08/12/15 23:11:46 0
>>244
おまけの方には避けられたけどアイツには二発とも手応えはあった。はずだった。
槍は二本とも胸部に当たってる、しかも一本は確実に心臓を貫いたのに…
「…なのに…なのに、なんでアイツは生きてるのかなぁ?」
―! 銃弾が飛んでくる!弾道は脳天へのコース―
フッと横に顔を逸らし最低限の回避。
相当な距離が空いているんだから避けることくらい簡単だね
「フフフ…面白いことするよねぇ…見えない相手に反撃して来るなんて…
しかも直撃コース。この街の人は本当に面白い…弱かったり強かったり」
体が震える。まさか一撃で倒れない、しかも起き上がってくる相手に出会うなんて。震えが止まらない。
しかし、その震えは―自分では倒せないかもしれない―という意志の現われでもあった。
放った槍は消えた。彼女自身に負担をかけ過ぎないため一定時間を過ぎると自動的に消えてしまうのだ。
与一は再び弓を握り、構える。眼はやはり半開きだったが、生き生きとしていた
「刃物が効かないならぁ…少し疲れるけど…燃やしちゃえばいいんだぁ」
硬度は鋼鉄―内部は油脂焼夷弾―
左手が創りだしたのは先端の尖った鋼鉄のナパーム弾。構造固定完了
落ち着くんだ―相手の位置は分かっている―場所が特定できるなら私にとっては動かない扇の的。
あんなものも倒せずして何が与一だ。アイツを倒さなきゃ私の誇りに一生癒えない傷が残ってしまう
耳当ては風の音を遮ってくれる。与一は落ち着きながら、そして、ただ静かに―
矢を放つ。
槍は風を切りながら炎を纏いアイツの傷口へと飛んでいった。
それはさながら赤い流れ星のように―
星輝く空が見える暗黒に包まれた屋上。真っ白い服装に風に靡く薄い金髪のポニーテール。
辺りが暗かったからなのか、彼女の一連の動作は美しく輝く白い天馬のように見えた―
【ナガツカインテリジェンスビル屋上】
【クロノへとナパーム弾の槍を放つ】