09/12/11 09:36:59 0
老翁の声「首尾は上々ですな、師(マエストロ)」
少年の声「ふふふ…そうだね。僕の可愛い子供達が、続々と目覚めているよ」
青年の声「我々の叡智と辛苦の結晶の有用性が、今ここに証明されつつあるのです!」
少年の声「そう。僕の造った最高の生体兵器…ダリダン・シードの、ね」
青年の声「人間に取り憑き、その体を餌とし、同時に繭として成長する寄生生物…」
青年の声「自らの手を汚さず、無駄な血を一滴たりとも流さずして勝利を我が物にする究極の兵器…」
少年の声「なのに…この街の愚か者共は、僕の心血を注いだ研究を認めなかった!」
老翁の声「そして、あろう事か我らを摂理に背く敵として追い落とした!」
老翁の声「許さぬ…。決して、許さぬ!つまらぬ倫理に縛られ、進歩を否定する愚物めが!」
青年の声「なれば彼奴らのその愚挙は、我らが成果を自身の身体で体現する事で知らしめよう!」
老翁の声「されど、あの憎き議長殿は異界の魔に取って代わられた様ではありますな…」
青年の声「…ええ。街の者は知らずして彼女の私兵…いや、傀儡に成り果てている様です」
少年の声「どうでもいいさ。誰が頭だろうと、僕らのすべき事に何も変わりは無い」
老翁の声「仰せのままに。既に因子は散布され、この街の者の半数は我らが手の者となっております」
少年の声「ふふふ…。まさか彼女も、自分の喉元に刃が突き付けられているとは思わないだろうね」
少年の声「工作の最中に、はぐれ炎魔が割り込んで暴れ出したのは計算外だったけど」
老翁の声「子らは高熱への耐性が極めて低い。故に、あれの存在は彼女にも我らにも等しく障害となってしまう…」
少年の声「まあ、この区画の鎮火は済んだからいいさ。ひとまず、炎魔には近寄るんじゃない」
少年の声「当初の予定通り、評議会から落とす。今は戦力の維持と増強が先だ。」
青年の声「はい!」
老翁の声「仰せのままに…」