目玉で岩屋の狂騒を眺め、
手にした大振りの出刃包丁をベロリと舐めながら岩屋の入口を塞ぐ。
まるで逃走を試みる獲物たちが飛び込んでくるのを待つかのように。

『ここは自力で切り抜ける所にゃ~。』
手を貸さずとも大事には至らないとでも思っているのか、
師範は何事も無いかのように落ち着き払って座っていた。

126:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/12/02 22:44:39 0
>125
「な、なんてことじゃ! とりあえず……逃走ッ!!」

逃げ道を塞ぐように老婆妖怪が現れる。
「ひぃいいいいいいいいいいい!!」
婆肉鍋を食べていた所に老婆妖怪とは偶然にしては出来過ぎてはいないか。
仲間が鍋にされた事に怒っているのだと勝手に思い込み、苦し紛れにトンチキな説得を始める。
「待ってくれ! 鍋を作ったのはきゃっつら! 妾は馬肉鍋だと騙されていたんじゃ!
お主の友達の……そうじゃな、クリスティーヌも鍋にされてしまったぞ!」
苦し紛れの説得だが奇跡的に効果はあった。
老婆妖怪はまだ少し残っている鍋に駆け寄って覗き込む。
「クリスティーヌ! ウウ……ソンナ姿ニナッテ……」
なんとなく展開を見守る一同。
「全員許サンケケケケケケ!!」
老婆妖怪は周囲にいる者に見境なく斬りかかり始めた。
まず最初に、運悪く近くにいた山椒魚の妖怪が綺麗にさばかれてしまった!
「あばばばばばば!! どういうことじゃ? 師匠!」
叫びながらも疑問はしっかり師範に尋ねるカフェ。
「人間同士が戦争するのと一緒。妖怪同士でも仲がいいとは限らないという事にゃ」
そして混乱に乗じての逃走を試みる。

127:足長おぢさん
09/12/02 23:57:23 O
チリンチリン

大型自転車が通りますよ

チリンチリン

128:名無しになりきれ
09/12/03 12:25:36 0
ケイ?ケイじゃないか!?ミーさんは元気かい?
誰かと勘違いしているようです

129:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/12/04 18:38:01 0
>>116
「いってて…すんません」
もろ車に轢かれていたのに、いててとかすいませんとか言った程度で済ませ、平然と物語に参加していく牧街
その頑丈さに、轢いた運転手は呆然としていたが、ややあって、大丈夫ですかとおそるおそる聞いてきた

ここから少々運転手との事故の事後処理の話があるのだが、本編と全く関係ない上つまらないので省いておく
結果的に大丈夫だったんだからいいじゃないですかとか牧街が人の良さを発揮し、タクシーも大したダメージも無かったため、何事も無く終わった

良い子の皆さんへ
牧街は凄い鍛えているから車に轢かれても大丈夫なのです
皆さんは車を甘く見ては駄目ですよ、交通安全を守りましょう

>「何だ人間かあ……良かった。」
車の中からの声に、牧街は思いっきりびくっとする
(か…怪人!?もしくは人間をムシケラ程度に思っている類の怪人!?ヤベ、変な妖怪から逃げるのに夢中で余計ヤバイのにあたってもうたか!?)
惣介の発言に、敵の幹部とかが登場する時己の残虐さをアピールするために殺されるキャラになってしまったのではないかとビビル牧街
>>117
>「牧街殿おおお! 助けに来てくれたのか……感謝するぞ!」
と、思ったら、タクシーの中から見知った顔が出てきた
「カフェさんでは無いですか、どうかしたのですか?へ?狐と狸の戦いがあって狐倒すのに協力して欲しい?」
(他所当たってください俺忙しい)
即効でそう言って断ろうとしたところで惣介の背中の少年が、何かこっちにちらっと見せた
「………わかりました、女の子や子供だけを危険にさらしてはおけません、力の限り戦わせてもらいませう!」
先ほどまでのヘタレさはどこへやら
一転して勇敢な態度を見せる牧街
その態度に、喜ぶ惣介とカフェの後ろにいたカフェの師匠が頷いて小切手を懐にしまった
何だか生々しいと思うかもしれないが
牧街が見たのは小切手に良く似たレアフィギアの引換券なので、多分問題ない

とにもかくにもこうして牧街も双神山の騒動に巻き込まれる事となった

130:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/12/04 19:23:08 0
さて、んでもってとりあえず狸等のアジトに入ってきた牧街
景色は美しく、自然は豊かで、彼の顔は……微妙である
(あー…こーゆーとこに師匠がいないのに来る事になるたぁなぁ…)
どうやら過去にこーゆーとこでヤバイ修行を課せられた事があるようだ
惣介が林の説明で「練習」と言う言葉を使っただけでも、ビクッとしている
車に轢かれても平然としている人間ができるまでの日々は、相当過酷な物だったのだろう

で、ユニークなデザインの岩屋の中で、狸らのもてなしを受ける事となったのだが…
(………そういや狸って雑食だったよな…)
カフェ等と席を同じくした牧街は、馬の肉以外にミミズとか入ってるんじゃないかと一瞬戸惑ってしまう
この辺、ヘタレで臆病な生き物は用心深い
(後で変な病気になったらヤダナぁ…うぇ…)
しかし、横で子供二人(実はどっちも牧街よか年上だが)がもくもく食ってる手前、自分も手をつけないわけにもいかない
おそーるおそる肉をつまんでみて
「ん、上手い」
普通に食べ物の味がしたので、そのまま普通に食べてしまった
この辺、馬鹿な生き物は信じたものを疑わない

ややあって、鍋の中身が全滅し、狸らがケタケタ笑い出した
背筋を冷たいものがすーっと登っていく
>「僕たちの作った鍋は美味しいですか?それは良かったです。
>でもそれは馬肉鍋じゃないんですよ。馬肉なんて高価な代物じゃありません。その鍋の正体は……。」
この辺で、既に牧街は口から泡吹いていた
間違いなくはずれを引いたという核心に、牧街の頭の中は真っ白になっていく
>「……その鍋の正体はなぁ婆肉鍋さ!!!」
一瞬、きょとんとなる牧街
(…うん○の鍋?いや、それならババ(糞)鍋っていうわな)
どういやら、婆の肉の鍋だという事が一瞬で理解できてなかったようだ
しかし、次の瞬間惣介らが一斉に妖怪化したため、我に返って仰天する
「ぉひ………」
ただ妖怪が出るだけならともかく、カフェの持っていた傘まで妖怪化したところから、もう何かとにかくとんでもない状態のようだ
しかも、カフェの同僚らしい少年も妖怪に毒されたのか、何か妙な事を落ち着いて言っている
そんなとてつもない状態に牧街は最早声もでず、即効ダッシュで出口へ向かおうとした、その時
>老婆『キサマラナニクットンジャケケケ!!』

131:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/12/04 20:21:05 0
例の老婆が岩戸の前に現れたのだ!
驚いた牧街はネズミを見たドラえもんの様に高く飛び上がり、全力で岩屋の壁まで後退する



老婆の行動に注目していた牧街の表情が、少しずつ、冷静さを帯びてきた
>「クリスティーヌ! ウウ……ソンナ姿ニナッテ……」
>「全員許サンケケケケケケ!!」
叫んで暴れ狂う老婆と、それに応戦する妖怪達
しかし、何か足の長い自転車の男とかが出てきたと思ったり、老婆が途中で妖怪の内の一匹をケイさんなどと言って声かけたりと、何だか支離滅裂な展開だ
牧街はため息を一つすると、懐から無線っぽい物を取り出す
それは一瞬うねった後、ガマへと姿を変えたが、構わずに牧街は話し始めた
「師範!こちら牧街、妖怪の群れに取り囲まれました!もう助かりそうにありません!俺に構わず、すぐに砲爆撃で双神山一帯を吹っ飛ばしてください!」
ぎょっとして行動を止める妖怪達に構わず、牧街は通話を続ける
「ナパームも対地ミサイルも使って結構です!穴の中に隠れていようが林に逃げ込もうが構わない程に吹っ飛ばして焼き払ってください!それと山から出てくる奴がいたら全て妖怪です!構わずに発砲し…」
『ちょ、ちょっと、ストップ!待った!』
妖怪の内の一匹が慌てて牧街の言葉をさえぎり、他の妖怪たちの視線がそいつに集まっていく
『く…食わない、お前だけ、助けてやるから、そんな物騒な事は』
「師範!空爆の必要も…」
『ギャーーー!やめて!もうB29はイヤだーーーーーー』
牧街の脅しに悲鳴を上げたのは、なんとあの老婆だった
老婆は慌ててぼんっと音を立てて老狸に変わり、牧街の足にすがりついてくる
『おねげーーーします!爆撃しないで!焼かないデーーーー!』
老狸の態度に、牧街は軽くため息をついてガマになった無線機を懐にしまった
通話状態は最初からOFFになっている
「………砲爆撃何かできませんよ、幾ら恐山GSだって、軍隊じゃないんだからそんな事できません」
牧街の言葉に、老狸は安心したのか、再び老婆に変わり、ぴょんと飛びのいて包丁を構えた
『ケケケケケケ!よくも騙したなGS~!ワシのこの包丁で貴様の舌を』
「爺ちゃん、もうバレテルよ」
再び勇んで戦おうとする老婆に、切り殺された山椒魚がのたのた近づいて行き、言った
へ?んな馬鹿なと再び暴れようとする老婆妖怪を他の妖怪…いや狸らが押さえつけにかかっていく
「………もう少し人選…いや、狸選に気をつけてください、あんなのに家の道場のGSは遅れを取りません」
自分達が痛手を負わされた妖怪の役に、半分ボケたような老人を選ん事を咎めるために言葉に少しトゲを持たせながら、牧街は3mの巨人に向けて言った

牧街は自分には自信は無かったが、自分の所属する恐山流のGS資格者達の実力には心から自信を持っていた
そのGS達が、あんな半分ボケたギャグ妖怪には絶対負けない
そんな味方への確信が、腕試しだか、追い返しだかという狸達の自分達への化かしを破ったのである

つまり、老婆出してくれたおかげで運よく本来絶対見破れない術を見破ったのだ

132:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/12/05 00:26:43 0
>牧街「………もう少し人選…いや、狸選に気をつけてください、あんなのに家の道場のGSは遅れを取りません」
「あっちゃー…やっぱりばれてたか。だから僕は止めようって言ったんだけどなあ。」
『何言ってるんだよ。惣介もノリノリだったじゃないか。』
『丸爺しゃんに任せなかったら、成功してた~のに~!』
ボン!ボン!ボン!と一斉に妖怪変化を解いて、言い合いになる化け狸たち。

「皆さん済みません…。腕試しなんかをしてしまって。
でも妖孤は危険な妖怪で、その上謎の鬼婆も暴れ回ってるわけですから必要かなあと思って…。
あ…決して途中から化かすのが楽しくなったわけではありませんよ。本当に本当です。」

ぺこりと頭を下げる惣介。
化け狸たちは基本的に悪戯好きな妖怪であり、しばしばこういった真似をするのだ。
たまに度が過ぎて、GSに退治されてしまう狸もいるようではあるが。
「あ…ちなみに鍋の具材も鬼婆妖怪の肉じゃなくて山で取れた雉の鍋です。
いくら僕たち化け狸でも、得体の知れない妖怪の肉なんて鍋にしませんって!
まあ昔話なんかでは婆汁を食べてますけどね………あれはあんまりおいしくないそうですよ。」

「――ところで謎の婆妖怪の正体っていったい何なんでしょうね?
実体を持ってるみたいだし、悪霊というより妖怪っぽいですけど……うーん。誰か知ってる?」
惣介が仲間の化け狸に問うと、先程河童に化けていた太郎丸が進み出る。
『赤目山の老婆かぁ……あそこの山の主が零落しちまって妖怪になったんじゃないかねぇ?
山姥って妖怪がいるが、あいつらも元々は山の神だしなぁ。
もしかしたら山霊が祠か何かを壊されて怒ってたりするんじゃないかい?』
「うーん。じゃあ赤目山を調べないと分からないね。」

すかさず、他の化け狸より一回り大きい次郎丸が違う違うと口角泡を飛ばして別の意見を述べる。
『いやいや妖狐だよ!奴の手下ならやりかねないって!絶対そうだ!
最近この辺りをうろついてる“きつねこ”っていう狐だか猫だか分からないのが特にアヤシイ!
まったく…化かすだけならともかく、鬼婆の集団に化けて人間を襲うなんて太ぇ奴らだ!
こうなったら、さっそく皆で西の峰に行って全面戦争だ!』
「やっぱり狐たちが化けて暴れてるのかな…?」

ひと際小さい化け狸、九郎丸も話に乗り遅れまいと輪に加わる。
『そういえば三日前に隣山の歩通ノ山で、何かの呪い(まじない)をしてた怪しい奴を見かけた~でしゅ~!
何だろうと思って後を付けたけど、すぐに巻かれてしまったでしゅ…。』
「歩通ノ山は霊山でもないし、これといったおかしな話も聞かないけどなあ。うーん。
もし狐の仕業じゃないなら、僕たちだけじゃ手に負えないかも知れない…。
あ…そうだった!こんな時の為に凄腕の専門家の方たちを連れて来たんだった。」

惣介は葉っぱを頭に乗せて、再び少年の姿に変化すると床に手をつく。
「牧街さん、カフェさんにお師匠さん、改めてお願いします。
どうか、この辺りの山で起きている異変を解決してくれないでしょうか?
無事に解決してくれたら、僕たちの宝の金の茶釜を差し上げますので……どうかお願いします!」

133:カフェ ◆YNbEhcUF/I
09/12/05 23:46:41 0
>131
牧街は見事に狸達の化かしを暴いてみせた!
「すごいぞ、牧街どの!」
鍋も雉だったようで一安心である。
「あの程度を見抜けないとはカフェはまだ修行が足りにゃいにゃあ。
まあ最初の妖怪のボケを引きだしたからよしとするにゃ」
「そういう師匠もちょっと焦っておらんかったか!?」
「き、気のせいにゃ!」

>132
>「牧街さん、カフェさんにお師匠さん、改めてお願いします。
どうか、この辺りの山で起きている異変を解決してくれないでしょうか?
無事に解決してくれたら、僕たちの宝の金の茶釜を差し上げますので……どうかお願いします!」
「うむ、任せるがよい!」
散々化かされた直後だというのに二つ返事なのは、人がいいから……
ではなくきっと金の茶釜の威力が絶大だったのだ。

惣介達の会話をもとに推理をする。
推理といっても、もちろんヲタク的思考を駆使した妄想である。
ヲタは黒幕や第三勢力が出てくる展開が大好きなのだ。
「むむむ、黒幕の陰謀を感じるのう……。
狐と狸に仲たがいをさせ共倒れになるのを虎視眈々と狙っている何者かの!
日本の伝統的な化ける動物は狐と狸が二大勢力だが、実はもう一つある。
化け猫だ! 平成狸合戦ぽんぽこでそう言っておった!
きつねこの正体はねこのような妖狐ではなく狐っぽい化け猫かもしれぬ。
歩通ノ山には猫は住んでおらぬか?」

134:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/12/06 20:40:38 0
>>132
惣介の謝罪の言葉と、カフェのねぎらいの言葉に、牧街の表情は微妙だ
(アレ…偶然見破れただけなんだけどなぁ……)
自分の力を過大評価されて送られる現場に、ろくな所は無い
下手すれば死ぬ、ソレは嫌だ、嫌過ぎる
「あの…やっぱお」
>まあ昔話なんかでは婆汁を食べてますけどね………あれはあんまりおいしくないそうですよ。」
…牧街の背筋に、再び冷たいものがよぎった
牧街の実力では、この場の狸らが本気出して襲ってきたら、まず間違いなく無残な最期を迎える事となるだろう
そう、彼等は悪魔で妖怪なのだ
迂闊に断ると、どんな目に合うかわからない
そこでここはとりあえず、抜けるタイミングを待つことにする

ともかく話題は赤目山に出現した謎の老婆の物へと移り変わる
>もしかしたら山霊が祠か何かを壊されて怒ってたりするんじゃないかい?』
「いえぇ、その節は師範も思いついて、赤目山のそう言ったポイントを調べてみたんですが、特に異常は見られませんでした、えぇ」
赤目山の基本的な調査は、恐山流のGS達が赤目山についてすぐ、既に行われており
その結果、山の霊や山の霊的ポイントなど、山に元々ある霊的な物に特に異常は見られず
また、赤目山に関係する資料からも赤目山と老婆に関係する記録は発見できなかったため
老婆は赤目山が産み出したものではないという結論が既に出ていた

>『いやいや妖狐だよ!奴の手下ならやりかねないって!絶対そうだ!
「うーん…、いやその説もちょっと違う気がします、そんな事すれば狸の他にゴーストスイーパーまで敵にまわす事になりますから、狐にとってマイナスでしかないと思うんですよ、えぇ」
狐が欲しいのは、狸等の話しを聞く限り、この双神山だ
それならばわざわざ赤目山まで行って人間を襲う理由は無いはずである

ますます敵の正体がわからなくなってきた、その時
>『そういえば三日前に隣山の歩通ノ山で、何かの呪い(まじない)をしてた怪しい奴を見かけた~でしゅ~!
「……それは…調べる必要があると思います、ええ」
第三者の登場に、牧街の顔が真剣みを帯びる
ここまでの話を総括すると、あの老婆達はやはり何者かが送り込んだ可能性が高いのだ
その何者かが老婆と関係あるにしろ無いにしろ、絶対に調べてみる必要がある

>「牧街さん、カフェさんにお師匠さん、改めてお願いします。
「あ、えぇ、はい、元々そのつもりで来てまして…」
改まった態度に、元々その事件を解決すべくこっちに来てる牧街は何だか申し訳が無くなり、ぽりぽりと頬をかく
報酬は師範からも出るし、協力費としてカフェの師匠からも小切手を貰う事になっている
この上狸達から金の茶釜を貰ってしまっては、来世でろくな事が無さどうだと思ったのだ
(でも、茶釜は欲しい)
しかし、除霊不能の勿体無いお化けが何匹も取り付いている牧街はそのまま金の茶釜を貰う事を承認せんとして…
「…はい、茶釜は結構です、えぇ、はい」
茶釜を見て、何かを感じたのか、牧街は茶釜の受け取りを断ってしまった
(アレは…無理だ)
金の延べ棒よりずっと大きな茶釜を見ながら、牧街は首を横に振る
何故牧街が茶釜を諦めたかは、この場では伏せておこう。ヒントを言うと、茶釜は純金製だ

135:牧街 ◆GwyfLokZWa7/
09/12/06 21:06:19 0
>>133
しかし、どうやらカフェは茶釜の受け取りを承認したようである
(……カフェさん、意外と…)
その判断に、牧街は少々の間感心したようにカフェを見ていると、カフェはおもむろにとんでもない事を言ってきた

>「むむむ、黒幕の陰謀を感じるのう……。
「心当たりあるんですか!?」
意外、といった表情でカフェを見た牧街は、続く言葉にほうほうと納得する
「なる程…でも、何故双神山を狙う歩通ノ山の化け猫が赤目山で暴れたりするんですか?勝手に狐と狸が戦って消耗したとこ襲えばいいんだし…」
そこで、牧街はあっと声を上げ、懐から無線機を取り出した
「すんません、師範にこっちで起こってる事を報告してきますね」
そう言って、牧街は席を立ち、しばらく外で何事か会話していたが、やがて動揺した様子で戻ってきた
「今、聞いてきたんですけど、こっちに向かった恐山流の老婆討伐チームが、急な別件で来れなくなったみたいなんです。何でも同じ様な老婆が別の山にも現れて、子供がさらわれたとか何とか…。
とにかく、向こうが片付くまで、こっちは我々だけで何とかするしかないみたいです」
慌てている牧街の言葉に、しかし、狸もカフェらも落ち着いている
彼等としては元々自分等で何とかする問題だったので、恐山流の討伐チームなんぞ来ようが来まいが関係無いのだろう
「…あー…」
一人慌てていた牧街は何となく恥ずかしくなり咳払いを一つすると、惣介の方を向いた
「その…双見家の方々にもお話を聞きたいんだけど、今伺って問題無いかな?」

136:惣介 ◆Sl.qrwsKik
09/12/07 19:45:53 0
>「むむむ、黒幕の陰謀を感じるのう……。(中略) 歩通ノ山には猫は住んでおらぬか?」
何やら始まる陰謀論にざわつく化け狸たち。
「猫かぁ……どうだったかなあ。歩通ノ山にはあんまり行かないし…うーん。
これは歩通ノ山も調べる必要がありそうだなぁ…。
まずは、土地勘のある僕たちの誰かが怪しい物がないかを偵察しに行った方が良いかもしれないね。
半日もあれば一通り調べるには十分だろうけど、大勢でぞろぞろ行ったらすぐに気付かれるし、
偵察に行くのは一人にした方が良いのかな?」

『俺に任せてくれれば、雉にでも化けて空から偵察してくるぜぃ。』
意気揚々と太郎丸が胸を叩く。

『いやいや俺に任せてくれ!見つかりそうになったら地蔵にでも化けてやり過ごすさ!』
葉っぱを咥えて、次郎丸も名乗りを上げる。

『九郎丸はマトリョーシカに化けて潜入するでしゅ~。任せる~でしゅ~。』
甲高い声で主張するのは、すでにマトリョーシカ人形に化けた九郎丸。

『亀の甲より歳の功。この丸爺に任せてつかーさい。
何の変哲も無い路上工事員に化けてれば、婆も襲ってこんじゃろ。』
先程の失敗を挽回するべく、ボケかけた丸爺も立候補する。

「どうしよう……ここは選択を誤ると偵察に失敗するかも知れないけど……そうだ!
誰が偵察に行くかは専門家のGSの人たちに決めてもらおうよ。」
こうして化け狸たちは歩通ノ山偵察の人選ならぬ、狸選をGSたちに任せることにしたのであった。
歴戦のGSたちに任せれば、万が一にも狸選を間違う事はあるまい。


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